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恐怖女子高校 女暴力教室

  • posted at:2019-10-17
  • written by:砂月(すなつき)
きょうふじょしこうこうおんなぼうりょくきょうしつ
東映(京都撮影所)
配給:東映
製作年:1972年
公開日:1972年9月29日 併映「やくざと抗争」
監督:鈴木則文
企画:天尾完次
脚本:掛札昌裕 関本郁夫 鈴木則文
撮影:鈴木重平
照明:金子凱美
録音:溝口正義
美術:雨森義允
編集:堀池幸三
助監督:志村正浩
記録:梅津泰子
装置:温井弘司
装飾:山田久司
美粧結髪:東和美粧
スチール:諸角義雄
演技事務:森村英次
衣裳:岩逧保
擬斗:三好郁夫
進行主任:長岡功
主題歌:「女高生哀歌」須藤リカ
音楽:八木正生
出演:杉本美樹 三浦夏子 成瀬正孝 衣麻遼子 女屋実和子
アメリカンビスタ カラー 79分

「賢き妻となり愛しき母となろう」がモットーの聖光女子学園はずべ公のたまり場だった。学園内には女番長の中田迪子が率いる嵐線会と、理事長・郡大作の妾の娘・福本澄子が率いるグループがあり事あるごとに対立していた。ある日、学園に臨時教師として吉岡敬一が赴任してきた。熱血教師の吉岡は前任の工業学校で指導が過ぎたことで飛ばされたのだ。彼が担当することになったのは悪名高い3年4組だった。初めて教壇に立つ吉岡に対して生徒たちは嫌がらせを行い、学校には自分たちのルールがあり教師であってもそれに従ってもらうと迪子は言った。頭に血が上った吉岡が教員室に戻ると、この学校はゴミ箱でありそのゴミを街にこぼれないようにするのが我々の仕事だと先輩教師たちは言っていさめようとした。聖光女子学園は普通の高校で鼻つまみにされた生徒の救済のために設立された学校で、学園理事は私利私欲の徒、そして事なかれ主義の教師ばかりが集まっていたのだ。それを知った吉岡の怒りはくすぶり続けた。

迪子がグレたのは2年前に暗闇の空き地で強姦されたことがきっかけだった。公務員の父・伺郎は体裁ばかりを気にし他の家族も軽蔑の眼差しを向けた。彼女は家庭内で辛いことがあるといつも忌まわしい場所へきて人生を見つめ直すのだ。あの日以来、世の中強姦されるよりもした方が勝ちだと考えるようになり生き方を変えた。それが迪子の新たな出発点だった。

学園に新たな生徒が転校してくることになった。花園女学院の総番長だった尾野崎由紀は乱れ菊のお由紀として知られ、傷害罪で鑑別所送りになっていた。その噂は学園中で持ち切りで、同じクラスとなる迪子たちはヤキを入れてやろうと待ち構えていたが、当のお由紀は姿を現さなかった。すると音楽室から「皆殺しの唄」のメロディーが聞こえてきたため何事かと見に行くと、お由紀がピアノの前に座っていた。迪子とその仲間は挨拶替わりに暴力を振るうがお由紀は抵抗することなく殴られ続けた。拍子抜けした迪子たちは呆れて去って行ったが、その様子を陰で見ていた特待生の岬洋子は慌てて駆け寄りハンカチを差し出した。

友達に恵まれない洋子はお由紀を自宅に招くと身の上話を始めた。彼女はもうすぐ退院をする祖母との二人暮らしで、父親は交通事故死、母親は4年前に他界したことで高校進学を諦めていた。だが聖光女子学園には特待生制度があり、授業料免除の他に奨学金が月5千円もらえることを知って入学したのだ。グループに入れと命じられても抵抗し続けリンチを受けても自分の信念を曲げなかった。そんな彼女の話に自分の境遇を重ねたお由紀は親しみを覚えたのだった。

