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忍者秘帖 梟の城

  • posted at:2023-06-01
  • written by:砂月(すなつき)
にんじゃひちょうふくろうのしろ
東映(京都撮影所)
配給:東映
製作年:1963年
公開日:1963年3月24日 併映「伝七捕物帖 女狐小判」
監督:工藤栄一
企画:橋本慶一 三村敬三
原作:司馬遼太郎
脚本:池田一朗
撮影:わし尾元也
照明:前田光秋
録音:野津裕男
美術:富田治郎
音楽:鈴木静一
法竹吹定:海童道宗祖
編集:河合勝己
助監督:山内鉄也
記録:河島利江
装置:米沢勝
装飾:川本宗春
美粧:林政信
結髪:桜井文子
衣裳:小林勝
擬斗:足立伶二郎
武芸指導:中島正義
進行主任:田村裕夫
出演:大友柳太朗 大木実 高千穂ひづる 本間千代子 立川さゆり
シネマスコープ カラー 91分

天正九年、織田信長が伊賀を攻略した。羽柴秀吉率いる大軍の前に伊賀忍者は全滅の危機に瀕したが、なおも執拗な抵抗を繰り返していた。秀吉の手の者に父と母が鱠のように斬られるのをただ見ているしかなかったあゆらは悔いて自害した。そんな妹や両親の仇を討つために葛籠重蔵は秀吉への復讐を誓った。師匠の下柘植次郎左衛門からは構えて人並の心を持つなと教えられていたが、今はそれを否定することを恥と思っていなかった。生きた人間が死んだ者たちへしてやれることはただ仕返しあるのみと考えたのだった。

十年の歳月が流れ、明智光秀の乱により信長の天下は崩落し、新たに豊臣秀吉が我が世の春を謳歌するに至った。重蔵は下忍の黒阿弥とともに人里離れた家で暮らしていたが、ある日次郎左衛門が娘の木さるを連れて訪ねてきた。秀吉への復讐の火が消えていないことを知った次郎左衛門は重蔵にそれを仕事にしてみないかと言った。その依頼人は堺の今井宗久という商人で、二日後の丑の刻に東福寺山門で落ち合うことになっていると伝えた。

雨が降る二日後の丑の刻、小萩という女が迎えにきたが宗久との関係を明かさないため後ろから斬り掛かってみた。すると彼女はいとも簡単に見切って傘の柄で刀を受け止めたのだった。小萩は愛染堂まで案内すると帰って行ったが、そこにいたのは宗久ではなく島津家の松浦蔵人と漁師上がりの雲太郎だった。だが役人の囲まれ罠にはめられたことに気づいた重蔵は蔵人を小柄で一突きすると建物を抜け出し堺へ向かった。屋敷に忍び込むと宗久は重蔵がくるのを待っていた。小萩は宗久の養女であり小松谷に住んでいることから連絡役を任せていたのだ。茶人でもある宗久は重蔵を茶室に招くと仕事依頼の理由を説明した。秀吉は立ち上げた遠征軍を朝鮮へ差し向けようとしたが、そのおかげで朝鮮と明国との商いの道が絶えてしまった。このままでは自滅あるのみ。そこで宗久は朝鮮に攻め込む前に秀吉を亡き者にしようと考えたのだ。秀吉が死ねば権力の帰趨が始まり戦となる。そうなれば商いがうまく行き、中には一緒に手を組んで天下を目指そうとする者が出てくることは間違いなかった。重蔵がそれは三河の徳川家康ではないかと尋ねると宗久は口をつぐんだ。

屋台的映画館
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肉体の門(1988年)

  • posted at:2023-02-20
  • written by:砂月(すなつき)
にくたいのもん
東映(京都撮影所)
配給:東映
製作年:1988年
公開日:1988年4月9日
監督:五社英雄
企画:日下部五朗 佐藤雅夫
プロデューサー:厨子稔雄 天野和人
原作:田村泰次郎
脚本:笠原和夫
撮影:森田富士郎
美術:西岡善信
照明:増田悦章
録音:堀池美夫
整音:荒川輝彦
編集:市田勇
記録:田中美佐江
監督補佐:鈴木秀雄
装置:稲田源兵衛
装飾:福井啓三
背景:西村三郎
衣裳:宮川信男
美粧:長友初生
結髪:山田真佐子
ヘアメイク:河野明子
衣裳コーディネーター:森護
衣裳協力:カティアール
キャスティング:葛原隆康
手話指導:明石励造
振付:謝珠栄 相良まみ」
題字:堀三千三
通訳:岡田厚詩
擬斗:土井淳之祐
演技事務:寺内文夫
進行:尾崎隆夫
スチール:中山健司
音楽:泉盛望文
挿入歌:「星の流れに」八代亜紀
・・・:「帰り船」田端義夫
進行主任:長岡功
出演:かたせ梨乃 名取裕子 加納みゆき 西川峰子 山咲千里
アメリカンビスタ カラー 119分

