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無責任遊侠伝

  • posted at:2024-04-11
  • written by:砂月(すなつき)
むせきにんゆうきょうでん
東宝
配給:東宝
製作年:1964年
公開日:1964年7月11日 併映「悪の紋章」
監督:杉江敏男
製作:渡辺晋 安達英三朗
脚本:池田一朗
撮影:完倉泰一
美術:村木忍
録音:小沼渡
照明:猪原一郎
整音:下永尚
音楽:宮川泰 荻原哲晶
挿入歌:「馬鹿は死んでも治らない」ハナ肇とクレージーキャッツ
・・・:「無責任数え唄」ハナ肇とクレージーキャッツ
振付:竹部薫
監督助手:野長瀬三摩地
編集:小畑長蔵
合成:三瓶一信
現像:東京現像所
製作担当者:島田武治
協力:パン・アメリカン航空
出演:植木等 谷啓 ハナ肇 浜美枝 白冰
シネマスコープ カラー 87分

生まれつきの博才の持ち主でパチンコ、麻雀、競馬と常に勝ちまくる上田ヒトシ。そんな彼も日頃はホテルのボーイとして働いている。ある日、結婚披露宴で貿易会社阿波商事の花木常務と来賓の男が話しているのを聞いたヒトシは居ても立っても居られなくなった。賭け事好きの二人は花嫁のヒールのサイズを当てようとしていたのだ。話に割り込んだヒトシもその賭けに乗り、確かめるためにかかとが取れ掛かっている花嫁に近づいてヒールを拝借をしたのだった。彼は二人の前でサイズを確認しまんまと2万円をせしめたのだった。負けて悔しい花木は、今度は花嫁のヒップのサイズで勝負だと言い出し、それがきっかけで披露宴は大混乱となりヒトシはボーイ長からクビを言い渡された。事の顛末を知った阿波商事社長令嬢の阿波啓子は、あなたのせいでこうなったのだから責任を取りなさいと花木にヒトシの就職を世話するよう命じた。

花木は式場のホテルから出てきたヒトシを呼び止め、済まないことをしたと謝った。そして常務としての僕の特別な権限で入社させると持ち掛けるが、僕は会社勤めには向いていないんですとヒトシは頑として聞き入れなかった。そこで賭けで決めることになり、花木は信号待ちしている二台の自動車のどちらが先に動くかで勝負することにした。ここでもヒトシの博才は冴えに冴え、その後もいろいろな賭けで勝ち続けた。何度負けてもしつこくついてくる花木に嫌気がさしたヒトシは最寄りの寺に逃げ込んで撒くことに成功したが、そこにいた泉カネ子に捕まった。彼女はヒトシの婚約者であり、その寺の呑海和尚の娘なのだ。カネ子は博奕を止めることを結婚の条件としていたのだが、ヒトシと一緒にお茶を飲むためにホテルに電話をしたことでばれたのだ。おかんむりのカネ子は反省させるために父親のところへ連れて行くが、呑海は怒るどころか勤めをしながらでも賭け事は出来るはずだと諭した。そして娘の言うことなど聞くふりをしてうまくやればいいし、神妙に御勤めをしていればきっと怒りも収まるだろうと言った。するとそこに陳秀明という中国人が訪ねてきた。彼が経営する陳公司という会社は東洋のモナコと呼ばれるマカオでギャンブルの施設を運営しており、ヒトシの博才に惚れ込んでスカウトに来たのだ。ヒトシは二つ返事で引き受けようとするが、すぐにカネ子にばれてしまった。

屋台的映画館
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息子(1991年)

  • posted at:2022-11-25
  • written by:砂月(すなつき)
むすこ
松竹映像
配給:松竹
製作年:1991年
公開日:1991年10月12日
監督:山田洋次
総指揮:大谷信義
プロデューサー:中川滋弘 深澤宏
原作:椎名誠
脚本:山田洋次 朝間義隆
撮影:高羽哲夫
美術:出川三男
音楽:松村禎三
照明:青木好文
録音:鈴木功
編集:石井厳
スチール:金田正
調音:松本隆司
美粧:宮沢兼子 田村滋男
装置:守篤信
装飾:露木幸次
進行:副田稔
題字:榊莫山
監督助手:五十嵐敬司
製作担当:峰順一
衣裳:松竹衣裳
現像:IMAGICA
出演:三國連太郎 永瀬正敏 和久井映見 原田美枝子 田中隆三
シネマスコープ カラー 121分

東京で一人暮らしをする浅野哲夫は新宿の居酒屋でアルバイトをしているが、帰りはいつも朝方になる。ある日、いつものように帰宅すると父親の昭男から電話が掛かってきた。その日は母・きぬ江の一周忌だったが、帰ってこなかったため忘れているのではないかと心配になったのだ。そのことは覚えていたが、次男の自分がわざわざ帰る必要はないと思っていた。だが昭男は今から支度して新幹線に乗れば1時の法要に間に合うと言って一方的に切った。岩手県か、と哲夫はつぶやいた。親戚に何を言われるかわからないという昭男の言葉が気になり哲夫は着の身着のまま岩手に向かった。何とか時間内にお寺に着いたが、兄の忠司から服装を注意された。彼のアロハシャツにジーンズという姿は厳粛な場にそぐわなかったからだ。着替えはまだバッグに入ったままだった。

