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ザ・スパイダースの大騒動

  • posted at:2015-12-16
  • written by:砂月(すなつき)
ざすぱいだーすのだいそうどう
日活
配給:日活
製作年:1968年
公開日:1968年5月18日 併映「娘の季節」
監督:森永健次郎
企画:笹井英男
脚本:伊奈洸
撮影:松橋梅夫
照明:高島正博
録音:太田六敏
美術:西亥一郎
編集:井上治
助監督:近藤治夫
色彩計測:永塚各一郎
現像:東洋現像所
製作担当者:山下昭
音楽:かまやつ・ひろし 林一
主題歌:「あの時君は若かった」田辺昭知とザ・スパイダース
挿入歌:「風が泣いている」田辺昭知とザ・スパイダース
挿入歌:「なればいい」田辺昭知とザ・スパイダース
挿入歌:「バンバン」田辺昭知とザ・スパイダース
挿入歌:「君のハートはダン!ダン!」田辺昭知とザ・スパイダース
挿入歌:「いつまでもどこまでも」田辺昭知とザ・スパイダース
挿入歌:「もう一度もう一度」田辺昭知とザ・スパイダース
挿入歌:「太陽の翼」田辺昭知とザ・スパイダース
挿入歌:「夕陽が泣いている」田辺昭知とザ・スパイダース
挿入歌:「愛しているから」奈美悦子
協賛:ベアー時計バンド
出演:田辺昭知 堺正章 井上順 井上孝之 大野克夫
シネマスコープ カラー 86分

地方公演を終えて新幹線で東京に戻ってきたザ・スパイダース。丸の内中央口を抜けて彼らのプロダクション「スパイダクション」が用意したバスに機材を積み込むと、熱狂的な女性ファンたちが押し掛ける中をすり抜けて7人は移動車に乗り込んだ。次の公演会場へ向かう車中で後部座席にいた堺正章は、後ろを走るスポーツカーの美人ドライバーが自分に惚れているに違いないと隣の井上順に言った。どうしてそんなことがわかるんだよと順が尋ねると、正章はそうに違いないんだと自分に言い聞かせるように答えた。信号での停車中に二人が手を振ると振り返してきたことから、順はドンとぶつかって気持ちを確かめた方がいいと言った。そのとき、後方の車が女性の車に衝突。そのあおりでスパイダースの車にも衝突した。メンバーは検査のために自力で東洋病院に向かったが、女性が同じ病院に救急車で運ばれてきたため正章と順は心配でならなかった。診察と脳の検査を行った結果、異常が見つからなかったことから、二人はメンバーに許可をもらって女性の病室にお見舞いに行くことにした。病室から出てきた看護師に兄弟だと嘘をついて容体を聞き出すと、ショックで興奮しているだけで大丈夫とのこと。早速、室内に入ると女性は笑顔で迎えてくれた。彼女の名前は高村夕子。驚いて気絶しただけだが、念のために医師から入院を勧められたのだった。順は自分を売り込むために一方的に話しかけて正章が割り込むのを妨害した。すると面白くない正章は窓辺に歩いて行きいつもの妄想に耽った。外科医の正章は、手術台に乗った順の大脳切除手術を行おうとしていた。メス、ノコギリ、トンカチ、電気ドリルを使って開封しヤットコで中身を取り出すとダイヤのネックレスが出てきたため「女ったらし」と悪態をついた。続いてネジ回しでネジを外しシャベルで中を掘り進むと突然水が噴き出してきたのだ。夢も空想もない空っぽな頭の中だったことがわかると正章は落胆し、順の傷口をセロテープで張り合わせたのだった。そこで妄想から覚めたが、正章は夕子と一度も話すことなく順に連れ出されたのだった。

