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恐怖女子高校 不良悶絶グループ

  • posted at:2020-02-09
  • written by:砂月(すなつき)
きょうふじょしこうこうふりょうもんぜつぐるーぷ
東映(京都撮影所)
配給:東映
製作年:1973年
公開日:1973年9月1日 併映「まむしの兄弟 恐喝三億円」
監督:志村正浩
企画:天尾完次
脚本:関本郁夫 志村正浩 鈴木則文
撮影:赤塚滋
照明:若木得二
録音:堀場一朗
美術:吉村晟
編集:堀池幸三
助監督:俵坂昭康
記録:森村幸子
装置:近藤幸一
装飾:松原邦四郎
美粧結髪:東和美粧
スチール:諸角良男
演技事務:伊駒実麿
衣裳:岩逧保
擬斗:土井淳之祐
進行主任:真沢洋士
挿入歌:「好きではじめた女じゃないが」太田美鈴
挿入歌:「私が今愛し始めた女は」愛川まこと
音楽:荒木一郎
協力:福田レーシングチーム
出演:池玲子 白石襄 叶優子 春日朱美 芹明香
アメリカンビスタ カラー 87分

米軍基地の街にある私立聖愛女子学園の三年A組は良家の女子ばかりで構成されている。学園は彼女らの親による多額の寄付金で運営されていることを理由に特別扱いを行い、一流の政治家夫人や実業家夫人などトップレディーとなるべく特別なエリート教育を施した。信頼とともに権力を与えられたA組は紅ばら会を結成し学園内の風紀を取り締まったが、頭痛の種はD組の存在だった。スクラップコースと呼ばれるD組は商店街で万引きした商品を売り捌いて小遣い稼ぎするようなワルの集団で、紅ばら会番長・西園寺美也の片腕である副番の野中鷹子はいつか粛正したいと考えていた。ある日、父親の仕事の都合で美也が北海道へ転校することになり、新番長を決める選挙が行われることになった。鷹子ともう一人の副番の速水絹枝が候補者として選ばれ、1票差で鷹子が大役を引き継ぐことになった。ところがその夜、市会議員で父親の信孝が泥酔状態で多重事故を起こし即死。助手席に乗っていた妊娠5ヶ月の尾形雪子という女性も即死したことで世間は興味本位に大騒ぎした。雪子は速水グループのトップ・速水勇策の秘書だったからだ。相手家族への償いで野中家は財産を失ったため鷹子は学校を辞めて働こうとしたが、母・紀代子はどんなことがあっても学校だけは卒業しなさいと引き留めた。PTA会長の速水の援助により最低限の暮らしをすることが出来るようになった鷹子だったが、所定の寄付金を2ヶ月分滞納していることを理由に学園長の二階堂寛からD組への編入を通告された。 その結果、クラスメイトからは今までの恨みをリンチという形で仕返しされた。だがメリケンリンダこと山崎リンダとサシの勝負をしたことで二人の間に友情が芽生え、紅ばら会と戦う決意をした。鷹子はスクラップコース全員で恐竜会を結成し、番長としてハヤブサお鷹と名乗ることにした。

仕事のパートナーであるシェパードと密輸で私腹を肥やす、速水は身辺を嗅ぎ回る信孝を事故に見せかけて消した。そのために犠牲になった雪子はただの駒だったのだ。二人の関係を更に強くするために、速水はシェパードが目をつけた紀代子を提供することにした。その一方で番長の座を手に入れたが鷹子の存在が疎ましく感じていた娘の絹枝はジープで鷹子を襲ったが、窮地に陥った彼女を助けたのは通りすがりのダンプの運転手・尾形二郎だった。鷹子の名前を知った二郎は何かの縁を感じていた。それは彼が雪子の弟だったからだ。二郎はこの街が嫌になり東京へ出て働いていたが、姉の死で舞い戻ってきた。そして様々なことを調べて行くうちに事故が実は仕組まれたスキャンダルではないかと考えるようになったのだ。重大な秘密を握ったことでの抹殺。黒幕が誰なのか知りたがる鷹子に、二郎は死んだ二人の名誉のためにこの俺がきっと暴いてやると約束した。