屋台的映画館
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恐竜・怪鳥の伝説

  • posted at:2019-09-25
  • written by:砂月(すなつき)
きょうりゅうかいちょうのでんせつ
東映(京都撮影所)
配給:東映
製作年:1977年
公開日:1977年4月29日 併映「ドカベン」「池沢さとしと世界のスーパーカー」
監督:倉田準二
企画:橋本慶一
脚本:伊上勝 松本功 大津一郎
撮影:塩見作治
照明:井上孝二
録音:荒川輝彦
美術:雨森義允
音楽:八木正生
編集:市田勇
監督補佐:依田智臣
助監督:野田和男 河村満和
記録:石田照
装置:稲田源兵衛
装飾:白石義明
擬斗:三好郁夫
進行主任:清水悦夫
美粧:枦川芳昭
結髪:山崎幹子
衣裳:松本俊和
背景:西村三郎
スチール:木村武司
演技事務:西秋節生
和楽:中本敏生
造形・操演:大橋史典
操演協力:大林義満
水中撮影:望月昭伸 山入端キヨ子
船舶電子機器協力:古野電気株式会社
現地協力:足和田村役場 富士西湖民宿組合 常盤工務店 YBS 山梨放送 山梨日日新聞
主題歌:「遠い血の伝説」宮永英一(紫)
出演:渡瀬恒彦 沢野火子 林彰太郎 清島智子 牧冬吉
アメリカンビスタ カラー 92分

1977年、夏。富士山麓の青木ヶ原樹海を彷徨っていた高見弘子が建設工事中の土木作業員によって保護された。彼女は錯乱状態にあり直ちに病院へ収容されたが、「石の卵」や「氷の壁」といった意味不明のうわ言を残し昏睡状態に陥った。メキシコ湾で採れる古い堆積岩の調査目的で旅立つことになっていたユニバーサルストーン社の嘱託職員・芦沢節は、空港ロビーのテレビニュースでそのこと知ると予定をキャンセルした。節は弘子が入院している病院に電話を掛け、身内が到着するまでの繋ぎとしてそこにいた山梨日報の記者から情報を聞き出した。そして弘子が卵の中で大きな眼が動いたと証言していたことがわかると急いで会社に戻り機材の準備を整えたのだった。節の父親は古生物学者で、青木ヶ原で卵の化石を発見していた。その背中を見て育った彼は、同じ場所で卵の化石が発見されたと聞き居ても立っても居られなくなったのだ。

社長の宮脇昌彦から嫌味を言われながらもそれを押し切って現地に向かった節は調査を行うべく洞窟に向かおうとしたのだが、突然巨大な地震に襲われ気を失った。気がつくと彼は小屋の中にいた。そこはかつて節の父親が研究に使っていた場所で、今は父親の親友の椋正平が管理していたのだ。目的が化石探しと聞くと正平は奥に置いてあった箱を引っ張り出し、包みから卵の化石を取り出した。節は樹海の案内を願い出たが、その目的が商取引であることがわかると正平は断った。

翌日、節が足和田村にある西湖キャンプ場に向かうとそこには見知った顔があった。節の恋人の小佐野亜希子が湖底の写真を撮るために助手の園田淳子ときていたのだ。亜希子は世界的な水中写真家で、節と出会ったのは1年前のレマン湖だった。その日の夕方、水上自転車に乗っていたカップルが行方不明になり、捜索していたダイバーが命を落とした。その原因が湖に棲む生物のせいではないかと考えた節は、ジープを飛ばして富士気象科学研究所に向かった。同様の現象は本栖湖でも起きていたからだ。地質学者の坂井秀行は節の父親の友人で、恐竜生存説を訴えていた際に力になろうとした。だが実証することが出来なかったことでその説が受け入れられず、失意の末に命を絶ったのだった。坂井は未知の存在を確認するデータが何もないと前置きしながらも、ベンジャミン・フランクリンがパリ郊外の岩の中から数百万年生きていたガマガエルを発見した事例を挙げて恐竜の生存は単なる夢物語ではないのかもしれないと言った。

