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非行少女ヨーコ

  • posted at:2018-03-24
  • written by:砂月(すなつき)
ひこうしょうじょよーこ
東映(東京撮影所)
配給:東映
製作年:1966年
公開日:1966年3月18日 併映「日本大侠客」
監督:降旗康男
企画:栗山富郎 加茂秀男 吉田達
脚本:神波史男 小野龍之助
撮影:仲沢半次郎
録音:加瀬寿士
照明:銀屋謙蔵
美術:中村修一郎
音楽:八木正生
編集:祖田冨美夫
助監督:内藤誠
進行主任:伊藤源郎
現像:東映化学工業株式会社
出演:緑魔子 大原麗子 城野ゆき 谷隼人 石橋蓮司
シネマスコープ モノクロ 84分

故郷を飛び出してきた高校生のヨーコは幼なじみのタケシを訪ねて東京へやってきたが、中華料理店の厨房で働く彼は忙しくてそれどころではなかった。だがヨーコの身を案じたタケシは、俺がマネージャーに話してやると言って店で働くことを薦めたのだった。彼が働くこの店は住み込みの寮となっているため住処を探す必要がなく、話のわかるマネージャーならきっと了承してくれるに違いないと思ったからだ。タケシの予想は的中しヨーコはウェイトレスとして働くことになった。だが接客に慣れていない彼女の態度はぶっきらぼうで、客だけでなく先輩たちからも白い目で見られた。ある夜、夜這いを掛けてきたタケシと口論になり夜が明ける頃に店を飛び出すと白い外車に乗る中年男に拾われた。男は浅井潤というマンション暮らしの独身ファッションデザイナーで、ヨーコのことが気に入るとスタジオへ連れて行きスタッフに支度をさせた。華やかな衣装を身にまとい化粧を施されたことで彼女は見違えるように美しくなった。その夜、浅井がドレスで着飾ったヨーコを食事に連れて行くと、酒に酔った彼女はこれまで自身に起こった出来事を包み隠さず話し始めた。すると浅井はもっと飲んで全て忘れてしまいなさいとやさしく言った。自宅に戻ると浅井はいい気分になっているヨーコに、ここへ来たときに着ていた服に着替えるように言った。素直に応じると彼は突然襲い掛かりヨーコの服を剥ぎ取ると馬乗りになって顔を叩いたのだった。

信じていた人から裏切られたことでヨーコの怒りは沸々とたぎっていた。夜が明け寝室から出てきた浅井に皆俺の好みを受け入れていると言われたことでひと言ぶつけてやろうとしたそのとき、部屋を訪ねてきたのは恋人の珠江だった。一度は治まったものの彼女からメイド代わりとしてしか務まらないと言われて頭にきたヨーコはつまんないと二人に吐き捨てて出て行った。

行く当てのないヨーコがボウリング場で暇をつぶしていると一人の女が声を掛けてきた。彼女はヨーコを見るなり家出中だと言い当てたのだった。女はハルミという風俗嬢で、仲間たちの溜まり場となっている軽食店に連れて行くと美容師見習いのナロンに世話を任せたのだった。ヨーコに「現代的にシビレル」体験をさせたいと思ったナロンは彼女を紫煙が籠るジャズ喫茶に連れて行った。そこでは睡眠薬ラリハイとアルコールを同時に飲んで酩酊状態になる遊びが流行っており、ヨーコがためらわずにそれを試したことでいち早く仲間として受け入れられた。踊り続けてダウンしたヨーコを介抱したのは予備校を辞めて絵描きを目指しているジロウで、行くところがないヨーコの面倒を見ることに決めた。早速彼女をデートに連れ出したが、映画館でいいムードになりながらもジロウがキスしないため、ヨーコは腹を立ててラリハイに手を出したのだった。

