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お笑い三人組

  • posted at:2026-02-14
  • written by:砂月(すなつき)
おわらいさんにんぐみ
日活
配給:日活
製作年:1958年
公開日:1958年6月10日 併映「四季の愛欲」
監督:吉村廉
企画:水の江滝子
原案:名和青朗
脚本:鈴木三千夫
撮影:峰重義
照明:三尾三郎
録音:古山恒夫
美術:西玄一郎
音楽:土橋啓二
編集:中村正
助監督:齋藤和三郎
製作主任:栗橋正敏
出演:江戸屋猫八 一龍齋貞鳳 三遊亭小金馬 稲垣美穂子 天路圭子
スタンダード モノクロ 52分

あまから横丁で有名なお人よし三人組(パン屋の六さん、保険外交員の良夫さん、酒屋の金ちゃん)はある日、警察署の遺失物係に呼び出された。何事かと思い恐る恐る出頭すると係官は君たちに渡すものがあると言った。彼が連れて来たのは六歳くらいの薄汚い少年だった。少年が持っていた手紙には、言うに言われぬ仔細あって一時的に身を隠さねばならなくなったため、大財閥の御曹司である伊部紋太をひと月程人情あふれる篤志家と噂に聞く三人組預かって欲しいと書いてあった。三人は当初断ろうと思っていたが、いずれ十二分のお礼を差し上げるという追記に惹かれたことと、手紙の主が伊部家の執事だったことから文面を信用して引き取ることにした。

三人組はまず油を売るときに立ち寄るほがらか軒に行き、紋太を預かる順番を決めることにした。そしてじゃんけんの結果、良夫さんが最初に預かることに決まり、早速紋太をアパートに連れ帰った。翌日、良夫さんは保険の契約書類を持ってマサ美容室を訪れた。その際、紋太に留守番をさせるわけにはいかないので一緒に連れて来たのだ。紋太の調子のいい言葉にマダムはメロメロになり大口契約はまとまるかと思われた。ところがちょっと目を離した隙に紋太がいたずらを仕出かし美容室は大混乱。契約は破棄され良夫さんは店から追い出されたのだった。紋太を次の日まで預かる約束だったが、もう面倒なことに巻き込まれたくない良夫さんはニコニコ堂へ行き前倒しで六さんに彼を譲った。

紋太を預かれることがうれしい六さんは店の主人に彼を紹介した。そしてパンを焼いている間に子供の扱い方を参考書で勉強することにしたのだが、しばらくすると頭にたんこぶが出来た子供を連れた母親が怒鳴り込んで来た。話を聞くとどうやら紋太に殴られたのだという。その母親がお得意様だとわかった主人が勘弁してもらおう売り物のパンを渡すと、そんなことをしてもらわなくてもいいのにと言って帰って行った。紋太は主人の長男の一郎が公園に連れて行ったのだ。体の大きい相手とケンカして紋太が勝ったことを喜んでいると、早川組の職人が子供を連れてやってきた。六さんが勘弁してくださいとパンを渡すと帰って行ったが、今度は同じ子供を連れた母親がやってきた。もうここのパンを絶対に買わないように触れ回るというので勘弁してくださいとパンを渡すと帰って行ったが、今度は同じ子供を連れたヤクザ風の兄がやってきたのだった。主人はこのままだとうちは破産だと嘆き、あの子を何処かへ預けてもらわなければ困ると六さんに言った。

屋台的映画館
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きんぴら

  • posted at:2026-02-10
  • written by:砂月(すなつき)
きんぴら
東映
配給:東映
製作年:1990年
公開日:1990年12月22日 併映「ゴールドラッシュ」
監督:一倉治雄
企画:岡田裕介 黒澤満
プロデューサー:小島吉弘 服部紹男
脚本:丸山昇一
撮影:柳島克己
美術:小澤秀高
照明:長田達也
録音:林鑛一
編集:西東清明
助監督:大津是
キャスティング:飯塚滋
記録:桑原みどり
撮影(B班):浜田毅
進行主任:望月政雄
音楽:大谷和夫
音楽監督:鈴木清司
音楽プロデューサー:高桑忠男
擬斗:國井正廣
刺青:栩野幸知
カースタント:TA・KA
現像:東映化学
製作協力:セントラル・アーツ
出演:大竹しのぶ 仲村トオル 鈴木早智子 綿引勝彦 香川照之
アメリカンビスタ カラー 95分

