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マルサの女2

  • posted at:2023-04-07
  • written by:砂月(すなつき)
まるさのおんなつー
伊丹プロダクション
配給:東宝
製作年:1988年
公開日:1988年1月15日
監督:伊丹十三
製作:玉置泰 細越省吾
脚本:伊丹十三
音楽:本多俊之
撮影:前田米造
照明:桂昭夫
録音:小野寺修
美術:中村州志
編集:鈴木晄
記録:堀北昌子
衣裳:小合恵美子
装飾:山崎輝
特機:落合保雄
SFX:白組 サンク・アール
音楽プロデューサー:立川直樹
キャスティング:笹岡幸三郎+N.C.P.
グラフィック・デザイン:佐村憲一
助監督:久保田延廣
製作担当:川崎隆
出演:宮本信子 津川雅彦 丹波哲郎 大地康雄 益岡徹
スタンダード カラー 127分

バブル景気に沸く東京では都心部のオフィスビル建設に絡む土地の争奪戦が行われていた。100億円もの資金が投じられているプロジェクトには政治家、商社、建設業者、銀行が拘わっているが、成功のためには一人の地上げ屋の死など些細なことでしかなかった。代議士の漆原から次の地上げ屋を依頼された猿渡は鬼沢鉄平という男を紹介した。

東京国税局査察部(通称・マルサ)の査察官・板倉亮子は同僚の伊集院とともに宗教法人「天の道教団」を探っていた。管長を務める鬼沢は妻のキヌを教祖としたくさんの信者を集めていたが、陰のオーナーとしてラブホテルやナイトクラブの他にソープランドやパチンコ屋などを経営していた。それらは全てダミー会社が経営を行い、売り上げの一部からピンハネした金は天の道教団に渡っていた。だがそれらの決定的な証拠をまだ掴めていないのだ。

鬼沢は非課税となる宗教法人を隠れ蓑にして金儲けをしていたが、良心の呵責か毎晩のように悪夢にうなされていた。ある日、彼のもとに一人の男が訪ねてきた。サラ金に追われているが500万円の借金を今日中に返せば一家心中しなくて済むのだという。この男の仕事は中央駅の手荷物預かり所の主任であることから、彼を利用してコインロッカー替わりに使えばいいと考えた。だがそれよりも興味をそそるのは担保として娘の奈々を差し出したことだった。

鬼沢を追っていた亮子たちは彼がオフィスビル建設の地上げに拘っていることを知った。建設計画の支障となっているのは立ち退きを断固として拒否している住民であり、中でも彼らが手を焼いているのが大学教授の米田と写真週刊誌専門カメラマンの清原、そして自治会長を務める大衆食堂の主人だった。そこで猿渡は鬼沢に仕事を依頼したのだ。鬼沢の側近で地元ヤクザのまとめ役でもある猫田は一件1千万円という破格の報酬を提示して計画を早めようとした。その様子を亮子たちは外から盗聴していた。

屋台的映画館
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網走番外地 吹雪の斗争

  • posted at:2023-04-04
  • written by:砂月(すなつき)
あばしりばんがいちふぶきのとうそう
東映(東京撮影所)
配給:東映
製作年:1967年
公開日:1967年12月23日 併映「兄弟仁義 関東兄貴分」
監督:石井輝男
企画:今田智憲 植木照男
原案:伊藤一
脚本:石井輝男
撮影:中島芳男
録音:広上益弘
照明:大野忠三郎
美術:藤田博
編集:鈴木寛
助監督:野田幸男
進行主任:武田英治
擬斗:日尾孝司
現像:東映化学工業
音楽:八木正生
主題歌:「網走番外地」高倉健
協力:層雲峡温泉 ホテル大雪
出演:高倉健 梅宮辰夫 谷隼人 中谷一郎 宮園純子
シネマスコープ カラー 87分

網走刑務所に送られてきた橘真一は四十二号として収監された。彼が入ることになった雑居房にはデカ虎という牢名主がおり、足を伸ばして寝るには人数を減らさなくてはならないと考えた。その矢面に立ったのが新入りの橘と肺病を患う吉だった。マサたちは体の弱った吉を病死に見せ掛けて殺そうとするが、見兼ねた橘が止めに入りデカ虎を絞めたことで形勢は逆転した。牢名主となった橘は吉をかばったが異論は出なかった。

