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浮かれ三度笠

  • posted at:2016-01-05
  • written by:砂月(すなつき)

うかれさんどがさ
大映(京都撮影所)
配給:大映
製作年:1959年
公開日:1959年12月6日 併映「闇を横切れ」12/12まで 「旅情」12/13から
監督:田中徳三
製作:三浦信夫
企画:辻久一
脚本:松村正温
撮影:武田千吉郎
録音:大谷巌
照明:斎藤良彰
美術:西岡善信
音楽:塚原哲夫
色彩技術:青柳寿博
編集:菅沼完二
装置:科田豊一
擬斗:宮内昌平
助監督:池広一夫
製作主任:黒田豊
現像:東洋現像所
出演:市川雷蔵 本郷功次郎 中村玉緒 宇治みさ子 左幸子
シネマスコープ カラー 99分

将軍職争いに敗れた尾張大納言宗春は、五日後に届くことになっている同心協力を成約した諸大名の連判状を心待ちにしていた。宗春は徳川幕府に対し謀反を起こそうとしていたのだ。尾張国に不穏な動きがあることを知った八代将軍徳川吉宗は大岡越前守忠相に相談を持ち掛けたが、未だ大名の名前を知るまでに至っていなかった。宗春の気持ちを和らげる方法はないかと頭を悩ませる吉宗は、甥の松平与一郎と宗春の息女菊姫を縁組させその仲人を引き受けることを忠相に提案した。翌日行われる縁談の話題は尾張藩江戸屋敷の腰元たちの間で持ち切りとなり、やがて菊姫の耳にも入った。松平伊勢守与一郎という男、大層粋な若様で浮いた稼業の女たちの間でも引く手あまたとのこと。父上と上様は仲が悪いんだから碌な人を紹介するはずがないと菊姫が言うと、腰元の渚も道楽者でいくじなし、おまけにお脳が弱いと散々な言い草だった。菊姫はそこへやってきた老家老の孫太夫に不承知だと伝えると、御家の安泰など知らぬと部屋を出て行き、追いかけて来る孫太夫を困らせるために廊下の下へ隠れた。姫を捜す孫太夫は家老此木大膳正と指南役の諸岡一角に挟まれ、諸岡によって斬られた。大膳にとって天下泰平を口にするものは全て逆臣だった。菊姫は二人が去ったのを確認し地面に落ちた孫太夫に駆け寄ると虫の息の彼から連判状を受け取った。それが意味することを知っていた菊姫は、宗春の心を変えるために渚とともに名古屋へ向かった。縁談当日、松平家に出向いた大膳は菊姫が出奔し行方が分からなくなっていることを説明したが、家老坂部監物はこの縁談に不満があることに対する言い訳だと考えていた。するとこちらでも与一郎が書置きを残して屋敷から出奔したことが監物の耳に入った。書置きには菊姫に受けた恥辱を刀にかけて晴らすが追手は無用と書いてあった。

大膳は内密に菊姫を捜し出す大役を若い楠見兵馬に託すことにした。だが兵馬は女の扱いが極めて不器用だからという理由で役目を断ろうとした。すると大膳はうっかり渚が落としたという兵馬にあてて書いた恋文を証拠として差し出し、不義が御家の御法度であることを盾に役目を押し付けたのだった。その頃、二人が行方知れずになったことを忠相から伝え聞いた吉宗は気を揉んでいた。尾張藩では頻りに浪人者を抱え、名古屋城を改築。謀反の噂は美濃三州一円にまで広がっていた。出奔と称した菊姫に連判状を託しているのではないかと考えた忠相は、その策略を潰すために隠密ふくろう組の権藤民部と黒手組の赤座道犬に追跡を命じた。街道の茶屋で兵馬がひと休みしていると、向かいに座る娘が何度も目配せをしてきた。無視を決め込んでいた彼もさすがに気になり、どうしていいかわからずにそわそわしていたが、やがて視線が自分にではなく左隣にいる色男に注がれていることに気付いた。その色男は遣らずの与三郎という渡世人だった。

