大映(京都撮影所)
配給:大映
製作年:1962年
公開日:1962年6月24日 併映「雲右衛門とその妻」
監督:田坂勝彦
企画:高森富夫
脚本:犬塚稔
撮影:木田平三
録音:奥村雅弘
照明:古谷賢次
美術:加藤茂
音楽:高橋半
編集:西田重雄
装置:木村重雄
擬斗:宮内昌平
音響効果:倉島暢
助監督:西沢鋭治
製作主任:田辺満
出演:小林勝彦 藤原礼子 名和宏 中村鴈治郎 南条新太郎
シネマスコープ モノクロ 73分
越後屋の一人息子の又三郎が突然死んだ。急遽葬儀が執り行われたが、所帯を持って半年になるやならぬの出来事であり妻のお絹は心労がたたって床に臥せってしまった。彼女に替わって世話を焼いたのは越後屋の家に出入りする植木職人の由之助だったが、又三郎とどのような関係があるのか誰も知らなかった。のちに又三郎の母親のお菅が線香をあげにやってくると由之助は話を聞きつけて借金取りが大勢押し寄せているから困っていると言った。不憫に思ったお菅は長屋に上がるのを諦め、お前に預けるから早くその人たちに払って借銭をきれいに片付けてやっておくれと十五両の入った財布、お弔い番太代、そしてお絹への心付けを渡した。お菅が帰ると由之助は部屋に戻り、お絹に名残惜しんであげてくださいと棺桶の蓋を開けた。その中で眠る又三郎はまるでまだ生きているような顔色をしていた。
又三郎は伝法院の水茶屋で働くお絹と駆け落ちしたことで勘当された。しばらく長屋で暮らしていると同じ長屋に住む由之助がお絹に惚れ込み何かと世話を焼いたのだった。世間知らずの又三郎を騙そうと考えた由之助は悪知恵を吹き込んだ。又三郎を死んだことにして彼の家から金をだまし取ろうと企んだのだ。金欠の又三郎にとって渡りに船。こうして又三郎は棺桶に入ったのだった。彼の入った棺桶は土中に埋葬され、あとは頃合いを見て由之助が掘り出しに来るのを待つだけ。又三郎は差し入れの握り飯を頬張りながらその時を待った。日がとっぷりと暮れた頃、由之助は墓にやってきた。だが彼は掘り出すどころか上から踏み固め二度と出て来れないようにしたのだった。お経を唱えながら長屋に帰るとお絹がいた。最愛の夫を失い実家に帰るわけにもいかない彼女が頼る場所はここしかなかったのだ。あちこちに借金ばかり残して私はどうしていいかわからないと愚痴をこぼすと、由之助はしばらくお前の面倒を見てやると言った。そしてお菅からもらった金を見せつけこれをお前に預けると言うとお絹は信用した。こうして由之助は金とお絹を両方手に入れたのだった。明朝、由之助が長屋の連中に見つかる前に出掛けようと戸を開けたところ、ざんばら髪の又三郎が立っていたのだった。
屋台的映画館
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