屋台的映画館
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ひみつけっしゃたかのつめざむーびーすりーえいちてぃーてぃーぴーころんすらっしゅすらっしゅたかのつめどっとじぇーぴーはえいえんに
「秘密結社鷹の爪 THE MOVIE3」製作委員会(DLE=テレビ朝日=電通=東宝=MBS=ソニーミュージックエンタテインメント=SBS=白組)
配給:DLE
製作年:2009年
公開日:2010年1月16日 併映「古墳ギャルのコフィー コフンデレラ」
監督:FROGMAN
脚本:FROGMAN
キャラクターデザイン:FROGMAN
録音:FROGMAN
FLASH:FROGMAN
音楽:manzo
主題歌:「夢やぶれて I Dreamed A Dream」スーザン・ボイル
鷹の爪団FLASH部隊 隊長:山脇光太郎
鷹の爪団FLASH部隊:斎藤晃弘 佐藤充夫
鷹の爪団音楽隊 主任:原田扶美子
鷹の爪団録音研究所 所長:はたしょうじ
鷹の爪団録音研究所 副所長:浦畑将
鷹の爪団録音研究所 磁気所員:砂場舞 藤林繁 八巻大樹
鷹の爪団録音研究所 光学所員:利澤彰
鷹の爪団3D班:ヨモギダ
鷹の爪団制作班:水戸崇雄 谷洋一郎 大橋隆昭
クリエイティブ・アドバイザー:谷東
DTSデジタルマスタリング:宇田川浩一 相川敦
製作:椎木隆太 平城隆司 島本雄二 新坂純一 辰巳隆一 北川直樹 桂英治 島村達雄
企画:梅澤道彦 亀田卓 大田圭二 井口真一 小澤誠 吉野悟
ゼネラル・プロデューサー:戸田和宏
プロデューサー:杉山登 本井健吾 松田宜子 古澤佳寛 芝野昌之 杉山剛 村木信男 岩木勇一郎
アシスタント・プロデューサー:岡村和佳菜
現像:東京現像所
配給協力:東宝
製作スタジオ:蛙男商会/DLE
友情監督:山崎貴
声の出演:川村ゆきえ FROGMAN 相沢舞 板東英二 もう中学生
ワイド カラー 99分

2009年春、鷹の爪団の総統は全団員に休暇を命じ、自身は超能力少年の菩薩峠くんとともに栃木の実家に戻っていた。リフレッシュして久しぶりに東京へ戻ってくると、夕べ誰もいないはずの秘密基地に灯りが点いていたと大家から聞いた。不審に思った総統は様子が気になりちょうど帰ってきた吉田くんやフィリップと部屋の中を覗いてみることにした。すると部屋は荒らされ冷蔵庫の中身は食い散らかされていた。レオナルド博士が実家に帰っているとなると、夜分に人の家へ上がり込むのは泥棒かヨネスケかその両方としか考えられなかった。だがソファーで寝ていたのは、泥棒でもヨネスケでもなく宿敵のデラックスファイターだった。目覚めたデラックスファイターは、正義の味方が一々悪の秘密基地に潜入するのにアポイントを取るかよと悪態をつき唾を吐いて出て行った。総統が怒りを押し殺して部屋の片づけをしていると、吉田くんと話しているうちに彼が実家の島根に帰っていないことを知った。島根が見つからなかったというのだ。きみどりの窓口で列車の切符を買おうとしたのだが職員は知らないと言い、端末の画面を見ても載っていないのだ。職員と話しているうちに島根県が最初からなかったような気がしてきた吉田くんは鳥取へ行き、フィリップと観光を満喫したのだった。その結果、島根一の鳥取ボーイとなって帰ってきた吉田くんは鳥取スーパー大使の座を狙っていた。それでいいのかと総統が頭を抱えていると、菩薩峠くんが博士の部屋の様子が変わっていることを指摘した。中の荷物が片付けられ空っぽの状態になっていたのだ。困った総統が入団前の履歴書を引っ張り出してくると、出身地はアメリカのテキサス州と書いてあった。大型液晶テレビを作ってもらいそれを家賃に当てる計画を立てていた総統は、大家が帰ってくるまでに博士を捜し出さなければならなくなった。

