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月光仮面 悪魔の最後

  • posted at:2019-09-10
  • written by:砂月(すなつき)
げっこうかめんあくまのさいご
東映(東京撮影所)
配給:東映
製作年:1959年
公開日:1959年8月4日 併映「快傑黒頭巾 爆発篇」
監督:島津昇一
企画:園田実彦
原作:川内康範
脚本:織田清司
撮影:西川庄衛
録音:加藤一郎
照明:入江進
美術:中村修一郎
助監督:山田稔
編集:祖田冨美夫
進行主任:石田人士
音楽:小川寛興
進行主任:石田人士
主題歌:「月光仮面は誰でしょう」近藤よし子 キング子鳩会
・・・:「月光仮面の歌」三船浩
出演:大村文武 山東昭子 若水ヤエ子 梅宮辰夫 柳谷寛
シネマスコープ モノクロ 60分

祝探偵事務所で所長・祝十郎の助手を務める袋五郎八とカボ子は、夜道に響いた車の衝突音に驚き現場に向かった。事故現場は実業家・岡本省吾邸の前で、車の運転席には岡本本人の姿があった。息絶えた彼の傍らには「白髪鬼」と書かれた紙が貼られていた。翌日の朝刊ではこの奇妙な事件が大きく報じられ、世間の注目の的となっていた。警視庁三谷警察署には捜査本部が設置され、松田警部は岡本の妻・春子から話を聞くことにした。その中で東條三郎という人物と最も親しくしていたことがわかった。その頃、東條は祝に会うために事務所を訪れていた。彼は自宅に送られてきた一通の封書を祝に手渡した。その中には「東條三郎 右六月二十八日死亡す 白髪鬼」と書かれたカードが入っていたため、恐ろしくなって助けを求めたのだった。東條の口ぶりから白髪鬼の正体を知っているに違いないと考え追及したが、彼は何も聞かずに匿って欲しいと懇願し続けたのだった。そこに松田から電話が掛かり、事情を説明しているうちに隣の部屋から悲鳴が聞こえた。東條は殺され、遺体の上には白髪鬼と書かれた紙が置かれていた。その傍らには毒クモがいた。

祝の事務所には松田の他に刑事と東都タイムスの山本記者が集まっていた。警察に届けることが出来ない事件が岡本、東條、白髪鬼の間で起きたのではないかと松田は考えていたが、祝は事件が更に発展すると予想した。岡本を検死した結果、衝突したときに出来た外傷の他に毒殺された場合に起きる脳神経のマヒを確認した。ところが被害者の胃からは毒物が検出されなかったのだ。それを聞いた祝は部屋の隅に置かれたテーブルから実験用のシャーレを手に取ると松田の前に置いた。その中にはまだ日本で見つかっていない種の毒グモが入っていた。日本には優秀な毒物学者がいたが、戦時中に南方へ行く途中で魚雷の攻撃に遭い死んだと言われていた。だが祝はその人物の名前をどうしても思い出すことが出来なかった。存命であれば事件解決の糸口となるのだが。

松田が帰った後、祝は調査のために山本と出かけようとしていたが、怪しい人影が走り去るのを見て追い掛けた。だが相手は追いつけないほど足が速く、住宅街の暗闇に姿を消した。ところが今度はゆっくりと歩くくず鉄屋が目の前に現れ、通り過ぎたかと思うとナイフ投げで攻撃してきたのだった。何とかそれをやり過ごし男を追い掛けると、いつの間にか鬱蒼と茂る屋敷の庭に迷い込んだ。そこには防空壕があり階段を降りて行くと、部屋では白髪の老人が書き物をしていた。その姿を見て白上博士の名を思い出した祝は、彼が白髪鬼の正体であることを見抜いた。

