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吉原炎上

  • posted at:2022-01-21
  • written by:砂月(すなつき)
よしわらえんじょう
東映(京都撮影所)
配給:東映
製作年:1987年
公開日:1987年6月13日
監督:五社英雄
企画:日下部五朗 本田達男 遠藤武志
原作:斎藤真一
脚色構成:笠原和夫
脚本:中島貞夫
撮影:森田富士郎
照明:増田悦章
美術:西岡善信 園田一佳
音楽:佐藤勝
編集:市田勇
吉原風俗監修:近藤富枝
監督補佐:鈴木秀雄
録音:平井清重
整音:伊藤宏一
記録:田中美佐江
助監督:長岡鉦司
装置:稲田源兵衛
装飾:福井啓三
背景:西村三郎
計測:津田宗之
衣裳:森護
美粧:長友初生
結髪:福本るみ
方言指導:藤坂有希 小林哲麿
擬斗:土井淳之祐
スチール:中山健司
演技事務:寺内文夫
舞踊振付指導:猿若清方
花魁道中指導:猿若清方
長唄:杵屋佐登代社中
清元:清元延千嘉勇社中
鳴物:堅田喜三久社中
座敷唄:吉原松葉屋連中
所作指導:春藤真澄
和楽:中本哲
協力:東映京都美術センター 割烹 伊勢勝 浅草文庫 同志社大応援団・吹奏楽部 東京 さが美
本社宣伝:松田仁 山本八州男 藤沢正博
製作宣伝:丸国艦
キャスティング:葛原隆康
進行主任:長岡功
出演:名取裕子 二宮さよ子 藤真利子 西川峰子 かたせ梨乃
アメリカンビスタ カラー 133分

東京浅草の一隅に吉原遊郭と呼ばれる日本最大の歓楽の別天地があった。東西三丁、南北二丁の周囲はお歯黒どぶと大門で仕切られ、借金に縛られた娘たちが六年から八年の歳月を過ごした。そしてあらゆる男たちに春を売った。この吉原への道は二つある。一つは男が通う極楽の道。そしてもう一つは娘が売られる地獄の道だ。

明治四十年、春。十九歳の上田久乃が女衒の今朝次によって吉原に連れてこられたのは瀬戸内で船長をしていた父親が船の転覆事故で死んだからだ。船の借金は家と土地を売って始末がついたが、船員の遺族に払う保証金が工面出来なかった。久乃の家族は体の弱い母親と幼児しかいないため彼女が売られてきたのだ。久乃が働くことになる中梅楼では全てを取り仕切る女将の大倉スミが館の中を案内した。スミが久乃を最初に引き合わせたのは御職と呼ばれる一番花魁の九重だった。九重は久乃から漂う「いい匂い」を感じ取り一番のお気に入りとした。

中梅楼には九重の他にも二番花魁の吉里や三番花魁の小花など様々な遊女がいるが、久乃と特に仲が良かったのは境遇が似ている菊川だった。ある日、菊川が久乃に化粧を施しているところに学生の宮田が乱入してきた。体を触られて驚いた久乃が平手打ちをすると、後に九重から呼び出しを受けた。宮田は年の離れた九重の馴染み客だったのだ。九重は久乃を厳しく叱るが、それも愛情表現の一つだった。九重の見習いとなってしばらく経った頃、久乃に娼妓営業の鑑札が下りた。主人の大倉伊三郎から若汐という源氏名を貰った久乃はその夜から張見世に盛装して並んだ。そこへ上方から上客がきたことから、九重は自分が後見役となって吉里と小花をつき合わせ若汐の初見世の幕開けをしてやろうと考えたのだ。ところが若汐は部屋にきたいやらしげな客を警戒し部屋から飛び出し裸足で外へ逃げ出したのだった。やがて店の者たちに連れ戻されると、顔に泥を塗られて激怒した九重は彼女に女郎の手管を教え込もうとした。ところが若汐から思わぬ喜びを感じてしまい、御職としての限界を悟った九重は宮田とも縁を切って身を引く決心をした。