屋台的映画館
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男はつらいよ

  • posted at:2020-02-05
  • written by:砂月(すなつき)
おとこはつらいよ
松竹(大船撮影所)
配給:松竹
製作年:1969年
公開日:1969年8月27日 併映「喜劇 深夜族」
監督:山田洋次
製作:上村力
企画:高島幸夫 小林俊一
原作:山田洋次
脚本:山田洋次 森崎東
美術:梅田千代夫
撮影:高羽哲夫
照明:内田喜夫
編集:石井厳
録音:小尾幸魚
調音:松本隆司
音楽:山本直純
監督助手:大嶺俊順
装置:小野里良
進行:池田義徳
製作主任:峰順一
現像:東京現像所
協力:柴又 帝釈天読踊会 川甚 東京きものセンター
出演:渥美清 倍賞千恵子 光本幸子 笠智衆 志村喬
シネマスコープ カラー 91分

全国を渡り歩く香具師の「フーテンの寅」こと車寅次郎。20年前に父親とつまらないことでケンカをし、血が出る程ぶん殴られたことがきっかけで二度と戻るものかと家を出た。とはいうものの花の咲く頃になるといつも故郷のことを思い出すのだ。風の便りで両親や兄が死に、たった一人残された妹だけが達者に生きていることを知っていた。生まれ故郷まできたもののどうしても帰る気になれず江戸川の土手に佇む寅次郎だったが、それでも子供の時分を思い出し柴又帝釈天の参道の方へ歩いて向かうと何やら賑やかな音が聞こえてきた。その日が庚申の祭りであることがとわかると寅次郎は居ても立っても居られなくなり、ねじり鉢巻きを締めると纏を若い衆から受け取り思い切り振り回すのだった。やがて住職の御前様と再会して涙。そして境内で叔母のつねとも再会したことで実家の敷居を跨ぐ決心をした。彼の実家は帝釈天の門前にある団子屋「本家とらや老舗」で、改めてつねや彼女の夫でとらやの6代目の主人である叔父の竜造と挨拶を交わした。だが寅次郎の本当の目的は妹のさくらを一目見ることだった。ところがその日はオリエンタル電器の電子計算機係でキーパンチャーとして働く彼女が残業で遅くなると聞き、それではと土産話に花を咲かせた。するとそこにさくらが帰ってきた。馴れ馴れしく近づいてくる見知らぬ中年男を気味悪がるさくらだったが、やがてそれが長年離れていた兄だとわかると笑顔に変わった。

明くる日、寅次郎が庭を散歩しているとつねの大声が響いた。その日はオリエンタル電器の下請け会社社長子息とさくらの見合いの日だったが、付き添いで行くはずだった竜造が寅次郎の帰宅に浮かれ過ぎて泥酔してしまい二日酔いで動けなくなったのだ。彼女がこの話に乗り気でないことを知った寅次郎は安請け合いしたのだが、場所は高級ホテル。不作法な寅次郎は調子に乗ってしゃべり続けるうちに酔いが回り、自分とさくらが腹違いの兄妹であること、酔っ払って芸者に産ませた子だからお前はバカだと事あるごとに女道楽の父親から言われていたことなどを話したことで場はしらけた。さくらの助けがなければ歩けないほど泥酔して帰宅した寅次郎は、自分の手柄で縁談は成功したと確信していた。ところが翌日、破談になったことを竜造とつねから聞かされその原因がお前だと言われた寅次郎は自棄になり暴れた。すると竜造は、このザマなら死んでいた方がマシだったとお前の親父は草葉の陰できっと泣いているだろうと言った。その言葉が堪えた寅次郎は夜が明けると置手紙をして出て行った。