公演の休憩時間に正章が楽屋に戻ると順が電話をかけていた。彼が自分と同じ時計をしていることから文句を言ってやろうと近づいて行ったが、電話の相手が夕子だとわかると正章は態度を変えた。受話器を奪おうにも隙を見せず楽しそうに話す順に嫉妬した正章は再び妄想に耽った。吹奏楽隊隊長の正章は兵士たちの点呼を行ったが、中々うまく行かず困っていた。そこに女王陛下の乗った馬が到着したため、敬礼のあと回れ右を指示して楽隊を行進させた。そして全員は向こうを向いている間に正章は陛下とキスした。ところ変わって戦場の最前線。三日間も不眠不休で何も口にしていない順は裸のグラビアを見て気を紛らわしていた。それが上官の正章に見つかり、敵情の視察を命じられたのだった。敵が目前まで迫っていたことから正章は陛下のために突撃を命じたが、やる気を無くした部下たちは全員逃亡した。残ったのは正章のファンである看護師のヨシ子だけ。彼は銃を掴むと一人で突撃を試みたが、虚しく敵の銃弾に倒れた。妄想から覚めると出番の時間が目前に迫っていた。

屋台的映画館
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キングコング対ゴジラ

  • posted at:2015-12-11
  • written by:砂月(すなつき)
きんぐこんぐたいごじら
東宝
配給:東宝
製作年:1962年
公開日:1962年8月11日 併映「私と私」
監督:本多猪四郎
製作:田中友幸
脚本:関沢新一
撮影:小泉一
美術:北猛夫 安倍輝明
録音:藤好昌生
照明:高島利雄
音楽:伊福部昭
整音:下永尚
監督助手:梶田興治
編集:兼子玲子
音響効果:西本定正
現像:東京現像所
製作担当者:中村茂
特殊技術・撮影:有川貞昌 富岡素敬
特殊技術・光学撮影:幸隆生 真野田幸雄
特殊技術・美術:渡辺明
特殊技術・照明:岸田九一郎
特殊技術・合成:向山宏
特殊技術・制作担当者:成田貫
特技監督:円谷英二
出演:高島忠夫 佐原健二 藤木悠 有島一郎 田崎潤
シネマスコープ カラー 97分

パシフィック製薬の多胡宣伝部長は頭を痛めていた。広告を提供しているTTVのテレビ番組「世界驚異シリーズ」の視聴率が不振にあえぎ、社長から電話で怒鳴りつけられたからだ。ソロモン群島での野性薬草の調査旅行から戻った薬学博士の牧岡から興味深い話を聞いた多胡は、番組ディレクターの古江金三郎に話を持ち掛けた。すると古江は飛び上がって喜び、カメラマンの桜井修とともに取材にやってきたのだ。ファロ島付近の海域に大異変が起こりつつあるのは目覚めた巨大なる魔神のせいだとする原住民の説に桜井は不信感を持っていたが、多胡は真説であり視聴率引き上げの決定打だと言って譲らなかった。ライバル企業・セントラル製薬がQTVを通じて国連所属原子力潜水艦シーホーク号の海底探検シリーズを企画しているという情報があるため、何としてでもこの勝負に勝たなければならなかったのだ。そこで多胡は海外大取材班派遣に対する全面的なバックアップを行うことにした。

北極海では水温が摂氏18度まで上昇する現象が起きており、国連が派遣した科学者を乗せたシーホーク号が急航した。乗員がチェレンコフ光を発する氷山を前方に見つけ、そこにガイガー反応があることから潜航して調査を行っていたが、突然崩れてきた氷塊に押し潰されて航行不能となった。そして氷山から現れた巨大な生物が吐く熱線に焼かれた。その頃、パシフィック製薬では海外取材班出発祝賀会が盛大に行われていた。各メディアから注目されることに多胡はご満悦だったが、会見と同時刻に重大発表が行われたため新聞記者が一人もいなかった。多胡はそれを知ると歯ぎしりした。

日本を出港した貨物船は無事フェロー島に到着した。大取材班と行ってもメンバーは桜井と古江だけ。二人の頼みの綱は通訳のコンノだった。酋長と対面するとコンノは必死になって通訳したが、彼は頑として上陸を許可しなかった。しびれを切らした桜井はトランジスターラジオを差し出し、日本語とジェスチャーを交えてお土産だと説明した。そしてスイッチが入り音楽が鳴り出すと酋長はそれをとても気に入り、あっさりと上陸を許可した。そして条件として魔神に食い殺されても責任は負わないと言った。やがて空が曇ると雷鳴が轟き稲妻が走った。すると島民たちは魔神の怒りを鎮めるための儀式を始めたのだ。桜井は原子古代の考え方であれば魔神が雷であってもおかしくないと震える古江に説明して納得させたが、獣の咆哮が聞こえると二人でへたり込んだ。

