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マッハ’78

  • posted at:2015-08-27
  • written by:砂月(すなつき)
まっはななじゅうはち
松竹=三協映画
配給:富士映画
製作年:1978年
公開日:1978年2月25日
監督:スタンリー・ウイルソン 三保敬太郎
製作:梶原一騎 川野泰彦
企画:川野泰彦 黒子昭
脚本:スタンリー・ウイルソン 三井優
製作補:島田十九八
撮影:木村公明 トム・アンダーソン デビッド・オリバー
照明:島本晄
録音:瀬川徹夫
編集:白江隆夫
美術:リチャード・ハイマー
効果:帆苅幸雄
助監督:ジェームズ・ブラント
スチール:遠藤努
撮影助手:竹沢信行 渡辺忍
録音助手:浅利公治
編集助手:田所美知夫
記録:キャロル・ストーン
美粧:エミール・ホルブルック
衣裳:ジョン・ライト
スタイリスト:チャーリー・シムリン
協力:ロングビーチ市 ロングビーチ観光局 マリナ・デル・レイ ペブルビーチ・コーポレイション
製作協力:プロダクション・フォーテイ
現像所:CFI 東映化学工業
録音所:アオイ・スタジオ
製作宣伝:東京プランニング
音楽:三保敬太郎 ウイリアム・スミティ・スミス
主題歌:「ラブ・ラブ・ラブ」ウイリアム・スミティ・スミス
挿入歌:「グッド・バイ」ウイリアム・スミティ・スミス
出演:リンダ・スティヤー 黒子昭 大友千秋 シェリル・ワイド ハワード・西村
アメリカンビスタ カラー 102分

故郷のロスアンゼルスを旅行中だった大友千秋はカーアクション映画の撮影現場に出くわし、その様子を見学していた。すると東洋系のレーサーが契約はレーシングのみでスタントはやらないとごね出したのだ。スタッフは説得に当たるが、彼は契約書に書いていないの一点張りでついに職場を放棄した。自宅へ戻るために自分の車に乗り込もうとするレーサーを大友は呼び止め、ドラム缶クラッシュなんて簡単じゃないかと日本語で捲し立てた。彼はアングロサクソン系の顔立ちだが日本育ちということもあって英語が全くと言っていい程しゃべれなかったのだ。代役を買って出た大友はスタントを成功させ、大和魂がなければ出来ないんだと言った。

レーサーからクレージーと言われ闘志に火がついた大友は、黒子昭率いるクロス・レーシングチームの一員として日米対抗のスタントコンペティションに出場するために再び渡米した。観光気分でやってきた大友に待ち受けていたのは黒子による連日の特訓だった。チームで話し合いをしていると公式記録係のリンダが打ち合わせのためにやってきたが、大友は彼女の顔を見て思わず息を飲んだ。

スタントマンにとってジャンプすることは基本だが、大友たちはまず左ハンドルのアメ車に慣れなくてはならなかった。さらにアメリカチームは秘密主義を貫き、リンダでさえ立入禁止となっていたため相手方の情報が全く入ってこなかったのだ。練習を開始して10日が過ぎ、内容がエスカレートしてくると今度は車に故障が続出した。新しいタイヤがトラックを2、3周もしないうちにパンク、一方でエンジントラブル。練習どころではない忙しさに見舞われた。止まることなく動き回る大友の姿にリンダは惹かれて行った。だが声をかけると彼は逃げるように去って行くため、いつも悲しい気持ちにさせられた。黒子は休日にリンダを呼び出し、8年前に大友が起こした交通事故で帰らぬ人となった姉のことを話した。リンダは彼女と瓜二つなのだ。君を見ると辛い思い出が蘇るんだと黒子が言うとリンダは納得した。

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霧の旗(1965年)