東京の一角では金曜日の夜8時頃になると決まってテレビが電波ジャックされた。視聴者にとってそれは迷惑な話だが、逆にそれを面白がる者たちもいた。手作り感満載の1分程度の海賊放送(金曜日のぴらにあ=きんぴら)は何が飛び出すかわからないまるでびっくり箱のような物であることから若者たちに絶大な人気があった。そんな彼らの穴場となっていたのはテレビディスプレイを店内に複数配置するマシューズバーという店だった。8時少し前に店内の音楽が切り替わると、関係者入口の扉から現れるのはマシューこと経営者の間舟(はざま・ふね)だった。舟が司会者として客を煽っていると、1分遅れできんぴらが始まった。カーチェイスでスタートしたのは意外な展開を見せる吉野屋葬儀社のCMだった。

事故で死んだ幽霊がダンスしている頃、違法電波の発信源の特定に勤しんでいたのは警視庁違法電波取締官たちだった。ついにその拠点が工場跡地だと突き止めたものの到着した時には跡形もなかった。その責任を負わされたのは無能のレッテルを貼られた午忘零児だった。ヤケ酒を飲んだ後、憂さ晴らしにアクション映画を観た午忘は興奮冷めやらぬままマシューズバーに立ち寄った。閉店の時間を過ぎていたため店員の松本千代は断ろうとするが、商魂たくましい舟はそんな客からふんだくってやろうと企んだのだった。カッコつけた午忘が生卵入りのビールを飲み干すと、彼女は1万円を置いて出て行けと言った。頭にきた午忘が閉店時間だとしても何故少しばかり待てないんだと文句を言うと、男はどうして勝手なのかと舟も反論した。結局、口ゲンカで負けた午忘は言われた通りに金を払って店を出た。

きんぴらが流すのは企業から依頼されたものではなく彼らが勝手に作ったCMだった。なので何も知らない吉野卓矢社長はその反響に驚くばかりだった。翌日、ご機嫌な吉野は会員制ホテルへ向かうが、午忘はきんぴらの一味と合流するのではないかと考え車を追った。地下駐車場で様子を窺っていると、吉野と入れ替わるように出てきたのは舟だった。赤いバッグの中には謝礼金が入っていると睨んだ午忘は彼女が離れている間に車を調べようとするがまんまと罠にはまったのだ。仕方なく正体を明かした彼が手柄を立てたかったと正直に言うと、舟は店に連れて行き酒を思い存分飲ませた。午忘は泥酔して寝込んだが、その様子は次のCMに使われていた。

屋台的映画館

柘榴館

  • posted at:2026-02-06
  • written by:砂月(すなつき)
ざくろやかた
ケイエスエス
配給:ケイエスエス
製作年:1997年
公開日:1997年8月23日
監督:伊藤秀裕
製作:須崎一夫
企画:内田ゆき
プロデューサー:川崎隆 霜村裕
原作:山崎洋子
脚本:井上正子 伊藤秀裕
撮影:安藤庄平
照明:清水達巳
美術:稲垣尚夫
録音:土屋和之
整音:小峰信雄
編集:島村泰司
スクリプター:石川和枝
助監督:橋本匡弘
制作担当:山本英之
音楽:アトリエ・シーラ
制作協力:エクセレントフィルム
出演:清水美砂 朱門みず穂 松岡俊介 樋口かおる 村松恭子
アメリカンビスタ カラー 107分