屋台的映画館
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ウール100%

  • posted at:2019-09-07
  • written by:砂月(すなつき)
うーるひゃくぱーせんと
「WOOL 100%」製作委員会(クロックワークス=ピラミッドフィルム=双日)
配給:クロックワークス
製作年:2005年
公開日:2006年10月28日
監督:富永まい
エグゼクティブプロデューサー:酒匂暢彦 高橋増夫 松江正俊
プロデューサー:遊佐和彦 原田雅弘
ラインプロデューサー:関友彦
脚本:富永まい
撮影監督:瀬野敏
美術:都築雄二
音楽:矢口博康
監督補:谷口正行
VE:仲野喜久治
録音:前田一穂
編集:長嶋勝一
アニメーション制作:ROBOT
助監督:市原大地
照明:尾崎智治
装飾:柴田博英
美術制作:高橋徹
スタイリスト:三田真一
着物制作:田島貴代子
ヘアメイクディレクター:小西神士
編み物監修:八田幸子
制作主任:稲垣清隆
制作進行:落合洋介 谷岡貴雄
出演:岸田今日子 吉行和子 北浦愛 ティアラ 兼田カロリナ
アメリカンビスタ カラー 99分

今は昔か、あるところに梅と亀という老いた姉妹が住んでいた。二人は長い間、古い屋敷に暮らしてきたが、訪ねてくるものは誰もおらず、誰にも会いたいとも思わなかった。姉妹は毎日一度だけ街に出掛けるが、その度に何かしら拾って帰ってきた。街にはあまりにもたくさんの物が捨てられているため、何時だって気に入った「ヒロイモノ」を見つけることが出来るのだ。二人はヒロイモノをとても大切にし、夜はそれらに囲まれることで安心して眠ることが出来た。そんな夜を何千回と迎えたが、聞こえないくらいの小さな音が耳の奥に流れていることを姉妹は気づいていなかった。そしてその流れの中に、長い間拾われることを待っている誰かがいることを。

毎朝、姉妹はおせっかいな幼稚園の先生と園児たちによる合唱で起こされる。朝食を取り、その日の気分に合わせてヒロイモノの杖や靴などをコーディネートすると、いつものように街へ出掛けるのだ。そしてゴミ捨て場から目ぼしい物を見つけると満面の笑みでそれを眺め屋敷に持って帰った。だがその日は川原へ向かいもう一苦労することにしたのだが、その甲斐あって赤ちゃん用の玩具を見つけることが出来た。思わぬ収穫に満足し帰ろうとした矢先、二人は足を取られて草むらに倒れ込んだ。姉妹の足には毛糸が絡んでいたのだ。長く伸びる毛糸を辿って行くと、そこには真っ赤な毛糸の玉が山のように盛られたかごが置いてあったため、二人はそれを持って帰ることにした。

帰宅した姉妹はまずヒロイモノをきれいに拭き、スケッチブックにその絵を描いた。今日の収穫は「おきあがり小法師」、美容機器の「ビューテーセブン」、そして「真っ赤な毛糸玉」だった。その日の深夜、物音に気づき恐る恐る姉妹が覗くと居間に灯りが点いていた。そこでは少女が毛糸を使って一心不乱にセーターを編んでいた。運ぶときに転がり落ちた毛糸玉の糸を辿って屋敷にやってきたのだ。彼女はあっという間にセーターを完成させるとすぐに着込み網目のチェックを始めた。ところが気に入らない箇所が見つかり頭を抱えると「あみなおしじゃあ」と叫んだのだった。その音量は耳を塞がなければならないほどの驚くべきもので、止めると同時に彼女は裾をほどくとまた編み始めた。ところが突然倒れるように眠ってしまったため、姉妹も寝ることにした。翌朝、姉妹は眠ったままの少女を置き去りにしてヒロイモノ探しに出掛けると、いつものように収穫を手にして戻ってきた。冷蔵庫の中は荒らされ食器は散らかされていたが、厄介者がいなくなったと安堵のため息をついた。だが再び現れて叫びながら屋敷中を駆け回るため頭を抱えた。お腹がいっぱいになれば眠たくなるはずと食事を与えることにしたのだが、少女は逆に編み進めるスピードを速めたのだった。次なる手段として少女を布団に寝かせて絵本を読み聞かせようとしたのだが、自分たちが先に寝入ってしまった。

