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らしゃめんお万 雨のオランダ坂

  • posted at:2022-06-14
  • written by:砂月(すなつき)
らしゃめんおまんあめのおらんだざか
日活
配給:日活
製作年:1972年
公開日:1972年3月18日 併映「学生妻 しのび泣き」
監督:曽根中生
企画:岡田裕
脚本:西田一夫
撮影:小柳深志
美術:松井敏行
録音:神保小四郎
照明:高島正博
編集:辻井正則
音楽:月見里太一
助監督:浅田真男
色彩計測:田中正博
現像:東洋現像所
製作担当者:斉藤英宣
出演:サリー・メイ 武藤周作 山科ゆり 長弘 久松洪介
シネマスコープ カラー 67分

昭和初期の上海。大道芸人の父親の助手を務める万玲は怪我で静養する楊に薬を持って行った際に手籠めにされた。だがそれはお互いが日本人であることを知るきっかけとなった。母親に捨てられた万玲こと屋村万は、物心ついた頃には他人の家で犬猫同然に扱われた。そして家の前で倒れていたところを今の父親に助けられたのだった。そんな彼女を利用しようと考えた楊こと中星竜二は日本の特務機関で働き上海でスパイ活動を行っていると嘘をついた。そしてお万を手に入れるために隻眼の政吉に金を渡し匪賊の仕業ということにして父親を殺させた。母親が住むというまだ見ぬ祖国に憧れるお万だったが、父親のもとを離れる気はなかった。だがその必要がなくなると、帰還命令が出たという竜二とともに日本へ渡る決心をした。

ひと月後、二人は横浜の裏町に住んでいた。仕事が一段落したら母親を捜しに行こうという言葉を信じて待つお万だったが、それは単なる出まかせだった。竜二にはお秋という情婦がおり、お万を売り飛ばした金でゆっくり暮らそうと考えていたのだ。かつて高間組組長の娘を知らずに売り飛ばした彼はほとぼりが冷めるまで上海に身を隠していたのだった。一刻も早く小料理屋を開きたいお秋から促された竜二は女衒の金森と接触し一芝居打つことにした。お万のために堅気の店を持とうと一世一代の大博奕を打ったが、いかさまに引っ掛かり膨大な借金を背負うことになった、と。今日中に返さなければ命で片をつけなければならないと言われたお万は、紹介する店で働けばその店の主人が都合をつけてくれるという金森の言葉を信じて承諾した。騙されて遊郭に売り飛ばされたお万は主人の中沢から「らしゃめん」という源氏名をつけられた。

日本に帰ってきた政吉は高間組の賭場に通っていたが、壺振り役を務めるお秋が竜二の女だと知っていた政吉は彼の居場所を聞き出そうとした。だが口を割ることはなく自力で居場所を探し出した。ところが屋敷の中はもぬけの殻。そのことをお秋に話すと彼女は自分が騙されていたことに気づいたのだった。ある夜、花街を歩いていた政吉はお万の写真が飾られている店を偶然見つけた。賭場荒らしで大金をせしめお万を身請けした政吉は、竜二の口車に乗って彼女の父親を殺したことを白状した。初めから金にするつもりで騙されていたことを知ったお万は、お秋の弟子となって壺振りの修行をした。そして三年後、竜二を捜し出すために賭場回りの旅に出た。

屋台的映画館
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網走番外地 望郷篇

  • posted at:2022-06-11
  • written by:砂月(すなつき)
あばしりばんがいちぼうきょうへん
東映(東京撮影所)
配給:東映
製作年:1965年
公開日:1965年10月31日 併映「関東破門状」
監督:石井輝男
企画:植木照男
原作:伊藤一
脚本:石井輝男
撮影:稲田喜一
録音:井上賢三
照明:大野忠三郎
美術:藤田博
編集:鈴木寛
助監督:内藤誠
進行主任:白浜汎城
現像:東映化学工業
音楽:八木正生
主題歌:「網走番外地」高倉健
・・・:「男の裏町」高倉健
出演:高倉健 桜町弘子 杉浦直樹 田中邦衛 嵐寛寿郎
シネマスコープ カラー 88分

