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八つ墓村(1977年)

  • posted at:2016-09-17
  • written by:砂月(すなつき)
やつはかむら
松竹
配給:松竹=富士映画
製作年:1977年
公開日:1977年10月29日
監督:野村芳太郎
製作:野村芳太郎 杉崎重美 織田明
原作:横溝正史
脚本:橋本忍
撮影:川又昻
美術:森田郷平
音楽:芥川也寸志
録音:山本忠彦
調音:吉田庄太郎
照明:小林松太郎
編集:太田和夫
スチール:小尾健彦
効果:東洋音響
監督助手:大嶺俊順
製作主任:吉岡博史
装置:川添善治
美粧:三岡洋一 小林成吉
装飾:磯崎昇
進行:福山正幸
イマジニスト:山口はるみ
特殊メーク:マキシーン・坂田
殺陣:菊地剣友会
スタントマン:JAC
方言指導:日笠潤三
神楽曲:小泉文夫
振付:花柳滝蔵
時代考証:柳生悦子
備中神楽:成羽社中
動画:東京アニメーションフイルム
かつら:八木かづら店
現像:東洋現像所
衣裳:松竹衣裳
監督助手:伊藤聚 鈴木敏夫 松原信吾
撮影助手:坂巻佐平 木村隆治 今村正雄 松田光弘
録音助手:鈴木正男 田中進
照明助手:若林広三 山下孝充 田代保 藤田繁夫 高橋義男 市橋重保
編集助手:中西正義 渡辺松男
美術助手:浦山芳郎
装置助手:山田与四郎 石川鎮男
装飾助手:鈴木章司
衣裳:鈴木康之 原島正男
製作進行助手:鞠子政已
製作助手:斉藤守恒
協力:日本航空 AGS空港グランドサービス
サントラ盤:ビクターレコード
衣裳協力:ぎんざ新松 
撮影協力:岡山県・満奇洞 山口県・秋芳洞 景清洞 大正洞 岩手県・滝観洞 高知県・龍河洞 沖永良部島・水連洞 昇竜洞
出演:萩原健一 小川真由美 山崎努 山本陽子 市原悦子
アメリカンビスタ カラー 151分

羽田空港で航空機誘導員として働く寺田辰弥は、上司から新聞に尋ね人として載っていることを聞き、連絡先となっている大阪市東区の諏訪法律事務所を訪ねることにした。事務所では奥のソファーで老人が見守る中、諏訪弁護士が辰弥に対し生い立ちなどの質問を矢継ぎ早に行い、最後に裸になるように言った。背中に大きな火傷の痕があったことで本人と断定すると、諏訪は辰弥に老人を紹介した。彼は辰弥の母方の祖父・井川丑松で、生まれ故郷である岡山県の村に戻ってもらうために迎えに来たというのだ。諏訪が気を利かせて席を外すと、丑松はあまりのうれしさに嗚咽した。辰弥は落ち着かせようと老人をソファーに座らせたが、突然苦しみ始め血を吐いて死んだ。辰弥の身元引受人となったのは父方の親戚筋の未亡人・森美也子で、容疑が晴れた彼を北浜警察署で引き取ると丑松の家族に合わせることにした。これも何かの縁だと考えていた辰弥もそのつもりで、会社に一週間程の休暇を願い出ていた。

丑松は資産家である多治見家の使いで、美也子がその代役となったのは商用で神戸に来ていたことが理由だった。伯備線の備中神代駅で迎えの車に乗り換えると美也子は高台で停めさせ、辰弥に村の説明をした。彼らが向かう先は鳥取県との県境にある阿哲郡三田村で、一部を除くその一帯が多治見家の所有する山だった。そして2,3年前の町村合併で名前が変わる前までその地域は「八つ墓村」と呼ばれていた。車中で村には昔からのしきたりや習慣が残り、古い多治見家には腹違いのきょうだいがいることを美也子から聞くと、辰弥は子供の頃から一人で暮らしていたので今更義理のきょうだいと会ってもうまくやれる自信がないと言った。そもそもこの土地に住みつく気など最初からなく、葬式が終わったら東京に帰るつもりでいたからだ。辰弥は母・鶴子の連れ子で、彼が3、4歳の頃に再婚した。小学校三年生のときに鶴子が亡くなったことと、新しい母親に弟や妹が生まれたことで気まずさを感じるようになり、高校を卒業と同時に家を出たのだった。

