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脱皮ワイフ

  • posted at:2016-08-05
  • written by:砂月(すなつき)
だっぴわいふ
フルモーション
配給:バイオタイド
製作年:2004年
公開日:2005年2月28日
監督:本田隆一
製作:永森裕二
プロデューサー:黒須功
原案:永森裕二
脚本:永森裕二
助監督:広田幹夫
撮影:下元哲
照明:高田宝重
録音:塩原政勝
音楽:松石ゲル(ザ・シロップ)
美術:田中耕作
ヘアメイク:堀川なつみ
スチール:奥川彰
撮影助手:中村拓 玄聖愛
車輌:山下こて
・・・:「君がかんでたチューインガム」溝呂木はじめ
・・・:「雨が降ってます」溝呂木はじめ
・・・:「二つで三百円」溝呂木はじめ
・・・:「とっておきの朝」溝呂木はじめ
制作協力:黒須映像工業
出演:小沢和義 miko 益子智行 時任歩 白石あや
アメリカンビスタ カラー 79分

茨城県出身で独自の世界観を持つミュージシャンの溝呂木はじめ。イカ天ブームのときに脚光を浴びた彼だったが、それ以降は長い長い不遇の時代を過ごしてきた。20世紀末となった今でも再ブームが来ることを信じてやまないはじめは、マネージャーで弟のテツを引き連れ若い頃に過ごしたひたちなかの商店街でギターを爪弾くのだった。いい物はいつの時代も受けるという信念のもとに活動を続けるはじめとは逆に、一度確変が掛かったパチンコ台で一日中粘ってもオケラになるだけだとテツは考えていた。そんな中、インディーズレーベルで茨城限定発売した「君がかんでたチューインガム」がオリコンチャート30位に食い込み、地元のラジオ番組に出演することになったのだが、気が大きくなったはじめは女性DJ・エミの「野育ち」という発言が気に入らないと難癖をつけ、それを口実にしてホテルに連れ込んだのだった。

5年間のストリートミュージシャン活動が実って久々のヒットを飛ばしたはじめは、1年足らず経ったある日、テツとともにレコード会社から呼び出された。担当の尾藤がはじめのベスト盤を出すというのだ。海外でのPV撮影や録音、大々的なプロモーション活動などを行い5枚のシングルをリリースしたにも関わらず世間の注目を浴びることはなかった。さらに親会社の役員の娘で宣伝部の女子社員と寝たことが発覚したため、告発しない代わりに首を切りベスト盤を出して少しでも宣伝費を回収せよというのが上層部からの命令だった。静かに話を聞いていたはじめが尾藤を殴ったことで、テツは次のレコード会社を探すとともに新たな仕事を探す決断をした。東京のラジオ局に彼が曲の売り込みに行った際、水戸でDJをしていたエミと偶然会った。エミはラジオ番組のディレクターをしており、はじめの声に魅力を感じていたことから彼女が担当する深夜番組のパーソナリティーをやらないかと誘われたという。その話を聞いたはじめは、ミュージシャンの俺が季節の話題やランキング紹介をして他人の曲を流すことなんてプライドが許さないと言った。

思うことはあるものの「溝呂木はじめの歌うハイウェイ」のパーソナリティーとなったはじめ。2003年最後の放送を終えたはじめがブースから出てくると、茨城時代からのファンだったというファンをテツが連れて来た。はじめは美樹というその娘を食事に誘うとそのまま自宅に持ち帰った。新年早々、彼は番組の中で入籍したことを突然発表した。そのことを誰にも伝えていなかったためテツはショックを隠せなかったがエミは平静を装った。新婚生活を始めて数日後の朝、はじめが目覚めると傍らに薄皮のような物が落ちていた。美樹に尋ねるとそれは彼女の物だという。「脱皮するの、わたし」。理解出来ずに再び尋ねると、同じ人と何度かエッチするとある日突然全身の皮がきれいに剥けるの、と言った。皮膚科や精神科に行っても解決しなかったことから美樹は一人で思い悩んでいたのだが、真面目に話を聞くはじめに心を許したのだった。その日以来、彼女に少しずつ変化が見え始めた。

