忍者ブログ

男はつらいよ 純情篇

  • posted at:2020-10-11
  • written by:砂月(すなつき)
おとこはつらいよじゅんじょうへん
松竹(大船撮影所)
配給:松竹
製作年:1971年
公開日:1971年1月15日 併映「やるぞみておれ為五郎」
監督:山田洋次
製作:小角恒雄
企画:高島幸夫 小林俊一
原作:山田洋次
脚本:山田洋次 宮崎晃
美術:佐藤公信
撮影:高羽哲夫
照明:内田喜夫
編集:石井巌
録音:中村寛
調音:小尾幸魚
音楽:山本直純
監督助手:大嶺俊順
装置:若林六郎
装飾:町田武
進行:柴田忠
衣裳:東京衣裳
製作主任:池田義徳
現像:東洋現像所
主題歌:「男はつらいよ」渥美清
協力:柴又 神明会 五島観光連盟 福江市 玉之浦町
出演:渥美清 若尾文子 倍賞千恵子 前田吟 三崎千恵子
シネマスコープ カラー 89分

旅先の食堂で食事をしていた車寅次郎はテレビの画面に釘づけになった。公共放送では生まれ故郷である葛飾柴又の特集をしており、そこには帝釈天の御前様や若者の団子離れを嘆く叔父の竜造、妹のさくらとその子供の満男の姿が映ったからだ。その光景を懐かしく思う寅次郎は早速とらやに電話を掛けるが、10円玉の持ち合わせがなかったために言いたいことを伝える前に切れてしまった。途中下車した山口での出来事だった。

長崎の港に着いた寅次郎だったが、最終便が既に出航し明日まで五島行きの船が出ないと聞いてその先のことを決めかねていた。目の前には彼と同じように船に乗りそびれた赤ん坊連れの女性がいたため、その子が風邪をひくから早い所暖かい部屋に入った方がいいと声を掛けた。すると絹代は泊まる部屋代を貸してくださいと申し訳なさそうに言った。旅館に着くと彼女は夫の愚痴をこぼし、部屋代を体で返そうとした。そんな絹代の姿にさくらを重ねた寅次郎は心から同情し、仮に行きずりの男が妹に手を出すようなことがあれば俺はそいつを殺すと言った。翌日、福江市の港に着くと寅次郎はテキヤの仲間と一緒に仕事場へ向かおうとしたが、絹代がその場から動こうとしないため気になって声を掛けた。駆け落ち同然で家を出てきたため子供を連れて帰りづらいのだという。このまま放っておけない寅次郎は彼女の実家がある福江島まで送り届けることにしたが、絹江の父・千造は夫のもとへ帰れと言った。彼の話に感銘を受け失敗しても帰るところがあると思ううちは一人前になれないと悟った寅次郎だったが、自分を取り巻く人たちの顔が次々と思い浮かび故郷へ帰ることに決めた。

気分よくとらやを訪れた寅次郎だったが、叔父の竜造や叔母のつね、そして油を売りにきていた朝日印刷所の桂梅太郎社長までもが彼を見るなり浮かない顔をした。きっと何かを隠しているに違いないと感づいた寅次郎だったが、それが自分のいない間に部屋を他人に貸していたことだとわかるといじけて出て行こうとした。ところがその下宿人が目の覚めるような美人の明石夕子だと知り旅へ出るのを止めた。

屋台的映画館
PR

ジョゼと虎と魚たち(2003年)

  • posted at:2020-10-08
  • written by:砂月(すなつき)
じょぜととらとさかなたち
ジョゼと虎と魚たち・フィルムパートナーズ(アスミック・エース エンタテインメント=IMJ エンタテインメント=関西テレビ放送=エス・エス・エム=博報堂)
配給:アスミック・エース
製作年:2003年
公開日:2003年12月13日
監督:犬童一心
エグゼクティブ・プロデューサー:椎名保 三木裕明
共同エグゼクティブ・プロデューサー:山崎一彦 泉正隆 安永義郎
共同プロデューサー:井上文雄
プロデューサー:久保田修 小川真司
原作:田辺聖子
脚本:渡辺あや
撮影:蔦井孝洋
照明:疋田ヨシタケ
録音:志満順一
美術:斎藤岩男
整音:浦田和治
編集:上野聡一
イメージフォト:左内正史
イメージイラスト:D[di:]
スタイリスト:伊賀大介
音楽:くるり
主題歌:「ハイウェイ」くるり
助監督:五十嵐昭徳
製作担当:鎌田賢一
装飾:西渕浩祐
音響効果:岡瀬晶彦
キャスティング:杉野剛
スクリプター:甲斐哲子
出演:妻夫木聡 池脇千鶴 上野樹里 新井浩文 江口徳子
アメリカンビスタ カラー 116分