屋台的映画館

ふくろう

  • posted at:2015-12-05
  • written by:砂月(すなつき)
ふくろう
近代映画協会
配給:シネマ・クロッキオ=近代映画協会
製作年:2003年
公開日:2004年2月7日
監督:新藤兼人
プロデューサー:新藤次郎
脚本:新藤兼人
撮影:三宅義行 林雅彦
照明:山下博
録音:武進
美術:新藤兼人
編集:渡辺行夫
音楽:林光
助監督:山本保博
ラインプロデューサー:桑原一仁
出演:大竹しのぶ 伊藤歩 柄本明 木場勝己 原田大二郎
アメリカンビスタ カラー 119分

昭和55年頃、東北の山奥にある古びた一軒家でユミエと娘のエミコが激しい飢えに苦しんでいた。家財を売り払い、電気を止められ、蓄えていた食料は底をつき、周囲の生き物は食べつくし、今では松の根を具にした吸い物を作るまでになっていた。いつまでも先の見えないこの生活に限界を感じたユミエは一念発起した。彼女はまず体についた積年の垢を水で洗い流すと、エミコにも同じことをして身だしなみを整えた。次に家財で唯一残っていたミシンを引っ張り出すと、葬式のときの鯨幕と開拓団の団旗を裁断して服をこしらえた。そして隠しておいたダルマの貯金箱を叩き割り、中から出てきた100円玉2枚をユミエは拾い上げた。

昭和14年、長野県姫百合谷村の153名が満州の牡丹江の奥地に開拓団として派遣された。農民たちはタダで土地がもらえるという話に喜んで参加したが、戦争になり男たちは兵隊にとられた。敗戦の色が濃くなると頼みの綱である関東軍は逃げだし開拓団は置き去りにされた。3歳だったユミエは両親とともに何とか帰国することが出来たが、帰る村がなかった。骨を満州に埋める覚悟で行ったため田も畑も売っていたのだ。そんな引揚者を県の福祉課援護係が引き受けたことでユミエ一家は新たな土地に希望ヶ丘開拓団として入植することが出来たのだ。20件がタダでもらった土地に移り住んだが、今はユミエとエミコだけ。耕作地として不向きだったことが原因だった。そしてユミエの夫は東京の地下鉄工事に出稼ぎに行ったまま戻って来なかった。

ある夜、ダム工事に出稼ぎに来ている男が客としてやってきた。ユミエが営業の電話をした際にたまたま飯場の電話当番をしていたのだ。2万円と言われ値切る男。嫌なら帰れと言われ渋々承諾した男はユミエと奥の部屋に消えた。1時間程して部屋から出てきた男は、しばらくぶりだったからよかったと満足していた。エミコが特別サービスとして特製の焼酎を注ぐと、男は天国に登った気持ちだと言って一口飲んだ。おかしな味がしたが、一気に飲まないと本当の味がわからないとユミエに言われたため素直に従った。男は焼酎を飲み干した途端にしゃっくりを繰り返すと泡を吹いて倒れた。そして近寄ってきたユミエの足に触り「よかった」と言い残して本当に天国へ登って行った。二人は用意した手押し車に男を乗せると晴れやかに歌いながら外へ運び出した。森の番人のふくろうはその様子を静かに見ていた。

