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男はつらいよ 翔んでる寅次郎

  • posted at:2021-05-17
  • written by:砂月(すなつき)
おとこはつらいよとんでるとらじろう
松竹(大船撮影所)
配給:松竹
製作年:1979年
公開日:1979年8月4日 併映「港町紳士録」
監督:山田洋次
製作:島津清
企画:高島幸夫 小林俊一
原作:山田洋次
脚本:山田洋次 朝間義隆
撮影:高羽哲夫
美術:出川三男
音楽:山本直純
録音:中村寛
調音:松本隆司
照明:青木好文
編集:石井巌
スチール:長谷川宗平
監督助手:五十嵐敬司
装置:小島勝男
装飾:町田武
進行:玉生久宗
衣裳:松竹衣裳
現像:東京現像所
製作主任:峰順一
主題歌:「男はつらいよ」渥美清
撮影機材:パナビジョン
協力:柴又 神明会 いすず自動車 ホテルニューオータニ
出演:渥美清 倍賞千恵子 桃井かおり 下條正巳 三崎千恵子
アメリカンビスタ カラー 107分

初夏の葛飾柴又は祝福の声で賑わっていた。桂梅太郎が営む印刷工場の工員の中村が結婚式を挙げたのだ。新婚旅行に送り出した博とさくらがとらやに戻り、式の様子を竜造とつねに話していると疲れた顔をした梅太郎がやってきた。博たちが結婚して10年になるという話からお互い歳を取るわけだと梅太郎が言うと、変わらないのはとらやとお前の工場だけだと竜造は笑った。するとつねは、変わらない男がもう一人いるけどねと言った。どうしているだろうなと博がつぶやくと、その男が突然店の前に現れたのだった。車寅次郎は店に入るなり息を飲んだ。さくらたちが黒い服を着ているからだ。誰か死んだのではないかと心配したのもつかの間、結婚式の礼服だとわかり安心した。だが結婚したのが工員だと知ると薄給なのにと嘲笑した。それを聞いた梅太郎は涙を流し、竜造は自分が結婚出来ないからと言って他人にケチをつけることはないと叱った。夕食の時間になり皆が集まると、二階から下りてきた寅次郎は昼間のことは悪かったと頭を下げた。機嫌を直した竜造が彼を許すと、博は息子の満男が学校で三重丸をもらったという作文を寅次郎に渡した。両親について書かれたそれを寅次郎は興味本位に声を出して読み始めたが、途中で顔を曇らせた。そこには、近所の人がおじさんの悪口を言うとお母さんが悲しい顔をするので早くお嫁さんをもらってお母さんを安心させて欲しいと書かれてあったのだ。お前はとらやの恥だと竜造が言ったことがきっかけで大喧嘩となったが、誰よりも傷ついたのは思ったことを素直に書いた満男だった。寅次郎は申し訳なく思い店を出て行った。

北海道で啖呵売をしていた寅次郎は、仕事を終えると一人佇み景色を見ていた。すると入江ひとみいう若い女性がもしよかったら車に乗って行きませんかと声を掛けてきた。旅の行きずりの男を簡単に誘ってはいけないと寅次郎がたしなめると、おじさんって変わっているのねと笑いながら去って行った。それから数日後、寅次郎が支笏湖を旅していると、ひとみが助けを求めてきた。彼女がガス欠で困っていることにつけ込んで男が体を求めてきたからだ。寅次郎は男を追い払うと一緒に旅をすることに決めた。ひとみが宿を予約していないことを知り自分が泊まる旅館に連れて行くが、そこにいたのはあの男だった。彼はこの旅館の若旦那で、警察に通報されることを恐れて丁重に持て成した。

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怪談蛇女

  • posted at:2021-05-13
  • written by:砂月(すなつき)
かいだんへびおんな
東映(東京撮影所)
配給:東映
製作年:1968年
公開日:1968年7月12日 併映「怪猫呪いの沼」
監督:中川信夫
企画:扇沢要 大久保忠幸
脚本:神波史男 中川信夫
撮影:山沢義一
録音:大谷政信
照明:銀屋謙蔵
美術:北川弘
音楽:菊池俊輔
編集:長沢嘉樹
助監督:三堀篤
進行主任:阿部征司
記録:中尾寿美子
装置:石井正男
装飾:武井正二
現像:東映化学工業株式会社
出演:桑原幸子 賀川雪絵 河津清三郎 西村晃 村井国夫
アメリカンビスタ カラー 85分