屋台的映画館
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男はつらいよ 寅次郎紅の花

  • posted at:2022-01-18
  • written by:砂月(すなつき)
おとこはつらいよとらじろうくれないのはな
松竹
配給:松竹
製作年:1995年
公開日:1995年12月23日 併映「サラリーマン専科」
監督:山田洋次
製作:中川滋弘
プロデューサー:深澤宏
企画:小林俊一
原作:山田洋次
脚本:山田洋次 朝間義隆
撮影:長沼六男 高羽哲夫
音楽:山本直純 山本純ノ介
美術:出川三男
照明:野田正博
編集:石井巌
監督助手:阿部勉
録音:鈴木功
調音:松本隆司
スチール:金田正
進行:副田稔
製作担当:峰順一
装置:森篤信
装飾:露木幸次
美粧:宮澤兼子
衣裳:本間邦人(松竹衣裳)
現像:東京現像所
撮影機材:パナビジョン
撮影助手:池谷秀行
録音助手:原田真一
照明助手:青本隆司
編集助手:後藤彦治
美術助手:須江大輔
協力:鹿児島県 奄美群島 岡山県 津山市
撮影協力:柴又 神明会
ニュースフィルム提供:サンテレビジョン
島唄:坪山豊 皆吉佐代子 元ちとせ
挿入歌:徳永英明
CG技術協力:株式会社日立製作所 武田晴夫(システム開発研究所)
主題歌:「男はつらいよ」渥美清
出演:渥美清 倍賞千恵子 吉岡秀隆 下條正巳 三崎千恵子
シネマスコープ カラー 110分

秋の彼岸入りで暑さもようやく落ち着いた頃、くるま菓子舗では尋ね人の新聞広告を再び出すか相談をしていた。団子屋の跡取りである車寅次郎は全国を旅しているが、1月の半ばに神戸から缶入りのビスケットが届いたきりで連絡が取れていなかった。平成7年1月17日明け方に兵庫県の南部で地震が発生し甚大な被害をもたらした。その震災に巻き込まれたのではないかと考えた叔父の竜造は尋ね人の広告を出したのだが音沙汰がなく、居ても立っても居られない妻のつねがもう一度出してみようと提案したのだ。だが竜造はそもそも寅次郎が新聞を読むはずがないし何かあれば神戸の市役所から連絡があるはずだと言った。すると妹のさくらも便りがないのが無事の知らせって言うじゃないとつねを落ち着かせた。テレビで震災のドキュメンタリー番組が始まると3人はそれを見ることにした。ボランティア活動の様子が紹介されていたが、なんと炊き出しをする人々の中に寅次郎の姿が映っていたのだ。思わず顔を見合わせるさくらたち。およそ半年前の映像だがとりあえず無事であることがわかりホッと胸をなで下ろした。そこに訪ねてきたのは神戸の長田区でパン屋を営む石倉という男だった。寅次郎に世話になった彼は東京の用事ついでに挨拶にきたのだ。その寅次郎は被災者の中にいた元芸者の婦人に失恋して神戸を離れたと知りさくらはがっかりした。石倉はすぐに神戸へ戻らなければならないらしく、さくらは別れ際に頑張ってくださいねと元気づけた。

さくらの息子の満男が会社で靴の試作品の仕事をしていると及川泉が訪ねてきた。突然会いたくなって名古屋から新幹線できたのだという。泉の相談事、それはこの夏に見合いをした医者の卵との縁談だった。高校生の頃から恋心を抱く相手からの思いがけない相談に満男は動揺を隠せず、いい人にめぐり会えたのなら気を遣って報告しなくてもよかったのにと格好をつけて言ってしまった。その言葉にショックを受けた泉は傷ついたまま名古屋へ帰って行った。それ以来、満男の頭から彼女のことが離れなくなった。結婚式当日、泉を乗せたタクシーの進路を塞いだのは満男の車だった。彼は車をタクシーにぶつけるとそのまま前進した。岡山・津山地方では花嫁が後ろに下がることは縁起が悪いとされており、式や披露宴は即刻中止となった。

屋台的映画館

殺人遊戯

  • posted at:2022-01-15
  • written by:砂月(すなつき)
さつじんゆうぎ
東映セントラルフィルム
配給:東映
製作年:1978年
公開日:1978年4月8日 併映「多羅尾伴内」
監督:村川透
企画:黒澤満 伊藤亮爾
脚本:播磨幸治 佐治乾
撮影:仙元誠三
録音:林鉱一
照明:渡辺三雄
美術:入野達弥
編集:田中修
助監督:崔洋一
色彩計測:杉村博章
記録:高橋たつ子
製作担当者:青木勝彦
美粧:入江美粧
衣裳:第一衣裳
現像:東映化学
音楽:大野雄二
挿入歌:「夏の流れ」松田優作
擬斗:高倉英二 松尾悟
出演:松田優作 中島ゆたか 佐藤蛾次郎 阿藤海 草薙幸二郎
シネマスコープ カラー 92分