屋台的映画館
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三大怪獣 地球最大の決戦

  • posted at:2016-07-30
  • written by:砂月(すなつき)
さんだいかいじゅうちきゅうさいだいのけっせん
東宝
配給:東宝
製作年:1964年
公開日:1964年12月20日 併映「花のお江戸の無責任」
監督:本多猪四郎
製作:田中友幸
脚本:関沢新一
撮影:小泉一
美術:北猛夫
録音:矢野口文雄
照明:小島正七
音楽:伊福部昭
挿入歌:「幸せを呼ぼう」ザ・ピーナッツ
整音:下永尚
監督助手:佐野健
編集:藤井良平
音響効果:知久長
現像:東京現像所
製作担当者:中村茂
特殊技術・撮影:有川貞昌 富岡素敬
特殊技術・光学撮影:真野田幸雄 徳政義行
特殊技術・美術:渡辺明
特殊技術・照明:岸田九一郎
特殊技術・合成:向山宏
特殊技術・監督助手:中野昭慶
特殊技術・制作担当者:小池忠司
特技監督:円谷英二
出演:夏木陽介 星由里子 小泉博 志村喬 ザ・ピーナッツ
シネマスコープ カラー 93分

日本は異常気象に見舞われており、1月であるにも関わらず夏日のような暑さだった。地球の各地で数々の異常現象が見られることから、宇宙円盤クラブは特別集会を招集し、ビルの屋上で現象に拘っていると思われる円盤と午前1時半に交信を行ったが、30分が経過しても音沙汰なかった。失敗であることを認めた会長は、番組制作の取材として許可を出した進藤直子が円盤の存在を信用していないからだと彼女の責任にした。そして地球上で起きている現象は只事ではなく銀河系以外の宇宙でも異変は絶えず繰り返すと言うと、直子は今にも地球が爆発しそうですねと皮肉った。一笑に付した会長は、考えられる変事を円盤と交信して確かめ警告するつもりだったと明らかにした。それから間もなくして夜空に無数の流星が現れた。その頃、沖田刑事課長から居残りを命じられた直子の兄で警視庁の刑事の進藤にある任務を与えられた。それは左右両陣営の紛争に巻き込まれているセルジナ公国マアス・ドオリナ・サルノ王女の非公式来日の護衛だった。王位継承者であるサルノ王女を暗殺する計画が持ち上がっている噂があり、反対派から一時的に逃れるための来日ではないかと考えられた。特別機で既に出発していることから、進藤は上司からの命令を断る理由を失った。日本に向かう特別機に乗ったサルノ王女は窓から星空を眺めていた。すると突然上空にまばゆい光が現れ、「ここから逃げなさい」と何者かが心に語り掛けてきたのだ。誰かに導かれるように通路を歩く彼女はやがて脱出口にたどり着くと、勝手に開いた扉から飛び降りた。光が彼方に飛び去ると、それと同時に特別機は爆発を起こし墜落した。

巨大な隕石が黒部ダム付近に落下したことから、帝都工大の村井助教授をリーダーとするチームは調査を行うことになった。目撃した電力会社社員の話で落下地点が黒岳霞沢付近であることがわかったが、ヘリコプターが近づけないほど気流が悪いため徒歩で移動するしかなかった。つり橋を渡り霞沢の位置を確認しようとコンパスを取り出したところ、北西の場所にいるにも拘らず針は何故か北を指していた。それは村井だけでなく他の隊員も同様だった。経験を頼りに前進を続けた結果、前方の谷に隕石らしきものを発見し夕暮れまでにたどり着くことが出来た。ベースキャンプを設営することになったが、準備の最中に隕石が持つ強力な磁場でピッケルが引き寄せられたのだった。

沖田は進藤に警護をする必要がなくなったことを説明した。それを聞いた進藤は、サルノ王女が戦争の犠牲者となったことを嘆いた。その頃、直子が宇宙円盤クラブの取材テープを社内で編集していると、金巻班長が飛び入りのネタだと駆け込んできた。上野に預言者が現れたというのだ。20世紀の神話にぴったりだということで取材を任された直子は、早速インタビューを試みた。男装をしたその女性は金星から来たと言った。そして九州の阿蘇に異変が起こることを予言した。