明治もまだ浅い頃、北陸の片田舎にある大沼部落にはまだ文明開化の波が及んでいなかった。漁業を営むにも漁船が出入りする港がなく、村民たちはただわずかばかりの痩せた土地にしがみついて生きるしかなかった。貧しい小作人たちの上に伸し掛かるように地主大沼家はそびえていた。冷酷な大沼長兵衛は莫大な借金のある玉井弥助から貸してある畑を取り上げようとしたが、それでは死活問題に拘ると通り道で待ち伏せして直訴することにした。馬車が見えると弥助は追いすがり必死に訴えたが、長兵衛は聞き入れず馬車が速度を落とすことはなかった。やがてカーブに差し掛かると弥助は撥ね飛ばされ頭を打ったが、彼の死は長兵衛にとって都合が良かった。借金の形に弥助の妻のすえを母屋で働かせ、娘のあさには機織りの仕事を覚えさせることにした。女工・ふくの指導のもと、あさは朝5時から夜の9時まで休まずに働いた。一方、一切の雑用を押しつけられたすえは隙があれば言い寄ってくる長兵衛に手を焼いていた。ある夜、台所で片づけをしていた彼女は弱った体に精をつけるために人目を盗んで三つの卵を懐に入れた。そのうちの二つをあさに渡し労いの言葉を掛けたが、それが長兵衛の妻・政江にバレてしまった。彼女は翌日から外の仕事に回され重労働を強いられた。

長兵衛の長男・武雄が婚礼を行うことになり、その日は縁談をまとめた村長の房太郎への宴席が設けられることになっていた。台所では食事の準備が進んでいたが、天井の梁に一匹の蛇が現れ使用人の才次はそれを木切れで殴り殺そうとした。それを外から見ていたすえは可哀想に思い止めさせようとしたが、騒動を聞きつけてやってきた長兵衛に蹴り飛ばされ薪の束に頭を打ちつけたのだった。彼女は納屋に運ばれたが医者に診てもらえず放置された。そしてその夜、あさに看取られて死んだ。翌朝、すえは海が見える丘に葬られ、肩を落とすあさに慰めの言葉を掛けたのは将来を誓った捨松だった。

すえという邪魔者がいなくなり大喜びしたのは武雄だった。あさに用事を言いつけた武雄は人気がない場所へ先回りすると草むらへ彼女を引きずり込み強姦した。ふらつきながら帰る途中で行き倒れたあさは大沼家の者たちに見つけられたが、彼女もまた母親のように誰もいない納屋へ運ばれた。絶望し鎌で自害しようと考えたが捨松の言葉が頭に浮かび思い止まった。

屋台的映画館

シベリア超特急3

  • posted at:2021-05-10
  • written by:砂月(すなつき)
しべりあちょうとっきゅうすりー
水野晴郎事務所=IMAGICA
配給:M&T PICTURES
製作年:2003年
公開日:2003年1月2日
監督:MIKE MIZNO
製作:水野晴郎 福井政文
プロデューサー:伊藤直克
アソシエイトプロデューサー:細谷隆広
原作:水野晴郎
脚本:上代努 北里宇一郎 水野晴郎
監督補:吉原勲
撮影:鈴木耕一
照明:才木勝
美術監督:木村威夫
美術:安宅紀史
録音:湯脇房雄
効果:佐々木英世
編集:大高勲
音楽監修:新田孝
音楽:遠藤浩二
スクリプター:杉山昌子
助監督:荒川栄二
制作担当:小松功
出演:水野晴郎 三田佳子 大浦みずき 真柄佳奈子 大塚ちひろ
アメリカンビスタ カラー 114分

2002年、日本マスコミ界の帝王と呼ばれる宮城伝蔵の誕生記念パーティーが行われることになり、出席者はそれまでの時間を豪華客船での瀬戸内クルーズで潰した。招待客の中で一際目立っていたのは、世界的なモリユミブランドで知られるファッションデザイナーの森裕美だった。日が暮れ船が港に到着すると、パーティーの出席者に下船を指示するアナウンスが流れた。そして時間になると客船は出席しない者たちを乗せて再び港を離れた。パーサーの城之内正人は乗客の顔を粗方覚えていたが、廊下ですれ違った女に見覚えがなかった。その女は3号室のドアをノックすると招き入れられたが、その直後に男の大きな悲鳴が聞こえた。正人は急いで引き返すがドアには鍵が掛かっており、キャプテンを呼びに行くものの何処にも見当たらなかった。鍵束を探し出して急いで戻ると部屋の前には人だかりが出来ており、数ある中からようやく3号室の鍵を見つけ出してドアを開けると男がベッドで倒れていた。そしてその背中にはナイフが刺さっていた。時計は午前3時14分を指していた。