極寒の作業場は死と隣り合わせだった。そんな中でも要領のいい蝮たちは点数稼ぎをして典獄の青鬼からタバコの分け前をもらっていたが、その際に橘と吉がヤキを入れてやると言っていたと吹聴して焚きつけたのだった。それを聞いて頭に血が上った青鬼は木を切る作業をしていた二人に、この方が能率的だと登らせようとした。俺一人でたくさんだとその役目を買って出た橘はあっという間の天辺についた。見上げて木を揺する橘に罵声を浴びせる青鬼たち。やがて木が倒れ始めると逃げようとするが、吉がこっそりと足元に置いた木の切れ端につまづいた。下敷きは免れたが重傷を負った青鬼は激怒し橘を懲罰房送りにした。

暗い懲罰房に入れられた橘は寒さと飢えに耐えながら逃げることばかり考えていた。そして長い時間を掛けて柱に体を擦りつけ拘束縄を切った。自由を手に入れた橘が床板を剥がすと抜け穴があり、先へ進んで行くと隣の懲罰房に繋がっていた。そこにはマルコフという無実の罪で投獄された外国人がいたが、身も心も疲れ果てていた。脱獄を試みて十三年間抜け穴を掘り続けたが実現することはなかったのだという。間近に迫った自分の死期を悟った彼は私の棺に入って逃げなさいと言った。この刑務所には夜遅く出棺するしきたりがあり、配膳する刑務官が死を確認すれば今夜にでも行われるのだ。マルコフは橘に懐中時計を渡しオルゴールが鳴ったら来なさいと言った。その夜、約束通りに隣の房へ行くと棺が置かれていた。脱獄するにはそれしかないと橘は覚悟を決めた。

屋台的映画館

赤胴鈴之助 三つ目の鳥人

  • posted at:2023-04-01
  • written by:砂月(すなつき)
あかどうすずのすけみつめのちょうじん
大映(京都撮影所)
配給:大映
製作年:1958年
公開日:1958年3月11日 併映「母」
監督:森一生
企画:土田正義
原作:武内つなよし
潤色:穂積純太郎
脚本:岡本繁男 松村正温
撮影:宮川一夫
録音:林土太郎
美術:太田誠一
照明:岡本健一
音楽:渡辺浦人
編集:宮田味津三
音響効果:倉島暢
擬斗:宮内昌平
助監督:田中徳三
主題歌:コロムビア・レコード ビクター・レコード
製作主任:小沢宏
現像:東洋現像所
出演:梅若正二 中村玉緒 林成年 近藤美恵子 黒川弥太郎
シネマスコープ カラー 71分

江戸の町に鳥の羽飾りをつけた奇怪な怪人が現れ戌年生まれの子供を次々とさらって行った。そして親元に「子供を返して欲しくば護持院ヶ原の一本杉まで千両箱を持参すべし」と書かれた矢文とともに小柄の刺さった人形を送りつけたのだった。言うことを聞かなければ我が子の命がないと考えた親たちは天狗の仕業だと恐れおののいていた。三つの目を持つ鳥人は風のように現れ煙のように消え失せた。奉行所はその鳥人の首に千両の賞金を懸けた。

師匠千葉周作の推挙により江戸町奉行土井安房守の剣術指南となった赤胴鈴之助は屋敷の庭で土井の一子鶴千代に稽古をつけていたが、ただならぬ気配を感じ庭の隅へ行くと小柄の刺さった人形が落ちていた。三つ目の鳥人は命が欲しければこの屋敷の指南役から手を引けと鈴之助に命じ姿を見せぬまま高笑いとともに飛び去った。翌日の夕方、屋敷を抜け出し鈴之助の長屋を訪ねた鶴千代は浅草へ連れて行ってくれと言った。稽古仲間の金二郎から武士の子なら肝試しに一度は行かなければならないとそそのかされ、夢に見るまでお化け屋敷に興味が湧いたのだった。殿様にお許しをいただかなければと鈴之助は断るが、一人ででも行くと駄々をこね出したため子供の扱いに慣れたしのぶも連れて行くことにした。