多治見家に着いた辰弥を出迎えたのは長女の春代だった。彼女は二人を小竹と小梅の老姉妹に合わせると食事会を開いた。小竹は多治見家の当主で辰弥の兄に当たる久弥の具合が良くないことを伝え、小梅は春代が子宮筋腫で子供を産めなくなったために戻されたことを話した。頼りになるのはお前しかいないと言われたが、辰弥は返事を濁した。離れに通された彼は壁に掛けてあった龍の掛け軸を見てあることを思い出した。「龍のアギト」について美也子と春代に尋ねてみたが、鍾乳洞の名前かもしれないということしかわからなかった。そこは辰弥が産まれた場所だと鶴子に教えられていた。

屋台的映画館
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宇宙戦艦ヤマト2199 追憶の航海

  • posted at:2016-09-12
  • written by:砂月(すなつき)
うちゅうせんかんやまとにいちきゅうきゅうついおくのこうかい
宇宙戦艦ヤマト2199 製作委員会(プロダクション I.G=バンダイビジュアル=ジーベック=バンダイ=バンダイナムコゲームス=ボイジャーエンターテインメント=東北新社=松竹=オー・エル・エム=ランティス=MBS)
配給:松竹
製作年:2014年
公開日:2014年10月11日
構成:森田繁 加戸誉夫
ディレクター:加戸誉夫
編集:小野寺絵美
監修:出渕裕
ナレーション:小野大輔 桑島法子
ナレーション原稿:森田繁
アニメーションスタッフ:結城信輝 前田明寿 
アシスタントディレクター:中野剛
CG制作協力:サンライズD.I.D.
CGディレクター:今西隆志
エンディングイラスト:むらかわみちお
音響監督:吉田知弘
音響効果:西村睦弘
オープニングテーマ:「宇宙戦艦ヤマト」ささきいさお
エンディングテーマ:「BLUE」水樹奈々
音楽:宮川彬良 宮川泰
声の出演:菅生隆之 小野大輔 桑島法子 鈴村健一 大塚芳忠
アメリカンビスタ カラー 131分

西暦2191年、人類は史上初めて地球外知的生命体「ガミラス人」と接触した。友好関係を試みた地球に対し、ガミラスは一方的に戦端を開くと情け容赦のない無差別攻撃を仕掛けてきた。第二次火星沖海戦・カ2号作戦で強大な軍事力を誇る彼らの艦隊の直接攻撃を食い止めることが出来たが、地球は遊星爆弾によるロングレンジ爆撃を受けたことで大気は汚染し海は干上がった。人類は地下都市を築いて生き延びるしかなかったが、死の影は着実に迫っていた。

科学者が地球滅亡までおよそ1年と発表した2199年1月、冥王星に基地を置くガミラスに対し国連宇宙軍は残存する全艦隊を集結して総攻撃を行った。だがその真の目的は、「アマテラス」と暗号名がつけられた宇宙船を太陽系に招き入れるための陽動作戦・メ号作戦だった。その宇宙船が火星に墜落したことから、回収要員として派遣されアルカディアポート跡付近に待機していた古代進と島大介が調査を行った。乗員の女性には生命反応がなかったことから、大事そうに抱えていたカプセルのみを回収した。

国連極東管区に待機を命じられた古代と島だったが、艦上戦闘機コスモゼロに魅せられ勝手に出撃した。その際、敵偵察機を発見したため迎撃を試みたが武装されておらず逃げられてしまった。さらにシステムエラーが発生しやむなく胴体着陸を試みた。救助を待つ二人が丘を登ると、目の前には大昔の戦争で海の底に沈んだ戦艦が赤く朽ち果てた状態で顔を出していた。そこは九州・坊ノ岬沖だった。

