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インターミッション

  • posted at:2016-01-09
  • written by:砂月(すなつき)
いんたーみっしょん
オブスキュラ=東北新社
配給:オブスキュラ=東北新社
製作年:2013年
公開日:2013年2月23日
監督:樋口尚文
エグゼクティブ・プロデューサー:樋口久美 嶋元勧治 小坂恵一
プロデューサー:蔵原康之
アソシエイト・プロデューサー:菅正剛 鈴木伸英 松本学 白石信彦 坂野かおり
脚本:樋口尚文 港岳彦
音楽:菅野祐悟
撮影:町田博
照明:津嘉山誠
美術:部谷京子
録音:益子宏明
編集:山本憲司
音響効果:小森護雄
ライン・プロデューサー:井上淳
助監督:根木裕介
製作協力:ティーエフシープラス オムニバス・ジャパン ヒューマックスシネマ
出演:秋吉久美子 小山明子 水野久美 竹中直人 佐野史郎
アメリカンビスタ カラー 112分

震災後の検査で耐震性に問題があることがわかり取り壊されることになった、東京・銀座の中心部にある老舗の映画館。ここでは世界の名作からB級映画まで平等に上映していたことから幅広いファンに支持されていた。閉館となるその日までいつもと変わらない接客を心掛けている支配人のクミコには親子ほども年の差がある絵描きの夫・ショウタがいるが、納得行かない閉館命令とスランプで描くことが出来ないと嘆く夫へのイライラでつい母親のように強く叱ってしまうのだった。

休憩(インターミッション)
上映を待つユリコに声を掛けてきたのは義妹のヨーコだった。狭くて暗くて息が詰まるという理由で映画館が苦手だというユリコ。そんな彼女が頻繁にいることをヨーコが不思議がっていると、アレが怖いのよとその理由を打ち明けた。アレとは原発事故で放出された放射能だった。それを聞いて笑い飛ばすヨーコ。何故ならこの映画館は核シェルター替わりどころか雨漏りするほど老朽化しているからだ。どうやったら逃げられるのよとユリコが尋ねると、大変なことになったら北の最果てに行こうが南の島に行こうがどこまでも飛んでくるとヨーコは答えた。どこまでも追いかけて来るのは若い頃のうちの亭主みたいとユリコが笑うとヨーコはあきれた。別れた男ののろけぐらい不毛なものはないとヨーコが釘を刺すと、ユリコはどうしておたくもうちも亭主が消えたのかしらと皮肉った。みんな自分のことしか考えないのだから、いっそ日本が滅んで心を入れ替えなきゃダメよ。ユリコが最近起こった連続爆弾魔ヒグ・ボマーの話題を出すとヨーコの目の色が変わり、「むしろやってみる?」とバッグから古びた冊子を取り出した。年の離れた兄さんが昔ヤバい友達からもらったというその冊子の表紙には「腹腹時計」と書いてあり、それを見た途端ユリコは何でもっと早く知らせてくれなかったのと叫んだ。意気投合した二人は上映が始まる前に映画館を後にした。「本日の上映 ミケランジェロ・アントニオーニ監督 「砂丘」 1970年」。

休憩(インターミッション)
上映終了後も作品の余韻に浸っていたナツキは、この映画を紹介してくれたアキコに感謝した。二人は女優で、ナツキは以前アキコの付き人をしていたこともあり何でも打ち明けることが出来る間柄だった。昔は気に入った映画を何度も観たが、自分が出ている映画だけは観なかったとアキコが言うと、大スターだったから忙しくて時間がなかったんですねとナツキは頷いた。するとアキコはそれを否定し、自分の演技の粗ばかり見えて楽しむことが出来なかったのよと言った。テレビドラマや舞台だと台本読みや立ち稽古があって流れがつかめるが、細切れで撮る映画で一貫した感情を表すのは本当に難しい。だが昔出演した映画を最近改めて観直すことでその細切れの中に自分が生きていることを見つけ、ある映画と別の映画の自分が一続きに見えてくることさえあった。そして100本近く出演した映画大陸にはその時代の自分が生きているのだ。しかし映画が一人の女優の人生を変えてしまうこともあることから、ナツキが女優になると言ったときにアキコは反対したのだった。女優には役と現実の区切りがないことから、現実に家庭を持ってそれを軸にした方がいいのかもしれないとアキコが言うと、私には何十年も愛しているが結婚出来ない人がいるとナツキは言った。そしてもう一度付き人に戻りたいと告白した。「本日の上映 ジャック・ドワイヨン監督 「ラ・ピラート」 1984年」。

