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春子超常現象研究所

  • posted at:2022-10-28
  • written by:砂月(すなつき)
はるこちょうじょうげんしょうけんきゅうじょ
「春子超常現象研究所」製作委員会
配給:S・D・P
製作年:2015年
公開日:2015年12月5日
監督:竹葉リサ
エグゼクティブプロデューサー:外山康弘
クリエイティブプロデューサー:蔭山周
プロデューサー:小野恵賜 竹葉リサ
共同プロデューサー:西村喜廣 合アレン
脚本:竹葉リサ
撮影:Shu G.百瀬
照明:太田博
録音:百々保之 高島良太
衣裳監督:Mikio Sakabe
衣裳:戸村優香
美術監督:片桐真理子
ヘアメイク:元木美紗
特殊造形:北落香奈子
マジックエフェクト:テツヲ
アクション監督:田渕景也
助監督:成田将
脚本協力:金子二郎
音楽:藤永憲太郎
主題歌:「Day and Night」Andersons
編集:西村喜廣
制作:有馬圏 Scott Nankivel
出演:中村蒼 野崎萌香 青木さやか ブラザートム  黒木正浩
アメリカンビスタ カラー 73分

超常現象に憧れ追い求めていた大月春子は、書道部の先生をしていた父親のエコひいきのせいで孤立した高校生活を送り家族のことが嫌いになった。それから10年後、フリーターとなって独り暮らしをしていた彼女はテレビに悪態をつく毎日を送っていた。その悪態が1万回を迎えたときテレビの電源が切れた。驚いた春子は何勝手に切れてんだよとブツクサ言いながらテレビを叩くが、「切れたんじゃねえよ、ブチ切れてんだよ」と何処からか男の声が聞こえた。その声の主はテレビだった。閃光とともに現れた人の姿をしたテレビは春子を指差し「お前の独り言は聞き飽きたわ」と怒鳴った。目の前で起きた超常現象に心ときめいた彼女は早速パソコンで検索するが、過去にテレビ頭の男が現れたという事例は見つからなかった。これがオリジナル超常現象だと確信した春子は待ちに待った幸運が訪れたのだと喜んだ。もうこれ以上悪態をつかれるのは御免だとテレビは出て行くが、入れ替わりにやってきたのはMNKの集金人だった。テレビが出て行ったためうちには関係ないと断ろうとしたのだが、集金人とバッタリ会ったテレビがこの部屋に住んでいると言ったため支払わなければならなくなった。春子は仕方なく「超常現象研究所」という宛名で領収書を切ってもらうことにした。

幼稚園の時に勉強をさせられ過ぎて一時的に目が見えなくなった春子だったが、回復すると今度は余計なものまで見えるようになった。テレビとの出会いは今まで体験した超常現象の中でも最高傑作だった。成り行きで奇妙な同棲生活が始まると春子は不思議な魅力を持つテレビの虜になった。公園でブラブラしていると子供たちから石を投げられヒモと呼ばれたことから、テレビは就職活動をすることにした。ラブホテルの受付の面接に行ってみたが断られ、その代わりに臓器の運び屋の仕事を紹介された。気が進まず公園のトイレで用を足しているとアラブ人から声を掛けられた。二人が会話しているのを隣で見ていたMNK番組プロデューサーの鈴木は彼をスカウトした。テレビがアシスタントを担当することになったのは教育テレビの「やさしいアラビア語教室」だった。収録の出来栄えに満足し気を良くした鈴木は、ラジオのフランス語講座も任せることにした。何せテレビは12か国語を操れるのだ。彼の人気は瞬く間に上昇し一躍時の人となった。そんなテレビを春子は陰から寂しげな目で見つめた。

屋台的映画館
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ハッピーフライト

  • posted at:2022-10-22
  • written by:砂月(すなつき)
はっぴーふらいと
フジテレビジョン=アルタミラピクチャーズ=東宝=電通
配給:東宝
製作年:2008年
公開日:2008年11月15日
監督:矢口史靖
製作:亀山千広
エグゼクティブプロデューサー:桝井省志
企画:石原隆 小形雄二 島谷能成 中村光孝
プロデューサー:関口大輔 佐々木芳野 堀川慎太郎
脚本:矢口史靖
脚本協力:矢口純子
音楽:ミッキー吉野
主題歌:「COME FLY WITH ME」FRANK SINATRA
撮影:喜久村徳章
照明:長田達也
録音:甲斐匡
美術:瀬下幸治
装飾:秋田谷宣博
整音:郡弘道
編集:宮島竜治
記録:松澤一美
キャスティング:吉川威史
助監督:山口晃二
製作担当:荒木正人 齋藤玉恵
特撮監督:佛田洋
VFXスーパーバイザー:野口光一
VFXプロダクションマネージャー:横尾裕次
製作プロダクション:アルタミラピクチャーズ
出演:田辺誠一 時任三郎 綾瀬はるか 吹石一恵 田畑智子
シネマスコープ カラー 103分