44マグナムの使い手で成功率100%の殺し屋の鳴海昌平は、頭山会会長を殺害した際に目撃者である秘書の津山美沙子を殺すことなくほとぼりが冷めるまで海外へ逃亡した。それから5年後、漁船でひっそりと帰ってきた彼は薄汚れた自分の部屋に荷物を置くと夜の街に出掛けた。スナックバー・夕子のママから声を掛けられ店内に入った鳴海だったが、ビール2本とおつまみで3万5千円を請求されて青くなった。ママと押し問答をしているところにやってきた若いホステスは自分の客だと言って交代した。鳴海が見覚えがないというと、ホステスは横に座り父親が頭山会会長だったと耳元で囁いた。会長の娘である桜井昭子は、誰からも束縛されることなく自由に楽しく暮らすことが5年間続いたことは全て鳴海のおかげだと言った。だがあのことを誰にもしゃべっておらず恨んでもいないというのは俄かに信じ難かった。

銀座には2千件ものバーやキャバレーなどがありそこには1万人ものホステスが働いている。鳴海の舎弟の井筒文太はそのホステスたちが負担するツケを客から取り立て、手数料をいただくという商売を持ち掛けた。当初は嫌がる鳴海だったが、いざ始めてみるとノリノリで業務に勤しんだ。ある日、いつものように取り立てを行っていると偶然美沙子の姿を見つけた。彼女は銀座で売り出し中のクラブ「アラビカ」のママで、寿会会長・勝田省一の愛人となっていた。文太の話では美沙子は頭山会の利権をそっくり頂いたらしい。その話を聞いて興味を持った鳴海は寿会に近づくが、勝田は彼の素性を知っていた。勝田は仕事の依頼を申し出るが鳴海は警戒し断った。

寿会は老舗のヤクザで最近は愚連隊の花井組がのし上がってきた。勝田は弟分だった花井を何とかして抹殺したいと考えていたが、花井組のバックには関西の大組織がついているため迂闊に手が出せなかった。一方、花井も関西の力を借りて勝田を倒したいと考えているため諍いが絶えなかった。ある夜、花井組が雇った殺し屋によって重傷を負った勝田は、下手に手を出せば相手の思う壺にはまるだけだと組員に冷静になるように命じた。そして鳴海に2千万円で花井を消す仕事の依頼をした。同じ頃、寿会の二宮は花井組の事務所に猟銃を発砲して挑発した。花井は殺し屋を雇ったが、そこに現れたのは鳴海だった。

屋台的映画館

ハードスキャンダル 性の漂流者

  • posted at:2022-01-12
  • written by:砂月(すなつき)
はーどすきゃんだるせいのひょうりゅうしゃ
にっかつ
配給:にっかつ
製作年:1980年
公開日:1980年10月4日 併映「宇能鴻一郎の浮気日記」「色情女 強烈舌ざわり」
監督:田中登
プロデューサー:林功
脚本:荒井晴彦
撮影:森勝
照明:新川真
録音:木村瑛二
美術:林隆
編集:鍋島惇
音楽:甲斐八郎
音楽協力:ザ・鉄城門
助監督:伊藤秀裕
色彩計測:森島章雄
現像:東洋現像所
製作進行:鶴英次
資料提供:月刊誌 宝島 ホームダイヤモンド株式会社
出演:亜湖 北原理絵 吉沢由起 本郷淳 吉川遊土
アメリカンビスタ カラー 70分

訳あって家出をした中学3年生の少年は土曜深夜のディスコクラブに忍び込んだ。ロックが鳴り響き女たちが服を脱いで狂ったように踊りまくる光景に彼は呆気に取られていたが、補導係がくるという噂が流れたため諦めて外に出た。この後どうしようか考えていると少女が時間を尋ねてきた。始発まで時間を潰したいという彼女の希望で個室同伴喫茶に行くが、大人びた少女が同い年だとわかると背伸びして大人の真似をした。だがすぐに女性経験がないことがばれ逆に手取り足取り教授された。そして時間になると彼女はあっさり帰って行った。

日が高く上ると少年は竹の子族が集う原宿に行った。お金を持っていない少年は竹下通りの店で気に入ったシャツを万引きしようとするが、客としてきていた女に見つかり青くなった。ところがその女は止めるどころか足元の紙袋にそれを放り込み店を出て行った。驚いた少年は紙袋を引っ掴むと彼女の後を追い掛けたが姿を見失い落胆した。家に帰ろうとしたところ地下鉄の駅で再び彼女を見つけ後をつけた。すると偶然にも女のアパートは少年の家の近くだった。