介護福祉士の資格を持つ森岡沙季は人里離れた場所にある洋館にやってきた。この屋敷に住む高齢の立花久代の面倒を見ることになるかもしれないからだ。出迎えた娘の香織は履歴書と白川氏からの紹介状を確認し軽い面接を行ってから本人と会わせることにした。二階の自室に籠る久代に沙季は挨拶をするが、彼女は一瞥しただけで何も答えなかった。沙季が紹介された部屋は同じ階にあり、掃除や食事の支度は家政婦の田所が行うことになっているから母の介護に専念すればいいと言われた。24時間勤務だが久代はいつもベッドにいるため、暇な時間はこの部屋で自由に過ごしていいという。休みは日曜日と祭日。沙季はその条件をのむことにした。立花家には香織、久代、田所の他に希和の夫・隆二と息子の煉、そして娘の希和が住んでいた。沙季は準備の都合もあることから翌週からの勤務をお願いした。

介護初日、沙季は常に言葉を掛けることを心掛けていたが、気難しい久代は相手にしなかった。そこで気を利かせて空気の入れ替えのために窓を開けたところ、久代は突然「窓を閉めて頂戴!」と叫びながら苦しみ始めたのだった。そこに高校から帰ってきた希和が部屋に入ってくると久代の様子がおかしいことに気づいた。沙季が私のせいかもしれないと説明を始めると、希和はお婆様が汚れていると信じているから外の空気がお嫌いなのよと言った。繊細でチャーミング、そして信じられないくらい情熱家だという久代のことが大好きでたまらない希和はキスをして慰めたが、沙季はその様子に唖然とした。

久代の食事は田所がカロリー計算をして作っているがほとんど手をつけることはなかった。そこで試しに翌日の朝食を沙季が作ってみたところ、今までにないような食欲を見せたのだった。食器を下げると食堂には隆二がいた。彼は立花病院の院長を務めているが、養子であるが故に居場所がないと感じていた。久代は二年程前から車椅子生活を送るようになったが、それまでは週に二日病院に通っており優秀な内科医と患者から慕われていた。立花家は代々医者を受け継いでおり、どんなことがあっても医者の血を絶やしてはならないというのがこの家の掟だった。煉が芸大で彫刻の勉強をしているため、希和が医大に進むことになっていた。

屋台的映画館

樹氷悲歌

  • posted at:2026-02-02
  • written by:砂月(すなつき)
じゅひょうえれじー
大映(東京撮影所)
配給:ダイニチ映配
製作年:1971年
公開日:1971年5月5日 併映「君は海を見たか」
監督:湯浅憲明
企画:斎藤米二郎
脚本:高橋二三
撮影:上原明
録音:飛田喜美雄
照明:久保江平八
美術:矢野友久
音楽:菊池俊輔
主題歌:「樹氷悲歌」高田和明
・・・:「愛の日記」関根恵子
編集:宮崎善行
助監督:小林正夫
製作主任:川村清
現像:東京現像所
協力:山形県上山市
出演:関根恵子 篠田三郎 小野川公三郎 松坂慶子 三崎千恵子
シネマスコープ カラー 84分

蔵王連峰を間近に望む温泉地上山にやってきたハーフコート姿の青年は少年に手紙を預けた。すると少年は桂みやが通う高校へ向かい、放課後の掃除中だった彼女に無事に届けたのだった。その手紙には「栗川稲荷にすぐ来い。来ないと命はないぞ」と書かれており、それを知ったクラスメイトたちは脅迫状だから今すぐにでも警察に届けた方がいいとアドバイスした。手紙を頼んだのはどんな人だったのかと少年に尋ねると、「俺はZ団の団長だと伝えてくれ」と青年が言ったのだという。それを聞いて手紙の主が誰なのかピンときたみやは慌てて教室を出て行った。子供の頃、死ぬときは一緒だと誓い合ったギャングごっこの時につけたグループの名前がZ団だったのだ。栗川稲荷で待つ幼馴染の米沢信一と再会したみやは心から喜んだ。何故なら競馬の騎手を目指して故郷を後にした彼が戻ってきたということは一人前になれたのだと確信したからだ。だが現実は違った。トレーニングセンターを卒業しそれぞれの厩舎に所属して見習い騎手として公営競馬で10勝を挙げれば一人前と呼ばれるのだが、同期生たちが10勝ラインを超えている中で信一はまだ4勝しか出来ていなかったのだ。彼は才能がないことを理由に辞めたいと打ち明けたが、みやは何か隠している事があるのではないかと考えていた。