屋台的映画館
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ISOLA 多重人格少女

  • posted at:2007-05-21
  • written by:砂月(すなつき)
いそらたじゅうじんかくしょうじょ
「ISOLA 多重人格少女」製作委員会(角川書店=アスミック・エースエンタテイメント=東宝=イマジカ=日本出版販売=住友商事)
配給:東宝
製作年:2000年
公開日:2000年1月22日 併映「リング0 バースデイ」
監督:水谷俊之
エクゼクティブ・プロデューサー:原正人
プロデューサー:山田俊輔 井上文雄
原作:貴志祐介
脚本:水谷俊之 木下麦太
脚本補:桑原あつし 畑島ひろし
撮影:栗山修司
音楽:Davibd Matthews 見良津建雄
美術:稲垣尚夫 福澤勝広
照明:豊見山明長
録音:山田均
編集:高橋信之
出演:木村佳乃  黒澤優 石黒賢 手塚理美 渡辺真紀子
アメリカンビスタ カラー 94分

1995年1月17日、兵庫の街は強大な地震に襲われた。震災のボランティアに参加した賀茂由香里は、避難所となっている西宮スポーツセンターに到着した。由香里がそこへ足を踏み入れた途端、被災者の様々な感情が彼女の中に流れ込んできた。

ボランティアの女性は「逃げた、逃げた」と繰り返しつぶやく一人の老人に手を焼いていた。由香里はその老人に近寄ると、心の中を覗いた。戦線で仲間が次々と倒れていく中、彼は敵に捕まれば殺されてしまうと思い、必死で逃げた。その老人は震災の影響で戦時中の記憶が甦り、苦しみにさいなまれたのだ。由香里は自分を責めないように言ったが、老人は彼女の手を掴むと、「戦友を見捨てたんだ。許してくれ」と言って涙を流した。その様子を見ていた野村浩子は、由香里を自分のアパートに連れて行った。浩子は高校専属の心理カウンセラーとして働いていたが、臨床心理学士の彼女でさえあの老人が戦争の記憶で苦しんでいることがわからなかったのだ。浩子はあの出来事以来、由香里に興味を持っていた。

由香里は人の強い感情を読み取ることができる能力=エンパスを持ち、普段は抗生新薬を服用することでその能力を抑えていた。何故ボランティアに参加したのかと浩子に聞かれた由香里は「私みたいな人間でも誰かの役に立つかもしれないと思って…」と答えた。浩子は複数の絵をテーブルに置き、由香里の感想を聞いた。これはバウムテストと呼ばれる性格検査で、画用紙には様々な木が描かれていた。由香里は、どの人も不安定だと見たままに答えた。浩子がこの絵は一人の多重人格障害を持つ女子高生が描いたのだと明かすと、由香里は驚きの表情を見せた。

翌日、避難所へ行った由香里は、昨日と様子が違うことに気付いた。あの老人の姿はなく、布団はきれいに畳まれ荷物がまとめられていた。昨夜、老人は自殺を図ったのだ。ボランティアの一人は、自分なりに気持ちの決着をつけたのだろう、と言った。責任を感じていた由香里は、浩子が勤める高校へ行くことにした。由香里が校内を歩いていたとき、ベンチに座っている少女に気付いた。由香里は、初めて避難所へ来たときにその少女が犬に追いかけられているのを目撃していたが、彼女はそのことを知らないと言った。少女の名前は森谷千尋、木の絵を描いた人物だった。