白のトレンチコートの男が長崎の地を踏んだ。その男が旭組の屋敷の前で佇んでいると、若衆の田所が安井組の偵察と勘違いした。田所が詫びとして阿蘭陀館というバーへ連れて行くと、男は安井組との経緯を尋ねた。長崎の戦後復興に組長の旭統一が携わってきたが、そこに流れてきたのが安井組だった。安井組はやりたい放題で弱い者から金を搾り取っていたが、見兼ねた気の短い男が旭の許しを得ないまま安井組に一人で殴り込みを掛け安井の太股にドスを突き刺したのだという。後にそのことを知った旭はカタギの一人前の男になるまではこの土地を踏むことはならぬと言明し後片付けに奔走した。何とか騒ぎは収まったが、安井は次のチャンスを狙っていた。そして旭が中気で寝込むと待ってましたとばかりに暴れ出したのだった。6日前の晩には組合の寄り合い帰りに若旦那の猛が襲われたのだという。それを知った男は病院に見舞いに行った。

猛は面会にきた男を笑顔で迎えた。男は橘真一という名で、安井を刺した張本人だった。東京にいる間に母親が亡くなり、せめてもの罪滅ぼしと思い墓参りに帰ってきたのだが、猛の話を耳にして駆けつけたのだ。元気な様子に安堵した橘は病院を後にしたが、その際ルミ子を見掛け顔を隠した。かつて橘とルミ子は恋人の関係にあったが、長崎を離れていた間に猛と結婚したのだった。

翌日、高台にある寺に墓参りした橘だったが、和尚の話でルミ子が墓の手入れをしていることを知った。命日には旭と猛が必ず参りにくるのだという。その帰り道、橘はルミ子と再会した。この街にずっといて欲しいと言われたものの、浅はかだった自分の行動が未だに尾を引いていることを申し訳なく感じていた。彼女に説得され旭と会った橘は、生まれ変わった気持ちでやりなおしなさいと言われ恐縮した。再び世話になることに決めた彼は回漕問屋の仕事に邁進するが安井組に妨害された。一方、出戻りにも拘らず組を仕切ろうとする橘を苦々しく思っていたのは弟分の彰だった。

屋台的映画館

富江

  • posted at:2022-06-08
  • written by:砂月(すなつき)
とみえ
大映=アートポート
配給:大映
製作年:1999年
公開日:1999年3月6日
監督:及川中
製作:土川勉 松下順一 平田樹彦
企画:武内健 加藤東司
プロデューサー:清水俊 尾西要一郎 東康彦
原作:伊藤潤二
脚本:及川中
撮影:鈴木一博
録音:中山隆匡
照明:上妻敏厚
美術:大庭勇人 十時かの子
音楽:二見裕志 木村敏宏
エンディング・テーマ曲:「Raymond」Yukari Fresh
編集:宮島竜治
助監督:西保典
製作担当:小松功
製作協力:パノラマ・コミュニケーションズ ボノボ
出演:中村麻美 洞口依子 草野康太 水橋研二 田口トモロヲ
アメリカンビスタ カラー 95分

写真家を目指す泉沢月子は親元を離れて東京の専門学校に通っている。3年前に交通事故に遭い後遺症で記憶障害と不眠症に悩まされている彼女は神科医の細野辰子が営むクリニックに通っていた。ある日の診察で月子が血まみれになっている夢を繰り返し見ていることを知った辰子は催眠療法で不眠症の原因を調べることにした。その夜、彼女は治療中に月子が発した音声データをもとに相関関係をノートにまとめてみることにしたが、そこには月子の父親と母親の他に「タナベ」と「トミエ」という二人の人物が出てきた。一体それが何を示しているのか考えていると一人の男が訪ねてきた。男は警視庁捜査一課の原田省二という刑事で、ある高校で起きた未解決事件を追っていた。女子生徒が転校してきたクラスはその3か月後に崩壊した。自殺者が4人、精神科に収容されたのが担任教師を含めて7人、そして他の者たちは争うようにして転校して行った。何が原因でそうなったかわからなかったが、一つ言えるのは転校生が突然行方不明になり未だに発見されていないということだった。中には転校生を皆でバラバラにして捨てたと証言する生徒もいたが物証は出なかったため捜査が行き詰っていた。原田が訪ねてきた理由はこの失踪した生徒・川上富江の手掛かりを探すためだった。

