忍者ブログ

金語楼の三等兵

  • posted at:2021-10-29
  • written by:砂月(すなつき)
きんごろうのさんとうへい
新東宝
配給:新東宝
製作年:1959年
公開日:1959年1月15日 併映「カックン超特急」
監督:曲谷守平
製作:大蔵貢
企画:津田勝二
原案:有崎勉
脚本:川内康範
撮影:岡戸嘉外
照明:石森浩
録音:村山絢二
美術:加藤雅俊
音楽:石松晃
編集:金子半三郎
助監督:柳生六彌
製作主任:川田信義
出演:柳家金語楼 坊屋三郎 池内淳子 鮎川浩 川田孝子
シネマスコープ モノクロ 65分

昭和七年。青山連隊区徴兵検査場にいたのは兵役適齢に達した噺家三遊亭金三こと山下敬太郎だった。兵役から何としても逃れたい敬太郎は持ち前のユーモアで何とか切り抜けようとしたが、その努力も虚しく甲種合格した。その夜、入営を祝っての壮行会が料亭で開かれ、敬太郎は陽気に踊っていた。そこに現れたのは芸者の菊弥を追い掛けてきた若旦那で、敬太郎は咄嗟に彼女を庇った。今夜から俺の物になると約束をしたと言い張って菊弥を連れて行こうとする若旦那に、敬太郎は自分の許婚だと嘘をついて相手が振り上げたビール瓶をもぎ取って凄んだ。その迫力に気圧された若旦那は腰を抜かして逃げ出したのだった。師匠の三遊亭金太郎は弟子のために男の儀式の場を用意したが、詳細を知らない敬太郎は言われるがままに待合茶屋へ向かった。そこで待っていたのはなんと菊弥だった。あなたが除隊するまで千年でも万年でも待ち続けると菊弥が誓うと、敬太郎はそれが本当なら女房として迎えると約束した。そして二人は夫婦の契りを結んだ。

敬太郎は東山中隊歩兵第一連隊に配属された。同じく配属されたのは徴兵を逃れようと視力が悪いふりをした僧侶の馬場、吃音のふりをした豆腐屋の木田、入れ墨屋の秋山など検査場で知り合った者たちが皆揃っていた。彼らは丹羽班長に軍隊精神を叩き込まれ厳しい訓練に耐えた。ある夜、抜き打ちの私物検査が行われ、丹羽は敬太郎がベッドに隠した大量のあんパンを見つけた。それは敬太郎の落語が気に入った東山大尉からのご褒美だったが、あまりにも多すぎて食べきれなかったのだ。もったいないと丹羽が一つ手に取るとその下から封書が出てきた。それは菊弥から届いた手紙で、丹羽は興味本位で声を出して読めと敬太郎に命じた。断れない彼は仕方なく読み始めたが、何処の馬の骨だかわからないような下士官に殴られるようなことがあったら私は悲しいと書いてあったことが丹羽の逆鱗に触れ、上官への侮辱として三日間の厩当番を命じられた。厩の仕事はつらかったが、一人になれることもあって妄想に耽った。そんなときに限って東山が見回りに現れ、不寝番を命じられた上に三等兵に格下げされた。

屋台的映画館
PR

兵隊やくざ

  • posted at:2021-10-26
  • written by:砂月(すなつき)
へいたいやくざ
大映(東京撮影所)
配給:大映
製作年:1965年
公開日:1965年3月13日 併映「若親分」
監督:増村保造
製作:永田雅一
企画:久保寺生郎
原作:有馬頼義
脚本:菊島隆三
撮影:小林節雄
録音:飛田喜美雄
照明:渡辺長治
美術:下河原友雄
音楽:山本直純
編集:中静達治
助監督:崎山周
製作主任:上嶋博明
出演:勝新太郎 田村高廣 淡路恵子 滝瑛子 山茶花究
シネマスコープ モノクロ 102分

日本から何百里と離れたソ連との国境に近い満州国・孫呉。その街はまるで兵営で、四万の軍隊と兵隊相手の酒場、そして女郎屋しかなかった。遥か南方の都会とはたった一本の鉄道で繋がり、逃げようにも逃げられない荒野に孤立した刑務所だった。そこには猛烈な訓練と厳しい軍律で有名な部隊があり、入隊した兵隊たちは地獄のような苦しみに耐えられず脱走しては逮捕され中には自殺する者までいた。だが大宮貴三郎という男だけは例外だった。