ニューヨークの国連本部で演説を行った第45代アメリカ合衆国大統領・オババ(148歳)は、暴力で平和を勝ち取ることは出来ないとして即時核兵器と軍事力の放棄を宣言した。そして世界のパワーバランスを崩さないために他の核保有国へも放棄を願い出たのだった。これによりアメリカの軍事力に頼っている同盟国の多くは大統領の発言の撤回を要求。だが平和は強い武器の上に成り立つものではなく強い信頼に上に成り立つものだと考えているオババはそれを拒否した。その頃、博士はテキサスの実家に戻った後、親友のジュリエットの豪邸を訪ねていた。歌手を目指すジュリエットのスポンサーは音楽ビジネスを展開するウォルター・サドルストーンだが、彼は軍需企業「サドルストーン・コーポレーション」の若き社長でもあった。ウォルターは博士を呼び寄せるためにジュリエットに近づいたのだ。君に作ってもらいたいものがあると願い出ると、博士はジュリエットの助言もあってあっさりと承諾した。

屋台的映画館

ピーナッツ

  • posted at:2018-01-10
  • written by:砂月(すなつき)
ぴーなっつ
「ピーナッツ」製作委員会(マセキ芸能社=コムストック=テレビ朝日=博報堂DYメディアパートナーズ=ケイマックス=イキナエンタテインメント)
配給:コムストック
製作年:2005年
公開日:2006年1月28日
監督:内村光良
製作:柵木秀夫 長澤一史 亀山慶二 安永義郎 工藤浩之 白内寿一
企画プロデューサー:春名慶
プロデューサー:田村正裕 古郡真也
協力プロデューサー:山本隆司
脚本:内村光良 益子昌一
音楽:ロケットマン 梅堀淳
撮影:谷川創平
美術製作:津留啓亮
美術進行:大倉謙介
照明:木村伸
録音:内田誠
編集:田口拓也
VFXディレクター:山本雅之
VFXスーパーバイザー:稲葉貞則
サウンドデザイナー:藤村義孝
助監督:長瀬国博
製作担当:白石治
主題歌:「君の中の少年」NO PLAN
製作プロダクション:ウイルスプロダクション
出演:内村光良 三村マサカズ 大竹一樹 ゴルゴ松本 レッド吉田
アメリカンビスタ カラー 115分

スポーツライターの秋吉光一は生まれ故郷である山梨県富士沢地区に久しぶりに戻ってきた。だが商店街にかつての面影はなくシャッター通りと化していた。彼が最初に向かった先は、1995年の甲州軟式野球大会で優勝をともに経験した後輩で草野球チーム「富士沢ピーナッツ」のメンバーの相楽和雄だった。彼が経営する酒屋は辛うじて営業を続けていたが、客足が少ないことで棚の商品には埃が被っていた。突然の訪問にボーっとしていた和雄は一瞬で正気に戻り、大事にしていた光一の本「たかが草野球」を見せて興奮気味に語った。地元で塾の講師をしていたときにピーナッツのことを書いた原稿を送ったら出版社に認められて上京したのだ。気になっていたそのピーナッツのことを尋ねると、和雄は年々メンバーが減り続け試合にならないことがあると説明した。それを聞いた光一は、もう一度野球をやりたいからメンバーに入れてくれないかなとさりげなく言った。夏のトーナメントの登録締め切り日にはまだ時間があり、参加してくれそうなメンバーを急いで探せば何とかなるのではないかと思っていたからだ。そうまでして熱心に野球をやろうとする光一に和雄はある質問を投げかけてみた。仕事はどうするんですか、と。動揺した光一は目を逸らし、ひと通り終えたところだから長期の休みを取ってしばらくここにいようと答えた。

和雄がまず最初に向かったのは宮本音楽堂というCDショップだった。現メンバーで店長の宮本良一は、野球のセンスは全くないが足は人一倍速かった。次に向かったクリーニング店・ニコニコ堂には秋山ハルオ、ナツオ、アキオという全く似ていない三兄弟がおり、商業連合の組合長で監督の草野務の関係で入部した。光一が気になっていたのは優勝メンバーで、そのうちのひとりの赤岩登は幼稚園で働いていた。彼の妻は当時マネージャーを担当していたアカネで、今は乳がんで闘病していることから和雄は誘うのを遠慮していたのだった。和雄が次に案内したのは商業連合の入るビルだった。そこの組合長室にはピーナッツに関する数々の品が飾られており、二人が思い出話に花を咲かせていると務が現れた。