アメリカ軍の占領下にある終戦後の東京。有楽町の廃墟ビルに住む浅田せんは街娼グループを率いているが、ある夜進駐軍による取り締まりから仲間と逃げる際に菊間町子を巻き込んでしまった。翌日、せんは彼女に食事代と電車賃を渡して帰らせようとしたが、町子はこのまま一緒にいさせて欲しいと願い出た。彼女の夫は陸軍中尉で硫黄島で玉砕し、住む場所も失ったことでどうやって暮らして行くか悩んでいたところだったのだ。せんはダメだと断ったが、それでもしつこく頭を下げるため、仲間たちの同意を得た上で厳しい決まりを守ることが出来るのならば入れてやると言った。その決まりとは、稼ぎは平等に分けること、稼ぎの一割はパラダイスの資金にキープすること、そして稼ぎにならない色恋をしてはならないことの三つだった。この掟を破った者は皆でヤキを入れて叩き出すがそれでもいいかとせんが問うと、町子はパラダイスって何ですかと質問した。パラダイスとはせんたちが計画しているダンスホールであり、今いる廃墟ビルを化粧直しして開業することが目標だった。事業が軌道に乗ればもう体を売る必要はなくなるのだ。資金のキープは既に一斗缶にして三缶分に達しており、あと三年もすれば実現しそうだという。それを聞いて安心した町子はせんと血の契りを結んだ。

街娼グループにはせん(関東小政)の他に菅マヤ(ボルネオマヤ)、本庄光代(きすぐれのミッチ)、安井花江(フーテンのろく)、乾美乃(ジープのみの)、柴田幸子(ベイビー)がいた。せんたちは廃墟ビルの中に一トン神社という奇妙な神社を作っていたが、御本尊として祀られていたのはB-29爆撃機が落として行った一トン爆弾だった。それは二年前に落とされたにも拘らず爆発しなかった不発弾で、いつも商売の前に必ず拝んでから出掛けていた。彼女らのライバルは有楽町を縄張りとする北川澄子(ラクチョウのお澄)がリーダーのラクチョウ一家だった。ある夜、澄子の妹分である大森銀子(血桜お銀)がマヤを訪ねてやってきた。仲間のテリーを可愛がったお礼をしたいというのだ。するとそこにやってきたせんが、文句があるならこっちに言いなと言った。銀子は二人を廃車バスのアジトへ連れ帰り澄子と対面させた。

屋台的映画館

日本女侠伝 真赤な度胸花

  • posted at:2023-02-04
  • written by:砂月(すなつき)
にほんじょきょうでんまっかなどきょうばな
東映(京都撮影所)
配給:東映
製作年:1970年
公開日:1970年1月9日 併映「不良番長 王手飛車」
監督:降旗康男
企画:俊藤浩滋 日下部五朗
脚本:笠原和夫
撮影:古谷伸
照明:和多田弘
録音:渡部芳丈
美術:井川徳道
音楽:八木正生
編集:宮本信太郎
助監督:篠塚正秀
記録:梅津泰子
装置:米沢勝
装飾:山田久司
美粧:久斗敏厚
結髪:妹尾茂子
衣裳:松田孝
擬斗:谷明憲
進行主任:福井良春
協力:十勝農業組合連合会 釧路市 吉永長吉郎
出演:藤純子 高倉健 山城新伍 山本麟一 小松方正
アメリカンビスタ カラー 94分