昭和十八年早春の太平洋戦争もそろそろ雲行きが怪しくなってきた頃、六人の初年兵が入隊することになった。その中に前科はないが手をつけられない程の暴れん坊と聞く大宮がいたが、その指導係に任命されたのは三年兵の有田上等兵だった。軍隊が大嫌いな有田は出世よりも自由になることを望み、幹部候補生の試験をわざと滑って翌年の除隊を楽しみに待っていた。ところが柔よく剛を制すが持論の中沢准尉から直接任命されたため引き受けざるを得なくなったのだ。

満州に桜が咲かない春がくると四年兵が満期除隊で内地に帰還した。それと入れ違いに東京からやってきたのが四百人の初年兵だった。暴れ馬の大宮はその中にいた。風邪気味と称して勤務をサボる有田に替わって白井上等兵が初年兵の指導を行い殴って服従させようとした。ところが大宮はビクともせず逆に簡単にひねられたのだった。有田は演習の泥と汗を落としたいという大宮たちの入浴を許可したが、その時間は砲兵隊の順番だった。彼の予想通りに風呂場は乱闘の場と変わったが、大宮は全ての砲兵をノックアウトしたのだ。この事件以来、大宮の名は部隊中に広まり英雄になった。だが軍隊では一つ隊が違えば敵同士、まして砲兵と歩兵は赤の他人である。砲兵隊は大宮をつけ狙い復讐の機会を待っていた。挨拶をしなかったことを理由に黒金伍長から呼び出しを受けた大宮に、有田は何を言われても我慢をして絶対に手を出すなと言い含めた。大宮が出向いた間に白井上等兵が黒金の素性を調べた結果、乙種幹部候補生の二年兵で入隊前に大学でボクシング部にいたことがわかった。有田は部屋に乗り込むと軍隊は襟の星の数よりメンコの数が物を言うんだと黒金に迫り、上官ではないお前が大宮を殴ったのだから報復させてもらうと凄んだ。すると気を失い掛けていた大宮はニヤリと笑い黒金に飛び掛かったのだった。

屋台的映画館

男はつらいよ 寅次郎物語

  • posted at:2021-10-23
  • written by:砂月(すなつき)
おとこはつらいよとらじろうものがたり
松竹映像
配給:松竹
製作年:1987年
公開日:1987年12月26日 併映「女咲かせます」
監督:山田洋次
プロデューサー:島津清
企画:小林俊一
原作:山田洋次
脚本:山田洋次 朝間義隆
撮影:高羽哲夫
美術:出川三男
音楽:山本直純
録音:鈴木功
調音:松本隆司
照明:青木好文
編集:石井巌
スチール:長谷川宗平
監督助手:五十嵐敬司
装置:横手輝雄
装飾:露木幸次
衣裳:松竹衣裳
美粧:宮沢兼子
現像:東京現像所
進行:副田稔
製作担当:峰順一
主題歌:「男はつらいよ」渥美清
撮影機材:パナビジョン
協力:吉野山観光協会 柴又 神明会
出演:渥美清 倍賞千恵子 秋吉久美子 五月みどり 下條正巳
シネマスコープ カラー 102分

車寅次郎の甥・諏訪満男は学校での三者面談でまだ大学を受験するか決めていないと言った。その言葉に一番驚いたのは母親のさくらだった。息子が何を考えているのかわからない彼女は校門を出ると恥ずかしかったと小言を言うが、罰の悪い満男は母親と一緒なんて格好悪いから先に帰ってくれと突き放した。さくらは仕方なく一人で電車に乗るが、とらやでそのことを叔母のつねに話すとあの子は気が優しいから受験戦争には向いていないんだよと庇った。やがて満男が帰ってくると、その隣には見知らぬ少年が立っていた。佐藤秀吉というその少年は郡山から寅次郎からきた年賀状を頼りに訪ねてきたというのだ。秀吉の父・政吉は寅次郎のテキヤ仲間で、何かあったら寅次郎を訪ねよと病気で死ぬ前に言い聞かせていた。その夜、とらやでは家族会議を開かれ、秀吉をどのように扱うかが話し合われた。警察に届け出ることが筋道だが寅次郎をはるばる訪ねてきたあの子の気持ちを考えれば簡単に引き渡せないとさくらの夫の博が言うと、そんな惨いことはさせないとつねも同調し二、三日様子を見ることになった。

