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現代悪党仁義

  • posted at:2023-04-21
  • written by:砂月(すなつき)
げんだいあくとうじんぎ
日活
配給:日活
製作年:1965年
公開日:1965年2月3日 併映「ギャングの肖像」
監督:中平康
企画:水の江滝子
原作:佐川桓彦
脚本:岩井基成
撮影:山崎善弘
照明:三尾三郎
録音:橋本文雄
美術:千葉和彦
編集:辻井正則
音楽:三保敬太郎
助監督:村田啓三
製作担当者:岡田康房
技斗:渡井嘉久雄
出演:宍戸錠 二谷英明 桂小金治 稲野和子 山本陽子
シネマスコープ モノクロ 103分

握りカッパとは詐欺賭博のニセ丁半である。碁石をひと掴み握りをその数を当てるという簡単な丁半博奕だが、ちょっとしたカラクリで胴元が必ず勝つというものだった。例えば丁を張るとまずその印に二つの石を取る。そして残りの石を数えて行けば目の前で結果がわかるのだ。奇数から一つ取れば必ず丁になり、奇数から二つ取れば必ず半になる。この法則をうまく利用し金を吐き出させるのが詐話師の白神善六だった。その手口はカモを料亭に誘い込むと賭場に誘導し仲間たちと協力して大金を巻き上げるというものだったが、捕まる時はやはり捕まるのだ。

加古川刑務所で5年の刑期を過ごした白神は出所後、高台に建つ城の展望台から「みんな早く出てこいよ」と叫んだ。するとそこに謎の女が現れた。緑さとりというその女は苦労をしてきたのだから幸せにならなければと言い飲食店に連れて行ったが、久々のビールということで酔いが回り白神は足腰が立たなくなった。困ったさとりは連込み旅館へ白神を運びそのまま帰るつもりだったが、彼の巧みなしゃべりに乗ってしまいひと時を過ごすことになった。帰り支度をしたさとりは起きたばかりの白神にあなた詐話師でしょと話し掛けた。彼女の父親は詐話師に騙されて会社の公金を巻き上げられ、同じ頃に入った金庫破りではないかと疑われた。アリバイを証明出来なかった父親は金庫破りの汚名を着せられたまま加古川刑務所に収監され獄死したのだった。それ以来さとりは詐話師は怖い人だと思っていたが、白神と出会ったことで印象が変わり個人的な話を打ち明けたのだった。父親が獄死したのは1年前の今日であり、刑務所が見える展望台を訪れたのはそれが理由だった。このままでは離れられなくなると感じ隙を見て姿をくらますが、彼女に惚れ込んだ白神は当てもなく後を追った。

翌日、白神は出所前に同じ雑居房にいた田島から頼まれた約束を遂行するために淀競馬場へ向かった。当初は受けるつもりはなかったが、取り立てた借金80万円のうち50万円で殺した女の墓を建て、残りの30万円を報酬としてもらえると聞いたからだ。頼まれたら嫌と言えない白神は競馬場でくすぶるコーチ屋の才助を捜していたが、偶然再会した出目金たちのおかげで会うことが出来た。そこで白神は田島から借金をしていたのが貸金業を営む大神商事社長の大場死四郎であることを知った。

屋台的映画館
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獣道

  • posted at:2022-10-06
  • written by:砂月(すなつき)
けものみち
Third Window Films=move=Libertas
配給:サードウィンドウフィルムズ
製作年:2017年
公開日:2017年7月15日
監督:内田英治
プロデューサー:アダム・トレル
Co.プロデューサー:山口幹雄 藤井宏二
原案:内田英治 衣緒菜
脚本:内田英治
撮影:伊藤麻樹
照明:尾下栄治
録音:甲斐田哲也
音楽:小野川浩幸 兒玉太智
ヘア&メイク:板垣美和 河本茜
ボディアート:征矢杏子
衣裳:深野明美
編集:小美野昌史
アシスタント・プロデューサー:田口梓
CG合成:松岡大祐 佐藤直輝
助監督:杉田満 松沢真美
演技事務:三浦萌
主題歌:「Miss Pen Pen」餓鬼連合
制作:NAC
出演:伊藤沙莉 須賀健太 アントニー 吉村介人 韓英恵
アメリカンビスタ カラー 94分