副操縦士の鈴木和博はホノルル行き1980便で路線訓練の試験に合格すれば、OJT(On the job training=実践しながらの訓練)終了となり機長に昇格する。幸いなことに試験教官は温厚な望月教官が担当することになっていたことから和博は楽勝だと考えていた。ところが当日になって望月が風邪をこじらせてしまい、代わりにやってきたのは厳しさで知られる原田教官だった。シミュレーターの操縦訓練では難解なプログラムを前にしてパニックに陥っており、今度こそうまく出来るか心配でたまらなかった。

新人キャビンアテンダントの斎藤悦子は同僚の田中真里や高田郁美とともに1980便で初めて国際線フライトに乗務することとなっていたが、搭乗開始前のブリーフィングに遅刻した。そこで待っていたのは鬼チーパーとして恐れられているチーフパーサーの山崎麗子だった。離陸前の室内作業で段取りがわからずモタモタしていると手慣れたCAたちから睨まれた。

出発前の点検で飛行中の速度を計るピトー管を凍結から守るヒーターの一部とスタートバルブに故障が見つかったが、若い整備士の中村弘樹は先輩の小泉賢吾の指示を仰がずに勝手に作業を始めた。出発時間が迫る中、気が気ではない小泉は7分でやれと命令した。

空港カウンターでも騒動が起きていた。1980便のエコノミー席が三席オーバーセールとなっており、吉田美樹は三人の家族連れを優先するためにビジネス席からファースト席に一人、老夫婦をエコノミー席からビジネス席に移動させた。問題は一席残ったビジネス席だったが、美樹はサラリーマン風の男性と交渉して快く聞き入れてもらった。その様子を見たグランドスタッフの木村菜採は後輩の成長を喜んだ。

OCC(オペレーションコントロールセンター)に気象状況を問い合わせ、問題ないことを確認した和博は原田にそのことを報告した。そして四つあるピトー管はヒーターの故障が一つだけであれば修理の持ち越しが可能なのでこのまま出発出来ると自信なさげに言うと、原田はいいだろうと親指を立てた。和博の口からは安堵のため息が漏れた。

屋台的映画館

白昼の無頼漢

  • posted at:2022-10-09
  • written by:砂月(すなつき)
はくちゅうのぶらいかん
ニュー東映(東京撮影所)
配給:ニュー東映
製作年:1961年
公開日:1961年11月1日
監督:深作欣二
企画:大賀義文
脚本:佐治乾
撮影:星島一郎
録音:大谷政信
照明:原田政重
美術:近藤照男
音楽:河辺公一
編集:田中修
助監督:田口勝彦
進行主任:澁谷幹雄
出演:丹波哲郎 中原ひとみ 曽根晴美 久保菜穂子 八代万智子
シネマスコープ カラー 82分

人里離れた屋敷にやってきたのはいずれも脛に疵持つアメリカ人のジョン・ケンディとその妻のアン、そしてラジオ店を営む金山正夫だった。ケンディは浪費家の妻のために部下が持っていた軍隊の鉄砲を日本のヤクザに売り飛ばして免職となり、ほとぼりが冷めたところで再び日本に舞い戻った。金山こと韓国人の洪金成は朝鮮半島の北と南を二股掛けたスパイで革命が起こると日本に逃げ込んだ。そんな彼らを招いたのは宮原という男だった。宮原は情婦の亜紀、弟分の三郎を紹介すると頭の中に描いた計画を披露した。東京にはアメリカ軍の経理を代行するニューヨークシティー銀行があり毎週木曜日に基地まで現金を送り届けている。危険は承知だが人数さえ揃えば50万ドルを強奪することは可能だ。そこに遅れてきた色魔の黒人アメリカ兵トム・トゥエインが加わると、宮原はやるかやらないかの返事は明日の朝聞くと言った。そしてノーなら今夜のうちに出て行ってもいいが、その場合には命の保証はないと釘を刺した。