秀吉の今後のことを考えたさくらは小学校のことなどの相談しに福祉事務所へ相談に行った。その頃、とらやには何も知らない寅次郎が帰ってきていた。店を手伝いにきていた印刷工場社長の娘のあけみから秀吉の父親が死んだこと、母親は息子を置いて蒸発したことを説明された寅次郎は、留守中に迷惑を掛けて申し訳なかったと叔父の竜造に詫びた。

背中に般若の彫り物が入っていることで般若の政と呼ばれた政吉は飲む打つ買うの三道楽で挙句の果てに借金地獄に陥った。借金取りから逃げ回っているという噂は聞いていたが、その後どうなったかは知らなかった。秀吉の名付け親であることもあって責任を感じていた寅次郎は、彼の母親であるふでを捜すことにした。蛇の道は蛇。小岩にいるポンシュウなどを訪ねると和歌山の旅館で女中として働いていることがわかった。翌日、秀吉を連れた寅次郎は柴又の人たちに見送られて旅に出た。

屋台的映画館

情炎お七恋唄

  • posted at:2021-10-20
  • written by:砂月(すなつき)
じょうえんおしちこいうた
日活
配給:日活
製作年:1972年
公開日:1972年2月29日 併映「秘事」
監督:小原宏裕
企画:伊地智啓
脚本:新関次郎
撮影:森勝
美術:川崎軍二
録音:高橋三郎
照明:土田守保
編集:鈴木晄
音楽:月見里太一
助監督:八巻晶彦
色彩計測:水野尾信正
現像:東洋現像所
製作担当者:大内利男
出演:小川節子 森竜二 浜口竜哉 牧恵子 高見由紀
シネマスコープ カラー 70分

八百善の一人娘お七は本郷小町と呼ばれる程の器量良しだった。そんな彼女に質屋の近江屋作兵衛との縁談が持ち上がったが、お七は気乗りしなかった。大金持ちの跡取り息子とあって父善助や母おひさはその話を快く受けるつもりでいたが、作兵衛のことが嫌いなお七が了承するはずがなかった。その夜、嵐が江戸の町を襲い川が氾濫したこともあって駒込の吉祥寺に避難すると、和尚は寺小姓の吉三郎に世話するように命じた。夜が明けると雨は幾分小降りになったが水は二、三日は引きそうになかった。お七のことが心配でたまらない作兵衛は差し入れを持って吉祥寺に駆けつけ、茶を出しにきた吉三郎に八百善一家に粗相のないようにと小判を渡した。すると吉三郎は誰にでも同じように気を配るのが務めであるため金でもてなしの区別は出来ないと言った。そのやり取りを聞いていたお七は胸のすく思いで笑みがこぼれた。

町の水が引き始めた頃にはお七は吉三郎の澄んだ瞳と優しい心遣いに心を奪われていた。店の様子を見に行くという善助からもうすぐ寺を出なければならないことを聞いたお七は、別れの時が迫っていることを感じた。いずれは親が決めた縁談に従わなければならないため、悩んだお七はその前に吉三郎との思い出を作ることにしたのだった。別れの日、お七が借りた掻巻を返しに行くが帰りたくないと駄々をこねた。すると吉三郎は再び体を重ねたが、お七を捜しにきたおひさはその様子を目撃しこれまでのことをなかったことにして欲しいと頭を下げた。

屋敷に戻ったお七は吉三郎への想いが募るばかりで、一目逢いたいと用事を作って出掛けようにも善助の監視の目は厳しかった。一日も早く作兵衛との縁談をまとめたい善助は彼女を部屋に閉じ込め琴や三味線の習い事をさせた。だが今の思いを何としてでも伝えたいお七は身の回りの世話をするお梅に付け文を届けさせたのだった。お七に逢いたいのは吉三郎も同じだったが、和尚からいずれ出家する身なのだから今から心に迷いがあってはならぬと釘を刺されていた。そんな折に付け文を受け取り何か逢うための手段がないかと考えを巡らせた。

