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一発かましたれ

  • posted at:2026-08-02
  • written by:砂月(すなつき)
いっぱつかましたれ
東映(東京撮影所)
配給:東映
製作年:1965年
公開日:1965年6月5日 併映「逃亡」
監督:小山幹夫
企画:園田実彦
脚本:笠原良三 安部徹郎
撮影:坪井誠
照明:川崎保之丞
録音:大谷政信
美術:森幹男
編集:田中修
音楽:木下忠司
助監督:山田稔
進行主任:武田英治
現像:東映化学工業
出演:藤田まこと 園まり 中西杏子 ミヤコ蝶々 犬塚弘
シネマスコープ モノクロ 87分

ロマンス製薬では社長の一声で新製品の精力剤・サムソンDの販売に全勢力を傾けることになった。そのきっかけとなったのはライバル会社のハッピー製薬が類似の精力剤を販売し始めたためであった。そこで目玉となるアイデアとして採用されたのが宣伝課長の半間が提案した巨大な広告塔で、その奇抜さを気に入った社長はすぐに採用し隣のビルの屋上に設置したのだった。気を良くした社長は社員たちを屋上に集めて朝礼を行ったが、そこに遅れてやってきたのは宣伝課の日森千太郎だった。

社長の逆鱗に触れた千太郎は半間から5千円の減俸を言い渡されショックを受けた。このままでは生活出来ないことから藤岡部長の屋敷を訪ね泣き落としで許しを請うことにした。作戦は成功し今回は大目に見てもらえることになったが、今後は絶対に遅刻をしないという条件付きだった。千太郎の遅刻癖は相当なもので、たくさんの目覚まし時計をセットしても寝坊をする時はするのだ。そこで足に繋いだロープを通学中の小学生に外から引っ張ってもらうことにしたのだが、これが効果覿面。一番乗りで出社したのだが入り口で守衛に止められた。5月10日の今日は創立記念日なので会社は休みだというのだ。俺はなんて慌て者なのだろうと頭を抱えているとやくざ風の二人の男が彼を訪ねてきた。千太郎は厄介な事に巻き込まれてはたまらないと逃げ出すが、二人は下宿にまで押し掛けてきたのだ。二人は千太郎の父・万太郎に昔世話になった大阪千波組の大村鉄三(吉良鉄)と丘金吉(飛車金)で、獄死した親分の後継者となってバラバラになった組を再建して欲しいというのだ。突然の申し出に千太郎が困惑していると、吉良鉄と飛車金は500万円の札束や形見の着物などを渡そうとした。だが妾の子供である千太郎は縁も所縁もない世界に足を踏み入れる気など更々なかった。すると吉良鉄たちも意地になり、気が変わるまで居座ると言い出したのだ。三人の奇妙な共同生活が始まったが、おかげで千太郎は寝坊をすることがなくなった。

屋台的映画館
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緯度0大作戦

  • posted at:2025-11-02
  • written by:砂月(すなつき)
いどぜろだいさくせん
東宝=ドン・シャープ
配給:東宝
製作年:1969年
公開日:1969年7月26日 併映「巨人の星」
監督:本多猪四郎
製作:田中友幸
脚本:関沢新一 テッド・シャードマン
撮影:完倉泰一
美術:北猛夫
録音:藤好昌生
照明:隠田紀一
整音:下永尚
監督助手:谷清次
編集:武田うめ
音響効果:西本定正
現像:東京現像所
製作担当所:坂本泰明
特殊撮影
 撮影:富岡素敬 真野田陽一
 光学撮影:徳政義行
 美術:井上泰幸
 照明:原文良
 操演:中代文雄
 合成:向山宏
 監督助手:中野昭義
特技監督:円谷英二
音楽:伊福部昭
出演:宝田明 ジョセフ・コットン シーザー・ロメロ 岡田真澄 リチャード・ジェッケル
シネマスコープ カラー 89分