屋台的映画館

遙かなる山の呼び声

  • posted at:2019-09-04
  • written by:砂月(すなつき)
はるかなるやまのよびごえ
松竹
配給:松竹
製作年:1980年
公開日:1980年3月15日
監督:山田洋次
製作:島津清
製作補:小坂一雄
原作:山田洋次
脚本:山田洋次 朝間義隆
美術:出川三男
撮影:高羽哲夫
照明:青木好文
編集:石井巌
録音:中村寛
録音補:原田真一
調音:松本隆司
音楽:佐藤勝
スチール:長谷川宗平
監督助手:五十嵐敬司
装置:小島勝男
装飾:町田武
衣裳:松竹衣裳
進行:玉生久宗
現像:東洋現像所
製作主任:峰順一
協力:北海道 中標津町
出演:高倉健 倍賞千恵子 吉岡秀隆 武田鉄矢 木ノ葉のこ
シネマスコープ カラー 124分

北海道根釧原野で風見民子は一人息子の武志を育てながら酪農で生計を立てている。嵐に見舞われたある春の夜、全身ずぶ濡れの男が道に迷ったと突然訪ねてきた。怪しい男を家の中に入れるわけには行かないので、彼女は男を一晩だけ納屋に泊まらせることにした。その晩は牛の出産の予定日であり、深夜になって産気づいたことから民子は男に手伝ってもらうことにした。早朝、男は礼を言って立ち去ったが、それでは申し訳ないと民子は謝礼金を包んで武志に持たせたのだった。

夏になると再びあの男が民子を訪ねてきた。男は一週間でもいいから働かせて欲しいと懇願するのだ。未亡人の民子にとって男手は必要だが、得体の知れない男を受け入れるのには抵抗があった。そこで農協を通してからでなければ雇えないというルールがあるだとか、零細農家だから多くは払えないだとか言い訳して断ろうと努めた。だがそれでもいいというので渋々認めることにした。男の名は田島耕作。彼は依然と同じように納屋で暮らすことになったが、民子は警戒を緩めることはなかった。翌日になると耕作は過去に牧場で働いたことがある経験を生かして作業を進めた。だが出された食事を家の中で一緒に食べようとはしなかった。そんな彼を不思議に思いながらも民子はトラクターなどの扱い方を指導した。耕作のことが気になるのは隣家に住む亡夫の兄の妻・房子も同じだった。何か後ろめたい事情があるに違いないと考えている房子は金目の物に気をつけなさいと釘を刺した。そんな彼女らの心配をよそに、武志や房子の娘・ひとみは耕作と親しく話すようになって行った。

民子がいつものように作業を行っていると、料亭オホーツクの店主・虻田太郎が訪ねてきた。彼女に好意を持っている太郎はくる度にお土産を持参して再婚の返事を期待した。だがいつまで経っても進展しないため、ついに強引な手段に出たのだった。その時は箒を振り回して追い返したが、後日性懲りもなくやってきた。民子の悲鳴を聞いて駆けつけた耕作がバケツの水をぶっかけると太郎は尻尾を巻いて逃げて行ったが、しばらくすると今度は弟の次郎と三郎を引き連れて戻ってきたのだ。道東で知られた虻田三兄弟を舐めるんじゃないと豪語する太郎だったが、勝負はあっけなく決まった。その夜、納屋に押しかけた太郎たちは手打ちと称して宴会を勝手に始めたのだった。

ある日、民子が子牛の世話の最中に腰を痛めて入院した。その間、房子は武志を引き取ろうとしたのだが、彼はそれを拒否した。何故なら父親のような存在である耕作と一緒に生活を送りたいからだ。一方、あの一件以来、耕作を兄貴と慕うようになった三兄弟は牧場の作業を手伝うようになった。