  • posted at:2015-08-25
  • written by:砂月(すなつき)
きりのはた
松竹
配給:松竹
製作年:1965年
公開日:1965年5月28日 併映「ぜったい多数」
監督:山田洋次
原作:松本清張
脚本:橋本忍
撮影:高羽哲夫
美術:梅田千代夫
音楽:林光
照明:戸井田康国
編集:浦岡敬一
録音:小尾幸魚
調音:佐藤広文
装置:川添善治
装飾:鈴木八洲雄
現像:東洋現像所
協力:菱一 東芝音楽芸能株式会社
助監督:杉岡次郎
渉外:中村興一
進行:吉岡博史
製作:脇田茂
出演:倍賞千恵子 滝沢修 新珠三千代 川津祐介 近藤洋介
シネマスコープ モノクロ 111分

熊本から夜行列車で上京した柳田桐子は、日本で指折りの高名な弁護士・大塚欽三を訪ねた。既定の弁護料を払えないという桐子の依頼を大塚は最初から断るつもりでいたが、遠方から来たこともあり会ってみることにした。熊本にもいい弁護士は大勢いるはずだと大塚が言うと、桐子は先生でなければ兄を救えないと思ったからですと答えた。そして殺人事件の被疑者となった兄・正夫のことを話そうとすると大塚は遮った。そして自分を頼りにしてやってきたことが間違いだと指摘し、九州にいる同等の弁護士に頼むことを薦めた。金銭的な問題と、多くの案件を抱えていることで地方出張が不可能であることを説明すると、桐子は諦めますと言って席を立った。そして帰り際に兄は死刑になるかもしれませんと言った。

列車に乗るために東京駅へ向かった桐子だったが、諦めきれずに事務所へ電話をかけた。だが大塚は愛人・河野径子とゴルフに出かけていなかった。それから約3時間後にもう一度電話をかけると、定時連絡があったときにそのことを話したがやはり引き受けられないと言ったと事務員の奥村から伝えられた。絶望して当てもなく歩く桐子に声をかけたのは、公衆電話の列に並んでいた論想社編集部の阿部幸一だった。幸一は優秀な弁護士を頼もうとするとひどくお金がかかり貧乏人はまともな裁判が受けられないということを例に挙げ、事件のことを聞き出そうとした。すると感付いた桐子は失礼しますとその場を去った。幸一は熊本の地方紙・肥後日報の東京支社を訪ね、新聞記事から事件の真相を探ろうとした。

生徒たちから集めた修学旅行の旅費を落とし、仕方なしに金貸しの老婆・渡辺きくから8万円を借りて旅行を済ませた。だがその金が中々返せず強欲なきくの返金の督促が激しくなったことから、思案に余りとうとう老婆を殺した。そして証拠の隠滅を図るために借用証書を盗み出し焼き捨てた。熊本市立白河小学校の教員・柳田正夫は警察の取り調べでそう自供したが、検察庁では翻したのだ。幸一は編集長の谷村にこの話を持ち掛けたが、たとえ大塚がこの事件を担当したとしても勝てる保証はないし、弁護士も商売だから金にもならないことに一々走り回るわけには行かないと聞く耳を持たなかった。それを聞いた幸一は、大塚個人を非難しているのではないと説明したが、正夫がクロである可能性が高いことと、九州出張の旅費に見合った成果があるとは考えにくいと谷村は却下した。

一年後、大塚の事務所に一枚の葉書が届いた。それは桐子からのものだった。葉書には正夫が一審で死刑の判決を言い渡されたこと、そして控訴中に熊本拘置所で病死したことが書かれてあった。奥村の説明で桐子のことを思い出した大塚は、熊本にいる堀田弁護士に連絡を取り、この事件の記録を担当弁護人から借りてもらうことにした。印象的な桐子とともに事件のことが頭から離れなくなり、真相を自分なりに洗ってみることにしたのだ。