1969年春、世界最大といわれる日本の海洋観測船「ふじ」は赤道直下を東に流れるクロムウェル海流の調査分析のために南太平洋上で作業を行っていた。この調査の主な目的は潜水艦のスピードアップに海流がどう利用出来るかを調べるためだった。調査に使用される潜水球に搭乗するのは責任者で物理学と海洋学の権威である田代健博士、彼の補佐するフランスの地質学者で潜水球のパイロットのジュール・マッソン博士、そしてトランスグローブ通信のペリー・ロートン記者の三人だった。水深が60メートルを過ぎた頃、ロートンは窓から見える魚が皆同じ方向へ進んでいることに気づいたがその理由は田代にもわからなかった。サーチライトを点けて調べることにしたのだが、突然の海底火山の噴火によって潜水球は自由を失った。観測船と繋がるワイヤーは切れ潜水球は海底深くへ転がり落ちて行った。

田代が目覚めると顔に酸素吸入マスクが着けられていた。自分が何者かに救助されたことはわかったが、今いる場所が地上ではないことは確かだった。そこにマッソンがいないことから田代は先に目覚めたロートンとともに彼を捜しに行こうとするが、アン・バートンという女医が部屋に入ってきて私が別の船室で世話をしていると言った。田代が用意された服を着てコントロールルームに行くと潜水艦アルファー号のクレイグ・マッケンジー艦長が握手を求めてきた。海底火山の噴火は学者がひと月前に予測しており、アルファー号で観測に来ていたところ偶然潜水球の事故に出くわしたのだ。この潜水艦はマッケンジーが所有しているらしいが、田代たちは壁に掛かった銅板を見て驚いた。1805年6月21日にスコットランドのヘブリディーズ諸島にあるストーノーウェイ港で進水したと書かれてあるのだ。160年以上前に出来た船にしては近代的なテクノロジーを搭載しているためロートンはマッケンジーに冗談だろうと詰め寄った。するとそこにバートンがやってきてマッソンの容態が良くないと言った。内臓に障害があって一刻を争うというのだ。観測か人命か。決断を迫られたマッケンジーは観測を中断して緯度0基地へ向かうことにした。

屋台的映画館

異常性愛記録 ハレンチ

  • posted at:2025-05-21
  • written by:砂月(すなつき)
いじょうせいあいきろくはれんち
東映(京都撮影所)
配給:東映
製作年:1969年
公開日:1969年2月21日 併映「前科者 縄張荒し」
監督:石井輝男
企画:岡田茂 天尾完次
脚本:石井輝男
撮影:わし尾元也
照明:和多田弘
録音:荒川輝彦
美術:鈴木孝俊
音楽:八木正生
編集:神田忠男
助監督:荒井美三雄
記録:石田照
装置:谷内嘉造
装飾:宮川俊夫
美粧:佐々木義一
結髪:横田三佳代
衣裳:豊中健
舞踊振付:花柳幻舟
進行主任:俵坂孝宏
協力:ユタニ家具センター
出演:橘ますみ 賀川雪絵 三笠れい子 葵三津子 尾花ミキ
アメリカンビスタ カラー 89分