屋台的映画館

続 サラリーマン忠臣蔵

  • posted at:2019-08-31
  • written by:砂月(すなつき)
ぞくさらりーまんちゅうしんぐら
東宝
配給:東宝
製作年:1961年
公開日:1961年2月25日 併映「背広三四郎 男は度胸」
監督:杉江敏男
製作:藤本真澄
原案:井原康男
脚本:笠原良三
撮影:完倉泰一
美術:清水喜代志 村木与四郎
録音:三上長七郎 下永尚
照明:金子光男
音楽:神津善行
監督助手:児玉進
編集:小畑長蔵
特殊撮影:東宝特殊技術部
現像:東洋現像所
製作担当者:森本朴
出演:森繁久弥 小林桂樹 加東大介 宝田明 司葉子
シネマスコープ カラー 109分

赤穂産業社長・浅野卓也が自動車事故で急死したことで後任社長に丸菱銀行元頭取の吉良剛之介が就任した。新社長は独自の方針を掲げ大幅な人事異動を行った。それと同時に重要なポジションへ抜擢したのは最初に寝返った大野久兵衛常務やその親戚筋、そして吉良に媚びへつらう者ばかりだった。更に先代社長の肝入だったフランス・アマン商会との販売特約の取り消しを命じたことで大石良雄専務は腹を括った。営業マンのアンリ・リシャールと商談を行い、アマン商会と大石との個人契約に同社社長が了承したことで彼は辞表を提出したのだった。

日本橋の貸しビルの一室に発足した「大石商事」には志を同じくした小野寺十三郎元部長、吉田元課長、原元課長が参加し、大石のお抱え運転手だった寺岡平太郎を秘書に抜擢した。その他にも営業部の赤垣源造や磯貝十郎、総務課岡野欣哉、竹林唯七、縫製課の大高玄五郎、会計係の矢頭門七といった若手や守衛の倉橋傳介までもが参加を表明したのだった。退職の流れはその後も続き、大石商事はあっという間に大所帯となった。大石は急遽、彼が浅野に結婚を勧めていた芸者加代治が女将を務める料亭あづまで創立祝賀会を開き、新会社の誠心は亡き浅野社長の決意であることを説いた。乾杯の後、元エレベーターガールの堀部安子が女中として働いていたことがわかり運転手としてスカウトしたことで大石商事は47人での船出となった。

若狭金属専務・角川本蔵の紹介で小野寺が天野化学の肥後豊常務との約束を取りつけた日の夜、大石はバー祗園のマダム・一文字才子が東銀座に出したというクラブ・イッチルックに顔を出した。するとそこで平太郎の妹の軽子が働いていて驚いたのだった。赤穂産業でタイピストとして働いていた彼女は社長秘書だった早野寛平と結婚しともに会社を離れて田舎暮らしを始めたのだが、鳥撃ちついでにちょっかいを出してきた久兵衛の息子・定五郎から軽子を守ろうと揉み合った際に銃が暴発。寛平は殺人未遂容疑で逮捕されたのだった。彼女は自分が招いた過失だと悔やみ平太郎には相談せずに弁護士費用を工面しようと苦労していたのだった。一方、この店に吉良の秘書の伴内耕一が常連客としてきており、接待として肥後を連れてきていることを知ると次なる一手を考えた。

大石が関西大手3社との交渉に出掛けている間に、寺岡が肥後と会談を行う約束を得た。早速、小野寺は食事会を開き特約の交渉話を進めようとしたのだが、肥後は大きな案件の判断を簡単には出来ないと釘を刺した。彼の機嫌を損ねたことで、小野寺は点数稼ぎに肥後がこの後行くという店にお供をせよと寺岡に命じた。その店はイッチルックであり、そうとは知らずに店内に入った寺岡は軽子と思わぬ形で再会した。