深夜のマージャン店でアルバイトをする大学生の恒夫。彼はある夜、客たちから奇妙な噂を聞いた。10年くらい前から明け方になると謎の老婆がボロボロの乳母車を押しながらトボトボと歩いているらしい。乗っているのは孫のミイラか、札束か、それともヤクか。だがその姿を見た者は皆無だというのだ。明け方になり店で飼っている犬の散歩に出掛けた恒夫は、坂を下ってくる乳母車に遭遇した。ガードレールにぶつかって止まると、その後をヨタヨタと追いかけてきた老婆は恒夫に中を見て欲しいと言った。呆気に取られた恒夫が恐る恐る毛布をめくると、そこには少女がいた。すると彼女は突然包丁を振り回して斬り掛かってきたのだ。危うく難を逃れた恒夫はお詫びとして家に招待され朝食をごちそうになった。乳母車の少女は生まれつき病気で歩けず、物心ついたときから外に出たいといい出したことから、世間体を気にした祖母は人目につかないような夜明け間もない時間を選んで散歩させていたのだ。食卓に並んだのはご飯に味噌汁という一般的なもので、特に少女が焼いた厚焼き玉子はとてもおいしかった。

数日後、マージャン店で若い男が大声で話していたが、恒夫は会話の内容が気になった。その男は乳母車の中身が知りたくて老婆を待ち伏せをしたのだが、彼女が寸前に手を離したために中を確認することが出来なかったのだという。マージャンで借金が嵩む彼は金目の物が入っていると信じて込んでおり、次に本気で襲ってきた場合に少女が危険にさらされるのではないかと考えた。そこで恒夫は仕事を終えるとスクーターを飛ばして少女の家に向かうが返事はない。心配になった彼が台所の方へ回ると窓越しに朝食の支度をする彼女の姿が見えた。その頬には絆創膏が貼ってあり、話を聞くとどうも男に襲われたらしい。だがそれは若い男ではなく太ったチビのおっさんで、少女が振り回した包丁が何処かに当たり血を流しながら慌てて逃げて行ったというのだ。恒夫は散歩を止めさせようと助言するが、花や猫などを見なければならないから嫌だと少女は反対した。それ以降、何かと理由をつけては少女の家に通い食事を一緒にした。ある日、ふと名前が気になり尋ねると、少女はジョゼと名乗った。祖母はくみ子と呼んでいることを知っていたが恒夫は彼女をその名前で呼ぶことにした。ジョゼの部屋には祖母が近所のゴミ捨て場から拾ってきた本が堆く積まれており、そこから様々な知識を得ていた。中でもフランソワーズ・サガンの「一年ののち」がお気に入りで、恒夫がその本を手に取ると普段は素っ気ない彼女が続編を読みたいと熱望した。だがそれは既に絶版となっていた。

屋台的映画館

直撃!地獄拳

  • posted at:2020-10-05
  • written by:砂月(すなつき)
ちょくげきじごくけん
東映(東京撮影所)
配給:東映
製作年:1974年
公開日:1974年8月10日 併映「三代目襲名」
監督:石井輝男
企画:矢部恒 坂上順
脚本:石井輝男
撮影:山沢義一
録音:小松忠之
照明:川崎保之丞
美術:藤田博
音楽:鏑木創
編集:祖田冨美夫
助監督:橋本新一
擬斗:日尾孝司
スチール:加藤光男
進行主任:東一盛
記録:山内康代
忍法指導:初見良昭
装置:井保国夫
装飾:米沢一弘
美粧:入江荘二
美容:石川靖江
衣裳:長谷稔
演技事務:山田光男
現像:東映化学
協力:ホテル マウント冨士
出演:千葉真一 佐藤允 西城正三 中島ゆたか 津川雅彦
アメリカンビスタ カラー 87分