屋台的映画館

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宇宙大戦争

  • posted at:2015-09-19
  • written by:砂月(すなつき)
うちゅうだいせんそう
東宝
配給:東宝
製作年:1959年
公開日:1959年12月26日 併映「サザエさんの脱線奥様」
監督:本多猪四郎
製作:田中友幸
原作:丘見丈二郎
脚本:関沢新一
撮影:小泉一
美術:安倍輝明
照明:石川緑郎
録音:三上長七郎 宮崎正信
音楽:伊福部昭
監督助手:梶田興治
編集:平一二
現像:東洋現像所
製作担当者:坂本泰明
特殊技術・光学撮影:荒木秀三郎
特殊技術・撮影:有川貞昌
特殊技術・美術:渡辺明
特殊技術・照明:岸田九一郎
特殊技術・作画合成:向山宏
特技監督:円谷英二
出演:池部良 安西郷子 高田稔 千田是也 レン・スタンフォード
シネマスコープ カラー 93分

1965年、三機の円盤による襲撃で宇宙ステーションJSS3が壊滅すると、世界各地で奇妙な現象が立て続けに発生した。日本では東海道線の鉄橋が持ち上がったことが原因で特急列車が脱線事故を起こし、パナマ運河では航行中のアメリカの貨物船・ブルークイーン号が突然空中に浮かび上がりミラフローレス閘門付近の小山に激突するという不可解な事故が起きた。そしてベニスは突如猛烈な気温低下に襲われ河川の水がことごとく凍ると、今度は竜巻のように逆流して大空に舞い上がったのだった。この連続した怪事件を追及するため、世界中の科学者を集めた緊急会議が東京にある国際宇宙科学センターで行われることになった。三つの事件で共通していたのは、被害者が皆ひどい凍傷を起こし低温による感覚のマヒを訴えていることだった。そこで物体を急速に降下させるとその物体の重力が減少する現象が起きたと考えられるとアメリカ代表が発言すると、中国代表は特定の物体や限定的な場所の重力を無くすことは不可能だと否定した。すると進行役のカナダ代表は、これまではそうであったが今現実に発生していると指摘した。意見を求められた日本代表の勝宮一郎は、重力の起源は核振動であり絶対零度では重力は無になることから、核振動エネルギーを吸収する冷却線を放射された物体は温度が急降下するとともに重力は減少。その結果、地球の自転の遠心力で物体は宙に舞い上がることから、今回の事件は宇宙からこの冷却線を打ち込まれたことにより発生したのだと結論付けた。

宇宙人侵略への対策が叫ばれる中、センターでは地上熱線砲が完成していた。原子力R600をエネルギー源とするこの兵器は5万時間の連続発射可能となる優れものだった。各国代表に公開された実験では、最高の強度を有し宇宙ロケット・スピップ号に使用されている特殊金属S250号が的になったが、熱線は遠距離の板を完全に貫いていた。そして次に公開されたのは、その熱線砲が搭載されるスピップ号だった。調整作業が行われ発射が時間の問題となっている中、安達博士を訪ねてきたのは国際防衛警察の有明警部だった。組織の秘密調査の結果、イラン代表のアーメッド教授に不審な点があるというのだ。だが見学者の中に彼の姿はなく、捜しているとサイレンが鳴った。実験室で異常があることに気付いた勝宮が中に入ると岩村幸一技師がアーメッドと格闘していた。アーメッドは「ナタール」という遊星人に操られ、熱線砲を奪おうとしたところを岩村に見つかったのだ。彼は建物の外に逃げ出すと飛来した円盤に助けを求めたが光線で焼かれた。地面に残った人型の影の上に落ちていた小さな金属塊を分析した結果、怪電波の受信機であることがわかった。

国連は月面に前線基地を構築しているナタールの意図を探るためにスピップ号を派遣することに決め、1号機には安達博士を長とする8名、2号機にはリチャードソン博士を長とする8名が搭乗することになった。そして怪電波の発信地点とされるトビエツスキー山脈の左側と緑の海を中心とする100キロから150キロの地点が二機の着陸予定地点に指定された。その頃、搭乗員の一人にナタールの魔の手が伸びていた。