信一の母・秋江は温泉旅館よねやを経営していた。みやは母に会いたくないと言う信一を残して秋江に会いに行くがいい顔はされなかった。三年前、大学卒業後に家業を継がせるつもりでいたが、馬事公苑にある騎手の養成学校へ行くようにそそのかしたのがみやだと信じて疑わなかったからだ。今でも怒りが収まらない秋江は、頭を下げるのなら自分一人で来るように伝えなさいと言った。みやの顔を見て母親の答えを察した信一は街を出ようとするが、一晩泊まって相談しましょうと引き留めた。路線バスの車両基地へ向かったみやは仕事を終えた運転手の父・源三にそのことを話そうとするが、ダービーに出るまで死んでも帰らないと決めたにも拘わらず途中で挫けるような奴は人間の屑だと言われ信一はショックを受けた。公園で途方に暮れる二人。するとそこに声を掛けてきたのは幼馴染の町田邦夫だった。クラスメイトの話で信一が戻ってきていることを知った彼は父・雄作が経営するロッジに泊まればいいと提案した。

屋台的映画館

太秦ライムライト

  • posted at:2026-01-30
  • written by:砂月(すなつき)
うずまさらいむらいと
イレブンアーツ=京都市太秦ライムライト製作委員会
配給:リバー
製作年:2013年
公開日:2014年7月12日
監督:落合賢
プロデューサー:コウ・モリ 佐野昇平
エグゼクティブプロデューサー:川畑宣尚
協力プロデューサー:浜野高宏
制作プロデューサー:増田悟司
プロダクション統括:竹村寧人
ラインプロデューサー:森洋亮
原案:岡原伸幸
脚本:大野裕之
撮影監督:クリス・フライリク
音楽プロデューサー:戸田信子
音楽:戸田信子 陣内一真
美術:吉田孝
照明:山中秋男
録音:林基継
編集:洲崎千恵子
助監督:中川裕介
監督助手:中野広之
殺陣:清家三彦
DIT:今西貴充
キャスティング:増田悟司
特別協力:京都市産業観光局
出演:福本清三 山本千尋 合田雅吏 萬田久子 本田博太郎
アメリカンビスタ カラー 104分

京都の西郊にある太秦は東洋のハリウッドと呼ばれ数々の名作映画を生んできた。そこには主役を引き立てる「斬られ役」がいた。全盛期には百名以上いたその斬られ役も時代劇の激減により今では数える程しかいなくなっていた。その中の一人である香美山清一は太秦の日映撮影所に所属する斬られ役一筋の大部屋俳優だった。ある日、四十年以上続いたテレビ時代劇「江戸桜風雲録」の打ち切りが発表された。理由は番組視聴者層の高齢化や若者のテレビ離れ、製作関係者の後継者不足など様々な事情が囁かれていたが、この長寿番組が終了する一番の原因となったのは俳優出身のプロデューサーの川島明彦が昔ながらの時代劇を毛嫌いしていたからだった。最終回のクランクアップ後、主役の片岡勘右衛門役を務める大御所スターの尾上清十郎は香美山のもとに歩み寄り、いつかまた斬らせてくれと固い握手を交わした。

香美山は次の仕事があろうがなかろうが稽古を休むことはなかった。彼がこの仕事に本気で打ち込むようになったのは先代の尾上清十郎との出会いがきっかけだった。江戸桜風雲録の初代主役を務めた尾上は、若き日の香美山に斬られ方がうまいということは芝居がうまいということだと言って愛用の木刀を渡した。するとその様子を見ていた紅かんざしのさつき役の田村美鶴もしっかり稽古すればいい役者さんになれますと助言した。この出来事により香美山は役者として生きていくことを決めたのだった。

テレビ時代劇が終了したことで斬られ役たちは行き場所を失った。そんな中、撮影所では現代劇の「京都茶柱殺人事件」の撮影が始まり、若い役者たちは監督によって刑事役に抜擢されたが高齢の香美山たちは候補から外れた。あぶれた彼らを心配する演技課の中嶋洋子はプライドを傷つけないように配慮しながら奔走した。

屋台的映画館

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