ラウンジにいる者たちは皆、憔悴していた。そこにいるのは正人の他にパーティーが開かれることを望んでいなかった伝蔵、彼の孫娘の和世、そして伝蔵の古くからの知り合いの沢島軍平だった。そこに駆け込んできた安藤香は慌てた様子で周りに何もないんですと言った。夜が明け周囲が確認出来るようになったが、船は瀬戸内海ではない別の場所を漂流していたのだ。遅れてやってきた裕美は乗組員を捜したが誰もいなかったと言った。無線機は何者かによって壊されており、しばし浮世を忘れましょうと彼女が提案して預かった携帯電話は全て持ちされていたのだった。まるで事件が外部へ漏れるのを恐れるように。正人は殺人が起こった直後に海側の窓に鍵が掛かっていることを確認していたため女が外へ逃げ出すことは考えられなかった。ふと沢島は何か思い出さないかと伝蔵に言った。凶器はナイフ、犯行時間は午前3時14分、煙のように消えた婦人、ルームナンバー3。それは60年前にシベリア超特急で起きた殺人事件とまるで同じシチュエーションだった。事件解決の手掛かりになるのではないかと考えた沢島は、当時のことを思い出したくない伝蔵の代わりにその時の出来事を話すことにした。

屋台的映画館

戦後猟奇犯罪史

  • posted at:2021-05-07
  • written by:砂月(すなつき)
せんごりょうきはんざいし
東映(京都撮影所)
配給:東映
製作年:1976年
公開日:1976年6月19日 併映「脱走遊戯」
監督:牧口雄二
企画:杉本直幸
脚本:金子武郎 中島信昭
構成:林圭一
撮影:勝木勝夫
照明:海地栄
録音:坂本浩一
美術:園田一佳
編集:玉木濬夫
音楽:渡辺岳夫
助監督:厨子稔雄
記録:黒川京子
装置:三浦公久
装飾:柴田澄臣
背景:平松敬一郎
結髪:明田多美枝
美粧:枦川芳昭
スチール:中山健司
衣裳:高安彦司
演技事務:西秋節生
擬斗:三好郁夫
進行主任:長岡功
出演:泉ピン子 室田日出男 川谷拓三 橘麻紀 五十嵐義弘
アメリカンビスタ カラー 78分

人気タレントの泉ピン子は東映映画村で「泉ピン子ショウ」と題したまるでテレビのワイドショーのようなイベントを行っていた。司会を務める彼女が数ある事件の中からピックアップした人物は、西本明、風見のぼる、久保清一の三人だった。

『日本縦断、詐欺、殺人事件』
昭和38年10月。福岡県福橋市で理容院を一人で切り盛りする中村スミは客としてやってくる西本に惚れ込んでいた。ある日、子供たちが福岡市で受ける理容師免許の試験に必要な2万円を都合して欲しいとスミが頼むと、西本はどうにかするから任せておけと言った。同月18日、西本は仕事仲間の二人を殺害して金をせしめた。彼は前科四犯のトラック野郎で詐欺や横領の専門だったが、一人殺せば二人も同じだと考え罪を重ねて行った。運送屋から奪った27万円のうち2万円を約束通りスミに渡すと、西本は福岡、唐津、長崎、佐賀と九州各地を遊び歩いた。同月24日に宇高連絡船から飛び降りて自殺を図るのだが、それは警察の目を欺くための嘘だった。11月6日、広島に大学教授として現れた彼はカトリック教会で8万円の詐欺を働き、全国指名手配中にも拘らず今度は浜松に足を運んだ。

『K歌手、空港死体遺棄事件』
かつて流行歌手として活躍し紅白歌合戦にも出場したことがある風見のぼるだったが、その後は人気が低迷し活躍の場を失いつつあった。危機感を抱いた彼は音楽関係者との結びつきを深めるために接待を重ね、その結果多額の借金が重く伸し掛かった。銀座のクラブで働くホステスの池島陽子との関係を築いた風見は、自分が結婚していることを隠して交際を続け金を貢がせて借金を全額返済した。そんな生活に味を占めた風見はギャンブルで借金を作っては陽子に穴埋めをさせた。やがてホステスの給料だけでは賄いきれなくなった陽子は特殊浴場で働くようになるが、結婚を夢見る彼女は再起を信じて支え続けた。ある日、北海道でのキャンペーンが決まると陽子は同行するのを楽しみにしていたが、カムバックをする風見にとって彼女の存在は足手まといでしかなかった。いかがわしい仕事で食わせてもらっているのは何処の馬の骨だと言われ逆上した風見は陽子を花瓶で殴り殺した。