屋台的映画館

好色元禄(秘)物語

  • posted at:2021-10-17
  • written by:砂月(すなつき)
こうしょくげんろくまるひものがたり
東映(京都撮影所)
配給:東映
製作年:1975年
公開日:1975年10月14日 併映「神戸国際ギャング」
監督:関本郁夫
企画:本田達男 上阪久和
脚本:田中陽造
撮影:塩見作治
照明:井上孝二
録音:荒川輝彦
美術:竹川輝夫
編集:堀池幸三
音楽:津島利章
助監督:平野勝司
記録:石田照
装置:温井弘司
装飾:柴田澄臣
スチール:中山健司
美粧:長友初生
結髪:白鳥里子
衣裳:佐々木常久
擬斗:菅原俊夫
演技事務:伊駒実麿
進行主任:野口忠志
出演:ひし美ゆり子 橘麻紀 名和宏 笑福亭鶴光 汐路章
アメリカンビスタ カラー 67分

西念寺住職清海の妾であるお夏は、玉の輿を狙って呉服屋丹波屋の若旦那世之介に近づき誘惑した。その結果、夫婦の契りを交わした上に母親の形見である櫛まで手に入れたのだった。一刻も早く別れたいお夏は着物の下に笊を入れて子を宿したと嘘をつき、清海は檀家に言い訳が出来ないからと暇を出した。実家の長屋に戻ってきた娘の姿を見た父親の忠兵衛は驚いた顔をするが、清海をだまして手切れ金をせしめたことがわかると激怒した。棺桶職人の忠兵衛にとって清海はお得意様なのだ。するとお夏はちゃんと代わりを捉まえてあるから心配しなくてもいいと言った。彼女は世之介の他に薬種問屋の喜兵衛とも深い関係になっていたのだ。ある日、忠兵衛が酔っ払って帰ってきたことから、お夏がそんな銭何処にあったんだいと尋ねた。するとどうやら世之介が祝言を挙げることになり振舞酒をしこたま飲んできたのだという。血相を変えたお夏が丹波屋に乗り込むと、世之介はうろたえながら許してくれと懇願した。だが父親が現れると世之介は知らない女だと白を切り突き飛ばした。お夏は下働きの男たちに川へ捨てられたが、それを助けたのは西念寺の若い僧侶西鶏だった。息を吹き返したお夏は世之介をどうやって見返すか、そんなことばかり考えていたが、西鶏はその夜、初夜を迎えた世之介とお初の寝所に忍び込んで縞蛇を放った。縞蛇はお初の秘所に潜り込み、その驚いた様子を見て西鶏は面白がった。そのことを翌日に知ったお夏は、仕返しなら自分でやると叱った。

お夏には奔放な彼女とは正反対の貞淑な妹お七がいた。小間物商いをする夫の久松といつか店を持ちたいという夢を見ながら生活しているが、思うように金が貯まらず忠兵衛の世話になっていた。ある日、久松から出合茶屋へ注文の簪を届けるように言われたお七だったが、それは女房を出汁にして安易に大枚を稼ごうと考える久松の浅知恵だった。十両で自分が売られたことを知り逆上したお七は長屋に戻ると久松を鑿で刺殺し、お夏と協力して死体を池に沈めた。

久松を弔った西鶏はつい最近聞いた堺の港の女郎屋で起きた出来事を話し始めた。千人の男と枕を交わした遊女がそのままふっつりと姿を消したのだという。普賢菩薩が男たちの煩悩を清めるために生まれ変わったのではないかと噂が立ったが、西鶏は大罪を犯した女が償いをするためにしたことではないだろうかと言った。話を聞き終えたお七は久松への供養に繋がるかもしれないと考え同じことをする覚悟を決めた。

屋台的映画館

プロフィール

HN:
砂月(すなつき)
性別:
非公開
自己紹介:
ブログ主はインドア派大分トリニータサポーター

 

P R

 

フリーエリア