3年前に岐阜で殺人事件で起きた。被害者は高校生の川上富江で加害者は同級生の田辺幸治だった。だが証言や証拠があったにも拘らず現場から遺体が消えており、この事件も未解決のままだった。富江が殺された岐阜の現場というのが月子の部屋であり、富江は月子が通っていた学校に転校してくると二人はすぐに仲良くなった。だが当時、月子と交際していた田辺が富江に惚れ込み三角関係になったのだ。事件後、現場で発見された月子は記憶喪失になっており、彼女の母親は娘に事実を知らせまいと交通事故によるものだと説明した。そして事件を思い出させないように転校させたのだ。原田は月子が何か事件のことを思い出しているのではないかと尋ねるが、不眠を訴えるだけでそのようなことは一切ないと辰子は突っぱねた。東京の事件と岐阜の事件で富江は二度殺されているが、他の未解決事件にも彼女の名前が記録されていた。一番古い資料は明治初期であり、その後も複数の事件で名前が確認出来たのだった。

屋台的映画館

江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間

  • posted at:2022-06-05
  • written by:砂月(すなつき)
えどがわらんぽぜんしゅうきょうふきけいにんげん
東映(京都撮影所)
配給:東映
製作年:1969年
公開日:1969年10月19日 併映「 (秘)劇画 浮世絵千一夜」
監督:石井輝男
企画:岡田茂 天尾完次
原作:江戸川乱歩
脚本:石井輝男 掛札昌裕
撮影:赤塚滋
照明:増田悦章
録音:野津裕男
美術:吉村晟
音楽:鏑木創
編集:神田忠男
助監督:依田智臣
記録:塚越恵江
装置:温井弘司
装飾:宮川俊夫
美粧:鳥居清一
結髪:白鳥里子
衣裳:岩逧保
擬斗:三好郁夫
背景:西村哲勇
協力:木下サーカス
出演:吉田輝雄 賀川雪絵 由美てる子 葵三津子 小畑通子
アメリカンビスタ カラー 99分

大正13年秋、過去の記憶を失った人見広介は精神病院に隔離されていた。東洋医大を卒業した医者の卵である彼は、何故自分がそこにいるのか理解出来なかった。時折女の声で歌う子守唄が何処からか聞こえてくるが、それは幼い頃に聞いたものと同じだった。その日は同時に波の音が聞こえ、記憶の片隅に甦ったイメージを鉛筆でノートにスケッチすると、島の断崖に荒い波がぶつかる黒く淀んだ灰色の海が現れた。断崖と荒波を見つめる彼は誰かと一緒にいた。それは人間か、獣か、それとも・・・。その夜、またあの子守唄が聞こえたため病院を抜け出すと声の主を捜した。歌いながら路地を歩くのは初代という少女で曲馬団の団員だった。子守唄を頼りに自分の出身地がわかるのではないかと期待したが彼女は孤児だった。そこに看守が追ってきたため再会する約束をして別れた。翌日、サーカスの会場を訪れた広介は初代にスケッチを渡した。するとそれを見た彼女は脳裏にあるイメージと同じだがそれ以上のことを思い出せないと言った。だが歌を聞いた裏方の男が裏日本の何処かではないかと言ったのを思い出し伝えようとしたところ投げナイフによって殺された。広介は殺人犯として追われることになった。

出生の謎を解くために広介は北陸へ向かったが、列車内に置き忘れた新聞に自分の顔写真が載っていてギョッとなった。指名手配になったのかと記事を読んでみたがそうではなかった。菰田源三郎という自分と瓜二つの大富豪が原因不明の死を遂げたというのだ。この件に興味を持った広介は情報を集めることにした。泊まった旅館の按摩によると菰田家の大旦那・丈五郎は大層変わっており目が悪い上に手の指の間にガマガエルのような水掻きがついているのだという。そんな姿を人目にさらしたくないということで妻・ときをめとって一年もしないうちに所有する島へ一緒に渡ったというのだ。どうやら丈五郎は菰田家の資産を島の改造につぎ込んでお伽の島のような物を造ろうとしているらしい。本家は執事の蛭川に任せており、島で産んだ子供は三歳で本家に戻され乳母の手で育てられたが、その子供が死んだ源三郎だというのだ。翌日、源三郎の葬列を見学した広介は按摩から聞いた名前とそこにいる人々の顔を頭の中で結びつけた。自分と源三郎との間に何か繋がりがあるのではないかと考えた広介は彼に成り済ますことに決め、埋葬された墓から生き返ったように細工した。