屋台的映画館

居酒屋ゆうれい

  • posted at:2006-04-04
  • written by:砂月(すなつき)
いざかやゆうれい
サントリー=テレビ朝日=東北新社=キティ・フィルム
配給:東宝
製作年:1994年
公開日:1994年10月29日
監督:渡邊孝好
製作:稲見宗孝 古川吉彦 中川眞次 伊地智啓
プロデューサー:椋樹弘尚
原作:山本昌代
脚本:田中陽造
撮影:藤澤順一
照明:上田なりゆき
録音:紅谷愃一
美術:稲垣尚夫
編集:鈴木晄
助監督:冨樫森
キャスティング:阿部敏信
製作担当:黒田晃司
音楽:梅林茂
ミュージシャンマネジメント:内田音楽事務所
音楽プロデューサー:向井達也
主題歌:「あなたのいない休日」平松愛理
提供:アルゴ・ピクチャーズ
出演:萩原健一 山口智子 室井滋 三宅裕司 西島秀俊
アメリカンビスタ カラー 110分

居酒屋「かづさ屋」を一人で切り盛りする壮太郎。店舗兼家屋の2階では妻のしず子が床に臥せっていた。彼女は知っていた。もうすぐ自分が死を迎えることを。どうせ死ぬのならせめて家で死なせたいと病院から引き取るなんて壮太郎なら考えそうなことだ。彼は違うと否定するがそんな嘘などお見通しだ。しず子は壮太郎のことが好きで好きでたまらなかった。結婚のアプローチをしたのは彼女からだった。今夜が最後の別れとなると、心配になるのは壮太郎の行く末だった。死んだらきっと別の女と一緒になる。そう考えると居ても立っても居られなかった。すると壮太郎はそんなに俺が信用出来ないかと言った。そして万が一の場合は一生独りでいるし所帯を持つ気もないと約束すると、しず子はそれが嘘だったら化けて出るよと言った。壮太郎はしず子がいつもの自分らしさを取り戻したことで安心したが、朝早く目覚めると彼女は息を引き取っていた。

葬式が終わり忌が明けると壮太郎は店を再開した。彼を心配する常連客が次々と訪れ、またいつもの日常が戻った矢先に兄の豊造がやってきた。その要件とは見合いだった。しず子との約束を破るわけにはいかないと考えていた壮太郎は断るつもりでいたが、豊造が置いて行った写真の女性を見て心がグラついた。それ以来、行く先々で姿を見掛けるようになったが偶然にしてはわざとらしかった。一度会うだけならいいかと兄が経営する料亭で会食するが、好きになってしまったからあのような行動を取ってしまったと告白されたことで壮太郎の心は決まった。

新妻となった里子がやってくるとかづさ屋は花が咲いたように明るくなり、常連客たちも一目見ようと押し寄せ店は活気づいた。店が終わると里子は独り身となった理由を話し始めた。夫は死んだのではなく遠い所へ行ったことが原因だと告白するが、壮太郎は気にも留めずにいいよと言った。里子があまりのうれしさに抱きつくと、部屋の中に突然風が吹き抜け、テレビの画面が乱れ、家が軋んだ。違和感を覚えた壮太郎が顔を上げると傍らでしず子が睨んでいた。