屋台的映画館
よしもとしんきげきえいがしょうてんがいせんそうすちこ
吉本興業
配給:KATSU-do
製作年:2016年
公開日:2017年3月4日
監督:谷口仁則
プロデューサー:東郷泰樹 田島雄一 安達澄子 谷口友紀
脚本:久馬歩 覚王山 谷口仁則
撮影:和田卓
照明:本村毅
録音:杉本崇志
美術:伊藤祐太 濱田美希
特殊効果:松尾美穂 道廣晃聖
編集:谷口仁則 岡貴文 三好和也
音響効果:田口雅敏
スチール:渡邉俊夫
音楽:南方健太郎 上條智志 上條みずほ
制作主任:谷本春華
挿入歌:「フレフレ」エイリアンズ
製作:藤原寛
エグゼクティブプロデューサー:片岡秀介
スーパーバイザー:黒井和男
制作協力:ゾフィープロダクツ ウォークオン
制作:MBS KATSU-do
出演:すっちー 武田幸三 吉田裕 中川貴志 清水けんじ
アメリカンビスタ カラー 108分

大阪の団地で銃の発砲事件が発生した。応援の連絡を受けた刑事の春日昌平は愛車を駆って現場に向かうが、その途中で息を切らして走る女性警察官の姿を見つけた。乗れと指示したが、彼女は何故か断ろうとする。不審に思いながらも現場へ行くんだろうと尋ねると、現場は現場なんですけどねと煮え切らない返事をした。だがコワモテの春日からの命令に断り切れずに乗り込み、何処の署かと聞かれるとしばらく考えた末に本当のことを打ち明けた。彼女は吉本新喜劇の座長でもある芸人のすち子で、舞台の稽古をしながら楽屋で寝落ちしてしまい衣裳のまま劇場まで走って向かっていたのだ。そのまま現場へ向かった春日はすち子に車で待っているように言うと団地の一室に踏み込んだ。ところが拳銃を持った犯人は人質になっていた女性を春日が介抱しているうちに逃げ出し、エレベーターから降りてきた少女を人質に取ると銃を突きつけた。廊下に張りつめる緊張感。春日と犯人が睨み合う中、ポカンという間の抜けたような音が響いた。待ち切れずにエレベーターで上ってきたすち子が劇場で使うマキザッパで犯人を後ろから殴ったのだ。事件は彼女の活躍によってあっけなく幕を閉じた。

三戦町では平成27年12月13日から28年1月25日に掛けて既に二十数名の行方不明者が発生していた。被害者は年齢、性別、特徴に共通点がないことから犯人が無差別に誘拐を行っている可能性が高かった。いつまた次の犠牲者が出てもおかしくないことから、兵働警部は捜査本部に集まった刑事たちに喝を入れた。そして暴走が過ぎる春日にはこの捜査から外す代わりに新しい任務を命じた。それは明日から3日間、一日署長としてくる芸人の世話をすることだった。兵働から写真を見せられた春日は思わずうめき声を漏らした。そこに写っていたのはすち子だったからだ。

三戦町商店街の定食屋でひたすらナポリタンを食べ続けていた芸人の酒井藍は見知らぬ男に襲われバッグに詰め込まれた。そうとは知らない新喜劇メンバーは、連絡が取れないことを気にしながらも何とか舞台を乗り切った。その後、すち子は商店街を春日と防犯の広報活動をしながら歩いていたが、店主もお客さんも皆朗らかな人たちばかりだったことで上機嫌だった。三戦署に戻ってくつろいでいると春日が娘のゆいを連れてきた。彼女はすち子の大ファンで、一緒に写真を撮ってもらうととても喜んだ。明日の舞台に招待されたゆいだったが、そのとき気になることを口にした。彼女の友人が商店街に行ってから連絡が取れなくなったとその母親から聞いたというのだ。最近、商店街から人が消えるという噂が学校でも話題になっており、気になった春日はいち早く聞き込みを行おうと部屋から飛び出した。その慌て様を見てまた暴走するのではないかと考えたすち子は急いで後を追い掛けた。