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けっこう仮面 新生

  • posted at:2022-06-02
  • written by:砂月(すなつき)
けっこうかめんりぼーん
AMGエンタテインメント
配給:AMGエンタテインメント
製作年:2012年
公開日:2012年6月2日
監督:笠木望
プロデューサー:飯塚達介 森角威之
原作:永井豪
原作協力:徳原八州 永井一巨
脚本:小松公典
撮影監督:古屋幸一
録音:青木瑠生
助監督:芦塚慎一郎
制作担当:新井聡
メイク:岩浅美都子
特殊造形:石野大雅
技斗:赤木山伍里蔵 鈴鹿貴規
演出助手:細見将志 中村正博
撮影助手:星潤哉 鎌田孝之
撮影応援:田辺清人
スチール:土屋久美子
衣裳協力:村鳥恵子
制作:TOHOO
企画:AMGエンタテインメント
制作プロダクション:杜方
出演:希志あいの 戸田れい 鈴鹿貴規 青木佳文 粕谷佳五
アメリカンビスタ カラー 63分

全国トップクラスの難関大学進学率を誇るスパルタ学園。その裏には学園長「サタンの足の爪」の方針による落ちこぼれ生徒へ対策があったが、それは指導という名の拷問だった。2年B組の高橋真弓は風紀委員にも拘らず成績が悪いということで指導室に連れてこられたが、他にも理由がもう一つあった。それは6月4日の12限目に行われた現代国語の授業のときに担当教師が書いた文字に対してしつこくダメ出しをしたというものだった。真弓は、地名は「大坂」ではなく「大阪」だと訂正を求めたが教師は聞く耳を持たなかったのだ。仕置き教師の真田は拘束され身動きが取れない彼女にアイマスクをつけ猿ぐつわを噛ませた。そしてグラスに注がれた泡立った液体を飲ませようとしたのだが何者かによって妨害された。部屋に入ってきたのは赤いマスクに赤いマフラー、そして赤いグローブとブーツ以外はすっぽんぽんという異様な姿をした女だった。いい趣味をしてるじゃねえかと体に触れようとすると女は腕を振り払い挑発ポーズを取った。ムキになり長剣で斬り掛かるが、女はスルリと身をかわすとすれ違いざまにパンチを見舞って失神させた。拘束を解かれた真弓は去って行く女の後ろ姿を複雑な思いで見送った。

翌日、謎の女の人相書が全教室に配布された。深夜、清掃中の用務員が校舎から裸の女が寮の玄関に駆け込む姿を目撃していることから、学園側は女が生徒の中にいると考えられた。学園長は対策を講じるために真田を呼び出すと根本的な疑問を口にした。何故彼女は裸なのか。だが実際に戦った真田にも理由はわからなかった。そこで彼は武術の達人である齢十郎を刺客として差し向けることにした。戦術に長けている十郎は武器が限られたこの学園で女生徒が選択する最も有効な戦い方がすっぽんぽんだと分析していた。男の油断と女の決死の覚悟。これら全てが計算ずくだとすれば一筋縄ではいかない相手だと考えていた。

新聞部に所属する真弓は学園の救世主として現れた女のスクープ記事を学園新聞に載せようとしたが、部長で風紀委員の結花千草に止められた。学園長が女を捕らえた場合の報酬を提示したことで生徒たちが皆血眼になって学園中を捜し始めたのだ。今は彼女の活躍を伝えれば伝える程エサとしての価値が上がるだけだからそっとしておきなさいと千草が諫めていると部室に十郎がやってきた。彼は机に置かれた記事を読んでトップに据えてはどうかと言ったが、その権限は部長の私にあると千草は紙片を奪い取り同時に真弓を抱き寄せた。その時、真弓は思った。千草の胸の感触があの女の物と同じだと。

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