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網走番外地 南国の対決

  • posted at:2022-09-11
  • written by:砂月(すなつき)
あばしりばんがいちなんごくのたいけつ
東映(東京撮影所)
配給:東映
製作年:1966年
公開日:1966年8月13日 併映「続 兄弟仁義」
監督:石井輝男
企画:植木照男
原作:伊藤一
脚本:石井輝男
撮影:稲田喜一
録音:井上賢三
照明:大野忠三郎
美術:藤田博
編集:鈴木寛
助監督:野田幸男
進行主任:白浜汎城
現像:東映化学工業
音楽:八木正生
主題歌:「網走番外地」高倉健
協力:琉球映画貿易(株) 大島運輸(株)名護町青年団 久志村久辺区青年団 琉球政府警察局 琉球政府税関出入管理部 那覇泊港々務署
出演:高倉健 吉田輝雄 千葉真一 嵐寛寿郎 田中邦衛
シネマスコープ カラー 88分

橘真一は刑期を終え網走刑務所を出所したが、彼のもとにやってきたのは破門状を持った弟分の大槻だけだった。関東竜神一家の組長が沖縄の工事現場で事故死すると叔父貴分の関森剛三が勝手に二代目を名乗り一方的に破門したのだ。大槻がこれまでの経緯を話すと、橘は組のために五年も体を張ってきたことを悔やみ 沖縄にいる関森を追い詰めることに決めた。飛行機で沖縄へ飛ぶつもりでいた橘だったが、空港に殺し屋が張り込んでいたことから敵の意表を突いて北陸回りで神戸港に向かった。行動をともにする大槻は関森のバックに九州の新興勢力・豪田組がいると睨んでいた。

フェリーが到着すると二人は沖縄の地を踏んだ。すると船内で知り合った一郎という少年が不審な男たちに追われていると言って助けを求めに来た。橘たちが少年を庇うと男はとぼけるつもりなら事務所に来なさいと言った。彼らは出入管理庁の職員であり、パスポート無しで入国した一郎を捜していたのだ。前科者であることを知られたくない二人は職員の言う通りに従うが、橘はパスポートを、大槻は財布がないことに気づいた。一郎はいつの間にか姿を消しており、二人はやられたと頭を抱えた。大槻は橘を救うために偽造パスポートのブローカーと接触した。その会話を聞いていた夏子は彼を離れた場所へ連れて行くといい出物があると言ってパスポートを見せた。それが橘本人の物だとわかると大槻は何処で手に入れたのかと凄むが、夏子は金を出さなきゃ話にならないとそっぽを向いた。金のない大槻が事情を説明し何度も頭を下げたことで夏子は仕方なく税関のゲート付近で拾ったと嘘をついて出入管理庁の事務所に届けたのだった。疑いの晴れた橘は何処で手に入れたか話せばすぐにでも金を払ってやると言ったが、夏子は職業上の秘密だから明かせないと言った。こうしたやり取りが延々と続き、夏子は払うまで絶対に離れないと二人について行った。首里城の祭でヤクザ者と衝突した橘だったが、後に夏子の話で豪田組が祭の幹事をしている宜保建設に嫌がらせをしていること知った。宜保建設が弱っているため近々本土から豪田組がくるのではないかと言うと、橘は関森も拘っていると考え待つことにした。

屋台的映画館
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やるっきゃ騎士

  • posted at:2022-09-08
  • written by:砂月(すなつき)
やるっきゃないと
「やるっきゃ騎士」製作委員会(ポニーキャニオン=星空=ダブ)
配給:ポニーキャニオン
製作年:2015年
公開日:2015年5月31日
監督:平林克理
製作:水口昌彦 佐竹一美 鈴木香織
企画:鈴木淳一
プロデュース:鈴木淳一
プロデューサー:黒澤格 宇田川寧
共同プロデューサー:本島章雄
脚本:一雫ライオン 平林克理
撮影:早坂伸
照明:鈴木秀幸
録音:西條博介
美術:山下修侍
音楽:野島健太郎」編集:相良直一郎
キャスティング:安生泰子
アクション:新堀和男
助監督:張元香織
主題歌:「effective!」Milky Bunny
製作プロダクション:ダブ
出演:中村倫也 遠藤新菜 柾木玲弥 柳英里紗 マリアユリコ
アメリカンビスタ カラー 75分