元警視総監の嵐山はある計画を実行に移そうとしていたが、それに必要な三人の男をピックアップした。一人目は甲賀龍一。祖先は甲賀忍法の宗家で、幼少期に両親を失い師範で祖父の白雲斎に育てられた。心眼を会得した彼は現在、私立探偵として活動している。二人目は桜一郎。日本伝合気道場師範だが好色で粗暴な性格が災いし、道場を追われ放浪の末に殺人を犯した。今は宮森刑務所で死刑の執行を待つばかりとなっていた。三人目は元警視庁麻薬課第一課長の隼猛。麻薬密輸捜査のベテランだった隼も今はヤクザの世界に身を投じ一匹狼の殺し屋となっていた。嵐山は姪で秘書の恵美に甲賀のスカウトを命じた。彼女は超人的な身体能力を持つが経営の才能がない借金まみれの甲賀に近づき、200万円の条件をチラつかせて桜を脱走させる契約を結ばせた。

嵐山の私邸に現れたのは脱走に成功した桜と手助けをした甲賀、そしてかつての部下の隼だった。マフィアによる麻薬密輸の捜査をしていた隼は運び屋と見られる某国大使令嬢に目をつけた。外交官特権により荷物を税関の調べなしに通過させることが出来るからだ。だが見込みが違えば国際問題に発展する恐れがあるためうかつに手を出せなかった。そこで証拠となる麻薬を押収するために隼は無断で編制した6人のチームを送り込み廃工場へ追い込んで取り調べを行ったが、ボディーガードによって全員殺された。責任を問われた嵐山が警察を自主的に辞め独自に調査を行ったところ隼の読みが正解だったことがわかった。一方、警察をクビになった隼は殺し屋として手に入れた金を殉職した警官の遺族に毎月無記名で贈っていたのだった。事件を決着する気はあるかと嵐山が尋ねると、隼はやらせてくださいと即決した。この計画に甲賀は乗り気ではなかったが、死刑囚の脱獄共助で逮捕されると懲役5年は難いと脅され渋々了承した。桜は恵美を抱くチャンスがあるかもしれないと考え参加することに決めた。

バーに客として紛れ込んだ甲賀たちは張り込みを行った。しばらくするとあの令嬢を連れて現れたのはマリオ・水原だった。彼はニューヨークマフィアの日本総支配人であり、華僑の大物・陳文昌が同席したことから取り引きが行われることは間違いなかった。様子を窺う甲賀が受け渡しを確認しサインを送ると、隼は店の裏に回って配電盤をショートさせた。甲賀は暗闇の中で麻薬を奪い逃走したが、すぐに追手に取り囲まれた。

屋台的映画館

必殺始末人

  • posted at:2020-10-02
  • written by:砂月(すなつき)
ひっさつしまつにん
衛星劇場
配給:松竹
製作年:1997年
公開日:1997年3月1日
監督:石原興
製作:櫻井洋三 鍋島壽夫
プロデューサー:佐々木勇
プロデューサー補:片岡公生
脚本:鈴木生朗
音楽:平尾昌晃
撮影:藤原三郎
照明:中島利男
美術:原田哲男
録音:広瀬浩一
編集:園井弘一
調音:鈴木信一
助監督:酒井信行
記録:野崎やえこ
装飾:中込秀志
制作主任:高坂光幸
殺陣:諸鍜治裕太 加藤正記
撮影助手:江原祥二 山本浩太郎
スチール:渡辺伸二
効果:上床隆幸 藤原誠
主題歌:「恋路」石川さゆり
製作協力:松竹京都映画
出演:田原俊彦 南野陽子 俊藤光利 朝加真由美 樹木希林
アメリカンビスタ カラー 88分

源兵衛長屋で鳥籠作りをしながら暮らす武州浪人の山村只次郎は事件に巻き込まれ下手人となった。南町奉行所与力白鳥右京は只次郎の申し立てを全て却下し斬首刑に処した。死体置き場で目覚めた只次郎は生きていた。剣客時代の腕を右京に買われた只次郎は、命と引き換えに奉行所でも裁けない悪人を一仕事三十両で成敗する闇の始末人としての道を進むしかなかった。繋ぎの役目を担うのはお駒という門付けだった。

諸紙問屋井筒屋の放蕩息子千太郎が博打で捕まり牢に入れられた。父親の利兵衛は牢屋敷に顔が効く差入業地蔵屋のおとらに取り入り金で解決してもらおうと依頼した。五十両を手に入れたおとらは百叩きを五十叩きに減らしてもらおうしたが、実際には四、五日もすれば出されるという軽微な罪だった。金をもらった以上何とかしなければならないと考えたおとらは懲りるだろうと本人のためを思って五十叩きを申し出ることにした。だが彼女が牢屋敷にきた本当の理由は違った。男を刺殺したお駒という女が牢屋に入っていたはずだが、町で偶然見掛けたため確かめにきたのだ。だが同じ頃に入れられたおくまからひどい取り調べを受けた後に仕置きで斬首されたと聞き、他人のそら似だと思った。