三人が訪れたのは小鉄という名の小料理屋だった。その店の主人も元ピーナッツのメンバーで、光一がトリプルプレーを決めた決勝戦で最後までマウンドを守ったものの右肩を壊した勝田一鉄だった。その影響で野球から足を洗った彼は脱サラして板前になり、金髪の女房トスカーナと店を切り盛りしていたのだ。何しに戻ってきたんだと務が尋ねると、光一はただ野球がやりたかっただけだと答えをはぐらかした。やがて話は商店街の再開発のことになり、和雄は絶対反対だと怒鳴った。その計画は地区一帯に商業施設や公共公益施設、観光施設などの開発が予定されており、野球場には都市型住宅が建設されることになっていたのだ。野球場がなくなることを知った光一はやるせない気持ちになった。

屋台的映画館

ひとり狼

  • posted at:2017-10-27
  • written by:砂月(すなつき)
ひとりおおかみ
大映(京都撮影所)
配給:大映
製作年:1968年
公開日:1968年4月20日 併映「怪談雪女郎」
監督:池広一夫
製作:三浦信夫
企画:辻久一
原作:村上元三
脚本:直居欽哉
撮影:今井ひろし
録音:林土太郎
照明:山下礼二郎
美術:太田誠一
音楽:渡辺岳夫
編集:菅沼完二
擬斗:宮内昌平
助監督:溝口勝美
製作主任:村井昭彦
主題歌:大映レコード
歌:ウイリー沖山
現像:東京現像所
出演:市川雷蔵 長門勇 小川真由美 岩崎加根子 長谷川明男
シネマスコープ カラー 83分

上松の孫八は自分の人生において多大な影響を受けた人物を回想していた。その男は追分の伊三蔵という筋金入りのやくざ者で、人斬りという通名の方が合っていた。一つ場所に三日といたことがなく、兇状を重ねていつも誰かに狙われている覚悟が体に沁み渡っていた。親分なしの子分なし、誰もそばへ寄せ付けずまさに一匹狼そのままの男だった。孫八が伊三蔵と最初に会ったのは雪が舞う信州塩尻峠でのことだった。用心棒多賀忠三郎と二人のやくざに囲まれ今まさに斬り合いが始まろうとする場面に出くわした孫八は助太刀を申し出たが、伊三蔵はそれを断ると一瞬のうちに三人を斬り捨てたのだ。そして早く行かないと巻き添えを食うぞと孫八に伝えると歩を進めたのだった。

翌年の冬が終わる頃、上州へやってきた孫八に駆け出しの半次が相乗り仁義を申し出た。面倒見のいい孫八は坂本宿の与左衛門を訪ねて一緒に草鞋を脱ぐことにしたのだが、そこで伊三蔵と再会した。出入の際には伊三蔵が手を貸した方が勝つと決まっていることから何処の貸元も彼を助っ人に頼んだ。理由はそればかりでなく博打も神業の手並みであることから重宝された。百姓暮らしが嫌になって任侠の世界に足を踏み入れたものの右も左もわからない半次にとって所作の正さや博打場での礼儀など完璧な伊三蔵は憧れの存在だった。一日も早く一旗揚げたいと考えていた彼は寝入った伊三蔵の命を絶とうとしたが、浅はかな行動は見透かされていた。暗闇に響く鍔音に「恨みのないお前だとわかっているから良いようなものの、さもなければこのドスがお前の首根っこに食い込んでいただろうぜ」と伊三蔵は言った。それを聞いた半次は腰を抜かして詫びたのだった。

明くる年の春、三州平井を縄張りにする雲風の亀吉親分が先代の法要を営んだ。孫八は病中の甚平親分の代理で線香を供えに訪れたのだが、後で開かれた花会の席で伊三蔵を三度見かけた。何としてでも兄弟分になりたい孫八は、伊三蔵が小料理屋に入ると彼も偶然の体で酒と肴を頼み遠くから様子を窺った。そして訳ありの酌婦と何やら話し始めると席を立ち、隣に座ると一杯行こうと自分の酒を注ごうとした。だが俺は一人勝手だから奢られるのは好かないと伊三蔵は断ったのだった。それを見たお沢は友達になる気だったら止めた方がいいと忠告した。彼女は伊三蔵のかつての女で、捨てられたことを根に持っていたのだ。お沢が愚痴を始めると伊三蔵は銭を置き付き合ってくれと孫八に言った。店から出て行こうとする伊三蔵を呼び止めたのは、塩尻峠で不具にされた忠三郎の年来の朋友だという侍の斉藤逸馬だった。