自称男の中の男・誠豪介は聖愛学園に転校してきた。校内にはブルマ姿やハイレグ水着などの女子生徒がより取り見取り。豪介の妄想は膨らむばかりだが、近くにいた男子生徒の山田たちからまだ間に合うのなら別の学校に転校した方が君のためだと思うと忠告を受けた。何のことやらさっぱりわからない豪介が校内をうろついていると部活動予算会議という紙が貼られた部屋を見つけた。そこではこの学園を取り仕切る自治クラブ副会長の星チカコが男子の部活動の予算を決めていたが、その方法は女の子のヌード写真を見せて勃起したら予算ゼロという苛酷なものだった。その様子を見て怒りが沸々と湧いた豪介は抗議をするが、そこに現れた天使のような美少女に心を奪われた。彼女は自治クラブ会長の美崎静香で、理事長の娘ということもあり学園の実権を握っていた。学園の校訓は「完璧なる女尊男卑の世界」であり、三禁は「男子生徒は女子生徒へのHな行動および妄想を禁じる」「男女交際を禁じる」「いかなる場合でも勃起を禁じる」というものだった。女の子に興味を持ってはいけないと言われた豪介はそんなの断ると大見得を切り自治クラブの部員のスカートを次々とめくるが、逆にボコボコにされて全裸で柱に縛りつけれたのだった。

辱められて気を失った豪介は男子寮で目覚めた。女尊男卑ってなんだよと愚痴ると山田はこれまでの経緯を話し始めた。聖愛学園は元々男女平等の普通の学校だった。嵐鉄美というとても厳しい生活指導の教師がいて学園は重苦しい空気に包まれていたが、下着疑惑写真を校内にばら撒かれて逆上し女子ばかりにつらく当たるようになった。我慢ならなくなった静香は嵐に鉄拳制裁を加えて学園を追い出し、生活指導を担当する自治クラブを創設した。そして理事長代理として女尊男卑を校訓とした女子による女子のための学園として生まれ変わることを宣言したのだった。話を聞き終えた豪介は、可愛いのに強いってやっぱり俺の天使だとつぶやいた。

屋台的映画館

兵隊やくざ 強奪

  • posted at:2022-09-05
  • written by:砂月(すなつき)
へいたいやくざごうだつ
大映(京都撮影所)
配給:大映
製作年:1968年
公開日:1968年10月5日 併映「尼くずれ」
監督:田中徳三
企画:奥田久司
原作:有馬頼義
脚本:舟橋和郎 吉田哲郎
撮影:森田富士郎
録音:海原幸夫
照明:伊藤貞一
美術:内藤昭
音楽:鏑木創
編集:菅沼完二
擬斗:宮内昌平
助監督:勝呂敦彦
製作主任:眞田正典
出演:勝新太郎 田村高廣 佐藤友美 夏八木勲 江守徹
シネマスコープ モノクロ 80分

昭和二十年八月十五日、長い長い戦争は終わった。満州はソ連軍によって占領され日本軍の大半は捕虜となった。辛うじて逃げた者は満州の荒野をひたすら南へ南へと敗走したが、この時各地では満洲人による武装蜂起が起こった。その頃、大宮一等兵と有田上等兵は一日も早く内地に帰ろうとひたすら先を急いでいた。蘇家屯を目指す二人だったがその途中で全滅した部隊を目の当たりにし大宮は俺たちもいつかこうなるかも知れないと言った。その先では複数の兵隊が気に吊るされ柵に磔にされていた。中には息のある者もいたことから二人は縛られた縄を解きなけなしの食料を与えた。再び歩みを進めると何処からか威勢のいい声が聞こえた。そこでは日本軍による訓練が行われており、大宮は加藤中尉の前に歩み寄ると戦争は終わったんですがと言った。すると加藤は何を言うかと彼を殴った。加藤は終戦の大詔渙発が腰抜けの重臣どもが勝手にやった陰謀であり真の聖断ではないと言った。関東軍に降伏はないと考える彼はこの地に踏みとどまって敵を迎え撃ち、最後の一兵まで戦い抜くつもりでいたのだ。呆れた大宮がてめえ一人でやりゃあいいじゃねえかと吐き捨てるように言うと加藤は部下に監禁するよう命じた。