会場に集められたのは特殊任務の訓練を受けてきたイズモ計画の選抜メンバーだった。そして壇上に立っていたのはメ号作戦でただ一隻帰還した戦艦きりしま艦隊司令の沖田十三宙将だった。沖田はメンバーに対し正式な任務を発表したが、それは限られた人々を地球から脱出させるイズモ計画ではなかった。最初に回収したカプセルには映像と音声メッセージが記録されており、そこにはイスカンダルの王女・スターシャがガミラスの攻撃で破滅の危機を迎えている地球を哀れみ、次元波動エンジンの設計図を妹のユリーシャに託したことが綴られていた。イスカンダル星には汚染を浄化し惑星を再生させるシステム「コスモリバースシステム」があるが、スターシャはそれを地球に届けることが出来なかった。そこで彼女は新たに次元波動エンジンの起動ユニットである波動コアをもう一人の妹のサーシャに預けたのだが、それが古代たちが回収したカプセルだった。国連は技術供与を受けたことで既に次元波動エンジンを搭載した恒星間航行用の宇宙船「ヤマト」を完成させていたが、それを察知したガミラスは坊ノ岬沖に偵察機を派遣したのだ。イスカンダル星は地球から遥か約16万8千光年彼方の大マゼラン銀河にあり、人類にとって未知の航海となる。だが滅亡へのカウントダウンが始まっている地球を救うには躊躇わずに進むしかないのだ。

屋台的映画館

血を吸う薔薇

  • posted at:2016-09-06
  • written by:砂月(すなつき)
ちをすうばら
東宝映像
配給:東宝
製作年:1974年
公開日:1974年7月20日 併映「急げ!若者」
監督:山本迪夫
製作:田中文雄
脚本:小川英 武末勝
撮影:原一民
美術:藤谷和夫
録音:矢野口文雄
照明:森本正邦
音楽:真鍋理一郎
編集:池田美千子
合成:三瓶一信
スチール:石月美徳
監督助手:小栗康平
整音:東宝録音センター
効果:東宝効果集団
現像:東京現像所
製作担当者:広川恭
出演:黒沢年男 田中邦衛 佐々木勝彦 岸田森 望月真理子
シネマスコープ カラー 83分

聖明学園で心理学を教えるためにやってきた白木は甲斐小泉駅に降り立った。人気がないことから乗車券を専用の箱に入れて通り抜けようとしたが、駅員室のカーテンの隙間から駅長が顔を覗かせていたことから聖明学園のことを尋ねてみることにした。だがバスはあるが夜まで出ないよとそっけなく答えてカーテンを閉めてしまった。白木は仕方なく外でバスを待つことにしたが、そこにやってきたのは学園からの迎えの車だった。運転手を務めていたのは学長助手の吉井教授で、退屈な長い時間を白木は他愛のない会話で潰すことにしたが、やがて奇妙な光景が目に飛び込んできた。事故車がそのままの状態で放置されていたのだ。そのことについて尋ねると、二日前に酔っ払い運転のトラックを避けようとして事故を起こしたと吉井は言った。運転手、同乗者ともに即死だったが、その同乗者が学長夫人だったと聞いてぞっとした。しばらくして学園に到着すると、白木は学長宅に案内された。出迎える学長に彼はお参りさせてほしいと願い出たが、ほんの少し前に地下室で夫人の仮埋葬を済ませたばかりだと言った。この土地の古い習慣で、通夜を終えて荼毘に付す前に再び蘇るかもしれないという願いを込めて七日間遺体を安置しておくのだという。それを聞いて寮に戻ろうとした白木に学長は今夜ここへ泊ってもらうと言った。学長はブランデーを注ぎながらこの学園について話し、就任の乾杯をした。そして次期学長に考えていると話すと、僕にはそんな資格がないと白木は答えた。すると学長は、私には長年の持病があって学園にほとんど出られないことから後継者となる人物を探していたと言った。そして今夜この屋敷に泊まるのは、君という人物をよく知っておきたいからだと続けた。戸惑う白木に学長はブランデーのお代わりを勧めた。

深夜、黄色い薔薇が飾られた屋敷の一室に泊まった白木は、何処からともなく聞こえてくる女性の歌声で目覚めた。窓を叩く風の音ではないことを確かめるとその声の在り処を求めて部屋を出た。廊下を進んで行くとその先にそれらしき部屋があり、扉を開けると無残にひび割れた鏡が彼の顔を映した。さらに奥へ進むと窓際にネグリジェを着た女性が背を向けて立っていた。振り向いたその女性が胸から血を流していたことから近づいて話しかけたが、牙をむいた別の女性が彼の背後から現れ掴みかかられた。驚いて部屋を飛び出した白木だったが、廊下で挟み撃ちに遭い頭を殴られて気を失った。鳥の声で目覚めた彼は、ベッドから起き上がると頭痛に耐えながらあの部屋へ向かった。だが昨夜と様子が違うことで夢だったと思いこむことにしたが、牙をむいたあの女性に見覚えがあった。そこで暖炉の部屋に飾られた肖像画をもう一度見直すことにし、確信した。あれは間違いなく学長夫人だったのだ。もしそうであれば安置されている夫人の遺体はないはずだ。そう考えた白木は地下室に降りて確認することにした。