浅草にきた三人は南蛮渡来お化け屋敷と書かれた看板を掲げる小屋に入るが、それは鶴千代を連れ去るための罠だった。三つ目の鳥人は鈴之助をつけ狙う火京物太夫と岳林坊を利用して二人から引き離すと、次は妖婆の催眠術でしのぶを操った。三つ目の鳥人は一人になった鶴千代を易々と外へ連れ出すが、子供の叫び声を聞いて駆けつけた竜巻雷之進が立ちはだかった。そして遅れてやってきた鈴之助が剣を構えると雷之進は鶴千代を引き受けた。鈴之助は三つ目の鳥人に斬り掛かるがひらりと宙に舞うと同時に姿を消した。見えない者との勝負に苦戦する鈴之助。だが気配を感じて刀を振ると手応えがあり三つ目の鳥人は血を滴らせながら逃げて行った。勝負を見届けた雷之進は三つ目の鳥人が一瞬真空斬りの構えを見せたことに疑問を感じていた。

屋台的映画館

喜劇 急行列車

  • posted at:2023-03-28
  • written by:砂月(すなつき)
きげききゅうこうれっしゃ
東映(東京撮影所)
配給:東映
製作年:1967年
公開日:1967年6月3日 併映「あゝ同期の桜」
監督:瀬川昌治
製作:大川博
企画:秋田亨 加茂秀男
脚本:舟橋和郎
撮影:飯村雅彦
録音:小松忠之
照明:元持秀雄
美術:北川弘
編集:祖田冨美夫
助監督:山口和彦
進行主任:武田英治
現像:東映化学工業株式会社
音楽:木下忠司
協力:日本国有鉄道
出演:渥美清 西村晃 小沢昭一 江原真二郎 大原麗子
シネマスコープ カラー 90分

国鉄東京車掌区で専務車掌を務める青木吾一は17時発佐世保・長崎行きの寝台特急さくら号に乗務した。横浜駅を過ぎ一段落したところで弁当箱を広げると、車掌室に一人の老人が訪ねてきた。その老人は東北・気仙沼で蒸気機関車の機関士をしていたのだという。それを聞いた吾一は気仙沼線の陸前階上駅で働いていた時のことを思い出した。17歳だった彼が駅員となって初めて着任したのが陸前階上駅であり、もしかして会っていたかもしれないと考えると感慨深いものがあった。久しぶりの東北訛りを聞いてうれしくなった吾一は、土産話として一等寝台車を見せて欲しいという願いを叶えることにした。

乗車券の確認をする時間になり吾一が車内を巡回していると、乗客の中に憧れの人がいることに驚いた。横須賀線で車掌をしていた際に塚田毬子に一目惚れし、学生として鎌倉ー東京間を往復する彼女と毎日会えることを楽しみにしていたのだった。ドキドキしながら乗務員室に戻った吾一はその時のことを思い出しながら独り言を呟いていたが、マイクのスイッチが入ったままになっていることに気づかずその声が車内に流れたのだった。慌てた同僚が指摘をすると吾一はどうしようと落ち込んだ。だがすぐに思い直し、自分が書いた小説の一節を朗読したことにしてその場を収めた。乗客が就寝の準備を始めた頃、毬子は吾一に電報を打って欲しいと頼んだ。電文の文字数を確認する際にそれが夫と離別する内容だと知った彼は考え直した方がいいと諭すが毬子の決意は固かった。

早朝、列車が徳山駅に着いた頃、乗客のホステス5人組が騒ぎだした。指輪などのアクセサリーが盗まれたというのだ。他にも盗られた者がいるのではないかと考えた吾一は聞き取りを行うと、その時間に眠れなかった毬子がスリの犯行を目撃したと証言した。岡山を発車したくらいに男が廊下をウロウロした後、隣の車両に行ったというのだ。顔は暗くて良く見えなかったが特徴は覚えていた。そこで吾一が男の向かった車両へ何事もなかったように彼女を歩かせると、毬子は一号車の中ほどまで行ったところで合図を送った。列車が門司駅に到着すると鉄道公安職員が乗り込み男の取り調べを行ったが盗品は出てこなかった。だが不審な動きをした女を調べたところ、犬のケージバッグからアクセサリーが見つかった。二人は示し合わせて悪事を働いていたのだ。