二人が食糧庫に連れて行かれた頃、松川大尉は加藤とともに抗日ゲリラの女の取り調べを行おうとしていた。松川は彼女が所属する部隊の勢力や居場所を聞き出すために拷問を行うが口を割らなかった。銃殺刑に処すことに決めた。一方、何とか逃げ出す手はないかと大宮たちが思案していると壁を叩くような音が聞こえた。何かと思い頭を回らすと、穴から五人の男たちが入ってきた。彼らは二人が助けた日本兵で食糧を盗むために忍び込んだのだ。二人は縄を解いてもらおうと期待したが、男たちは素知らぬ顔で荷物を持ち出して行った。義理も人情もねえなと大宮が愚痴っていると一匹のネズミがやってきて彼の縄を食いちぎったのだった。男たちが作った穴から逃げ出した二人だったが、女が銃殺の的として磔にされているのを目撃して居ても立っても居られなくなった。加藤に一泡吹かせてやりたいと考えた大宮たちは背中を見せていた兵士から機関銃を奪うと威嚇し女を助け出したのだった。しばらく歩いた先に誰もいない町を見つけひと休みすることにしたが、少し目を離した隙に女は姿を消した。驚いた大宮は辺りを捜し回るが、見つけたのは女ではなく赤ん坊だった。有田はどんな危険な目に遭うかわからないから置いて行けと言うが、鳴き声が気になって心配になり結局連れて行くことにした。

屋台的映画館

銭形平次(1967年)

  • posted at:2022-09-02
  • written by:砂月(すなつき)
ぜにがたへいじ
東映(京都撮影所)
配給:東映
製作年:1967年
公開日:1967年10月10日 併映「侠客の掟」
監督:山内鉄也
企画:岡田茂 松平乗道
原作:野村胡堂
脚本:田坂啓 山内鉄也
撮影:古谷伸
照明:中山治雄
録音:谷本啓司
美術:矢田精治
音楽:津島利章
編集:宮本信太郎
助監督:大西卓夫
記録:田中美佐江
装置:温井弘司
装飾:西田忠男
美粧:堤野正直
結髪:西野艶子
衣裳:高安彦司
擬斗:谷明憲
進行主任:並河正夫
主題歌:「銭形平次」舟木一夫
出演:大川橋蔵 水野久美 小畠絹子 大辻伺郎 小池朝雄
シネマスコープ カラー 89分

目明しの父に反抗し続け勘当された平次はとび政の政五郎に拾われ一人前の鳶職人となった。だが博奕好きの癖は治らず事あるごとに賭場に出入りした。ある日、差し向かいの渡世人から呼び止められもう一勝負しようとしたが、町奉行所の手入によって牢屋に入れられた。同心笹野新三郎の口利きですぐに出されたが、平次を待っていたのは政五郎だった。怒りの収まらない政五郎は百叩きでも何でもいいから痛い目に遭わせて性根を叩き直してくださいと願い出るが、笹野は百叩きよりはよっぽど効き目がありそうだと政五郎の娘のお静に世話を任せることにした。だがこれには筋書きがあり、平次に灸を据えるために政五郎と笹野が口裏を合わせて一芝居打ったのだ。その帰り道、恋仲の二人を気遣った政五郎はこれからちょっとした野暮用があると言ってお静に小遣いを渡すと去って行った。

翌朝、堀で男女の溺死体が発見された。政五郎が一晩帰ってこなかったことで心配になった平次たちが駆けつけると、そこには若い女と手を繋いだ親方の姿があった。目明しの三ノ輪の万七は女から仕掛けた無理心中だと睨んだ。女は政五郎を刺殺した上に剃刀で喉首を切り、死んでも離れないように手と手を結わえてから自分を刺して堀に飛び込んだと考えたのだ。だが女の傷痕に違和感を覚えた平次は心中に見せ掛けて殺されたんだと言った。何故なら自らの命を絶つのに二度三度しくじった傷がつくためらい傷が見当たらないことと、縛った手首の結び目が女結びではないからだ。見立てを否定された万七は素人のくせに余計なことを言いやがってと掴みかかった。するとそこにやってきた笹野は俺の勘も平次と同じだと言った。平次の見立ては死んだ父親から聞いたことばかりだった。