屋台的映画館

逆光の頃

  • posted at:2019-08-24
  • written by:砂月(すなつき)
ぎゃっこうのころ
東映ビデオ=マイケルギオン
配給:SPOTTED PRODUCTIONS
製作年:2017年
公開日:2017年7月8日
監督:小林啓一
製作:間宮登良松
エグゼクティブプロデューサー:加藤和夫
プロデューサー:中野剛 原田博志
ラインプロデューサー:松嶋翔
脚本:小林啓一
原作:タナカカツキ
録音:日高成幸
撮影部:野村昌平
衣裳・持道具:野口吉仁 内山さやか
ヘアメイク:北村あきな
方言指導:平松実季
DI カラリスト:相馬仁美
オンラインエディター:檜山めぐみ
整音:宮本明子
アクション監督:高杉真宙 金子大地
演出部:宮崎紀彦
制作部:森脇健介 村山宗一郎
載金指導:大塚華仙
制作プロダクション:マイケルギオン
出演:高杉真宙 葵わかな 清水尋也 金子大地 佐倉絵麻
アメリカンビスタ カラー 66分

京都生まれ、京都育ちの赤田孝豊は何処にでもいるような平凡な17歳の高校二年生。模擬テストの日、中々寝床を出られなかったことで遅刻しそうになった彼は急いで自宅を出た。自転車を飛ばして学校に向かっていたが、その途中でギターケースを背負ったクラスメイトの公平と会った。ライブの日と重なったためそっちを優先するというのだ。時間が気になった孝豊は少しだけ話をしてすぐに別れたが、公平のことが気になり行く先をライブハウスに変更した。ライブハウス初体験の彼にとって全てが新鮮で、しかもステージ上でギターを弾きながら歌う自分の知らない公平の姿に驚きを感じたのだった。ステージを終えた公平は貰ったギャラで弁当とビールを買い孝豊を連れて鴨川に向かった。そしてそこで雑談をしながら腹を満たしていたのだが、公平はいきなり靴を脱ぎ出すと川に入って行った。才能はあるやつはいいなあとその様子を眺めていた孝豊だったが、無邪気にはしゃぐいつもの公平に戻ったため一緒にバカ騒ぎした。夕方、自転車を押しながら通学路を帰っていると、後ろから幼馴染のみことが声を掛けてきた。彼女は孝豊が学校をサボった理由を深く聞かずに模擬テストの問題と解答用紙を手渡した。翌日、今度はちゃんと学校へ行き二日目の模擬テストを受けていた孝豊だったが、右隣にある空席が気になった。そこは公平の席で、自分の好きなことに没頭出来る彼をうらやましく思っていたのだ。その頃、ライブハウスで演奏を終えた公平はオーナーから最後の出演料を貰っていた。周辺の店から上がっていたの長年の苦情に対し、オーナーはこの夏を最後に店を閉める決断をしたのだった。居場所を失くした彼は学校を辞めて京都を出て行った。

五山送り火の夜、孝豊は自宅の屋根の上で公平のことを考えながら大の字になって寝ていた。すると梯子を上ってきたみことが朱塗りの器を差し出した。京都では大文字の送り火を水に映して飲むと病気に罹らないという風習があり、東京へ行った公平のことを考えながら一気に呷った。ところが彼が飲んだのは酒だった。孝豊がうろたえていると、みことはクスリと笑った。孝豊が考え事をすることが多くなり、彼女なりに元気づけようといたずらを仕掛けたのだ。

夏休みに入ると孝豊は英単語を一日に30個覚える目標を立てたが、学習する場所として選んだのは誰もいない学校の教室の机だった。ここだと自宅の部屋と違って集中がしやすいし、慣れ親しんだ自分の机で覚えた方がテストのときに思い出しやすいのではないかと考えたからだった。ある夜、孝豊が帰ってこないことを心配した彼の姉で小料理屋の女将の五月はみことに迎えをお願いした。その頃、孝豊は教室にいた。うたた寝をしてそのまま眠り込んでしまったのだ。月明かりの中で帰宅の用意をし教室を出ようとすると、タイミングよくみことがやってきた。だが問題はどうやって校舎から出るかだった。見回りにくる警備のおっちゃんは融通が利かないことで有名で、もし二人でいることがわかれば面倒なことが目に見えているからだ。とりあえず息をひそめて様子を見ることにしたのだが、尿意が孝豊を襲った。