屋台的映画館

丑三つの村

  • posted at:2015-07-10
  • written by:砂月(すなつき)
うしみつのむら
松竹映像=富士映画
配給:富士映画
製作年:1983年
公開日:1983年1月15日
監督:田中登
製作:奥山和由
原作:西村望
脚本:西岡琢也
撮影:丸山恵司
美術:猪俣邦弘
音楽:笹路正徳
録音:山本忠彦
調音:小尾幸魚
照明:野田正博
編集:後藤彦治
助監督:満友敬司 藤澤龍一
オプチカル:石川智弘
装置:小島勝男
装飾:宮崎琢郎
衣裳:松竹衣裳
現像:東京現像所
進行:大川修
特殊効果:トビー門口
音楽担当:坂井洋一
製作主任:沼尾鈞
出演:古尾谷雅人 田中美佐子 池波志乃 原泉 石橋蓮司
アメリカンビスタ カラー 106分

出征する赤木巌を駅のホームで見送る犬丸継男。四国の小さな山村・日暮谷に住む十八歳の彼は幼いときに両親を亡くしており、今は祖母・はんと暮らしていた。住民からは村一番の秀才ともてはやされる継男は巌のように戦場へ行くことに憧れていたが、出征兵を見送る母親が泣いているのを見て、祖母も泣くのだろうかと思った。夕食時にそのことを尋ねると、はんはお国のために戦ってこいと笑って見送ってやると言った。それを聞いた継男は安心して自分の部屋に入った。するとはんは、大声をあげて泣くかもしれんと呟いた。学校の教師を目指している継男は、はんを置いて師範学校に行くことが出来なかったため独学で検定試験を受けるための勉強をしていた。いつものように勉強をしていると体が熱っぽく咳込んだ。翌日病院に行くと、医師の見立ては肺浸潤。栄養を摂ってのんびりと養生すれば三か月で治るだろうと言われ安堵した。

ある夜、勉強中に眠り込んだ継男は真夜中に目を覚ました。すると戸の隙間から靄が漏れ入ってくるのに気付き、外に出ることにした。一面の靄がかかるというという珍しい光景を目の当たりにした継男は散歩してみることにしたが、一軒だけ灯りが点いている家があったため気になって中を覗いた。そこでは人妻のえり子が村の有力者である赤木勇造と絡み合っていたのだ。再び散歩に戻ると村を巡回する自警団と会った。彼らは夜這いの取り締まりを行っていたが、その発案者が勇造だと聞き継男は吹き出した。それから数日後の夜、夜這いに興味を持った継男がえり子の家を訪ねると彼女は寝乱れていた。気配で目覚めたえり子が声をかけると、継男は靄が出た晩に勇造がここにいたのを見たと話した。満州で兵隊が国のために体を張って戦っているのにと言うと、えり子はそれくらいのことは知っているからきついことを言わないでとたしなめた。彼女の夫は補充兵として戦場にいたのだが、馬の世話ばかりしていると蔑んでいた。えり子は暑いと胸をはだけると、男も戦争、女も戦争やと言って体を押し付けた。

継男の親戚筋に当たる赤木ミオコが金を借りに来たが、はんは出かけていていなかった。継男がそのことを伝えると彼女はあなたからもお願いして欲しいと言った。ミオコは何度も借りに来ているため、断られるかもしれないと思っていたからだ。事情を知らない継男があっさり了承すると、ミオコは喜んで手を合わせた。帰り際にミオコは、働き者の夫・中次がいつも家を空けているので、暇な夜はいつでも遊びにおいでと言った。そして女ひとりの夜って長過ぎるのよと目配せした。その夜、はんからお金を預かった継男はミオコの家を訪ねた。すると赤ん坊の授乳中だった彼女は胸をあらわにしたまま出てきたのだ。ミオコは継男を座敷に引き入れると体を重ねた。

幼馴染のやすよは、継男の顔を見るなりみんなが体調を心配していると伝えた。すると継男は、咳がひどいが勉強で期待に添えなくても、徴兵検査で甲種合格して兵隊になれば男はいいんだと言った。気持ちだけ受け取ってとやすよが自分で作った組み紐を贈ると、継男は満面の笑みを浮かべてお礼を言った。徴兵検査の日、自信を持って臨んだ継男だったが、軍医から肺結核の診断をされ検査に落ちた。その噂は忽ち村中に広がり、神童だとおだてていた住民たちは落胆する彼が戻ると無視をした。