拾われなかったら今頃は島送りになっていたかもしれない。そう考えていた平次はお静に今日限りとび政から暇をもらうと打ち明けた。親方の疑いを晴らし殺した犯人を自らの手で摑まえることに決めた平次は笹野に岡っ引になりたいと申し出た。無言で聞いていた笹野は押し入れから箱を取り出すと平次に渡した。その中には彼の父親が使っていた十手と捕り縄が入っていた。経緯を聞いた平次は面白い物を見せましょうと空の湯飲みを放り投げ、投げ銭でそれを割った。それも父親から仕込まれた技だった。笹野から正式に目明しとして認められた平次は十手を汚すような真似をしないと誓った。

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怪猫逢魔が辻

  • posted at:2022-08-29
  • written by:砂月(すなつき)
かいびょうおうまがつじ
大映(京都撮影所)
配給:大映
製作年:1954年
公開日:1954年12月29日 併映「春の渦巻」
監督:加戸敏
製作:酒井筬
企画:高桑義生
原作:高桑義生
脚本:木下藤吉
撮影:武田千吉郎
録音:林土太郎
照明:中岡源権
美術:太田誠一
音楽:高橋半
編集:西田重雄
特殊撮影:佐野義雄
歌舞伎指導:中村松若
製作主任:黒田豊
装置:木川義人
装飾:秋山辰雄
背景:小倉清三郎
美粧:日樫義雄
結髪:花井りつ
記録:竹中衣子
スチール:藤岡輝夫
助監督:古川俊男
撮影助手:青柳寿博
録音助手:近藤正一
照明助手:斎藤良明
美術助手:神田孝一郎
移動効果:柴田豊
擬斗:楠本栄一
演技事務:久松健二
進行:村上忠男
出演:入江たか子 勝新太郎 村田知英子 坂東好太郎 阿井美千子
スタンダード モノクロ 82分

女歌舞伎の人気座長市川仙女は中村座の桧舞台を踏んだが、それは彼女の死んだ父親が桝田屋の大番頭だった繋がりもあって主人の桝田屋善右衛門が全面的に支援したからだった。それを快く思わないのは二番人気の阪東染若で、姉で料亭うた川の女将のお粂は恋人の妻木源次郎を使って大道具頭彌兵衛を巻き込み舞台の本花道に細工を施したのだった。板を踏み抜いた仙女は怪我を負い打ち身で済んだが、十日は舞台に立てないという噂が流れた。それを聞いてほくそ笑んだのは染若だった。代役を務め評判が上がれば立場が逆転する可能性があるからだ。ところが仙女は市川登女次が止めるのも聞かず支えてくれた御贔屓筋のために残りの舞台を全て務めると言った。

翌日、仙女は予定通りに舞台に立ちいつもと変わらぬ姿を見せたが、心配でたまらなかったのは善右衛門と一緒に観に来ていた仙女に惚れ込む息子の友之助だった。舞台裏へ行った彼は弟子の登女次や小蝶に何故止めなかったのかと詰め寄るが、こうと決めたら決して曲げない気性なのでだめだったと言い訳した。幕が閉じると痛みを堪えていた仙女は舞台に倒れ込んだ。登女次たちが慌てて駆け寄ると、いち早く異変に気づいた友之助が危ないと叫んだ。天井から砂袋が落ちてきたのだ。幸いそれは少し離れた場所に落ちたが、座元の中村勘三郎は中村座の面目にかけて原因を究明すると約束した。勘三郎は裏方を全て集めて詮議することに決めたが結局原因はわからず仕舞いだった。

千秋楽を終えると勘三郎は仙女たちをねぎらうためにうた川で宴席を設けた。勘三郎に対し猫撫で声を出す中村寿美吉だったが、彼が所用でいなくなると態度を豹変させた。寿美吉はお粂が中村座の桧舞台に立てた一番の恩人だからと仙女に膝送りをしろと迫った。そして仙女が医者に止められていると言って盃を断ると、お粂と染若は嫌味を言った。そして小蝶が仙女を庇うとお粂はわざと彼女の頭に酒をこぼしたのだった。世間知らずの弟子の振る舞いをご勘弁くださいと仙女が頭を下げると、お粂は師匠が師匠だから弟子の礼儀知らずは当たり前だと言った。そして縁起直しの踊りを仙女に踊るように言いつけるが断ったため、お粂は衝動的に盃洗を投げつけたのだった。仙女の頬に傷がつき一筋の血が流れたが、心に負った傷の方が深かった。

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