法要は滞りなく終わり、その夜哲夫は実家で過ごすことになった。そこには昭男と忠司の他に忠司の妻の玲子と二人の子供たち、昭男の弟の守とその妻の綾子、昭男の長女のとし子と夫の徹がいた。昭男が徹にあげたい物があると言って自分の部屋にハワイ土産でもらったウイスキーを哲夫と取りに行くと、守はせっかく兄弟が集まっているのだから今後の親父のことを話し合ったらどうだと言った。どうするのかと守が尋ねると、忠司は父を迎えるつもりだから千葉にマンションを買ったんだと答えた。すると玲子が後を継ぎ、昭男が来れば子供たちが喜ぶだろうが11階ということもあってそこから見える風景を喜んでもらえるかわからないと言った。それを聞いた綾子が庭付きの家は無理なのかと尋ねると、忠司は今どき東京近郊でそんな家をサラリーマンが買えるはずがないと怒ったように答えた。昭男が戻ってくると皆黙っていたが、綾子がこんな不便な暮らしをいつまでもさせるわけには行かないと親孝行の子供たちが言っていると口火を切った。すると昭男は毎日山を眺めて川の流れの音を聞いて畑の土を好きなだけ触る気ままな暮らしを不便だとは思ったことがないと言った。だとしてもいつかは体が効かなくなる日が来ると綾子が言うと、昭男は腹を立て自分の始末は自分でつけるから余計な心配はするなと怒鳴った。翌日、皆が次々と帰る中、哲夫は父親のお守りをするために残ることにした。

屋台的映画館

無能の人

  • posted at:2005-01-31
  • written by:砂月(すなつき)
むのうのひと
ケイエスエス=松竹第一興行
配給:松竹富士
製作年:1991年
公開日:1991年11月2日
監督:竹中直人
総合プロデュース:奥山和由
製作:中沢敏明 関根正明
企画:中川好久
プロデューサー:市山尚三 吉田浩二
原作:つげ義春
脚本:丸内敏治
撮影:佐々木原保志
音楽:GONTITI
照明:安河内央之
録音:北村峰晴
美術:斎藤岩男
編集:奥原好幸
助監督:松本泰生
製作担当:高橋憲行
出演:竹中直人 風吹ジュン 三東康太郎 山口美也子 マルセ太郎
アメリカンビスタ カラー 107分

雨の降る夜、助川助三は妻・モモ子に散髪して貰いながらあることを思い巡らせていた。無限に生えてくる髪の毛を捨ててしまうのはもったいない。全人類の髪を有効に生かし、ガンや痔の特効薬となるような発見をしたら大金持ちになれるのに。そう考えるとむやみに髪を捨てることが出来ず、助三はいつものようにポリ袋の中に入れて大事に保管した。彼はいつも散歩に行く川原の石も同様に考えていた。この石くれを金にすることが出来たら。だが名案は浮かばなかった。近所の古本屋・暗原書店を訪れた助三は、石を扱った専門書に目が釘付けになった。初めて石が美術品並に売買されていることを知った助三は、モモ子とすったもんだした挙句、河原に石屋を開店させたのだ。

かつて漫画家として名を成した助三は人気の低下を危惧して古物業、中古カメラ業など数々の商売に手を出した。だが時流に乗れずに失敗したのだ。今では翌年小学校に入る一人息子の三助を連れて団地を回るモモ子のチラシ配りだけが唯一の収入源だった。そこで新たに事業を起こそうとした助三だったが、河原で拾った石を口上を付けて売ってみても、河原の石でしかなかった。石ブームは既に過ぎ去っていたこともあり、書店の主人・暗原は石よりも漫画を売った方がいいと助言するが、助三は石商売にこだわった。数日後、専門誌に石のオークションが近々開かれることを知り、助三は早速主催者の石山石雲と連絡を取った。そのことをモモ子に話したが、場所代が1万円も掛かるイベントへの出席を許すはずがなかった。

翌日、石雲宅を訪れた助三は、多摩川下流で見つかった水溜石に10万円の高値が付いた話を聞き益々興味が湧いた。その帰り道、石雲の弟子・山川軽石は助三に愚痴を漏らした。実はあの家にある石は全て業者から委託されたものばかりで、預かった石を石雲の顔で金持ちに販売していたのだが、ピンハネした上に支払いはルーズ。業者は倒産の一歩手前を歩いていた。だが石雲が業界の草分け的存在だったため、文句を言うことが出来なかったのだ。助三は怖くなって逃げ出したが、軽石に捕まり話の続きを聞くことになった。

熱い眼差しで助三を見ていた石雲の妻・たつ子の尻の軽さは業界でも有名で、しくじって追放された者が数多くいた。その原因は酒の飲み過ぎで不能になった石雲にあった。たつ子は甲州にある湯屋の女房だったが、探石に現れた石雲がかっさらって行ったのだ。そしてそのかっさらわれた方の亭主が軽石だった。妻を取り返すために石雲宅を訪れた軽石は石の指導をされた。湯屋を悪徳業者に乗っ取られて収入源を失った軽石は、石で食えるようになるまではと我慢して言い成りになっていたのだ。

オークションまで半月を切ったある日、久しぶりに漫画の仕事が舞い込んで来たがそれどころではないと助三は断わってしまった。その様子を見ていたモモ子は、同じ貧乏なら漫画を描いている方がよかったと冷たく言い放った。思い悩む助三は仕事で使っていた机を見つめ、昔の二人の姿を懐かしく思い出していた。

屋台的映画館

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