屋台的映画館

怪獣大奮戦 ダイゴロウ対ゴリアス

  • posted at:2020-01-24
  • written by:砂月(すなつき)
かいじゅうだいふんせんだいごろうたいごりあす
円谷プロダクション
配給:東宝
製作年:1972年
公開日:1972年12月17日 併映「ゴジラ電撃大作戦」「パンダコパンダ」
監督:飯島敏宏
製作:円谷一
脚本:千束北男
撮影:稲垣湧三
美術:池谷仙克
音楽:冬木透
照明:新井盛
録音:東京映画映像部
整音:西尾昇
光学撮影:宮重道久 茂田幸男 中村司 吉田和広 木村金男 鯨井実 兵頭文造
監督助手:山本正孝
編集:白江隆夫
視覚効果:飯塚定雄
現像:東京現像所
製作担当者:笠井一美
特殊技術:大木淳 中野稔
出演:三波伸介 小坂一也 小林昭二 三角八朗 犬塚弘
スタンダード カラー 85分

今から6年前、水面下数千メートルにある太古の地層で眠り続けていた謎の怪獣が原子力潜水艦の海底爆発事故によって目覚めた。東京湾に現れたその怪獣は上陸後、市街地を火の海に変えたが、自衛隊の攻撃を受けて死んだ。ところがあの怪獣の子供が発見されたことで、罪滅ぼしとばかりにダイゴロウと名付けて保護することになったのだ。その任務には動物園の飼育員の斉藤が抜擢されたが、その理由は子牛やヤギの世話をした経験があるということだけだった。斉藤の愛情を受けたダイゴロウはすくすくと育ったが、大きくなり過ぎて孤島に隔離されるようになった。そして食欲も旺盛であることから今では国費で賄っていたエサ代の予算も底を尽きようとしていたのだ。ダイゴロウは成長期に入ったことで更に食欲が増し、一日50~60キロの食料では間に合わなくなった。そこで斉藤は環境衛生省の鈴木を呼び出し何とかして欲しいと頼んだのだが風向きは変わらなかった。

ダイゴロウを救いたいと願う発明家のオジサンは、エサ代を何とかしたいと考え自分の技能を活かした挑戦をすることにした。それはBCB-TVの人気番組「ビックリ発明大ショック」に出演し、制作したエアロバイクで1分間空を飛んで賞金の200万円を手に入れることだ。ところが離陸直後にエアロバイクは大爆発を起こし、飛んだのはオジサンの方だった。結果は失格。パラシュートで何とか命拾いしたが、引っ掛かった木から滑り落ちて右足を骨折し病院に運ばれた。その後、退院したオジサンは青葉台駅前で街宣活動を行いダイゴロウの救済を訴えたのだが、俺たちの税金を無駄に使うなと通りがかりの男たちから猛反発を受けた。その様子に黙っていられない大工の熊五郎がなだれ込み、オジサンを擁護するつもりで大暴れしたことで聴衆の理解は益々遠のいたのだった。子供たちのお小遣いだけでは到底足りないことから、オジサンは新たな発明品の開発を始め、熊五郎も大好きな酒を我慢してその分を寄付することに決めた。

ある日、政府はダイゴロウのエサ代を節約するためにアンチグロウという薬品で成長を止める方針を打ち出した。新聞でそのことを知ったオジサンが発明にやる気を出す一方、斉藤はアンチグロウを使うことをためらっていた。その煮え切らない態度に怒った鈴木は自ら食料にそれを混ぜたのだった。そしてダイゴロウは事情を察したかのようにそれを口へ運んだ。その新聞記事を読んで熊五郎のはらわたが煮えくり返っていた頃、オジサンはついに発明品を完成させた。再びビックリ発明大ショックに出演すると「雨降りミサイル」を披露した。それは雲の中の水蒸気を冷やすことで雨を降らせる人工降雨装置で、3分以内に雨を降らせることが出来れば今度こそ200万円を手にすることが出来るのだ。ミサイルの打ち上げは成功し程なくして雨ではなく雪が降り出した。テレビ局側はそれを成功とみなし200万円の小切手を手渡したが、オジサンは知っていた。装置が地上に落下していたことを。そして突然の雪が偶然の産物だったことを。良心の呵責を感じるが、ダイゴロウのことを思うと本当のことを明かせなかった。