とある地方都市で生まれた志摩愛衣。重度の宗教依存の母・かおりは愛衣が小学生の時に四つ目の新興にのめり込んでいた。母親の愛情に飢えていた彼女は自分の体をカッターナイフで傷つけて気を引こうとしたが、それが癇に障り教団の施設に預けられた。富士山麓にある施設で信者たちと共同生活を送ることになった愛衣にはアナンダという名が与えられた。その名には幸せの意味が込められているのだという。教祖・ラビーから神に祝福された特別な子として育てられた愛衣に信者たちは魂の救済を求めた。施設で生活した7年間は彼女にとって誰よりも幸せだった。ある日、教団に警察の捜査が入りラビーは逮捕された。これにより愛衣の平穏な教団での暮らしは終わりを告げた。保護された愛衣は家に帰されたが、かおりは相変わらず宗教にのめり込んでいた。初めて学校に通うことになったがそこにも居場所はなかった。

愛衣と同じクラスだった作間亮太も学校に馴染めずにいた。興味本位で暴走族・青蛾会と拘ることになったが、5万円の退団費用を請求され辞められなくなった。ナンバー1の北川堅太、ナンバー2の三重野佑二と出会ったことで彼は地獄に足を踏み入れることになった。それから3年後、高校生になった亮太は街角で偶然愛衣と再会した。彼女は初めて愛した男・ハルキの影響でヤンキーになっていた。愛衣は今ハルキの家族と暮らしているが、彼女が人生の次のステージとして選んだのがヤンキー一家だった。この家の母親は14歳で最初の子供を産んだ苦労人だが、生活保護の金は全てパチンコに注ぎ込む気合の入ったギャンブラーでもあった。愛衣は北見ファミリーと拘ったことで初めて家族が助け合うことを知った。それは万引きという形だったが。なりゆきでこの家に入り浸るようになった亮太は確信した。自分たちには別の居場所が必要であることを。

屋台的映画館

けっこう仮面 新生

  • posted at:2022-06-02
  • written by:砂月(すなつき)
けっこうかめんりぼーん
AMGエンタテインメント
配給:AMGエンタテインメント
製作年:2012年
公開日:2012年6月2日
監督:笠木望
プロデューサー:飯塚達介 森角威之
原作:永井豪
原作協力:徳原八州 永井一巨
脚本:小松公典
撮影監督:古屋幸一
録音:青木瑠生
助監督:芦塚慎一郎
制作担当:新井聡
メイク:岩浅美都子
特殊造形:石野大雅
技斗:赤木山伍里蔵 鈴鹿貴規
演出助手:細見将志 中村正博
撮影助手:星潤哉 鎌田孝之
撮影応援:田辺清人
スチール:土屋久美子
衣裳協力:村鳥恵子
制作:TOHOO
企画:AMGエンタテインメント
制作プロダクション:杜方
出演:希志あいの 戸田れい 鈴鹿貴規 青木佳文 粕谷佳五
アメリカンビスタ カラー 63分

全国トップクラスの難関大学進学率を誇るスパルタ学園。その裏には学園長「サタンの足の爪」の方針による落ちこぼれ生徒へ対策があったが、それは指導という名の拷問だった。2年B組の高橋真弓は風紀委員にも拘らず成績が悪いということで指導室に連れてこられたが、他にも理由がもう一つあった。それは6月4日の12限目に行われた現代国語の授業のときに担当教師が書いた文字に対してしつこくダメ出しをしたというものだった。真弓は、地名は「大坂」ではなく「大阪」だと訂正を求めたが教師は聞く耳を持たなかったのだ。仕置き教師の真田は拘束され身動きが取れない彼女にアイマスクをつけ猿ぐつわを噛ませた。そしてグラスに注がれた泡立った液体を飲ませようとしたのだが何者かによって妨害された。部屋に入ってきたのは赤いマスクに赤いマフラー、そして赤いグローブとブーツ以外はすっぽんぽんという異様な姿をした女だった。いい趣味をしてるじゃねえかと体に触れようとすると女は腕を振り払い挑発ポーズを取った。ムキになり長剣で斬り掛かるが、女はスルリと身をかわすとすれ違いざまにパンチを見舞って失神させた。拘束を解かれた真弓は去って行く女の後ろ姿を複雑な思いで見送った。