明治末期の北海道釧路。博労総代の松尾兼之助はともに苦労をして育てた十頭の馬を木島が借金の形にしたと聞き博徒大野金次郎の賭場へやってきた。馬を博労の鑑札なしで売買することは法律で禁止されているため、兼之助は証文を然るべきところへ出せば貴様を監獄へぶち込むことが出来ると脅した。それが嫌なら町から出て行けと言い放つが、大野の子分によって暗殺された。兼之助の死によって博労の鑑札が宙に浮いたままになっており、久寿里町の向井三蔵助役が道庁に問い合わせたところ組合側で後継者を決めるように言われた。番頭の陣之内七兵衛は兼之助の一人娘の雪を後継者に推薦するが、向井は道庁が直接認可して春秋二回開催される馬市の運営一切を任される重要な博労総代の鑑札を九州から北海道へ初めてくるような小娘に務まるはずがないと言った。七兵衛は我々がついているから大丈夫だと胸を張るが、向井はその申請にある筋から異議が出ていると言った。そこに松尾の下で働いていた益川源次が現れ、傍にいた大野の部下は飼子頭だった彼が適任だと言った。

騒動を起こして留置場に入れられた七兵衛との面会を申し出たのは長旅で北海道にやってきた雪だった。雪は警察に対し松尾側の飼子だけ逮捕されたのは一方的で不当であり、釈放しなければ新聞社に訴えると申し出たのだ。事を荒立てたくない署長と向井の判断により七兵衛は釈放された。雪が北海道にきたのは博労総代になるためではなかった。八年前に母親が亡くなってから彼女は支那大陸に渡ることを夢見ておりそれがようやく実現することになった。満州のある日本人小学校に奉職することが決まり翌月の末に日本を離れることになっていた。北海道にきたのは兼之助の分骨を貰うことでありそれを佐賀で眠る母親の傍に埋めてあげようと思ったからだ。ところが突然警察から飼子たちの町外への強制退去を命じられたことから、理不尽さを肌で感じた雪は兼之助の後を継ぐことに決めた。組合の理事会が開かれ表決が行われた結果、五対五で真っ二つに割れた。勝敗の鍵を握るのは兼之助が推奨し株を譲渡したもう一人の理事の風見五郎だったが、今は行方不明になっていた。組合長は票が割れた以上、網走方面にいるというその人物を捜し出して白黒をつける以外に方法はないと言った。

屋台的映画館

日本女侠伝 侠客芸者

  • posted at:2022-12-09
  • written by:砂月(すなつき)
にほんじょきょうでんきょうきゃくげいしゃ
東映(京都撮影所)
配給:東映
製作年:1969年
公開日:1969年7月31日 併映「不良番長 送り狼」
監督:山下耕作
企画:俊藤浩滋 日下部五朗
脚本:野上龍雄
撮影:鈴木重平
照明:井上孝二
録音:渡部芳丈
美術:雨森義允
音楽:木下忠司
編集:宮本信太郎
助監督:篠塚正秀
記録:矢部はつ子
装置:梶谷信男
装飾:松原邦四郎
美粧:久斗敏厚
結髪:妹尾茂子
衣裳:松田孝
擬斗:谷明憲
進行主任:上田正直
振付:藤間勘五郎
民謡指導:別府金蝶 別府富子
和楽:中本敏生
協力:北九州市 第一港運株式会社
出演:藤純子 若山富三郎 三島ゆり子 土田早苗 桜町弘子
シネマスコープ カラー 99分

明治末期の北九州は石炭ブームに湧いていた。博多には成金から金を搾り取る馬賊芸者というのがいたが、中でも信次は男勝りの気風と度胸が評判を呼んだ。人情の厚い彼女は一生の思い出に遊んでみたいという薄汚れた花田炭坑の鉱夫だろうと選り好みせず丁寧に持て成した。それが例え先約として大実業家で鉱業会社社長の大須賀喜造のお座敷が入っていてもだ。何故ならお金持ちは何時でも遊べるし、大須賀はいけ好かない男だからだ。大須賀は地元やくざの親分である万場安次郎と手を組み九州一の炭坑主にのし上がろうと考えていた。一方、万場も彼がお気に入りの信次との縁談を成功させて深い関係を築こうとしていた。信次は断ったものの一度顔を見せるが、惚れた腫れたなどとんだお門違いですよと言って部屋を出た。同じ頃、料亭を訪ねてきたのは納屋頭の島田清吉という若い男だった。三人の鉱夫たちは翌日山に入ることになっていたが、何時まで経っても帰ってこないため捜しにきたのだ。帰るから勘定をしてくれと清吉が言うと、信次はもう十分にいただきましたと答えた。その金額が十円だと聞き驚いた清吉が残りを全て言うと、遊びは心意気だから私が済んだと言ったらそれでいいじゃないかと信次は怒ったように言った。清吉が意地になって払うと言うと、信次も強情にいらないと言い返した。二人は睨み合うが、やがて信次は笑い出し馬鹿馬鹿しいからもうやめましょうと別れの杯を差し出した。清吉はそれを断ったが、義理とかではなく奈良漬けを見ただけでひっくり返る程の下戸だったのだ。