屋台的映画館

北の螢

  • posted at:2020-01-20
  • written by:砂月(すなつき)
きたのほたる
東映=俳優座映画放送
配給:東映
製作年:1984年
公開日:1984年9月1日
監督:五社英雄
製作:高岩淡 佐藤正之
企画:矢部恒 佐藤雅夫
プロデューサー:佐藤和之 厨子稔雄 遠藤武志
スーパーバイザー:阿久悠
脚本:高田宏治
撮影:森田富士郎
録音:平井清重
整音:荒川輝彦
照明:増田悦章
美術:西岡善信 山下謙爾
編集:市田勇
監督補佐:清水彰
助監督:長岡鉦司
装置:野尻裕
装飾:福井啓三
背景:西村三郎
記録:田中美佐江
衣裳:松田孝
美粧・結髪:東和美粧
演技事務:寺内丈夫
刺青:毛利清二
擬斗:土井淳之祐
馬術指導:渡辺隆馬
音楽:佐藤勝
主題歌:「北の螢」森進一
スチール:中山健司
進行主任:山本吉應
協力:福井市江上町 ほくりくみどりの広場 芝政 土佐料理 司 東映京都美術センター 東映俳優センター
出演:仲代達矢 岩下志麻 佐藤浩市 早乙女愛 隆大介
アメリカンビスタ カラー 125分

明治の初頭。徳川幕府から政権を引き継いだ明治新政府は、広大な土地と無尽蔵な資源を埋蔵する北海道の開発なくしては日本の西洋式近代国家への脱皮はありえないことを熟知していた。しかし未開の自然と想像を絶する極寒の気象条件は人間の侵入を拒み、開拓は大幅に遅れた。そのため北海道開拓使長官・黒田清隆は内務卿・伊藤博文と相談の上、全国の囚人たちを北海道へ押送し開拓労働に就かせることにした。明治14年、札幌の北方約30里に当たる石狩川上流に樺戸集治監が開設され、初代典獄は月潟剛史がその任に就いた。

集治監開設から2年の後の明治16年、絶対的な権力を持つ月潟は破獄を許した各務靭良監視長を平看守に降格させた上に減俸、担当看守9名にも減俸を命じた。そして捕縛した逃走囚60人全員を斬首の刑とし、執行を補充採用者として最近赴任してきた元新選組の永倉新八に任せた。集治監には斬首の作法を心得る者がいないことが抜擢の理由だった。だが据物斬の達人である各務が名乗り出た。62号囚は政府要人の暗殺を企てた国事犯で元は幕府の直参だったが、前田看守を殺したことへの決着をつけたいと考えたからだ。月潟はそれを認め、翌日午後3時に第二獄舎囚人全員を立ち合せた上で行うことを命じた。ところが要領を得ない各務は処刑をしくじり、見兼ねた月潟は各務、62号の両者を斬り捨てたのだった。

逃走囚の捜索の際に各務隊が雪中で発見した旅芸人の行き倒れの中に一人だけ息がある者がいた。三味線弾きのその女・ゆうを気に入った月潟は、情婦のすまが女将を務める料理屋に預けることにした。ある日、峰延道路の進捗状況を視察にきた内務省開拓副長官の石倉武昌は月潟に休養を取るように言った。それは集治監の典獄を4年の間任せられることになっていた月潟にとって寝耳に水の出来事だった。だが北海道の行政が一変して札幌、函館、根室の三県に分かれることになり、札幌県知事の有力候補として彼の名前が挙がっていることを知ると話は別だ。ゆうを石倉の寝所に向かわせる代わりに彼女の要望を飲むことにした。それは国事犯として捕えられている男鹿孝之進との再会だった。かつて京の祇園で芸姑をしていたときに匿ったことがきっかけとなったのだ。ところがゆうは続けて赦免を要求してきたため、頭に血が上った月潟は石倉のところへ行くか今すぐ村を出て行くか選べと怒鳴りつけた。

ゆうが指示通りに石倉のもとへ行ったため、月潟は彼女を男鹿と面会させることにした。あなたを赦免にするためならどんなことでもする覚悟できたとゆうが言うと、男鹿は赦免の必要はないと断った。男鹿は明治政府の囚人に対する扱いに抗議するために自ら犠牲となり1300人の凶悪犯の破獄を手助けする覚悟でいたのだ。それを聞いて驚くゆうに、男鹿は月潟を刺せと命じた。

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