翌朝、食卓には全員が揃っていた。金山が分け前について口にすると、宮原は俺が発案者だから50万ドルのうちの30万ドルをもらい、残りの20万ドルを6人で分ければいいと言った。一人頭5万ドルになると言うが、それでは計算がおかしいと金山は反発した。すると宮原は笑いながら6人のうち2人は死ぬからちゃんと合うと言った。その後、ルートの下見を行い、現金輸送車が銀行を午前10時に出発することや道路事情などを細かく調べ上げた。輸送車を追う者と二股地点で見張る者の他に襲撃地点で待ち伏せる者を7人で分担する必要があり、そのためにはチームワークが欠かせなかった。だがケンディは白人以外の者たちを毛嫌いし特にトムにはつらく当たった。そのトムはというとアンや亜紀に色目を使っていた。彼のせいでチームが崩壊してしまうと考えた三郎は宮原と相談し特殊バーで働く混血の花子を与えることにした。だがトムは彼女を同胞のように感じ抱こうとしなかった。同じ頃、屋敷に現れたのは基地周辺に根を張るヤクザの芝山だった。彼は舎弟を殺した男を追っていたが、それがトムだとわかり宮原の後をつけてきたのだ。だが札束を見せられても宮原は動じなかった。計画が終了するまでは人手が不足することを避けたかったからだ。

屋台的映画館

パパはわるものチャンピオン

  • posted at:2022-09-14
  • written by:砂月(すなつき)
ぱぱはわるものちゃんぴおん
「パパはわるものチャンピオン」製作委員会(アミューズ=博報堂DYミュージック&ピクチャーズ=テレビ朝日=新日本プロレスリング=ブシロード=ブリッジヘッド)
配給:ショウゲート
製作年:2018年
公開日:2018年9月21日
監督:藤村亨平
製作統括 相馬信之
共同製作:村田嘉邦 亀井慶二 菅林直樹 原田克彦 木谷高明 橋本義賢 小川真司
企画:小川真司 荒木宏幸
プロデュース:小川真司 荒木宏幸
プロデューサー:依田剛大 若林雄介
原作:板橋雅弘 吉田尚令
脚本:藤村亨平
撮影:山崎裕典
照明:岩切弘治
録音:九連石由文
美術:黒川通利
装置:天野竜哉
編集:今井剛
音響効果:松浦大樹
スクリプター:矢野千鳥
コスチュームデザイン:手嶋ユキヒロ 朴澤明子
ヘアメイク:山田みずき 千葉友子
特殊造形:こまつよしお
キャスティング:川村恵
監督補:塩崎遵
制作担当:大熊敏之
音楽:渡邊崇
主題歌:「ありがとう」高橋優
制作プロデューサー:ブリッジヘッド パイプライン
出演:棚橋弘至 木村佳乃 寺田心 仲里依紗 根本真陽
シネマスコープ カラー 111分

プロレスラーの大村孝志はライオンプロレスリングの新世代エースとして期待されていたが、怪我の影響や若手の台頭により今は悪役覆面レスラーのゴキブリマスクとしてリングに上がっている。だがそのことを小学生の息子の祥太には打ち明けることが出来ず、大きくなったら教えてやると約束していた。参観日に孝志は出席すると約束していたが、飛行機の到着が遅れて遅刻が確実となり妻の詩織が代わりに出席することになった。

放課後の掃除の時間に友達の間で父親の職業の話になり、知らないのは自分だけだとわかった祥太は肩身の狭い思いをした。学校から帰った彼は孝志に連れて行ってもらった銭湯で思い切って質問してみた。「大きくなったら仕事を教えてくれるって言ってたよね」。孝志はしばらく考えた末にこう返した。「もう少し大きくなったら教えてやる」。