屋台的映画館

風が強く吹いている

  • posted at:2019-08-28
  • written by:砂月(すなつき)
かぜがつよくふいている
「風が強く吹いている」製作委員会(光和インターナショナル=松竹=バンダイビジュアル=衛星劇場=木下工務店=博報堂DYメディアパートナーズ=読売新聞=京王エージェンシー)
配給:松竹
製作年:2009年
公開日:2009年10月31日
監督:大森寿美男
企画・製作:鈴木光
製作:野田助嗣 川城和実 久松猛朗 木下直哉 安永義郎 大月曻 春山暁
プロデューサー:坂本忠久
原作:三浦しをん
音楽:千住明
ラインプロデューサー:森太郎
音楽プロデューサー:長崎行男
キャスティングプロデューサー:名須川伸吾
脚本:大森寿美男
撮影:佐光朗
美術:小澤秀高
照明:加瀨弘行
装飾:西渕浩祐
録音:林大輔
音響効果:伊藤進一
編集:田中愼二
スクリプター:湯澤ゆき
VFXスーパーバイザー:石井教雄
監督補:中西健二
助監督:猪腰弘之
スタイリスト:堀田都志子
ヘアメイク:井川成子
俳優担当:高屋隆太
製作担当:関浩紀 松井聡子
制作プロダクション:光和インターナショナル
出演:小出恵介 林遣都 中村優一 川村陽介 橋本淳
アメリカンビスタ カラー 133分

寛政大学4年の清瀬灰二(ハイジ)は、校内で野宿する新入生の蔵原走(カケル)を強引な手段を使って自分が寮長を務める竹青荘に入居させた。古びた竹青荘には留年し続けるヘビースモーカーの平田彰宏(ニコチャン)、司法試験に合格済みの知性派・岩倉雪彦(ユキ)、マンガオタクの柏崎茜(王子)、クイズマニアの坂口洋平(キング)、アフリカからの国費留学生ムサ・カマラ(ムサ)、心優しい性格の杉山高志(神童)、そして双子の新入生の城太郎(ジョータ)と城次郎(ジョージ)が住んでいた。この寮に住むと陸上部に入部届が出され自動的に関東陸上連盟に登録されるというハイジ独自のルールがあり、家賃3万円に食事つきいう好条件の代わりに毎朝5キロを走らなければならなかった。今いる入居者たちはハイジがスカウトした面々であり、カケルは彼が構想するジグソーパズルのラストピースだった。寛政大学の陸上部は弱小であることから、ハイジは長距離のチームを一から作ろうと考えたのだ。彼の頭の中にあるのは箱根駅伝を目指すこと。だが時間は1年半弱しか残されていなかった。強豪校が出そろう大会に幽霊部員だらけの陸上部が出場出来るはずがないとカケルは悲観するが、竹青荘の大家であり陸上部の監督でもある田崎源一郎から励ましを受けたことで引くに引けなくなった。

ハイジは個人差によって練習メニューを変えることにした。自分とカケルにはハードなメニュー、王子は緩やかに、そしてその他のメンバーには中間を位置づけた。コースはトラックでもロードでもないクロスカントリーを選択した。土の方が足への負担を軽減出来るからだった。1周=2.5キロをカケルは8周、つまり20キロ走ることになる。中間でも15キロだ。ハイジはその中にジョギングを組み込み、飽きがこないように配慮した。毎日、クタクタになるまでメンバーが練習を続けることで、カケルは彼らが本気であることを感じ次第に心を開いて話すようになった。ニコチャンたちがその気になったのはハイジに頭が上がらないからだ。おいしい食事が出来るのも、トイレがいつもきれいなのも、大事な試験の朝に母親のように起こしてもらえるのもみんなハイジがいるからなのだ。そんな彼の夢に協力してやろうと一致団結したのだ。

東京体育大学記録会の前日、念願のユニフォームが完成しみんなの士気が上がる中、ハイジは17分以内を目標に設定することを発表した。何故なら箱根の予選会に出場するには5千メートルを17分以内、もしくは1万メートルを35分以内の公式記録を持つ必要があるからだ。楽勝ムードが漂う中、トップレベルのチームはそんなものではないとカケルは注意を促した。するとハイジは、今回は17分以内で十分だとし、思い切り走って大学陸上界に挨拶してやろうと勇気づけた。

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