千太郎が解き放たれた日の夜、商売敵の亀甲屋で火付け騒ぎが起きた。お駒の投げ文によって調査に乗り出した北町奉行所与力黒沢河内守が利兵衛を厳しく追及したが、大枚の金が渡ったことで亀甲屋の失火と結論づけた。そして井筒屋はお咎めなしとなった。亀甲屋と結託して井筒屋を乗っ取ろうと考えていた右京にとってそれは想定外の出来事だった。北町がけりをつけたことで手を出せなくなった右京は次なる手段として只次郎に黒沢河内守の暗殺を命じた。

おとらが酒代を払いに居酒屋へ行くとそこには見たことがある男がいた。最初は誰だか思い出せなかったが、それが仕置場で斬首された男だとわかると拘らないように帰った。ところが家に入ると人の気配を感じたため、私を始末しにきたのなら江戸中の囚人が黙っていないよと脅した。おとらは只次郎のことを全て調べ上げており、今しがた人を斬ったばかりの血のにおいがするよと鼻を近づけて言った。

屋台的映画館

新選組始末記

  • posted at:2020-09-29
  • written by:砂月(すなつき)
しんせんぐみしまつき
大映(京都撮影所)
配給:大映
製作年:1963年
公開日:1963年1月3日 併映「第三の悪名」
監督:三隅研次
企画:辻久一
原作:子母沢寛
脚本:星川清司
撮影:本多省三
録音:奥村雅弘
照明:伊藤貞一
美術:太田誠一
音楽:斎藤一郎
衣裳考証:上野芳生
装置:林米松
編集:菅沼完二
音響効果:倉島暢
擬斗:宮内昌平
助監督:友枝稔議
製作主任:小沢宏
現像:東洋現像所
出演:市川雷蔵 藤村志保 城健三郎 天知茂 小林勝彦
シネマスコープ カラー 93分

文久三年春、親子二代の浪士山崎烝は新選組の近藤勇と出会い剣の道を選ぶことに決めた。そのきっかけとなったのは勤王派と斬り合いになった隊士森平八が瀕死の状態で助けを求めてきたことだった。苦しむ姿を見ておれず介錯をした山崎が遺品を持って壬生の屯所に向かうと局長芹沢鴨がいる遊郭を紹介された。芹沢は横柄な態度で森のことを鼻で笑い、その振る舞いに山崎は失望して帰ろうとした.。だがそれを引き留めたのは近藤だった。武士は心意気だという近藤の考え方に心を動かされた山崎は、職に窮した自分には剣の道しかないと思い新選組に入ることに決めたのだ。だがそれを猛烈に反対したのは恋人の志満だった。新選組は官賊に追従したという理由で町人の死体を磔にして晒し者にする集団だからだ。

ある夜、一膳飯屋で食事をした山崎が店を出ると一人の男がいい話があるから一口乗らないかと声を掛けてきた。三条河原の晒し者は新選組と称した自分がやったというのだ。土佐藩の男に頼まれ、一緒に仕事をすれば毎日酒が飲める生活が出来るのだという。そこに別の男が静かに近づき男を一瞬で斬った。岡本久蔵は山崎にそいつのようになりたくなければ黙っていろと言うと去って行った。

山崎が新選組に入隊してしばらく経った頃、芹沢の腹心新見錦から楠小十郎とともに遣いに行くよう命じられた。用件は大和屋へ借用金を受け取りに行くことだった。その帰りに二人は斬首が乗った杭を地面に打ち込みそれを新選組のせいにしようとする一団と出会い、山崎は隊員としての自覚と烙印を焼きつけるために斬った。屯所に戻ると山崎は金を芹沢のところへ持って行ったが、芹沢は借用金を取り立てにきた呉服商の妻を犯した後だった。失望した山崎は部屋を後にし、中に獣がいると言って近藤に金を渡した。その理由を知った近藤が意見をすると芹沢は怒り狂って金を投げつけたのだった。後日、近藤の同士である土方歳三は道場の皆の前に新見に対し隊規違反の罪で切腹を命じ芹沢に採決を迫った。芹沢は苦し紛れに切腹を命じ隊長としての威厳を保ったかに見えたが、それから数日後に土方、沖田総司、山南敬助、原田左之助によって惨殺された。

屋台的映画館

プロフィール

HN:
砂月(すなつき)
性別:
非公開
自己紹介:
ブログ主はインドア派大分トリニータサポーター

 

P R

 

フリーエリア