日活
配給:日活
製作年:1964年
公開日:1964年8月29日 併映「砂の上の植物群」
監督:前田満州夫
企画:水の江滝子
原作:寺内大吉
脚本:森川英太朗 田村孟
撮影:間宮義雄
照明:安藤真之助
録音:宮永晋
美術:佐谷晃能
編集:丹治睦夫
助監督:近藤治夫
製作担当者:岡田康房
音楽:伊部晴美
挿入歌:「愛するとき」水野より
・・・:「君と逢ったのは」長島一郎
刺青:大中豊
振付:漆沢政子
競輪指導:玉村駿太郎
出演:渡辺美佐子 川地民夫 藤村有弘 二本柳寛 結城美栄子
シネマスコープ モノクロ 84分
坂崎彰が競輪に填まるようになったのは一刻も早く一軒家を建てて公団アパートから抜け出したいと考えていたからだ。ある日、彼は会社の集金の15万円と養育費を擦ってしまい、これからどうしていいかわからない状態に陥っていた。それもこれも準決勝のレースで飯田栄治が予想出来ないような走りを見せたからだった。その帰りに坂崎は小松妙子という女と出会った。彼女から明日取り返してあげるからもう一度いらっしゃいと言われたが、強い選手が八百長で負けることはあっても弱い選手が二度も波乱を起こすことなど聞いたことがないからだ。だが妙子は飯田が明日も勝つと断言した。理由は「強い」からだという。
坂崎は半信半疑のまま妙子が指定した第一コーナーの金網の場所に立った。するとその横で和装の彼女が黒ずくめの男たちと何やら話していたのだ。どうやら妙子は酒井組組長の妻らしいが、その松吉が縄張りでの殺人事件の容疑者として取り調べを受けているらしい。飯田は松吉から飛ばさないように指示を受けているようだが、組長がいないのをいいことに全力で走り1万2千円の大穴を開けた。当然のことながら組員たちは彼が勝つことを予想していないため誰も車券を買っておらず皆悔しい思いをしたのだった。妙子がまぐれだと呟くと、組員たちはその言葉を信じて2番の飯田を外した車券を買いに行った。その隙に坂崎が近づくと妙子はいくら用意出来たのかと尋ねた。坂崎が5万円だと答えると、2を頭に買いなさい指示した。先程の会話を聞いていた彼は不安になり大丈夫かと尋ねるが、妙子は疑うなら自分の好きな番号にすればいいと冷たく言った。車券売り場へ行った坂崎は直前で怖気づき、もしものことを考えてリスクを分散させた。レースは妙子が予想した展開になり、彼はそれでも24万円の払戻金を手に入れたのだった。
多額の金のおかげで坂崎は会社に売上金を無事に納めることが出来た。彼はレースが終わると妙子に礼を言おうとしたが取り巻きのせいで出来なかった。乗り込んだタクシーのナンバーを控えていた坂崎はタクシー会社に電話をして妙子が降りた場所を確認すると、その場所から酒井組の事務所を突き止めた。何とか会う方法はないかと考えた結果、ビルの1階にある純喫茶ミロの店員に呼び出してもらうことにした。
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