屋台的映画館

キカイダー REBOOT

  • posted at:2019-05-18
  • written by:砂月(すなつき)
きかいだーりぶーと
「キカイダー」製作委員会(KADOKAWA=東映=テレビ朝日=アサツー ディ・ケイ=バンダイ=木下グループ=日本コロムビア)
配給:東映
製作年:2006年
公開日:2006年6月10日
監督:下山天
エグゼクティブプロデューサー:井上伸一郎 白倉伸一郎
製作:安田猛 有川俊 平城隆司 和田修治 小野口征 木下直哉 前山寛邦
スーパーバイザー:小野寺章
プロデュース:嵐智史 小川泰明 佐々木基
原作:石ノ森章太郎
脚本:下山健人
音楽:吉川清之
キャラクターリファインデザイン:村枝賢一
アクション監督:田渕景也
VFXスーパーバイザー:美濃一彦
撮影:小林元
美術:岡村匡一
照明:堀直之
装飾:肥沼和男
録音:豊田真一
整音:小林喬
音響効果:中村佳央
編集:下山天 難波智佳子
助監督:高橋浩
制作担当:曽根晋
ラインプロデューサー:林周治
キャスティングプロデューサー:福岡康裕
主題歌:「ゴーゴー・キカイダー REBOOT2014」ザ・コレクターズ
出演:入江甚儀 佐津川愛美 高橋メアリージュン 原田龍二 池田優斗
シネマスコープ カラー 100分

内閣総理大臣の田部慎之介は日本経済再生の一環として「ARKプロジェクト」を立ち上げた。原発事故処理や福祉介護において科学技術は限界に達していた。その打開策として国と企業が一体となり世界最先端のロボット開発を行うのがテーマで、主任研究員の光明寺信彦を中心に推し進められた。ロボットには「心」が必要と考える光明寺に対し、助手のギルバート神崎はそれを真っ向から否定していた。何故なら「良心回路」の影響で状況などにより若干の判断の遅れが見えるからだった。神崎はそれを証明するために自らが開発した良心回路を搭載していないマリ(BJX-2)と光明寺が開発したジロー(KJX-1)を極秘に対決させた。そしてジローが戦闘に向かないことを実証したのだった。それを知った光明寺は抗議したが、同時にプロジェクトが想定外の方向へ進んでいることもわかった。その戦闘能力テストにはプロジェクトのリーダーで国防大臣の椿原が立ち会っていたからだった。軍事利用が目的だったのならこっちにも考えがある。そう言って光明寺は施設を出て行った。

光明寺の事故死から1年が経った頃、彼の長女で大学生のミツコにつきまとう男が現れた。その男はルポライターの服部半平で、事故のことを調べているうちに奇妙なことに気づいたのだ。それは研究中の事故死だったにも拘らず一切ニュースで報じられることはなく、しかもプロジェクトは続行されていたからだ。半平は何か特ダネはないかとミツコの周りをうろついたが、彼女にはただ鬱陶しいだけの存在にしか映らなかった。ミツコには小学生の弟・マサルがおり身の回りの世話は彼女が全て行っていた。ある夜、半平がマンションを訪ねたとき二人は武装した謎の部隊に襲われ屋上に連れて行かれた。だが銃口を向けられたミツコたちの窮地を救ったのは突然現れたジローだった。彼は男たちを次々となぎ倒しミツコに逃げろと指示したが、部隊が銃を乱射し始めたため盾となって二人の身を守った。そして本来の機械の姿に変身すると圧倒的な強さと素早さで相手の銃を破壊した。その様子を監視していたヘリコプターからは巨大なロボットが投下されたが、苦戦しながらもジローはそれをも倒したのだった。騒動を知り駆けつけた半平はミツコの身を案じたが、何も知らないし何もわからないと彼女は言った。そこには既にジローの姿はなく、何が起きたのかわからない半平は二人に早くこの場所から立ち去るようにと促すしかなかった。

部隊の首謀者は椿原だった。彼は「光明寺ファイル」を奪うために鍵を握るマサルを拉致しようとしたが、ミツコが抵抗してきたため部隊は二人まとめて連れ去ったのだ。ところが事故後に行方不明となっていたジローがミツコの悲鳴を聞きつけて現れたことで計画が狂ったのだった。

