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喜劇 急行列車

  • posted at:2023-03-28
  • written by:砂月(すなつき)
きげききゅうこうれっしゃ
東映(東京撮影所)
配給:東映
製作年:1967年
公開日:1967年6月3日 併映「あゝ同期の桜」
監督:瀬川昌治
製作:大川博
企画:秋田亨 加茂秀男
脚本:舟橋和郎
撮影:飯村雅彦
録音:小松忠之
照明:元持秀雄
美術:北川弘
編集:祖田冨美夫
助監督:山口和彦
進行主任:武田英治
現像:東映化学工業株式会社
音楽:木下忠司
協力:日本国有鉄道
出演:渥美清 西村晃 小沢昭一 江原真二郎 大原麗子
シネマスコープ カラー 90分

国鉄東京車掌区で専務車掌を務める青木吾一は17時発佐世保・長崎行きの寝台特急さくら号に乗務した。横浜駅を過ぎ一段落したところで弁当箱を広げると、車掌室に一人の老人が訪ねてきた。その老人は東北・気仙沼で蒸気機関車の機関士をしていたのだという。それを聞いた吾一は気仙沼線の陸前階上駅で働いていた時のことを思い出した。17歳だった彼が駅員となって初めて着任したのが陸前階上駅であり、もしかして会っていたかもしれないと考えると感慨深いものがあった。久しぶりの東北訛りを聞いてうれしくなった吾一は、土産話として一等寝台車を見せて欲しいという願いを叶えることにした。

乗車券の確認をする時間になり吾一が車内を巡回していると、乗客の中に憧れの人がいることに驚いた。横須賀線で車掌をしていた際に塚田毬子に一目惚れし、学生として鎌倉ー東京間を往復する彼女と毎日会えることを楽しみにしていたのだった。ドキドキしながら乗務員室に戻った吾一はその時のことを思い出しながら独り言を呟いていたが、マイクのスイッチが入ったままになっていることに気づかずその声が車内に流れたのだった。慌てた同僚が指摘をすると吾一はどうしようと落ち込んだ。だがすぐに思い直し、自分が書いた小説の一節を朗読したことにしてその場を収めた。乗客が就寝の準備を始めた頃、毬子は吾一に電報を打って欲しいと頼んだ。電文の文字数を確認する際にそれが夫と離別する内容だと知った彼は考え直した方がいいと諭すが毬子の決意は固かった。

早朝、列車が徳山駅に着いた頃、乗客のホステス5人組が騒ぎだした。指輪などのアクセサリーが盗まれたというのだ。他にも盗られた者がいるのではないかと考えた吾一は聞き取りを行うと、その時間に眠れなかった毬子がスリの犯行を目撃したと証言した。岡山を発車したくらいに男が廊下をウロウロした後、隣の車両に行ったというのだ。顔は暗くて良く見えなかったが特徴は覚えていた。そこで吾一が男の向かった車両へ何事もなかったように彼女を歩かせると、毬子は一号車の中ほどまで行ったところで合図を送った。列車が門司駅に到着すると鉄道公安職員が乗り込み男の取り調べを行ったが盗品は出てこなかった。だが不審な動きをした女を調べたところ、犬のケージバッグからアクセサリーが見つかった。二人は示し合わせて悪事を働いていたのだ。

屋台的映画館
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太陽を盗んだ男

  • posted at:2023-03-25
  • written by:砂月(すなつき)
たいようをぬすんだおとこ
キティ・フィルム
配給:東宝
製作年:1979年
公開日:1979年10月6日
監督:長谷川和彦
製作:山本又一朗
プロデューサー:伊地智啓
原案:レナード・シュレイダー
脚本:レナード・シュレイダー 長谷川和彦
撮影:鈴木達麿
照明:熊谷秀夫
録音:紅谷愃一
美術:横尾嘉良
編集:鈴木晄
音楽:井上堯之
編曲:星勝
助監督:相米慎二 高橋芳朗 矢野広成 榎戸耕 森安建雄
擬斗:西本良治郎
カーアクション:三石千尋&マイクスタントマンチーム
化学指導:島本哲男
合成:デン・フィルム・エフェクト
現像:東洋現像所
製作進行:大谷康之 黒沢清
製作担当者:古川石也 山本勉
協力:東洋工業株式会社
出演:菅原文太 沢田研二 池上季実子 北村和夫 神山繁
アメリカンビスタ カラー 147分