翌日、謎の女の人相書が全教室に配布された。深夜、清掃中の用務員が校舎から裸の女が寮の玄関に駆け込む姿を目撃していることから、学園側は女が生徒の中にいると考えられた。学園長は対策を講じるために真田を呼び出すと根本的な疑問を口にした。何故彼女は裸なのか。だが実際に戦った真田にも理由はわからなかった。そこで彼は武術の達人である齢十郎を刺客として差し向けることにした。戦術に長けている十郎は武器が限られたこの学園で女生徒が選択する最も有効な戦い方がすっぽんぽんだと分析していた。男の油断と女の決死の覚悟。これら全てが計算ずくだとすれば一筋縄ではいかない相手だと考えていた。

新聞部に所属する真弓は学園の救世主として現れた女のスクープ記事を学園新聞に載せようとしたが、部長で風紀委員の結花千草に止められた。学園長が女を捕らえた場合の報酬を提示したことで生徒たちが皆血眼になって学園中を捜し始めたのだ。今は彼女の活躍を伝えれば伝える程エサとしての価値が上がるだけだからそっとしておきなさいと千草が諫めていると部室に十郎がやってきた。彼は机に置かれた記事を読んでトップに据えてはどうかと言ったが、その権限は部長の私にあると千草は紙片を奪い取り同時に真弓を抱き寄せた。その時、真弓は思った。千草の胸の感触があの女の物と同じだと。

屋台的映画館

化身(1986年)

  • posted at:2021-11-27
  • written by:砂月(すなつき)
けしん
東映(東京撮影所)
配給:東映
製作年:1986年
公開日:1986年10月10日
監督:東陽一
企画:三堀篤 瀬戸恒雄 前田勝弘
原作:渡辺淳一
脚本:那須真知子
撮影:川上皓市
美術:今保太郎
録音:久保田幸雄
照明:梅谷茂
助監督:栗原剛志
編集:市原啓子
記録:久保田民子
製作主任:酒井喬二
音楽:加古隆
主題歌:「黄昏人」高橋真梨子
記録:山之内康代
撮影効果:多正行 笹原浩二
装置:開米慶四郎
装飾:若松孝市
背景:松下潔
演技事務:福岡康裕
メーキャップ:小河原千秋 泉沢紀子
結髪:宮島孝子
スタイリスト:光永方子
衣裳:内山三七子
宣伝:第二宣伝企画室
スチール:加藤光男
製作協力:幻燈社
出演:藤竜也 黒木瞳 阿木燿子 青田浩子 永井秀和
アメリカンビスタ カラー 105分

文芸評論家の秋葉大三郎は京都の聖華女子大学で行われる週一度の大学の講義を終えるとその日のうちに東京に戻った。彼は新幹線の車中で友人の能村と行ったクラブにいたホステスのことを考えていた。その女は無口であまり特徴はなかったが、能村に「鯖の味噌煮が食べたい」と言ったことで印象に残っていたのだ。東京駅に着くと能村に電話し、午後9時に銀座の「魔呑」で落ち合う約束をした。時間よりも早く着いた秋葉は里美というそのホステスを指名した。そして土曜日の午後6時にホテルの喫茶室で鯖の味噌煮を食べに行くと強引に約束させた。デート当日、食事を終えると秋葉は飲み過ぎたと言って帰ろうとする里美を引き留め行きつけのホテルのバーに誘った。その目的は素朴さを見せる彼女を物にするためだった。いつも使う部屋に招き入れ窓から夜景を見せるとすかさずキスをしベッドに押し倒した。

大学での講義を終えた秋葉は真っ先に京都駅へ向かった。すると待合室で里美が静かに待っていたのだった。彼女の本名は八島霧子といい、普段着だと別人のように若く見えた。秋葉はそんな彼女をブティックへ連れて行き服を選ばせると、今度はヘアサロンで髪型を変えさせて自分好みにしようと試みた。その夜、屋形船に招待した秋葉は霧子のことをもっと知ろうとした。