屋台的映画館

いつかギラギラする日

  • posted at:2005-12-23
  • written by:砂月(すなつき)
いつかぎらぎらするひ
日本テレビ放送網=松竹第一興行=バンダイ
配給:松竹
製作年:1992年
公開日:1992年9月12日
監督:深作欣二
製作:奥山和由
製作協力:堤康二
プロデューサー:杉崎重美 鍋島壽夫 斎藤立太
脚本:丸山昇一
企画:中川好久
撮影:浜田毅
音楽:菱田吉美
挿入歌:「WADERER」JACKS’N’JOKER
・・・:「BAD FRIENDS」JACKS’N’JOKER
・・・:「DO OR DIE」JACKS’N’JOKER
・・・:「FREEDOM LAND」JACKS’N’JOKER
エンディングソング:「ラストダンスは私に」萩原健一
美術:今村力
編集:川島章正
照明:渡邊孝一
録音:信岡実
整音:紅谷愃一
記録:小山三樹子
助監督:佐藤陸夫
製作協力:山田洋行ライトヴィジョン
出演:萩原健一 木村一八 荻野目慶子 千葉真一 石橋蓮司
アメリカンビスタ カラー 108分

白昼堂々、銀行が三人の男に襲撃された。男たちは銃で行員を脅し1億1千万円を強奪すると、銀座の雑踏を走って逃げた。数日後、今度は別の銀行で強盗事件が発生し、8千5百万円が奪われた。さらに数日後、また別の銀行で9千万円が奪われた。この一連の事件は、目撃者が多数いたにも関わらず警察は事件解決の糸口を掴めずにいた。

最後の事件から一年近く経ったある日、再び「仕事」を始めることになった神崎はうつ病で入院していた井村とともに柴がいる北海道へ飛んだ。30歳年下の麻衣と同棲している柴は二人を歓待した。「仕事」は柴たちの行きつけのクラブで知り合った男・角町が持ち込んだ計画だった。彼は父親の保険金を元手にして函館で自分のライヴハウスを計画していたが、建設途中で資金が尽き、すぐにでも5千万円が必要だったため柴に声をかけたのだ。洞爺湖にあるリゾートホテルの夏場が観光シーズン真っ盛りであり週末の売上はキャッシュだけで二億円は堅かった。売上金は月曜日の朝に札幌の銀行まで二人の警備員によって現金輸送車で運ばれるが、120キロもあるルートの途中には人気の少ない山道があり、計画を実行するにはうってつけだった。犯行当日、輸送車が見えるとバイクで逃げる角町と警官姿の神崎が乗った白バイが対向した。そして角町が転倒して輸送車の進路を塞ぐと二人は殴り合いを始めた。動揺した運転手はバックをして逃げようとしたが、今度は刑事の姿をした井村が車で進路を塞いだ。手帳をちらつかせて警備員たちの意識が逸れると三人は拳銃を発砲してタイヤをパンクさせた。そして角町が警備員を殴って気絶させる間にトランクを開け、柴が用意した車にジュラルミンケースを積み替えた。物の数分間で全ては終わった。

廃屋になっているレストランにたどり着いた4人は早速車のトランクからジュラルミンケースを運び出し中身を改めた。ところが4つのうち札束が詰まっていたのは1つしかなく、他は権利書と小銭ばかりだった。数えてみたところ予想を遥かに下回る5千万円しかなく、こんなこともあるさと神埼が等分しようとしたところ、その額では到底足りない借金を背負っていた井村が拳銃を構えて独占しようとした。落ち着かせようとした柴はまたチャンスがあるじゃないかと穏やかに言ったが、精神的に追い詰められていた彼は聞く耳を持たなかった。だが神崎がタバコを差し出すと泣いて詫びた。すると角町は井村から銃を奪って3人に発砲した。井村は即死し、柴は腹部に銃弾を受け、神崎は外に逃げ出した。邪魔する者がいなくなったことを確認すると角町はあらかじめ用意していた車に金を積み込み、追跡出来ないように乗ってきた車を破壊して逃げた。廃屋に戻った神崎が息のある柴を連れ出すと一台の車が停まった。それは神崎の愛人・美里だった。彼女は計画を知っており不安になって追いかけてきたのだ。痛みをこらえながらも柴は麻衣のことが心配でならなかった。何故なら角町が計画を知っている彼女を消すに違いないと考えていたからだ。柴は知らなかった。麻衣が角町と組んでいることを。

屋台的映画館

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