『連続強姦殺人事件』
昭和46年3月、高崎駅前に親からもらった金で買ったクーペ車で乗りつけた久保清一は女子高生などに片っ端から声を掛けてナンパをするが誰も相手にしなかった。肩を落として車に乗ると、自分好みの女性がバスを待っている様子が目に留まった。ベレー帽につけ髭といういで立ちで近づいた久保は、行く方向が同じだと嘘をついて彼女を車に乗せた。彼は度々強姦事件を起こし何度も服役していたが、刑務所は彼にとってナンパのバリエーションを考える時間でもあった。懲りない久保は画家や哲学者などの設定を作り、几帳面に成果を全てノートに書き記した。この日も仮出所から間もなかった。同月31日、5分の1の確率で成功した女性を助手席に乗せることに成功した久保だったが、渡辺という名も高校教師という肩書も嘘であることがばれてしまった。久保は彼女を強姦しその際に首を絞めつけたが、勢い余って殺してしまった。だがそのことが性的興奮を呼び起こし新たな犯罪に手を染めた。

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男はつらいよ 噂の寅次郎

  • posted at:2021-05-04
  • written by:砂月(すなつき)
おとこはつらいようわさのとらじろう
松竹(大船撮影所)
配給:松竹
製作年:1978年
公開日:1978年12月27日 併映「俺は上野のプレスリー」
監督:山田洋次
製作:島津清
企画:高島幸夫 小林俊一
原作:山田洋次
脚本:山田洋次 朝間義隆
撮影:高羽哲夫
美術:出川三男
音楽:山本直純
録音:中村寛
調音:松本隆司
照明:青木好文
編集:石井巌
スチール:長谷川宗平
監督助手:五十嵐敬司
装置:小島勝男
装飾:町田武
進行:玉生久宗
衣裳:松竹衣裳
現像:東京現像所
製作主任:峰順一
主題歌:「男はつらいよ」渥美清
撮影機材:パナビジョン
協力:柴又 神明会
出演:渥美清 倍賞千恵子 下條正巳 三崎千恵子 前田吟
アメリカンビスタ カラー 105分

春の彼岸となり、車一家は柴又題経寺にある墓参りに出掛けた。天気が良くて何よりと御前様が声を掛けると、空を見上げたさくらは飛ぶ渡り鳥を見て「これから行くのかしら。それとも帰ってきたのかしら」とつぶやいた。それを聞いたつねがうちの渡り鳥はどうしてるのかしらというと、竜造は変なのを思い出しちゃったなと苦笑いした。そんなことを言いながら墓地に向かうと見慣れた姿がそこにあった。寅次郎が帰ってきていたのだった。上野で商売をしていたところ今日が彼岸だということに気づき、親の墓に線香一本でもあげようかなという気持ちになったのだという。その行いが褒められたのもつかの間、彼が参っていたのは隣の墓だった。笑い声が響く中、皆で改めて参拝した。

その日の夕方、さくらが竜造の腰をさするのを見た寅次郎は俺がもう少ししっかりしていればと独り言ちた。それに対し竜造は人にはそれぞれ任があるのだからその気持ちだけで十分だと言った。寅次郎は彼が帰ってくると真っ先にやってくる印刷工場社長の桂梅太郎の姿がないことに気づき博に理由を尋ねると、昼過ぎに出掛けたきりまだ帰ってきていないのだという。ひと頃に比べると仕事の量が減っているため赤字承知で仕事を引き受けているという話を聞き心配になった寅次郎は皆に心当たりを捜すように命じた。彼は中小企業の社長の自殺者が増えているのを気に掛けていたのだ。葬儀のプランを披露し俺が帰ってくるのがもう一日早ければと悔やんでいると、その梅太郎が上機嫌でやってきた。たまには憂さ晴らしをしようと仲間たちと池袋に繰り出していたのだ。そうとは知らない寅次郎は大喧嘩をし、翌朝早くに置き手紙をして出て行った。

静岡を旅する寅次郎はすれ違った雲水に女難の相が出ていると言われたが、特に気にすることもなく縁日で啖呵売を行った。ひと仕事終えダムの休憩室で昼食の弁当を食べ終わると今晩泊まる宿へ向かおうとしたのだが、訳ありげな女性が欄干に佇んで泣いている姿が目に留まった。一瞬頭の中に女難の相という言葉が思い浮かんだが、見て見ぬ振りが出来ない寅次郎は声を掛けることにした。つらいことがあったのなら通りすがりの俺が話を聞くぜとキザに決め、何もかも話しちまえば気持ちが楽になるよと町の食堂へ連れて行った。すると彼女の愚痴は止まることを知らず、その迫力に寅次郎は気を失いそうになった。

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