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太陽を盗んだ男

  • posted at:2023-03-25
  • written by:砂月(すなつき)
たいようをぬすんだおとこ
キティ・フィルム
配給:東宝
製作年:1979年
公開日:1979年10月6日
監督:長谷川和彦
製作:山本又一朗
プロデューサー:伊地智啓
原案:レナード・シュレイダー
脚本:レナード・シュレイダー 長谷川和彦
撮影:鈴木達麿
照明:熊谷秀夫
録音:紅谷愃一
美術:横尾嘉良
編集:鈴木晄
音楽:井上堯之
編曲:星勝
助監督:相米慎二 高橋芳朗 矢野広成 榎戸耕 森安建雄
擬斗:西本良治郎
カーアクション:三石千尋&マイクスタントマンチーム
化学指導:島本哲男
合成:デン・フィルム・エフェクト
現像:東洋現像所
製作進行:大谷康之 黒沢清
製作担当者:古川石也 山本勉
協力:東洋工業株式会社
出演:菅原文太 沢田研二 池上季実子 北村和夫 神山繁
アメリカンビスタ カラー 147分

堀口中学校で3年3組を受け持つ理科教師の城戸誠は遅刻の常習者で毎日を無気力に過ごしている。そんな彼の関心事は「巨大なエネルギー」を手に入れることであり、自宅の部屋には実験器具が所狭しと並べられていた。ある日の夕方、帰宅した彼はいつも窓から入ってくるニャロメと名付けた野良猫をミルクで手懐けるとアパートの屋上へ連れて行った。そして誰もいないことを確認すると殺虫剤の缶に仕込んだ催眠ガスを吹き付けて効果を見た。それが有効であることを確認すると深夜になるのを待ち交番に出掛けた。老人に変装した彼は巡査に道を尋ね、相手が油断した隙に催眠ガスを顔に吹き掛けた。

翌日、誠は学校行事の親睦会で箱根高原にいた。木陰で新聞を広げた彼は昨夜の事件の記事を目で追った。すると隅に小さく載っておりそれを声に出して読んだ。「交番の巡査、拳銃をうばわる」。山をバックに記念撮影を終えバスに乗り込むと、誠は振り返って生徒の様子を見てから眼をつむった。バスは首都高速道路をノロノロと進みやがて皇居に差し掛かった。北の丸公園駐車場でトイレ休憩を終えたバスが出発しようとしたその時、旧陸軍の歩兵服に身を固め両手に銃を握り締めた老人が乗り込んできた。冗談はやめろよと運転手が止めようとしたのと同時に銃が火を噴きガラスが飛び散った。前の席にいた誠は銃身を握ると上へ向けて老人の胸倉をつかんだ。だが老人が手榴弾を取り出したため手を離さざるを得ず銃の先端で突き飛ばされた。運転手に走らせろと命じたバスは皇居へ向かっていた。坂下門に突進するバスは守衛所の警官たちによって門を閉められたため急停車した。老人が車内から撃ってきたことから警官たちは応戦しようとするが、手榴弾で守衛所は木っ端微塵に吹き飛ばされた。

日はとっぷりと暮れライトに照らされたバスは警察車両が取り囲まれていた。後から到着した山下満州男警部は説得を続ける警官から拡声器を受け取ると引き続き呼び掛けた。狙撃班が到着し打ち合わせを行っていると誠が出てきた。白いハンカチを掲げて警官隊の方へ歩いて行くと、山下は犯人の要求を聞かせてくださいと尋ねた。天皇陛下とお会いしてお話ししたいと言っていると誠が説明すると山下は言葉を失った。これ以上事態を長引かせたくない山下は犯人と直接交渉を行うことにするが、作戦を傍で聞いていた誠は老人を刺激したくないからと同行を志願した。

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