屋台的映画館

トラック野郎 男一匹桃次郎

  • posted at:2015-11-29
  • written by:砂月(すなつき)
とらっくやろうおとこいっぴきももじろう
東映(東京撮影所)
配給:東映
製作年:1977年
公開日:1977年12月24日 併映「こちら葛飾区亀有公園前派出所」
監督:鈴木則文
企画:天尾完次 高村賢治
脚本:鈴木則文 掛札昌裕
撮影:飯村雅彦
録音:広上益弘
照明:川崎保之丞
美術:桑名忠之
編集:田中修
助監督:福湯通大 澤井信一郎
記録:山内康代
擬斗:日尾孝司
宣伝担当:福永邦昭 山本八州男
スチール:遠藤努
進行主任:小島吉弘
装置:安沢重治
装飾:片桐正雄
音響効果:原尚
美粧:井上守
美容:宮島孝子
衣裳:福崎精吾
演技事務:山田光男
協力:東映俳優センター
現像:東映化学
音楽:津島利章
主題歌:「一番星ブルース」菅原文太 愛川欽也
挿入歌:「北の流浪」野村勝夫
企画協力:(株)カントリー
協力:唐津市 唐津曳山取締会 社団法人唐津観光協会 唐津市旅館協同組合 鹿児島産ロイヤルホテル 哥麿会
出演:菅原文太 愛川欽也 夏目雅子 清水健太郎 春川ますみ
アメリカンビスタ カラー 104分

関門海峡を越えて熊本にやってきた一番星こと星桃次郎とやもめのジョナサンこと松下金造は、青果市場でトラックの荷を降ろすと帰りの荷に積み替えていた。そこへ花電車こと花山電吉という同業の男が殺されると大騒ぎして現れたのだ。とりあえず一番星号の荷台に匿うと追って来た男たちがヤツは何処だと尋ねた。桃次郎はしらばくれたが電吉のくしゃみが聞こえたためあっさりとばれてしまった。一番星号には冷凍・冷蔵装置がついているのだ。男たちにケンカを売られた桃次郎だったが仲間のトラック野郎たちの協力を得て撃退した。仲間たちと勝利を喜んでいるのもつかの間、トラックの星型の装飾品を子供がドライバーで外して持って行くのを目撃した。桃次郎は慌てて追ったがすばしこい子供は荷の中に消えてしまった。

助けてくれたお礼にと電吉は二人を女将のおかねが経営するドライブイン「唐津乙女」に招待し、ふぐ鍋をごちそうした。ここの名物はおかねの息子・毒島一郎が調理したふぐの肝で、桃次郎は一口食べてしびれるほどうまいと絶叫した。パクつくにつれて舌から始まったしびれはやがて全身に回りふぐ中毒に。桃次郎は解毒のために首から下を砂浜に埋められてしまった。そこを通りかかった女子大生の小早川雅子は無造作に置かれた浮標だと思って彼の頭を飛び越えたため、桃次郎は激怒した。ところが彼女が美人だとわかると一目惚れし態度をコロリと変えたのだった。

昼過ぎに築地市場に着いた金造は、沼津にいるから夜遅くなると妻の君江にうその電話し、女将・袴田和代が経営する郷土料理・寄生木に入り浸った。その夜スタミナ料理を用意して待っていた君江は帰宅した彼に目配せしたが、北海道の仕事を唐津に替えたことを伝えにやってきた桃次郎の話でうそがばれてしまった。君江から説教される金造を尻目に家を抜け出した桃次郎は、彼の第二の故郷である特殊浴場に向かった。その店の一室は桃次郎のマイホームと化しており、オーナーは新たに彼のために改装していた。一方その桃次郎はというと、雅子との結婚に前向きで今度こそここから卒業するつもりでいた。彼女について何も知らない桃次郎は電吉に調べさせ、唐津藩六万石の剣術指南の血筋を引く佐賀大学国文科三年生で剣道三段の腕前を持つと聞くとすかさず剣道の勉強を始めた。再び仕事で唐津を訪れた桃次郎は腕前を試すために雅子に勝負を挑んだが、付け焼刃では相手にならず完敗した。悔しさのあまり山籠もりを決めて厳しい修業を行っていたが、滝行で落ちてきたザボンが頭に当たり気を失った。川に流された彼を助けたのは子連れ狼こと袴田太一で、彼の息子・隼人は一番星号から装飾品を外した子供だった。意識を取り戻した桃次郎がそのことを太一に話したことで、隼人がトラックに装飾を施さない父のために盗んだことを知った。

屋台的映画館

濡れ髪牡丹

  • posted at:2015-11-24
  • written by:砂月(すなつき)