堀口中学校で3年3組を受け持つ理科教師の城戸誠は遅刻の常習者で毎日を無気力に過ごしている。そんな彼の関心事は「巨大なエネルギー」を手に入れることであり、自宅の部屋には実験器具が所狭しと並べられていた。ある日の夕方、帰宅した彼はいつも窓から入ってくるニャロメと名付けた野良猫をミルクで手懐けるとアパートの屋上へ連れて行った。そして誰もいないことを確認すると殺虫剤の缶に仕込んだ催眠ガスを吹き付けて効果を見た。それが有効であることを確認すると深夜になるのを待ち交番に出掛けた。老人に変装した彼は巡査に道を尋ね、相手が油断した隙に催眠ガスを顔に吹き掛けた。

翌日、誠は学校行事の親睦会で箱根高原にいた。木陰で新聞を広げた彼は昨夜の事件の記事を目で追った。すると隅に小さく載っておりそれを声に出して読んだ。「交番の巡査、拳銃をうばわる」。山をバックに記念撮影を終えバスに乗り込むと、誠は振り返って生徒の様子を見てから眼をつむった。バスは首都高速道路をノロノロと進みやがて皇居に差し掛かった。北の丸公園駐車場でトイレ休憩を終えたバスが出発しようとしたその時、旧陸軍の歩兵服に身を固め両手に銃を握り締めた老人が乗り込んできた。冗談はやめろよと運転手が止めようとしたのと同時に銃が火を噴きガラスが飛び散った。前の席にいた誠は銃身を握ると上へ向けて老人の胸倉をつかんだ。だが老人が手榴弾を取り出したため手を離さざるを得ず銃の先端で突き飛ばされた。運転手に走らせろと命じたバスは皇居へ向かっていた。坂下門に突進するバスは守衛所の警官たちによって門を閉められたため急停車した。老人が車内から撃ってきたことから警官たちは応戦しようとするが、手榴弾で守衛所は木っ端微塵に吹き飛ばされた。

日はとっぷりと暮れライトに照らされたバスは警察車両が取り囲まれていた。後から到着した山下満州男警部は説得を続ける警官から拡声器を受け取ると引き続き呼び掛けた。狙撃班が到着し打ち合わせを行っていると誠が出てきた。白いハンカチを掲げて警官隊の方へ歩いて行くと、山下は犯人の要求を聞かせてくださいと尋ねた。天皇陛下とお会いしてお話ししたいと言っていると誠が説明すると山下は言葉を失った。これ以上事態を長引かせたくない山下は犯人と直接交渉を行うことにするが、作戦を傍で聞いていた誠は老人を刺激したくないからと同行を志願した。

屋台的映画館

私を抱いてそしてキスして

  • posted at:2023-03-21
  • written by:砂月(すなつき)
わたしをだいてそしてきすして
東映(東京撮影所)
配給:東映
製作年:1992年
公開日:1992年11月14日
監督:佐藤純彌
企画:黒澤満 坂上順
プロデューサー:小島吉弘
原作:家田荘子
脚本:田部俊行 麻生かさね 高橋洋
撮影:池田健策
美術:小澤秀高
照明:増川弘邦
録音:柿沼紀彦
編集:西東清明
監督補:伊藤裕彰
助監督:鳥井邦男
キャスティング:飯塚滋
進行主任:大塚泰之
音楽:渡辺俊幸
音楽プロデューサー:高桑忠男
主題歌:「愛する時間に」来生たかお
音楽製作:東映音楽出版
製作協力:セントラルアーツ
出演:南野陽子 赤井英和 三浦友和 平田満 柳沢慎吾
アメリカンビスタ カラー 108分

旅行代理店「コスモトラベル」で働く合田圭子は、3年の間音信不通となっていた昔の恋人の田辺謙一と水族館で会うことになった。少し痩せたように見える謙一は圭子と顔を合わせるなり君は何ともないかと言った。何のことかわからず聞き返すと、謙一はHIV検査を受け陽性だったと言った。圭子にもしものことがあったら大変だと思って打ち明けたのだが、彼女の受けた衝撃はとても大きかった。圭子は検査に付き添うという謙一を振り切って逃げるようにその場を後にした。