屋台的映画館

ホラ吹き太閤記

  • posted at:2015-08-20
  • written by:砂月(すなつき)
ほらふきたいこうき
東宝
配給:東宝
製作年:1964年
公開日:1964年10月31日 併映「喜劇 駅前天神」
監督:古澤憲吾
製作:渡辺晋 森田信
脚本:笠原良三
撮影:西垣六郎
美術:北猛夫
録音:増尾鼎
照明:隠田紀一
整音:下永尚
音楽:宮川泰 萩原哲晶
主題歌:「だまって俺について来い」植木等
振付:竹部董
監督助手:清水勝弥
編集:黒岩義民
現像:東洋現像所
製作担当者:島田武治
協力:国宝姫路城 姫路城管理事務所
出演:植木等 ハナ肇 谷啓 浜美枝 藤山陽子
シネマスコープ カラー 98分

今からおよそ400年の昔。京都・足利幕府の秩序が乱れたことで全国各地に群雄が割拠し、現代の政党や暴力団の派閥争いをオーバーにした戦国時代が始まった。ちょうどその頃、三河の国のある宿場に一人の陽気な若者が現れた。宿賃を辛抱するために矢矧橋の上で野宿していた若者の横を夜盗・蜂須賀小六の一行が通り過ぎようとしたが、小六はそれが死体かどうか確かめるために槍で突いた。殺されてはたまらないと飛び起きた青年はふざけたことするなと怒鳴り、謝るまで放さんと槍を掴んだまま小六を睨み続けた。すると小六はすまなかったと頭を下げ、青年もそうさっぱりくりゃ勘弁してやると槍を放した。度胸がある奴だと感心した小六が名乗ると、わしは尾張中村の日吉丸で今に名のある大名に仕官したら木下藤吉郎と名乗る予定の前途有望な男だと青年は言った。俺の家来になってひと働きしないかと誘われた日吉丸は思案したが、どうせ野武士の仕事は泥棒、強盗、追剥の類だろうと断った。それを聞いた小六は、天下の領民、百姓に悪事を働くことはないと断言した。今夜の狙いが岡崎の野武士・日比野六太夫の屋敷であることを知った日吉丸は、報酬が手柄次第だと聞いて了承した。

その夜、門前にやってきた小六は日比野邸に討ち入ろうとしたが、それでは屋敷の中の者が目を覚まして斬り合いになってしまうと忠告した。それを覚悟で夜討ちをかけに来たのだという小六に、日吉丸は味方がやられないうちに目的の千両箱を奪えばいいと言った。そして小六の槍を借りると棒高跳びのように門を飛び越え、閂を引き抜いて中から開けたのだ。その鮮やかな姿に小六は思わず猿だと呟いた。日吉丸は一団に門前で待つように指示すると屋敷に忍び込み、頃合いを見て泥棒だと叫んだのだ。彼の作戦はまんまと当たり、千両箱を盗み出すことに成功した。明け方、疲れ果てた小六の一行が矢矧橋に差し掛かると、日吉丸が誰もケガがなかったかなと声をかけた。今度は容赦せんぞと怒鳴る小六に日吉丸は千両箱を見せ、これで勘定は引き合うわけだと高笑いした。すると小六も負けずに高笑いした。

小六たちは陣地に戻ると祝杯を挙げた。機嫌のいい小六が酒を勧めると日吉丸は参加報酬のことを口にし、金はいらないからその代わりにあんたが大事にしている刀が欲しいと言った。その刀は備前村正という名刀で、お前らに易々とくれてやるわけにはいかんと小六が言うと、もしわしが三日のうちにそれを盗ったとしたら頂戴できますかと提案した。泥棒のところで手柄を立てるとしたら泥棒の一手しかない。小六はその申し出を喜んで受けたのだった。