屋台的映画館

君が若者なら

  • posted at:2019-01-19
  • written by:砂月(すなつき)
きみがわかものなら
新星映画社=文学座
配給:松竹
製作年:1970年
公開日:1970年5月27日 併映「明日また生きる」
監督:深作欣二
製作:松丸青史 其田則男 武藤三郎
脚本:中島丈博 松本孝二 深作欣二
撮影:江連高元
美術:平川透徹
音楽:いずみ・たく
照明:平田光治
録音:吉田庄太郎
編集:仲達美
記録:城田孝子
助監督:久保治男
製作主任:小鷹忠
監督助手:箕輪雅夫 片桐康夫 三宅晋輔
撮影助手:奥村義博 宮川博 石川泰行
照明助手:高木広志 平田礼一 鈴木優
美術助手:長沼宗夫 堀内重郎 手塚研一
制作経理:石田輝子
スチール:金田正
宣伝:丸山富之
総合宣伝:時実象平
進行:中田新一 荻原孝
現像:東京現像所
効果:協立音響効果
録音:東京スタジオセンター
協力:オールスタッフプロダクション
出演:石立鉄男 前田吟 河原崎長一郎 林秀樹 峰岸隆之介
アメリカンビスタ カラー 90分

九州の炭鉱町で育ったが、中学生のときの落盤事故で父親を失いひとりぼっちになった樋口喜久男。そして同じ事故で父親を失い、生活に困り体を売って生計を立てる母親に反発した鈴木麻男。中学卒業後、幼馴染の二人は就職列車に乗って他の若者たちとともに上京した。金の卵と呼ばれた彼らは夜間高校に通わせてもらえるという厚遇を約束され、辛抱すれば明るい未来が開けると皆信じていた。石の上にも三年。だが三年経っても暮らしは楽にならなかった。その会社の学歴別賃金昇給表を手に入れた喜久男は、高卒や大卒との開きに愕然とし何とかしなければならないと考えるようになった。その後、工場が倒産すると行き場のなくなった喜久男と麻男は失業保険を頼りにそのまま寮に居座ることにし、同じく行き場のない佐渡の漁師の息子の矢部清、川崎の労働者の息子の井上一郎、北海道の開拓村から出てきた北野竜次も一緒に残った。翌日に銀行の関係者が建物競売の手続きを行うことを知った日の夜、喜久男たちはボクサー志望の竜次が初めてリングに立つ前座4回戦を応援しに行った。そして劣勢の試合の中、彼らは汚いヤジを飛ばすチンピラと乱闘になり留置場に入れられたのだった。静かな部屋で頭を冷やした喜久男はある考えに至った。自分たちのトラックを手に入れて商売するのだ。そして各々では何も出来ないが5人で列を組めば必ず出来るはずだ、と。5年掛かる苦労を5人で分ければ1年となる。そうなれば4年先にはひとり1台トラックが持てるのだ。一郎が1台のトラックでのし上がった飯場のオヤジの話を思い出したことで、自分たちでもやれるのではないかと皆信じるようになった。釈放後、独立を目指して働くことに決めた5人はそれぞれの職場に散った。ボクサーを諦めた竜次は資材の運搬で汗を流し、喜久男は自動車修理工場で腕を磨いた。清はホテルの清掃業に就き、一郎はバーのボーイに、そして麻男はビルの建設に携わった。

トラックを買うために5人はひと月の給料から一定額を積み立てることになっているのだが、清だけ納金が遅れていた。焦った彼はやくざ者と結託して倉庫に忍び込み商品を盗み出そうとしたが、そこに現れたガードマンを殴り倒したことで強盗と窃盗の罪で逮捕された。一郎はホステスとつき合うことになったが、子供が出来たことで生活が苦しくなりトラックどころではなくなったのだ。二人が抜けたことで喜久男と麻男は残った竜次を頼りにしていたが、特別手当の1万円欲しさに経営者側のスト破りに参加したことで警官に警棒で頭を殴られて死んだ。独立の夢を諦めようとした喜久男たちは竜次の姉・秋子を訪ね、積み立てた金を返そうとした。だが彼女は弟の願いを叶えて欲しいとそれを受け取らなかった。その思いを汲んだ二人は土砂運搬業でがむしゃらに働き、雇い主からお墨付きをもらった。そして銀行から融資を受けられることになったことでついに念願のダンプカーを手に入れたのだった。

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