数日後、東京都八幡台保健所で検査結果を聞いた圭子が信号待ちをしているとジャーナリストの津島美幸が声を掛けてきた。彼女は社会問題となっているエイズについて調べており、その一環で自身も検査を受けたのだ。結果は陰性だったと美幸が言うと、圭子はだからって私には関係ないでしょと冷たく突き放した。公衆衛生医師から陽性と告げられた彼女は酷く落ち込んでいた。ウイルスは涙や唾液にも含まれているが、極めて微量だから空気感染や日常生活での接触で感染することはないと説明を受けた。だが性交渉の際は気をつけるようにと釘を刺されたため、感染の原因が謙一にあるのではないかと疑った。自宅に帰ってシャワーを浴び暗い部屋で一人考え事をしていると電話が鳴った。受話器を取るとその相手は謙一の妻だった。圭子の検査結果を聞いた彼女はあなたがうつしたのねと金切り声をあげ、会社にエイズだってことをばらしてやると罵った。謙一は2年前に結婚をしたが、家族全員が陽性判定となったのだ。ショックを受けた圭子は夜の街を彷徨い、泥酔しているところを証券会社勤務の高野晶に介抱された。美人の圭子に心惹かれた晶は彼女をホテルに連れて行くと一夜をともにした。

翌朝、圭子はいつものように出社したが、謙一の妻の言葉が頭から離れなかった。何事もなく仕事が終わろうとしていた夕方、客だと思い電話に出ると受話器の向こうにいたのは晶だった。証券会社という職業柄、彼は伝手を使って勤める会社を突き止めたのだ。晶は仕事を終えて会社から出てきた彼女をデートに誘うが、圭子はどうしていいかわからなかった。

屋台的映画館

そろばんずく

  • posted at:2023-03-18
  • written by:砂月(すなつき)
そろばんずく
フジテレビジョン=ニッポン放送=A to Z
配給:東宝
製作年:1986年
公開日:1986年8月23日 併映「おニャン子・ザ・ムービー 危機イッパツ!」
監督:森田芳光
製作:日枝久 亀淵昭信 秦野嘉王
プロデューサー:角谷優 岡田裕
プロデューサー補:仲川好久 酒井彰 河井真也
脚本:森田芳光
音楽:梅林茂
ビジュアル・アドバイス:伊藤佐智子
撮影:前田米造
美術:中澤克己 古谷良和
録音:橋本文雄
照明:矢部一男
編集:鈴木晄
助監督:原隆仁
製作担当者:青木勝彦
記録:森永恭子
スチール:目黒祐司
色彩計測:佐藤徹
スタイリスト:渥原マヤ
主題歌:「寝た子も起きる子守唄」とんねるず
テーマ曲:「こわいものみたさ」春日野八千男と時津風わたる
製作進行:坂本忠久
企画協力:N.E.W.S.コーポレーション
現像:東京現像所
特殊合成:デン・フィルム・エフェクト
製作協力:ニュー・センチュリー・プロデューサーズ
出演:石橋貴明 木梨憲武 安田成美 小林薫 渡辺徹
アメリカンビスタ カラー 109分

広告代理店「ト社」はライバル会社の「ラ社」に水を開けられていたが、その原因は若者たちの流行を掴めていないことにあった。企画部と営業部による会議が開かれ、かじか沢営業部長がアンケート結果を見ても若者の気持ちがわからないと嘆くと、渋谷係長は数字だけを真に受けると後手後手に回る悪循環に陥る恐れがあると言った。それを聞いた植田が市場調査に意味がないとでも言うのかと意見すると、渋谷は君が作ったデータに疑問を持っているのではないと怒鳴った。議論が白熱する中、壁際にいた春日野八千男と時津風わたるが立ち上がり、思い切った発想の転換が必要だと言った。彼らはセミナー教室に移動すると制服に着替え、講師の平和島のもとで「新人類を理解するには」という講義を受けることになったが、その途中で春日野と時津風はCF撮影の立ち会いに呼び出された。

AスタジオではおっぱいミルクのCF撮影が行われていたが、タレントの演技に納得出来ない監督が何度もダメ出ししていた。重たい空気が漂う中、春日野が監督に、時津風がタレントの耳元で自信をつける言葉をささやくと現場は一気に明るくなり撮影も一発でOKが出た。休憩の時間になり二人がラーメンをすすっていると、その先のテーブルに人気女優の月丸がラ社の天敵雄と食事をしていた。天敵がトイレに立つと二人はすかさず近寄りト社への鞍替えを勧めるが相手にされなかった。