屋台的映画館

必殺仕掛人 春雪仕掛針

  • posted at:2016-11-01
  • written by:砂月(すなつき)
ひっさつしかけにんしゅんせつしかけばり
松竹
配給:松竹
製作年:1974年
公開日:1974年2月16日 併映「怒れ毒蛇 目撃者を消せ」
監督:貞永方久
製作:織田明
原作:池波正太郎
脚本:安倍徹郎
撮影:丸山恵司
美術:梅田千代夫
音楽:鏑木創
主題曲:平尾昌晃
録音:平松時夫
調音:松本隆司
照明:三浦礼
編集:太田和夫
監督助手:熊谷勲
装置:川添善治
装飾:印南昇
進行:玉生久宗
擬斗:湯浅謙太郎
かつら:八木かつら店
衣裳:松竹衣裳
現像:東京現像所
製作主任:内藤誠
出演:林与一 緒方拳 岩下志麻 夏八木勲 地井武男
アメリカンビスタ カラー 89分

新年早々、人足口入稼業の音羽屋半右衛門から呼び出しを受けた針医者の藤枝梅安は、前金として七十五両を渡すことを条件に、奉行所に捕まる前に三人の盗賊を始末するという依頼を受けた。半右衛門は表稼業は口入屋だが、裏稼業は世の為にならない人間を消す仕掛人の元締をしていた。日本橋の漆器問屋・小津屋に盗賊が押し入り、店の者や女子供までが惨殺され金品が奪われた。梅安は近頃の盗人はやり方が荒っぽくて仕方がないと笑ってみたが、半右衛門は多くを語らなかった。この仕事を依頼したのはかつての盗賊で今は花屋をしている小兵衛だった。小兵衛は盗賊仲間徳造の娘・お千代を育て上げたが、小津屋の後妻に入った彼女が事件に巻き込まれたにも拘らず生きており、身代わりとなった女の顔が見分けがつかない程ズタズタに斬られていたことから、お千代が手引きしたに違いないと考えていた。そこで彼女を立ち直らせるには勝四郎、三上、定六を殺すしかないと思いつき半右衛門に三人の始末を依頼したのだった。

梅安はまず足抜けしようとした遊女を金で買い彼女らで一儲けしようと企む定六に的を絞った。まず銭湯でくつろぐ彼の背後に回ると脳髄に針を突き刺すとさりげなくその場を去った。そして定六の異常に気付いた客たちが騒ぎ始めると医者として現れ死を確認した。遺体が長屋に運ばれるとおりんに早くおっかさんのところへ帰りなさいと身請けの証文と小判を渡した。仏もたまには人助けをするんですねえと笑いながら部屋を出て行く梅安を憎しみの目で追っていたのは浪人の三上だった。彼は梅安を追いかけ斬りつけたが、梅安はひらりと身をかわすと脱兎のごとく逃げ出したのだった。逆に命を狙われる立場になった彼は自宅に戻ると身支度を整え、居候をしている浪人の小杉十五郎に一声掛けて出て行った。

小兵衛は定六が始末されたことを知ると音羽屋に立ち寄った。半右衛門は、お千代は生かしておいても為にならない女だと言ったが、小兵衛は自分が娘同然に育てたこともあって周りの男たちに騙されているだけだと譲らなかった。それを聞いた半右衛門が後で悔やむことになりますよと忠告すると小兵衛は言葉を失った。その頃、お千代は三上、山次と大坂屋の寝所にある三千両を強奪する計画を話し合っていたが、定六が仕掛人によって昨夜殺されたことを知ると顔色を失った。

三上が執拗に梅安の命を狙う理由。それは梅安が仕掛けた女が彼の女房だったからだ。料理屋の仲居をしていた三上の女房は女将を毒殺して店を乗っ取った。梅安は依頼を受け仕掛けを成功させたが、その際に三上から顔を見られていたのだ。奴が探り出してきた時が俺の命の境目だと梅安は自分に言い聞かせ、明後日の暮れ六つに自宅へ戻る覚悟を決めた。

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