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タッチ 背番号のないエース

  • posted at:2015-08-13
  • written by:砂月(すなつき)
たっちせばんごうのないえーす
東宝=フジテレビジョン=旭通信社
配給:東宝
製作年:1986年
公開日:1986年4月12日 併映「テイク・イット・イージー」
監督:杉井ギサブロー
製作:大橋雄吉 日枝久 太田一郎
企画:角谷優 関谷猪三男
原作:あだち充
脚本:原田遊人 並木敏 杉井ギサブロー
アニメーション監督:前田庸生
作画監督:前田実 遊佐和重
美術:金村勝義
絵コンテ:永丘昭典 池田はやと
音楽:芹澤廣明
主題歌:「背番号のないエース」ラフ&レディ
・・・:「ガラスのティーンエイジ」ラフ&レディ
プロデューサー:藤原正道 岡正 片岡義朗
制作プロデューサー:対木重次
音響監督:藤山房延
制作:グループ・タック 田代敦巳
声の出演:三ツ矢雄二 難波圭一 日高のり子 林家こぶ平 銀河万丈
アメリカンビスタ カラー 93分

明青学園の中等部時代に帰宅部だった上杉達也は、高等部に進学したことを機に部活を始めようと考えていた。だが双子の弟の和也や幼馴染の浅倉南と違い、特に目標のない彼にとってそれは難しい決断だった。校内をブラブラするそんな達也に声をかけたのは、野球部部長で教師の児島悠子だった。中等部時代から素晴らしい運動神経に注目していたと聞いて驚く達也に、悠子は体育祭での短距離走でいつもトップだったことを例に挙げ、何故野球をやらないのかと尋ねた。そして和也がやってますからと答えると、今度は野球が嫌いかと尋ねた。嫌いじゃないけどと戸惑う達也にきっといい選手になると思うけどなと囁き、まだクラブを決めていないなら待っているからいつでもいらっしゃいと言った。その夜、和也に野球部に入るのを決めたのかと聞かれた達也だったが、まだ決めかねていた。幼い頃に達也から野球を教えてもらったこと、そしてまた一緒に野球が出来るのになと呟いた和也の言葉が達也の心を動かしたのだった。翌日の放課後、部室に向かった達也がドアを開けようとしたところ、室内から南がマネージャーとして入部するという話が聞こえ、ショックを受けた彼はその場を立ち去った。幼い頃からの南の夢。彼女を甲子園に連れて行くという夢を叶えるために和也は野球に取り組み、中等部時代からエースとして君臨した。三人は子供の頃から常に一緒だったが、達也はいつしかその中の一人が女であることを意識した。そのことから彼は二人から一歩引き、和也と南を見守ることにしたのだ。校舎の屋上で考え事をしていた達也のもとに巨漢の同級生・原田正平がやってくると、ノートと鉛筆を渡しクラスと名前を書けと言った。早くしろと急かされ従った結果、達也は知らぬ間にボクシング部に入部していた。

ある晩、勉強部屋を訪ねた南はボクシング部の練習で帰宅が遅くなっている達也を心配した。和也は本人がやる気になっているみたいだと言ったが、彼女は達也が遠くへ行ってしまったような気がしていた。本当にボクシングをやりたくてやっているのかなあと南が疑問を口にすると和也も頷いた。野球部の練習が休みになった和也は達也を河川敷へ呼び出し、南は兄貴のことを好きなんじゃないかと言った。達也の心の中には、幼い頃に彼女が言った何気ない言葉がしこりとなって残り、和也のために南と野球から遠ざかるようになったのだ。それを聞いた達也は、誰が見たって南とお前が並んでいるのが自然だと言った。兄貴はどう思うのと尋ねられると、一瞬動揺したもののそれが自然だと答えた。

達也が出場する試合の日程が決まったが南には伝えていなかった。どうして教えてくれなかったのと怒る南に、達也はただの練習試合だからなと答えた。「応援に行かなくてもいいの?」と心配する彼女に達也はそっけなくいいよと言った。その日は明青野球部の地方予選第一回戦と同じ日だった。