少年は瀬川家の両親とは血が繋がっていなかった。夫婦交換紹介雑誌に夢中で相手を見つけると二人でおしゃれをして出掛けて行く。そのことを知らない少年は両親との気持ちのすれ違いを感じ家出を決意したのだった。行く当てのない少年は女のアパートを訪ねたが、鍵が掛かっていたため壁を伝って窓から忍び込んだ。床には下着が脱ぎ捨てられており、女が風呂場から出てくると少年は顔を見られてはまずいと慌ててパンストを被ったのだった。強盗と勘違いした彼女は抵抗するが、その正体が少年だとわかるといつまでも子供の遊びにつき合ってられないと激怒した。

騒動後、女と和解した少年は一度家に帰った。両親がいないのをいいことに金目の物はないかとタンスの中を物色していると手帳の中から母親のヌード写真が見つかった。他にも雑誌や夫婦交換の手紙、行為を録音したカセットテープなどが見つかり、愛想をつかして再び家出をすることに決めた。そして仕返しとばかりに家から持ち出したダイヤの指輪をお詫びとして女にあげた。

屋台的映画館

毒婦お伝と首斬り浅

  • posted at:2022-01-09
  • written by:砂月(すなつき)
どくふおでんとくびきりあさ
東映(京都撮影所)
配給:東映
製作年:1977年
公開日:1977年1月22日 併映「やくざ戦争 日本の首領」
監督:牧口雄二
企画:松平乗道
脚本:大津一郎
撮影:勝木勝夫
照明:若木得二
録音:格畑学
美術:山下謙爾
音楽:渡辺岳夫
編集:玉木濬夫
助監督:土橋亨
記録:田中美佐江
装置:温井弘司
装飾:山田久司
美粧:長友初生
結髪:明田多美枝
スチール:中山健司
演技事務:西秋節生
衣裳:豊中健
擬斗:土井淳之祐
進行主任:長岡功
出演:東てる美 槇健多郎 広瀬義宣 橘由紀 西田良
シネマスコープ カラー 62分

明治初年。群馬前橋の貧しい農村に生まれた十八歳のお伝は父親の借金の形として博徒の勝蔵に売り飛ばされることになったが、賭場に客人としていた用心棒の山田浅右衛門が大暴れし彼女をかっさらって行った。いつか貧乏百姓の暮らしから逃げ出したいと考えていたお伝はこれを機に浅右衛門と東京へ行こうと考えたが、勝蔵の通報で張り込んでいた警官隊によって浅右衛門は連行された。仕返しを考えたお伝が面白がってついてきた市太郎に勝蔵が開いた賭場の寺銭を全てかっぱらってくるように冗談で言った。すると本当に持ってきたため笑いが止まらなかった。土佐の漁師だった市太郎は外国奉行を目指して武士になったのだが、時代が変わってもう二本差しは必要なくなり今は仕方なく泥棒となった。彼の夢は金を貯めて大きな船で海を渡り外国へいくことだった。市太郎が東京へ行くことがわかるとお伝は喜んでついて行った。その夜、松乃家に押し込み強盗に入った二人は軽業師の松助の手引きにより大金をせしめた。松助は親方の女に手を出したことで松乃家に売り飛ばされ大きな桶に閉じ込められていた。その仕返しとばかりに金の在り処を教えたのだ。お伝は松助の他にも知り合いで元尼僧の鈴月尼を仲間に加えた。

東京新橋では鈴月尼を馬車で待たせ三人で帝都銀行新橋支店に強盗に入った。ところがそこには既に先客がおり、警戒していた新政府の警官隊との銃撃戦に巻き込まれて腰を抜かした。だがどさくさに紛れて裏口から抜け出し何とか少額の金を持ち出すことに成功したのだった。ピストルを入手すればもっと儲けが増えると考えた市太郎はお伝と鈴月尼を日本橋警察の駐在所に向かわせ、色仕掛けで警官たちに迫る間に二丁を盗み出した。警察は彼らが反政府運動を行う輩ではないかと睨み、翌日上野で行われる政府高官の令嬢が集まるパーティーで張り込みをすることになった。だがお伝たちの方が一枚上手で、帰宅する令嬢の人力車を襲撃し刑事の吉蔵が警護しながらも金品を奪ったのだった。連続する失態にこのままでは警察のお偉方が黙っているはずがなかった。署長は怒り心頭で、見せしめとして獄中にいる反政府の奴らを引き回しの上処刑すると公言した。同じ頃、内務省は浅右衛門の首斬りの腕を買い、今までの罪を不問にして囚獄掛漸役を命じた。

屋台的映画館

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