秋葉には雑誌編集者でバツイチの田部史子と愛人関係にあったが、霧子と出会ったことがきっかけで疎遠になりつつあった。屋形船の夜はもともと東京で彼女と会う約束をしていたのだが、友人の送別会があると嘘をついてすっぽかしたのだった。秋葉に食事に誘われた史子は中学生の娘の相談をするが、いつもと違って若々しく見える彼の雰囲気に何となく気づいた。秋葉の影響で垢抜けた霧子は忽ち魔呑の売れっ子になり、色々な男たちから言い寄られるようになった。心配になった彼は忙しい霧子に休暇を取らせ別荘に連れて行ったが、食事に行ったレストランで史子と鉢合わせした。史子は自分の直感が正しかったことを知った。

秋葉は魔呑を辞めた霧子のためにマンションや車を買い与えた。ある日、霧子が洋服のリサイクルショップを始めたいと言い出したが、目ぼしい物件の権利金が1800万円もすると知り考え込んだ。だが霧子が出資したい人がいると言うと秋葉は目の色を変えて金のことは心配するなと見栄を張った。全額を現金で支払ったが、実際の懐事情は厳しく出版社に借金を申し出て用立てたのだった。そのことは能村の耳にも入り、店は会社組織にしろと秋葉にアドバイスした。霧子が秋葉と別れようと考えた場合に同意なく勝手に店を処分出来なくなるからだ。それを聞いた秋葉は俺一代で終わりにするつもりだから心配するなと言った。

屋台的映画館

  • posted at:2021-04-05
  • written by:砂月(すなつき)
けん
大映(京都撮影所)
配給:大映
製作年:1964年
公開日:1964年3月14日 併映「座頭市千両首」
監督:三隅研次
企画:藤井浩明 財前定生
原作:三島由紀夫
脚本:舟橋和郎
撮影:牧浦地志
録音:奥村雅弘
照明:山下礼二郎
美術:内藤昭
音楽:池野成
編集:菅沼完二
装置:川口隆
擬斗:宮内昌平
音響効果:倉橋暢
助監督:友枝稔議
製作主任:村上忠男
出演:市川雷蔵 藤由紀子 川津祐介 長谷川明男 河野秋武
シネマスコープ モノクロ 95分

東和大学剣道部の国分次郎は子供の頃に太陽の本質を見た。まぶしくてとても正視出来ない輝きを全身に浴びた彼は強く正しくなりたいと願い、剣の道を選んだのだった。剣道部では主将を選ぶための対抗戦が行われ、候補として四段の国分と同じく四段の賀川が選ばれた。だが審査で監督の木内は賀川の実力を三段程度と判断した。剣道連盟はその場限りの技しか見ておらず、人格や日常の稽古ぶりを見ることが出来ないからだ。彼の剣には何処か感情や心理の陰があり、強いが威を衒い力を恃むところがあると木内が言うと、OBたちもそれに同意し国分のような純一な烈しさが欠けていると言った。その結果、国分が主将になることに決まったが、副将は賀川ではなく村田が務めることになった。

新主将なった国分の目標は翌年に行われる学生剣道優勝大会で優勝することだった。それも個人優勝ではなく団体戦に優勝することだ。基礎を重きに置く彼は新入生に対し分け隔てなく竹刀の持ち方から指導した。そんな国分を尊敬する壬生は厳しい練習に耐え実力を伸ばして行った。一方、同級生の多田は我流の癖が治らず防具をつけさせてもらえなかった。何とか強くなりたい多田は稽古をつけて欲しいと舶来のタバコを持って賀川に近づくのだった。

ある日、国分が自分で自分を悲壮がっていると多田が言ったのを聞き、壬生は反射的に殴り掛かった。道場に呼び出されたが壬生はその理由を明かさなかったため、国分は喧嘩両成敗で二人を壁に向かわせて四十分間正座させることにした。半分も経たずに音を上げた多田は、スポーツをするために剣道部に入ったのであって、封建的な制裁が鍛練なんて馬鹿馬鹿しいと道着を脱いだ。そしてあんたを尊敬しているのは壬生くらいで、賀川さんだって陰でどんなことを言っているかわからないと国分を非難した。ところが賀川は悪口でない批判は誰に対してもする自由があると突っぱね、孤立した多田は剣道部を辞めた。

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