ぬれがみぼたん
大映(京都撮影所)
配給:大映
製作年:1961年
公開日:1961年2月8日 併映「唄は峠を越えて」
監督:田中徳三
企画:八尋大和
製作:武田一義
脚本:八尋不二
撮影:相坂操一
録音:海原幸夫
照明:加藤博也
美術:内藤昭
音楽:塚原晢夫
色彩技術:森田富士郎
編集:菅沼完二
装置:林米松
音響効果:倉島暢
助監督:土井茂
製作主任:橋本正嗣
擬斗:宮内昌平
現像:東洋現像所
出演:市川雷蔵 京マチ子 小林勝彦 小桜純子 井上明子
シネマスコープ カラー 89分

清見潟のおもんは三千人の子分を持つ名代の女親分で、おまけに美人で器量よし。そんな彼女が自分の目矩にかなった男がいたら、婿にしてそっくり縄張りを譲ろうと言い出した。その噂はあっという間に広がり、色と欲とのふた道をかけた志願者が殺到したが、厳重な跡目試験に合格した者は一人もなかった。そして脱落した者たちは皆、褌一つの無様な姿で鞭の罰を受けて通りに放り出されるのだ。おもんが婿取りを考え始めたのは、弟の岩吉のせいだった。やくざはクズだと考えているおもんは弟に跡目を絶対に譲りたくないと考えていたが、岩吉はそのクズになりたがっていたのだ。

ある日、ふらりと現れた口も八丁、手も八丁という八八の瓢太郎があの噂を聞きつけてやってきた。部屋に通された瓢太郎が何やら書き物をしていると、岩吉がやってきて何してるんだいと尋ねた。すると瓢太郎は日記に道中の入費、そのついでに俳諧を五つ六つ捻り出しているんだよと答えた。最初の試験として岩吉が後ろから飛び掛かると、瓢太郎はひょいと体を躱して彼を抑え込んだのだった。次に現れたのは力自慢の弁慶辰五郎で、体を入れ替えて急所に膝蹴りを一発見舞うとおとなしくなった。瓢太郎は部屋の隅で小さくなっている岩吉に、起倒流柔術は免許皆伝の腕前だと誇らしげに言った。そこに入ってきた番頭・曲平十郎が清見潟一家のひと月分の金の出し入れを入れてみよと算盤を差し出した。すると瓢太郎はもうひとつ算盤を要求した。なんと右手で入金を、左手で出費を計算するというのだ。十郎とおもんの子分のにょろ吉は顔を見合わせ、収入と支出の帳簿を同時に読み始めたのだった。計算を終えた瓢太郎は十三両と百十二文の赤字だと言い当て、算盤は直指流免許皆伝の腕前だと誇らしげに言った。剣術の試験では指南の清水一滴斎を打ち負かし、剣術は柳生新陰流免許皆伝の腕前だと誇らしげに言った。その夜、瓢太郎に酌をする岩吉は、四つの試験に合格したのはアニキが初めてだと言った。他に何の試験があるんだいと尋ねると、読み書きに行儀作法と岩吉は指折りながら数え始めた。そんなものがやくざに必要なのかと瓢太郎が疑問を口にすると、うちの姉ちゃんは理想が高いんだと言った。翌日、最後の試験としておもんと手合わせすることになった瓢太郎だったが、流石の柳生新陰流も彼女のお色気の前には歯が立たず、あっけなく敗れた。約束の鞭の罰を受けた瓢太郎だったが、口笛を吹きながら平然とした姿で現れた。心配する岩吉たちにこれも忍術修行の賜物だよと笑った。そして甲賀流忍術は免許皆伝の腕前だと誇らしげに言った。

瓢太郎の生き方に感銘を受けた岩吉は旅支度をする彼について行こうと考えていた。それを知った瓢太郎は三千人の子分を従えるおもんのそばにお前がいてやらなくてどうするんだと説得した。寂しい思いをすることになる恋人のおたきのことを話すと岩吉は一瞬迷い、その隙に瓢太郎はその場を離れた。そして甲州流早駈けは免許皆伝の足前だと誇らしげに言うと彼は街道を脇目もふらずに走って行った。

屋台的映画館

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