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不良姐御伝 猪の鹿お蝶

  • posted at:2015-08-07
  • written by:砂月(すなつき)
ふりょうあねごでんいのしかおちょう
東映(京都撮影所)
配給:東映
製作年:1973年
公開日:1973年2月17日 併映「まむしの兄弟 刑務所暮し四年半」
監督:鈴木則文
企画:天尾完次
原作:凡天太郎
脚本:掛札昌裕 鈴木則文
撮影:わし尾元也
照明:北口光三郎
録音:堀場一朗
美術:石原昭
音楽:荒木一郎
編集:市田勇
助監督:志村正浩
記録:牧野淑子
装置:米沢勝
装飾:柴田澄臣
美粧・結髪:東和美粧
スチール:藤本武
演技事務:上田義一
衣裳:豊中健
擬斗:三好郁夫
進行主任:俵坂孝宏
出演:池玲子 成瀬正孝 衣麻遼子 早乙女りえ 三原葉子
アメリカンビスタ カラー 88分

日露戦争に勝利し国内が湧きかえる明治三十八年、金沢セントラルホテルに滞在している政心会総裁・黒川義一を暴漢が襲った。暴漢は柊修之助という青年で、警備に当たっていた警官隊に右腕を切られると勝ち目なしと見て逃げ出した。街中を逃げ回る修之助を見兼ねて建物の陰に引き込んだのは、ある渡世打ちを捜して全国を旅している女博徒の「猪の鹿お蝶」こと葛西杏子だった。彼の身を気遣うお蝶は追手がいなくなってから病院へ連れて行こうとしたが、修之助は拒否した。するとそこへやってきた柊家に仕える執事の羊川実麿が深々と頭を下げ彼を連れ去った。一人残されたお蝶がふと左手を見ると、無意識に修之助の袂から掏ったロケットペンダントを握っていた。「仕方のない指だねえ」。そうつぶやいてペンダントを開けると、中には外国の女性の写真が入っていた。

稲村組を訪れたお蝶が組長に渡世打ちのことを尋ねると、そんな男がいたことは聞いたことがあるが20年以上も前のことだから覚えていないという答えが返ってきた。お蝶が捜している渡世打ちは、彼女が三歳のときに警視庁の刑事だった父親の徳造を殺した敵だったが、花札博打で猪鹿蝶を操るいかさまの名人としか手がかりがなかったため捜索は難航していたのだ。通り名がそこからきているのかと尋ねられたお蝶は、その札には一生忘れられない思いがこもっているのだと答えた。すると「猪の鹿お蝶」の噂をかねがね知っていた稲村はその手の内を見せてくれないかと言った。その夜、開かれた賭場で稲村からいかさまを指示された舎弟の細谷が裏切られて殺された。今わの際に貯金通帳をお蝶に手渡した細谷は、浅草にいる妹・ゆきが女郎に売られる前に渡して欲しいと言った。賭場での悪い噂が広まることを恐れた稲村は、口封じのために風呂につかる無防備なお蝶を闇討ちした。だが隙のないお蝶は相手の長ドスを交わし奪うと襲い掛かる侠客たちを次々と斬り倒した。

お蝶が浅草にやってきたのは徳造の命日だった。育ての親である仕立て屋お銀を訪ねると、彼女は満面の笑みで迎えた。お銀はスリの女親分で、徳造に世話になっていたことからせめてもの恩返しということで彼女を養女に迎えたのだった。お蝶が次に向かった先は加納組だった。十二階下の女を取り仕切っているのはキズ源しかいないはずで、女衒の平助がゆきを連れてきていることまではわかっていると組員に詰め寄った。だが彼らはこの界隈には女がゴマンといるのだからいちいち身元はわからないと白を切った。するとそこに岩倉建設社長・岩倉直蔵の車が到着し、早く上玉を拝みたいものだと出迎えたキズ源に言った。座敷に通された岩倉がゆきに酌をさせようとしたところ、襖がスッと開きお蝶が入ってきた。そして用意した500円の札束を見せ、これでこの娘を身請けさせて欲しいと言ったが、岩倉はいくら金を積まれようのこの娘を手放すわけにはいかないと態度を変えようとはしなかった。そこでゆきの兄から頼まれてきているのだとお蝶が頭を下げると、岩倉はきれいだねと彼女の手を取った。手のひらに博打だこがあることに気づき堅気ではないことを知った岩倉は、この話を博打で決めようと言った。

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