関西のクライアントの花月とホテルのバーで待ち合わせをしていた春日野と時津風は、頃合いを見て銀座で飲み直しましょうと提案した。だが花月は、せっかくのお誘いだがこのホテルに女の人を待たせてあると言った。そこに現れたのは天敵で、待たせてある女の人というのが月丸だった。またしても天敵に出し抜かれた二人は憂さ晴らしに行きつけのカラオケバーに行くが、そこで時津風はカウンター席で物憂げな表情を浮かべる女性に気づいた。春日野は気軽に声なんて掛けたら金を取られるかもしれないぞと忠告するが、時津風はお構いなしに近づいて行った。よかったら一緒に飲みませんかと誘うと彼女は快く席を移動した。悩み事があるなら心配せずに話してごらんと時津風が優しく言うと女性は昔この店にきた彼氏との話を始めた。そしてその勢いで深酒をしてしまい、二人は泥酔した彼女を実家までタクシーで送り届けることになった。翌日、セミナー教室に現れた女性を見て春日野たちは目を丸くした。昨夜、実家に送り届けた彼女は梅づくしのり子という中途入社の新入社員だったのだ。平和島は彼女に早く仕事を覚えさせるために春日野と時津風の下につけることにした。

屋台的映画館

多羅尾伴内

  • posted at:2023-03-15
  • written by:砂月(すなつき)
たらおばんない
東映(東京撮影所)
配給:東映
製作年:1978年
公開日:1978年4月8日 併映「最も危険な遊戯」
監督:鈴木則文
企画:渡辺亮徳 天尾完次 橋本新一
原作:比佐芳武家
劇画:小池一夫 石森章太郎
脚本:高田宏治
撮影:出先哲也
録音:内田陽造
照明:山口利雄
美術:北川弘
編集:西東清明
助監督:深町秀熙
記録:高津省子
擬斗:日尾孝司
宣伝担当:小田和治 山本八州男
スチール:藤井善男
進行主任:松本可則
装置:畠山耕一
装飾:田島俊英
音響効果:小嶋進
美粧:入江荘二
美容:宮島孝子
衣裳:福崎精吾
演技事務:山田光男
現像:東映化学
協力:東映俳優センター 株式会社東京ジャイアント
音楽:菊池俊輔
主題歌:「霧の都会」小林旭
挿入歌:「昔の名前で出ています」小林旭
・・・:「愛の條件」八代亜紀
・・・:「甘い予感」アン・ルイス
・・・:「導火線」キャッツ・アイ
・・・:「夕日に浜名湖」美原圭子
出演:小林旭 八代亜紀 夏樹陽子 成田三樹夫 江木俊夫
シネマスコープ カラー 104分

東京後楽園球場では日報レッドソックスと大阪セネタースによるナイターが行われていた。勝った方が日本シリーズへ駒を進めるこの重要な試合はセネタースが4対2でリードしていたが、9回2アウト満塁で好打者の高塚が打席に立った。彼は今季51本塁打を打って本塁打王をほぼ手中に収めており、この日も1本塁打とタイムリーヒットを打って2打点を叩き出していた。カウント1-1の3球目をライトスタンドへ放り込み優勝を決めた高塚だったが、1塁ベースの手前で突然苦しみだし倒れた。場内が騒然となる中、関係者らとともにグラウンドにいた丸眼鏡の老人はカメラマンの徳光明夫を引っ掴まえると特ダネが欲しいなら1塁側のスタンドを隈なく撮れと指示した。

東京都監察医務院では高塚の検死が行われ、首から小さな針が見つかった。その針には縦に細い溝が掘ってあり、その部分からアルカロイド系の毒物が検出された。宇田川警部は関係者や観客などに対して聞き込みを行うよう部下たちに指示するが、そこにやってきた丸眼鏡の老人は私も観客の一人だったといい鞄から試薬の入った瓶を取り出した。老人は宇田川と顔馴染みの多羅尾伴内という名の探偵だった。伴内がシャーレに注ぎその中に毒針を浸けると試薬は赤く変色した。そのことから針に塗られた毒はトリカブトという植物に含まれるアコニチンという成分であることがわかった。それはアイヌでは熊狩りに使われる猛毒だった。

翌朝、伴内は徳光を事務所に招いた。特ダネの意味を理解した徳光は撮影したフィルムを全て現像し、丁寧に写真を調べたが犯人の手掛かりとなる鉄砲らしき物を持った人物を見つけることが出来ないでいた。だが伴内はその中から違和感のある一枚を見つけ出した。球場全体の目がグラウンドの高塚に釘づけになっている中、カメラマンらしき人物が背を向けて帰ろうとしているのだ。報道関係者にしては不自然だと伴内が言うと、徳光は腕章やカメラバックに書かれたイニシャルから大朝スポーツの川瀬東介に違いないと断定した。このことは当分の間、口外しないようにと徳光に釘を刺したが、その記事は翌日の朝刊のトップを飾った。その頃、川瀬は自分の部屋で死んでいた。

屋台的映画館

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