屋台的映画館

トラック野郎 突撃一番星

  • posted at:2016-07-24
  • written by:砂月(すなつき)
とらっくやろうとつげきいちばんぼし
東映(東京撮影所)
配給:東映
製作年:1978年
公開日:1978年8月12日 併映「多羅尾伴内 鬼面村の惨劇」
監督:鈴木則文
企画:天尾完次 高村賢治
脚本:掛札昌裕 中島信昭
撮影:飯村雅彦
録音:小松忠之
照明:川崎保之丞
美術:桑名忠之
編集:鈴木宏始
助監督:森光正 馬場昭格
記録:宮本衣子
擬斗:日尾孝司
宣伝担当:本間昭信 小田和治
スチール:藤井善男
製作進行:小島吉弘
装置:中村文栄
装飾:酒井喬二
音響効果:岩藤竜三
美粧:井上守
美容:石川靖江
衣裳:内山三七子
演技事務:和田徹
振付:星野隆
協力:東映俳優センター
現像:東映化学
音楽:木下忠司
主題歌:「一番星ブルース」菅原文太 愛川欽也
協力:下呂温泉 企画協力:(株)カントリー
協力:三重県鳥羽市戸田家別館 東駒ベーシック清酒(株) 藤田観光(株)下田海中水族館 哥麿会
出演:菅原文太 せんだみつお 原田美枝子  樹木希林 亜湖
アメリカンビスタ カラー 103分

UFOや宇宙をテーマにした映画が次々と公開されSFブームが到来した日本列島。その影響はトラック野郎・一番星こと星桃次郎にも及んでいた。UFOに関する書籍を買い漁ると、天体望遠鏡で姿を追い無線で交信を試みた。伊勢湾フェリーでの移動中も時間を惜しみ、昼間であろうが関係なく観測に精を出していた。その様子を呆れてみていたのは、彼の相棒・やもめのジョナサンこと松下金造だった。桃さんのUFO狂いは地球の女に振られ過ぎたからじゃないのかと金造がバカにすると、頭に来た桃次郎は怒鳴って追いやった。そんな彼に声を掛けてきたのは、グラマーな美女の小百合だった。小百合は桃次郎の手を取ると、これが第一種接近よと言った。次に彼の手を引き寄せて胸に触らせると、これが第二種接近よと言った。さらに腰を触らせて第三種接近よと言った。調子に乗った桃次郎が別の場所へ手を伸ばそうとしたそのとき、寸前で引き留めたのは彼女の兄と称する桶川玉三郎だった。玉三郎は丸菱商事営業部と書かれた名刺を渡すと、メイドインイングランドの高級紳士服を扱っており今なら市価の6割引きでサービスしていると言って4万8千円の純白のスーツをケースから取り出した。小百合からUFO研究の先生にぴったりだと言われ気を良くした桃次郎が気前よく現金で支払うと、船が着いたら真珠島で散歩しましょうと耳元で囁かれたため舞い上がった。鳥羽港に着くと買ったばかりのスーツに身を固めた桃次郎は波止場で小百合が来るのを今か今かと待っていた。するとその近くに同じように純白のスーツ姿の金造がいるのだ。ライバルの出現に驚いた二人はにじり寄ると、玉三郎と小百合が乗った車が彼らの前を横切ったのだ。撒いていた水に濡れたことが原因でスーツが縮み、小百合だけでなく玉三郎にまで騙されていたことを知ったのだった。

夜の国道をひた走る一番星号。桃次郎が宇宙人をテーマにした大人向けのラジオドラマを聞きながら運転をしていると、車内に装備したUFO探知機が反応し光の前に立つ人影を前方に見たのだ。宇宙人だと確信した彼はトラックを停めると近づいて確認した。それは白いウェットスーツ姿の美女だった。一目惚れした桃次郎は宇宙から来た使者の方ですねと声を掛けると自己紹介し、あなたのような美しい方と第三種接近出来るなんて光栄だと言った。それを聞いてクスリと笑う美女。すると後ろから金造が追いかけて来て、正月と盆に出る病気なのですみませんと引きずって行ったそそして二人が言い争っているうちに彼女は姿を消した。

尾鷲魚市場で荷を積み帰途を急いでいると、桃次郎は前方に玉三郎の車を発見した。だが巧妙な運転にまんまと巻かれてしまった。仕方なくドライブイン・海女の郷で食事することにした二人だったが、そこで玉三郎と鉢合わせした。彼は桃次郎にとっちめられたことで、かつて自分もトラック野郎だったことを白状した。もう一度トラックに乗りたいという玉三郎の熱意と口のうまさに負けた金造は助手として雇うことにしたが、大飯食らいでまるで役に立たないことがわかると桃次郎に引き取ってくれと頭を下げた。