京都の木屋町でバー「ノン」のママをする典子は染物会社社長の深畑と縁を切りたくてたまらななかった。深畑は酔った典子を介抱するふりをして愛していると近づき体を奪った。それは彼女にとって初めての男だったが、それから地獄のような日々が続いた。ある夜、仕事仲間の寺内たちと店に飲みにきた深畑だったが、帰り際になり皆から離れてタバコを吸っていた。典子が心配になり声を掛けに行ったところ、深畑は彼女を突き飛ばしてタクシーに乗ったのだ。自分に落ち度があるのではないかと考えた典子は窓にすがりつくが深畑は再び突き離したのだった。考え事をしながらマンションに帰ると、そこには深畑がいた。彼は典子を抱え高笑いしながら風呂場へ連れて行くと湯船に頭から浸けたのだった。苦しくてお湯から頭を出そうとすると掌で押し戻し、深畑は愉快にそれを何度も繰り返した。すると玄関のチャイムが鳴り入ってきたのは隣に住む友人のニャン子だった。風呂場から出てきた深畑がにらみつけるとニャン子は怖くなり部屋を出て行った。典子を束縛したい深畑は彼女が自分の言いつけを守ることが当然だと考えていた。へそを曲げたのは男に絶対に送ってもらうなと言ったにも拘わらず典子が寺内のタクシーに乗ったからだった。そんな彼が突然甘えた声を出しトイレに連れて行って欲しいと言い出した。典子は酔っているからだと思い便器に座らせると、彼女の手を放さない深畑はしているところを見て欲しいと懇願した。

仕事の世界でも家庭でも全てで失格したような深畑を見放すようなことがあればどうなってしまうのだろう。そんな浅はかな母性本能が甘やかして彼をダメにしたのかもしれない。責任を痛感する典子だったが、自分の都合で度々やってくる彼を次第に疎ましく思うようになった。そんなある日、典子は建築家の吉岡と出会った。誠実な吉岡に惹かれた典子は小旅行を決行するが、帰ると怒り心頭の深畑が待っていた。彼はこれが家を留守にした証拠だと郵便受けに溜まった新聞を床に叩きつけ典子を平手打ちした。そして仰向けになった彼女にのしかかると両手で首を絞めたのだった。

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いんこう

  • posted at:2025-02-27
  • written by:砂月(すなつき)
いんこう
にっかつ
配給:にっかつ
製作年:1986年
公開日:1986年7月26日 併映「瓶詰め地獄」
監督:小沼勝
プロデューサー:鶴英次
企画:沖野晴久 作田貴志
脚本:佐伯俊道
撮影:水野尾信正
照明:川島晴雄
録音:福島信雅
美術:金田克美
編集:川島章正
選曲:山川繁
色彩計測:高橋聡
助監督:萩庭貞明
製作担当:高橋伸行
現像:イマジカ
宣伝:東康彦
出演:麻生かおり 渡辺久美子 坂元貞美 戸上正彦 名古屋美樹
アメリカンビスタ カラー 72分

コンピューターシステム会社「テスキー」でフリーのプログラマーとして働く田所真理子は、その会社の経営者で青年実業家の宮永歩と同棲していた。三年前に離婚して今は独身の歩は真理子と一緒にいる時だけ多忙な時間から解放された。ある日、真理子は歩とともに高校生の柴崎講平の家を訪ねた。真理子と講平は通信回線料金見積りプログラムの開発チームを組んでおり、歩はその出来栄えに感心した。そこで新たな仕事として食品工場の管理システムの設計を任せることにした。一流のセンスをを持つ講平を手放したくないと考えていた歩は近々彼の家にモデムを設置したいと考えていた。会社とネットワークで繋げばディスプレイで会話をすることが容易に出来るからだ。そのことを伝えると講平はとても喜んだ。

講平は母の雪乃と二人で暮していた。夏休みに入ると彼は部屋に籠ってパソコンと向き合っていた。勉強が疎かになっているのではないかと心配する雪乃は昼食時にそのことを切り出すが、今度のプログラムの開発は勝負だからそれどころではないと言った。そして食事を早々に終えると離れにあるプレハブの自分の部屋に戻って行った。雪乃は呆れて何も言えなかった。

ある日、真理子が出社すると同僚の杉野五月が村松という男から喫茶店でいつまでも待っているという電話があったと伝えた。だが五月は真理子の態度からマズいことをしたと後悔した。仕方なく村松と会うことにした真理子は何を言われてもしばらく黙っていたが、あの男とつき合っているんだろうと尋ねられると、歩がちょっとしたことにこだわったりつまらないことで泣いたりしていた自分を変えてくれたと言った。彼女が他の男と寝ていることが耐えられない村松は何とか関係を修復したいと願い出るが、みっともないあなたの方だと言われ反論できなかった。