屋台的映画館

ながぐつ三銃士

  • posted at:2016-09-01
  • written by:砂月(すなつき)
ながぐつさんじゅうし
東映動画
配給:東映
製作年:1972年
公開日:1972年3月18日 併映「仮面ライダー対ショッカー」「スペクトルマン」「さるとびエッちゃん」「ムーミン」
監督:勝間田具治
製作:高橋勇
企画:横山賢二
製作担当:茂呂清一 伊藤企義
脚本:布勢博一
作画監督:森康二
美術監督:遠藤重義
原画:奥山玲子 小田克也 大田朱美 菊池貞雄 森英樹 金山道弘 的場茂夫 阿部隆 角田紘一 篠原征子 小川明弘 薄田嘉信 池原昭治 大工原章
動画:生野徹太 山下恭子 堰合昇 笠井晴子 飯田銈一 冨永勤 円山智 斉藤瑛子 金山圭子 長谷川玲子 板野勝子 田村真也 松原明徳 黒沢隆夫 草間真之介 木野達児 坂野隆雄 小林敏明 阿久津文雄 村松錦三郎 正井融 浅田清隆 藤本芳弘 服部照夫 石山毬諸 佐々木章 佐藤有子 長沼寿美子 山田みよ
演出助手:及部保雄 藤田隆明
色彩設計:伊藤英治
背景:伊藤岩光 小島喜八郎 松本健治
トレース:松崎令子 奥西己美代
彩色:矢部和子 増川千鶴子
ゼログラフ:福岡秀起 工藤千代子
仕上検査:小椋正豊 新納三郎
特殊効果:平尾千秋 林冨喜江
撮影:白根基万 山根恵
編集:花井正明
録音:荒川文雄
記録:池田紀代子
効果:福島音響
製作進行:竹村璋三
現像:東映化学
音楽:宇野誠一郎
主題歌:「長靴をはいた猫」鈴木やすし 青二コーラス
声の出演:鈴木やすし 小宮山清 小鳩くるみ 水森亜土 柴田秀勝
アメリカンビスタ カラー 53分

ネコの国の掟を破ってネズミを助けたペロを殺すため、王様は三匹の殺し屋を差し向けたが失敗に終わった。怒り心頭の王様は殺し屋たちによくもおめおめと戻って来れたなと悪態をつくと、例え地の果てまで行ったとしてもペロを殺すまではこの地に一歩たりとも踏み込むことはならんと怒鳴りつけた。縛り首になることを恐れた三匹は血眼になって捜し回り、大西部を馬に乗って旅するペロの姿をついに発見したのだ。谷を通過する彼を殺し屋たちは大きな岩で押し潰そうとしたが、ペロは既のところで交わし馬は驚いて逃げた。それからはペロと殺し屋たちの間で追いかけっこが始まり、山を越え、谷を下り、川を流され、滝壺に落ちた。そして付近にやってきた列車に飛び乗ると、ペロは貨車を切り離して殺し屋たちを巻いたのだった。

ゴーゴータウンに向かう馬車に乗り込んだペロは、ただ乗りしている少年のジニーとともに天井の荷物置き場にいた。乗客は二人の他に東部の学校から里帰りするウエスター酒場の娘・アニーと老神父、そして農家の夫婦だった。そこに駅馬車強盗が現れ、銃をぶっ放すと御者に停止を命じた。だが連邦保安官が乗っていないことを確認すると去って行った。無法者のデブとデカが酒場で待つボスにそのことを報告すると、ボスはこの街が自分の思いのままになったことを確信した。