屋台的映画館

HOUSE ハウス

  • posted at:2016-07-18
  • written by:砂月(すなつき)
はうす
東宝映像
配給:東宝
製作年:1977年
公開日:1977年7月30日 併映「泥だらけの純情」
監督:大林宣彦
製作:大林宣彦 山田順彦
原案:大林千茱萸
脚本:桂千穂
撮影:阪本善尚
美術:薩谷和夫
録音:伴利也
照明:小島真二
音楽:小林亜星 ミッキー吉野
演奏:ゴダイゴ
監督助手:小栗康平
スチール:中尾孝
合成:松田博
光学撮影:宮西武史
作画:石井義雄 塚田猛昭
編集:小川信夫
効果:東宝効果集団
整音:東宝録音センター
現像:東洋現像所
製作担当者:広川恭
ピクトリアルデザイン:島村達雄
音響デザイン:林昌平
ファッションコーディネーター:吉田叡子
衣裳協力:(株)西武ピサ (株)西武百貨店
出演:池上季実子 神保美喜 大場久美子 松原愛 佐藤美恵子
スタンダード カラー 88分

東京郊外の女子高に通うオシャレは一週間後に迫る夏休みをとても楽しみにしていた。明日イタリアから帰ってくる最愛の父親と軽井沢の別荘で過ごすことになっていたからだ。親友のファンタは、生物の東条圭介先生の妹が運営する民宿で演劇部の仲間たちと合宿をすることになっていたことから、オシャレが参加出来ないことを残念がった。その日の夕方、オシャレが帰宅すると音楽家の父親が待っていた。彼が帰国した理由の一つは、イタリアで知り合った宝飾デザイナーの江馬涼子を娘と会せることだった。妻を失って8年、親子間の幸せを取り戻す頃合いだと考え再婚に踏み切ることにしたのだが、突然の出来事を受け入れらないオシャレは部屋に閉じこもり、母との思い出に浸った。そしてしばらく会っていない母の姉に当たるおばちゃまのことを思い出していた。

圭介に思いを寄せているファンタにとって長期間一緒に過ごせるこの夏休みは最高の時間になるはずだった。ところが彼の妹が予定よりも早く産気づいたため、民宿を開くことが出来なくなったのだ。困っているファンタたちに救いの手を差し伸べたのはオシャレだった。彼女が誘った宿泊先は軽井沢ではなく、おばちゃまが暮らしている母の実家だった。提案はしたものの先方の了承を得ていないファンタは、子供の頃に一度しか会ったことしかないにもかかわらず母の田舎で母の代わりに甘えてみたいと書いた手紙を送った。すると数日後に待望の返事が届き、ぜひいらっしゃいと書いてあった。

合宿当日、待ち合わせ場所の東京駅には、ファンタの他にガリ、クンフー、マック、スウィート、メロディーの6人が集まったが、演劇部顧問の圭介がいつまで経っても来ないため心配して電話をした。すると家を出た際に軽傷を負ったという。実は階段で転び、尻餅をついた際にバケツがはまって取れなくなったのだ。到着した駅からのバスが一日一本しかなくそれに間に合わないため、彼はバギーで後から追いかけると返事した。ファンタたちのもう一つに心配事は未だにオシャレが来ていないことだった。ホームで待っているに違いないというクンフーの言葉を信じて改札を通ると、オシャレは一人で立っていた。いなくなった猫のシロを探していたのだが、見つからないため落胆していたのだ。列車が到着し7人が自分たちの席に向かうと、シロは先回りしてくつろいでいた。シロはおばちゃまの便りとともにやってきた迷い猫だった。

オシャレがおばちゃまにまつわる話をしているうちにバスは里山村の停留所に到着した。だがどっちに向かっていいかわからず迷っているとシロが指示したため、楽観的な7人はそれに従うことにした。川を渡り、森を抜け、草原を越えた先に民家があり、そこにスイカ売りの主人がいたことから、オシャレはおばちゃまの屋敷について尋ねてみることにした。すると男は彼女を見るなり、あんたはお屋敷のお嬢様の姪御さんだろと言い、山の頂上にある一軒の屋敷を指差したのだった。お礼を言って目的地に向かう7人。男はそれを見送りながら「久しぶりだなあ。お嬢様もさぞかしお喜びなさるだろう。」と高笑いした。