屋台的映画館

ウルトラ6兄弟VS怪獣軍団

  • posted at:2006-01-31
  • written by:砂月(すなつき)
うるとらろくきょうだいたいかいじゅうぐんだん
シャイヨー・フィルム=円谷プロ
配給:富士映画
製作年:1974年
公開日:1979年3月17日
監督:東條昭平
企画:円谷皐
制作:円谷皐
プロデューサー:ソンポート・シングデァンチャイ 伊藤久夫
脚本:若槻文三
音楽:冬木透
撮影:町田敏行
照明:佐山五郎
美術:大沢哲三
録音:中里勝範
編集:柳川義博 小林熙昌
効果:小川勝男
記録:堀ヨシ子
助監督:中島俊彦
選曲:水谷忠信
プロデューサー補:福井顕
制作主任:川口秀雄
主題歌:「ぼくらのウルトラマン」佐々木いさお
現像:東京現像所
録音:プロセンスタジオ
特撮スタッフ・撮影:佐藤貞夫
特撮スタッフ・照明:鎌田靖男
特撮スタッフ・美術:島崎堯司
特撮スタッフ・視覚効果:中野稔
特撮スタッフ・操演:平鍋功
特撮スタッフ・助監督:関武己
特撮スタッフ・制作主任:大橋和男
特殊技術:佐川和夫
出演:KO KAEODUENDEE ANAN PRICHA YOODCHAI MAEKSUWAN PAWANA CHANACHIT SRIPOUK
アメリカンビスタ カラー 80分

太陽系宇宙の中心で制止していた太陽はある日突然活動を活発化させ、燃え盛る炎の車となって地球に接近し始めた。灼熱の太陽は地を焦がし水を奪い動物たちの命までをも奪い始めた。水飢饉に苦しむタイ王国の村では子供たちの雨乞いの踊りが始まった。伝説の白猿・ハヌマーンの面を被って踊る少年・コチャンは遺跡に駆け上がると「雨雲よ、雨を降らせておくれ!」と天に向かって叫んだ。同じ頃、ドーナ第7ロケット基地ではヴィルット博士が人工雨の実験の準備を進めていた。それは今までの様にヨウ化銀やドライアイスを散布するのではなくロケットを上空で爆破させて雨を降らせる方法だった。最初の実験の成功が確認出来れば順次打ち上げる計画になっていた。助手のマリサーは仏様の力を忘れてはいけないと忠告するが、科学絶対主義のヴィルットは科学こそ現代のハヌマーンだと反論した。ハヌマーンとは太古の昔からタイの平和を守ってきた伝説の英雄だった。

村の子供たちと一緒に踊るコチャンだったが、見知らぬ男たちが遺跡に近づいているのを不審に思い後をつけた。彼らは仏像泥棒だった。コチャンは近道をして逃げる車にしがみついたが、銃弾を受けて命を落とした。その様子を仏像の目を通して見ていたM78星雲に住むウルトラの母とウルトラ6兄弟は、ブッダを敬い勇気ある行動を取ったコチャンの亡骸を運ぶとハヌマーンの魂を与え、英雄ハヌマーンとして地球に送り戻したのだった。コチャンの親友のアナンは空飛ぶハヌマーンを彼だと確信し後を追ったが熱射病で倒れた。

仏像泥棒が車を走らせていると道路の真ん中にコチャンが立っていた。恐ろしくなった男たちは彼に向けて銃を撃つがコチャンはビクともしなかった。やがてハヌマーンとなり巨大化すると慌てて逃げ出す男たちを成敗し盗んだ仏像の首を元に戻した。そして倒れたアナンの傍に駆け寄ると涼しい日陰に連れて行った。ハヌマーンは太陽を活発化させた太陽神スーリヤと会い、地球の現状を説明すると納得した彼は地球から太陽を遠ざけた。地上に戻ったハヌマーンはサッパーヤ山の頂に咲くサンユラニトリチャワーの花を摘み花汁をアナンにかけた。コチャンはハヌマーンとして生きることを決意し元気を取り戻したアナンに別れを告げた。