清吉が帰ろうとすると大須賀が声を掛けてきた。何としてでも花田炭坑を手に入れたい彼は提示した金額に色をつけてもいいと迫って口説き落とそうとした。だが先代が亡くなった時に枕元で日本一の山にすると約束をした清吉は、どんな条件を突きつけられても手放す気は毛頭ないと断った。すると大須賀は、君の強気は関東電力第一種指定業者の金看板があってのことだが、あまり強がると元も子もないぞと脅した。

屋台的映画館

虹の中のレモン

  • posted at:2022-07-25
  • written by:砂月(すなつき)
にじのなかのれもん
松竹(大船撮影所)
配給:松竹
製作年:1968年
公開日:1968年7月20日 併映「天使の誘惑」
監督:斎藤耕一
製作:升本喜年
企画:堀威夫
脚本:桜井義久
撮影:大越千虎
美術:宇野耕司
音楽:チャーリイ脇野 北川裕
照明:本橋昭一
録音:堀義臣
編集:太田和夫
調音:松本隆司
監督助手:立仙雅巳
装置:中村文吾
進行:宗本弘美
現像:東洋現像所
製作主任:峰順一
主題歌:「虹の中のレモン」ザ・ビレッジ・シンガーズ
協力:サマーランド 江の島鎌倉観光株式会社
出演:清水道夫 林ゆたか 小池哲夫 笹井一臣 小松久
シネマスコープ カラー 87分

鎌倉にある大邸宅の前田邸はしばらく主人が不在の状態で、管理は下働きの吉岡とその娘の民子が行っている。このだだっ広い部屋を何か利用する手立てはないかと親友の真山エミとともに考えた結果、児童福祉のために開放することにした。ある日、二人はいつものように託児所の子供たちを集めて寸劇を行おうとするが、やることが同じだの子供だましだのと不評の声が飛んだ。困ったエミが例えばどんなのがいいのかと尋ねると、子供の一人がヴィレッジ・シンガーズのようなグループサウンズが聞きたいと言った。ヴィレッジ・シンガーズは「バラ色の雲」や「亜麻色の髪の乙女」などのヒット曲を持つ五人組(清水道夫、林ゆたか、小池哲夫、笹井一臣、小松久)だったが、エミたちはグループサウンズのことを何も知らなかった。同じ頃、そのヴィレッジ・シンガーズはサマーランドのステージで演奏をしていた。所属事務所から一週間の夏休みをもらった五人だったが、各々やりたいことがバラバラだった。そこで彼らの先輩に当たる芸能記者の田部井が「理由なき蒸発」を提案すると興味本位で実践してみることにした。

翌日、ヴィレッジ・シンガーズの五人は鎌倉の海岸にいた。身分を隠して女の子をナンパしてみようと考えたのだが周りはアベックばかり。何だか世間からあぶれたようで悲しい気分になり別行動を取ろうとしたところ二人の令嬢を見つけた。さりげなく近づき声を掛けると二人は快く応じた。その二人とは令嬢に扮したエミと民子だった。二人はとりあえず暇で時間を持て余している上にタダで働いてくれそうな若者をスカウトしにきたのだが、そんな都合のいい人はそう簡単には見つからなかった。手ぶらで帰って子供たちに笑われるならいっそ学生アルバイトでも頼もうかと考えていたところに声を掛けてきたのが五人だった。エミたちは彼らが暇な大学生だと思い込み、海のそばにある涼しい邸にぜひ来てくださいと言った。腕に縒りを掛けた食事が三食出る上に可愛い女の子たちと過ごせるとなれば五人の答えはひとつだった。

若者たちが本当に来てくれるのか心配だったが、五人は約束の時間に訪ねてきた。エミは紅茶でもてなすと早々に片付け始め、民子が奥から持ってきた着ぐるみに着替えさせた。そして五人は子供たちの前に立たされたが、わんぱくな子供たちにもみくちゃにされた。約束が違うと言って五人が着ぐるみの頭を外すと子供たちは歓声を上げた。エミたちはそこで初めて五人がヴィレッジ・シンガーズだということを知った。

屋台的映画館

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