講平の部屋で作業を終えた真理子は帰ろうとするが玄関で脱いだ靴が見当たらなかった。最初はいたずらで隠したのだと思っていたが、講平が真剣な目をしていたことから身の危険を感じ怒って裸足で逃げ出した。夜道を歩いているとその先に自分の靴が置いてあり、暗闇に隠れていた講平に押し倒された。歩との約束に送れるから止めて欲しいと真理子が言うと、我に返った彼は慌てて逃げて行った。その後、バーで歩と会っても仕事の話ばかりで自分の話を聞いてもらえず、真理子の興味は講平の方へ移って行った。

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一度も撃ってません

  • posted at:2024-11-25
  • written by:砂月(すなつき)
いちどもうってません
木下グループ
配給:キノフィルムズ
製作年:2020年
公開日:2020年7月3日
監督:阪本順治
製作総指揮:木下直哉
プロデューサー:榎望 菅野和佳奈
ラインプロデューサー:芳川透
企画:阪本順治
脚本:丸山昇一
音楽:安川午朗
音楽プロデューサー:津島玄一
撮影:儀間眞悟
照明:宗賢次郎
美術:原田満生
録音:照井康政
編集:普嶋信一
スクリプター:今村治子
衣裳:岩崎文男
メイク:豊川京子
音響効果:佐々木英世
装飾:石上淳一
助監督:井川浩哉
製作担当:小川勝美
製作プロダクション:プロダクション・キノ
出演:石橋蓮司 大楠道代 岸部一徳 桃井かおり 佐藤浩市
シネマスコープ カラー 100分

大手出版社で編集者として働く児玉道夫は頭を痛めていた。彼が入社した26歳の時に初めて担当したのが市川進という作家だった。純文学でデビューした彼は二冊本を出したが、その後は鳴かず飛ばずでそのうちハードボイルド風のノベルにシフトした。御前零児と名乗ったはいいが某有名作家の二番煎じで、出版の話を持ち掛けても営業は誰も取り合ってもくれなかった。その作家には都市伝説があった。ここ数年の間に未解決事件がいくつかあるのだが、それに共通するのが伝説の殺し屋だった。それら事件を基にした原稿をメールで度々送ってくるのが御前零児なのだ。実際に起きた事件をベースにして書いているのだろうが、殺害前後の一部始終を克明に記しているのが不気味で堪らなかった。そこで定年を間近に控えた児玉はそれを口実に担当を部下の五木要に引き継がせようと考えていたのだ。バー「Y」で飲んでいた児玉がそのことを伝えると、五木はそれを逃げだと言った。

74歳の市川は妻の年金をあてにして暮らす売れない小説家だ。物語のリアリティにこだわり過ぎる彼の作風はハードボイルド作家にシフトした後も同じだった。そんな彼が「Y」の暗い店内に入るとテーブル席の児玉が立って会釈した。カウンターでウイスキーのグラスを受け取った市川は五木の隣の空いた席に座った。児玉が長い間玉稿をいただきながら今一歩のところで出版出来なくてすみませんと謝罪すると、今日のは読んだのかと市川が言った。苦しそうな顔で児玉がやはり今一歩だったと言い、後のことは彼に託すと五木にパスを出した。市川から感想を聞かれた五木は、あれはノベルでも何でもないでしょと素っ気なく言った。そしてハードボイルドですら時代遅れなのにもっと陳腐で、もう一度売れたいのなら作者の感情を込めた物語を作ってくださいと思いの丈をぶちまけた。すると市川は作り物の物語はもうやり尽くしたしデッチあげた話を全て削ぎ落して残ったリアルが俺のノベルだと言った。それを聞いた五木が一歩間違うと病気扱いされますよと忠告すると、市川は病気にならないように夜が来るんだと気取って言った。

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