屋台的映画館

喜劇 誘惑旅行

  • posted at:2016-07-03
  • written by:砂月(すなつき)
きげきゆうわくりょこう
松竹(大船撮影所)
配給:松竹
製作年:1972年
公開日:1972年2月5日 併映「喜劇 女売出します」
監督:瀬川昌治
製作:樋口清
脚本:下飯坂菊馬 瀬川昌治
撮影:丸山恵司
美術:熊谷正雄
音楽:いずみたく
録音:平松時夫
調音:小尾幸魚
照明:佐久間丈彦
編集:太田和夫
監督助手:増田彬
装置:石渡敬之助
装飾:磯崎昇
衣裳:松竹衣裳
現像:東京現像所
進行:峰順一
製作主任:峰順一
挿入歌:「恋ごよみ」安倍律子
振付:篠井世津子
装飾提供:四谷マブハイ
衣裳提供:伊勢丹
協力:フィリピン航空 阪急交通社フィルパック マニラヒルトン
出演:フランキー堺 倍賞千恵子 森田健作 尾崎奈々 川口まさみ
アメリカンビスタ カラー 93分

優勝賞品が海外旅行の人気テレビ番組「アベックアップダウンクイズ」に出演した大沢夫妻。頼りない夫の泰三に替わって妻の弘子が孤軍奮闘し、優勝とともにフィリピン周遊券1週間分と賞金10万円を獲得した。新幹線ひかり号の専務車掌を務める泰三は翌日から現地女性にもてるためのタガログ語を勉強し始め、車掌室にまでテキストを持ち込んでいた。仕事を終えた彼が帰宅すると、弘子が旅行用小遣い10万円を稼ぐために出場するKTV「ジャンボクイズ」対策の勉強を必死になって行っていた。会社でもらった餞別を渡すと、弘子はもし賞金がもらえたらこの分は貯金しましょうねと言った。「一人じゃそんなにいらないだろうし」。その言葉に疑問を持った泰三が聞きなおすと、スポンサーの日南商事がドルショックの影響で経費を削らなければならなくなったため、今回から賞品は一人分になったと収録後で決まったのだという。曾祖母の妹がフィリピンに住んでいたこともあり、例え一人になっても自分が行くのが当然だと考えていた泰三は、餞別の他に休暇手続きまでしてきた俺の顔を潰してまで行きたいのかと主張したが、内職として始めたクイズの回答で獲得したステレオやカラーテレビなどのことを持ち出されるとぐうの音も出なかった。その日、夜遅く訪ねてきたのはフィリピン航空の客室乗務員・マリだった。弘子が羽田―マニラライン開設10万人目の乗客として選ばれたため、大沢夫妻を1週間のツアーに招待するというのだ。泰三は突然の出来事に言葉を失い号泣した。

海外旅行が初めての二人は飛行機に乗るのも初めてだった。旅行当日、新幹線の自由席のつもりで空いている席に座ろうとする弘子を注意する泰三だったが、やはり慣れない環境にあたふたした。そうこうしているうちに彼は後ろの席に見知った顔の女性がいることに気付いた。彼女の名前は清美といい、先日車中で切符の払い戻しをした際に話し込んだのだ。民族衣装の研究でフィリピンへ行くという清美と話を弾ませる泰三の姿を見て弘子は嫉妬した。やがて飛行機はマニラ国際空港に到着した。マリは会社の車を探すのでこの場所で待つように二人に言い、くれぐれも悪質な客引きには注意するようにと忠告した。泰三はそこいらにいる女性の姿をカメラに収め始めたが、人相の悪い男と目が合い近寄ってきたので慌てて目を逸らした。その男は日南商事のマニラ駐在員の三宅で、本社からの命令で弘子を迎えにきたのだ。早速ホテルへ行きましょうと言うので泰三もついて行こうとしたのだが、御主人を接待しろとは聞いていないと冷たくあしらわれた。戻って来たマリは夫婦を別々に行動させる日南商事のやり方に怒りを感じ二人を連れて行こうとしたが、泰三は強引な客引きの被害に遭っている清美の姿を見つけ助けに行った。それを見てやきもちを焼いた弘美は三宅について行ってしまった。

屋台的映画館

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