ある日、祥太は孝志の運転する車の後部座席にこっそり隠れ父親の仕事を自分の目で確かめることにした。孝志が入った建物の前には筋肉ムキムキの男たちがたくさんおり、友達が言った「マフィア」のことが頭をよぎった。男たちの目を盗んで中に入るとそこにも屈強な男たちばかり。怖くなって外に逃げ出そう出口を探したが、そこは観客者の入場ゲートだった。祥太はそこがプロレスの試合会場であることを知った。選手同士がぶつかり合う迫力に呆気に取られていると、傍から誰かが名前を呼んだ。振り返るとそこにはお父さんと試合を観にきていた同じクラスの平野マナがいた。一緒の試合を観ることになり、リングにはマナお気に入りのドラゴンジョージが現れた。そしてその対戦相手であるゴキブリマスクはリングの下から這い上がり奇襲攻撃を仕掛けたのだった。本来はルシファー斉藤が出場するはずだったが代役として対戦が組まれたのだ。しかもセコンドには悪名高いギンバエマスクが入っており、汚いコンビプレーでドラゴンを苦しめたのだった。優位に立つとゴキブリマスクはリング上でゴキブリポーズを取るが、その時祥太と目が合い狼狽した。一方、祥太も孝志が時折彼に見せるポーズの意味がわかり愕然とした。試合は形勢を逆転したドラゴンが勝利を収めたが、祥太の目からは大きな涙がこぼれ落ちた。

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花宵道中

  • posted at:2022-08-21
  • written by:砂月(すなつき)
はなよいどうちゅう
東映ビデオ
配給:東京テアトル
製作年:2014年
公開日:2014年11月8日
監督:豊島圭介
製作:間宮登良松
企画:加藤和夫
プロデューサー:佐藤現 矢後義和
ライン・プロデューサー:望月政雄
原作:宮本あや子
脚本:鴨義信
音楽:かみむら周平
音楽プロデューサー:津島玄一
撮影:藤石修
照明:沢田敏夫
美術:松崎宙人
録音:西田正広
VE:今西貴充
編集:米田武朗
整音:和田秀明
音響効果:竹本洋二
助監督:林稔充
記録:山下佳菜
製作担当:芦田淳也
エンディングテーマ:「ラピスラズリ」黒色すみれ
企画協力:新潮社
製作プロダクション:東映京都撮影所
出演:安達祐実 淵上泰史 小篠恵奈 三津谷葉子 多岐川華子
アメリカンビスタ カラー 102分

天保八年秋、女郎が男と足抜けするために火をつけ吉原遊郭は全焼した。そのおかげで山田屋は仮宅で営業することになった。山田屋の人気女郎である朝霧は幼い顔立ちに小柄な体、そして火照ると肌に花が咲いたように見えることから評判になった。八幡様の縁日が始まると彼女を慕う八津から行こうよと誘われた。寒いから行かないと言ったが、仮宅の今しか出られないこともありつき合うことにした。境内には出店が立ち並び、賑わう様子に八津は子供のようにはしゃいだ。すると朝霧は先を急ぐ祭りの若い衆に突き飛ばされたのだった。人の波によって八津とはぐれ、置いてけぼりとなった彼女を助け起こしたのは半次郎という青年だった。なくした下駄を拾ってきた半次郎はその鼻緒を染めたのは自分だと言った。かつて京で友禅の染物をしていたときに特殊な色合わせをしたことで一目でわかったのだ。転んだ際に出来た擦り傷の手当てまでする半次郎の優しさに心惹かれた朝霧は、客の相手をしている間も彼のことを考えた。

八津の指摘で簪を落としていたことに気づいた朝霧は翌朝早く起き神社へ向かった。その簪は高価な物ではなかったが、山田屋お抱えの古株髪結である弥吉から貰ったものであったため粗末に出来なかったのだ。しばらく探すと少し離れた林の脇に落ちていたが二つに分かれた軸の一本が折れていた。そこに声を掛けてきたのは半次郎で、いつも職人の癖が抜けずに早起きしてしまい散歩をして時間を潰すのだ。朝霧が持つ簪を見た半次郎は驚いた。その簪は花の部分に切れ咲きの朝顔が細工されている花簪であることから京の物に違いなかった。誰かいい人に貰ったのではないかと勘繰った半次郎は焼き餅を焼いた。だがそれが違うとわかると元通りには行かないが直してやると言った。そして三日後の同じ時刻に会う約束をして別れた。

朝霧はあと一年で年季が明ける。長屋女郎の母を持つ彼女は虐待を受けて育ったが、その原因は母がいつも男たちに裏切られたからだ。そんなこともあって八津には例え起請文を貰ったとしても男の言葉を信じてはいけないと言い続けてきたのだ。大島屋卯之助からの身請けを今か今かと待つ八津だったが、下級女郎に浮気され取り乱した。そんな彼女が落ち着くのを待つと朝霧は静かに話を聞いた。

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