東映=オスカープロモーション
配給:東映洋画
製作年:1988年
公開日:1988年3月5日
監督:澤井信一郎
企画:黒澤満 古賀誠一
プロデューサー:伊藤亮爾 小島吉弘
原作:ディディエ・ドゥコワン
脚本:丸山昇一
撮影:仙元誠三
美術:桑名忠之
照明:渡辺三雄
録音:橋本文雄
編集:西東清明
助監督:鹿島勤
キャスティング:飯塚滋
製作主任:大塚泰之
音楽:朝川朋之
指揮:熊谷弘
音楽プロデューサー:高桑忠男 石川光
主題歌:「ラブ・ストーリーを君に」財津和夫
挿入歌:「さくらんぼの実る頃」岸洋子
・・・:「愛の讃歌」岸洋子
・・・:「HEY!HEY!HEY!HEY!」リトル・リチャード
・・・:「BOO HOO HOO HOO」リトル・リチャード
記録:宮本衣子
撮影効果:長谷川忠治
音響効果:伊藤進一
衣裳:越智雅之
ヘア・メーク:長岡英子
演技事務:河合啓一
スチール:藤沢俊夫 小島由紀夫
製作協力:セントラル・アーツ
出演:後藤久美子 仲村トオル 佐藤友美 柳沢慎吾 なべおさみ
アメリカンビスタ カラー 104分
大学の山岳部に所属する上條明は夏合宿の下見を終えて荒木欽一と東京に帰ってきた。欽一はこれから先輩のコネで会社訪問をすることになっていたが、教員を目指す明は就職活動の心配がないため気が楽だった。気の小さい欽一は一人になるのが不安で喫茶店につき合えと言った。明は嫌だと断るが、落ち着かないからどうしてもと言われ渋々了承した。欽一が先輩に電話を掛けに行ったためカリヨン時計の下で待っていると誰かが声を掛けてきた。その声の主は高校進学時に家庭教師をしたことがある今は高校二年生の広瀬由美だった。母と待ち合わせをしているということですぐに別れたが、明は彼女が大人っぽくなっていることに驚いたのだった。由美の母・友子はおばの吉野琴が理事長を務める料理学校の講師をしており、その日は三人で食事をする約束をしていたのだ。由美は突然の発熱で大学病院に三日ほど検査のために入院し退院したばかりであり、食事会は退院祝いも兼ねていたのだ。それから数日後、由美は学校の帰りに山岳部を訪ねた。夏休みに友子とヨーロッパに行く約束をしたが、山のことを色々と聞くためにやってきたのだ。ユングフラウのようなところに行きたいと相談すると明はそれに関する書籍を貸した。
大学病院で由美を担当する医師の千葉茂樹は病名が急性骨髄性白血病であることを友子に告げた。余命が半年と知り友子は平静を装いながらお医者様ってずいぶん残酷なんですねと罵った。だがすぐに思い直しこれからどうしたらいいんでしょうと訴えると、千葉は入院させてベッドに縛り付けるのは簡単だがなるべくそれは避けたいと言った。死を免れない患者の生き方を最優先し、限られた日々を豊かに過ごさせてあげることが最も人間的な対処の仕方ではないか。千葉が患者に対する心構えを説明するが、それは死を受け入れたところから始まる考え方だった。彼は友子に二冊の本を渡した。そこには同じ病気の子供を持つ親がどう悩みどう接して行ったかが書かれていた。
由美が自宅に帰ると友子は無意識にいつもより明るく接していた。病院に行ったことを聞かれた彼女は由美の病気がリウマチ熱で治療は注射と投薬だけで済むと嘘をついた。明日、学校が終わったら千葉先生のところへ行ってねと言うと由美は素直に受け入れた。だが由美が今一番気になっていたのは自分の病気よりも夏休みの旅行先のことだった。
屋台的映画館
PR