屋台的映画館

海を渡る波止場の風

  • posted at:2005-07-06
  • written by:砂月(すなつき)
うみをわたるはとばのかぜ
日活
配給:日活
製作年:1960年
公開日:1960年5月28日 併映「トップ屋取材帳 消えた弾痕」
監督:山崎徳次郎
原作:原健三郎
脚本:山崎巌 大川久男
企画:児井英生
撮影:姫田真佐久
音楽:大森盛太郎
主題歌:「鹿児島おはら節」小林旭
・・・:「ズンドコ節」小林旭
・・・:「南の空の渡り鳥」小林旭
・・・:「ピンクのささやき」水上早苗
・・・:「バナナ」スリーキャッツ
美術:木村威夫
編集:鈴木晄
録音:沼倉範夫
照明:岩木保夫
助監督:河辺和夫
色彩計測:安藤庄平
現像:東洋現像所
製作主任:武藤良夫
振付:竹部薫
技斗:高瀬将敏
協賛:三州自動車株式会社 南九州鉄道株式会社
出演:小林旭 浅丘ルリ子 宍戸錠 白木マリ 山内明
シネマスコープ カラー 79分

災害復興資金を積み奄美大島へ向かっていたセスナ機が桜島に墜落した。事故原因を調査した捜査当局は、機内にパイロット・野村光彦の遺体と五千万円の入ったバックが見当たらないことから、光彦の巧妙な計画的犯行と判断し本格調査に乗り出した。ところが一ヶ月経っても手がかりは掴めなかった。光彦の許嫁の塚越尚子は彼の潔白を信じ、尚子の父・大作はその様子をやさしく見守っていた。貿易会社の社長の大作は彼女の身を気遣って鹿児島での小用に同行させたが、尚子は桜島に行って事故現場が見たいと言った。一縷の望みを信じて一人で事故現場にやってきた尚子だったが、墜落したセスナ機の残骸を見て愕然とした。そこに現れた地元のチンピラ二人組が尚子をモノにしようとしたが、彼女を救ったのは奥山五郎だった。ところが五郎も同類で、そこから救い出したのは白いスーツを身に纏った野村浩次だった。

五郎を追いかけて鹿児島へやってきたダンサーのジェニー・みどりは、キャバレー・エメラルドで雇って欲しいとママのラン子を説得していた。そこへ支配人の松川と話がしたいという丸松回漕店の社員・山田利夫が現れ、彼の冷たい態度に怒った利夫は割れたビール瓶を振り回して暴れだした。ところが店内にいたチンピラたちに取り押さえられ逆にビール瓶を突きつけられた。利夫の命が危険に晒されたとき、ギターの音が室内に鳴り響いた。チンピラたちは浩次に殴りかかったが、全く歯が立たなかった。浩次はその内の一人を外へ連れ出し誰の命令で動いているのかを聞き出そうとしたが、暗闇の銃口が男の口を封じようと狙っていた。その命を救ったのは五郎だった。五郎は拳銃の男を捕まえると、俺はこの野良犬に用があるんだと言って男の身柄を引き受けた。

翌日、チンピラたちに嫌がらせを受けていたところを浩次に助けられた利夫は、丸松回漕店が現在置かれている状況を話し始めた。以前、丸松回漕店で働いていた松川は、店の金の使い込みがばれて首になった。その後、横浜で沖仲士をしていたが、一年前に戻ってキャバレーを建てた。今では南の温泉町に支店を出そうとするほど羽振りが良かったが、社長の丸山松三に優しい言葉を掛けて金を貸した。その後、松川の態度は豹変し手下を使って嫌がらせを繰り返した。店を追い出されたことへの報復だったのだ。彼は回漕用の船を乗っ取り店を潰そうとしていた。真実を知った浩次は利夫の力になることにした。

尚子は、事故現場近くにいた人たちに当時の状況を聞いて回った。しかし有力な手掛かりは掴めず、落胆した彼女の足はいつものように事故現場へ向かっていた。その様子を不審に思った五郎は尚子から真実を強引に聞き出そうとした。「何か他に目当てがあるんじゃないのか?」。

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