馬車が町に着くとアニーは知り合いのジェーンに挨拶したが、今がそれどころではないことを知った。ウエスター酒場で父が何者かに殺されていたのだ。アニーは何故このようなことになったのかと集まった人たちに尋ねたが、みな目を伏せて誰一人答えようとしなかった。もの言わぬ父にすがりついて泣いていたアニーは左手にメキシコ銀貨が握られていることに気付き、何かの手がかりになるのではないかと考えたがデブに取り上げられた。町長は悲しみに打ちひしがれる彼女を慰めたが、保安官が何をしているのかという問いに答えを濁し教会を指差た。この町に就任した保安官は皆背中を撃たれて殺されてしまうため、ひと月前を最後に誰も派遣されて来ないのだ。墓が増えるばかりのこの町を守る物好きな保安官など一人もいなかった。

最愛の父を失ったアニーは東部の町に戻っていつもの生活を送ることにした。彼女を案じたペロは残って犯人を捜すべきだと主張したが、父のいない町なんて未練はないわと言った。何としてでも力になりたいペロは無法者たちが酒場にいることを突き止め、裏口の食糧庫から侵入した。すると子ネズミがカゴに捕まっており逃がそうとしたが、それは三匹の殺し屋の罠だった。銃口を向けられたペロは、ネズミを食うか殺されるかの決断を迫られた。

屋台的映画館

花の恋人たち

  • posted at:2016-08-27
  • written by:砂月(すなつき)
はなのこいびとたち
日活
配給:日活
製作年:1968年
公開日:1968年1月3日 併映「ザ・スパイダースの大進撃」
監督:斎藤武市
企画:坂上静翁
原作:吉屋信子
脚本:三木克巳 長谷川公之
撮影:山崎善弘
照明:高島正博
録音:高橋三郎
美術:坂口武玄
編集:近藤光雄
助監督:樋口頴一
色彩計測:畠中照夫
現像:東洋現像所
製作担当者:牛山正夫
音楽:小杉太一郎
・・・:「恋人たち」吉永小百合
・・・:「くちなしのバラード」舟木一夫
・・・:「北風のビギン」舟木一夫
協賛:トヨタ家庭用品 株式会社日本リーダーズダイジェスト
出演:吉永小百合 浜田光夫 和泉雅子 山内賢 十朱幸代
シネマスコープ カラー 91分

女子医大の大学病院で医療業務に従事しているインターン生たち。鑞山操、轟有為子、仁村藤穂、細谷和子、伊吹万千子、羽生与志、ホウ・エイ・ラヤの7人は手術に立ち会ったが、予想以上の難手術だったため、和子は終わると同時に真っ青な顔で手術室から出て来た。ところが緊張がほぐれたからか付き添いの有為子の方が体調を崩し、逆に和子に心配された。貴重な体験をしたことで心に不安を感じていた有為子たちだったが、人間の生命力って強いものなのねと操が話題を変えたことで救われた。実習から解放され病院を出ると有為子は万千子の車で帰り、他の者は寄宿舎に戻った。時計の針が午後3時を指し、待ち合わせの時間に遅れると焦る和子をデートは待たせた方が効果的よとからかう与志。和子は弓削士郎と婚約していた。慌てて出かける彼女と入れ替わりに入って来た藤穂は有為子の弟・麟也の誕生日に招待されていた。ホウ・エイは大使館に勤める彼氏がパーティーに出席するため、与志に付き合って映画館に行くことにした。皆の誘いを断り一人残った操は勉強に励んだ。田舎で病院の付添婦として働く母・つねの経済的な負担を減らすために、彼女は研究費が無料となる学長賞を狙っていた。

士郎は国家試験が終わるまで結婚しないという和子の気持ちを変えさせようと努力したが、無駄だとわかり真実を話した。独身の彼は技師として2年間アメリカに渡らなければならなくなったのだ。結婚すれば1年以内に戻してくれることから予定を早めようとしたのだが、結婚と試験に挟まれた和子は思い悩んだ。彼女の気持ちを察した士郎は、例え合格出来なかったとしても僕の良き妻として家を守って欲しいと殺し文句を言ったのだが、逆に封建的ねと呆れられ国家試験前は絶対に嫌だと頑なに拒まれた。同じ頃、有為子宅を訪れた藤穂は、リーダーズダイジェストから発売されているレコードを手渡すと麟也はとても喜んだ。交通事故で左足を負傷して以来ふさぎ込むようになった麟也だったが、藤穂が遊びに来るようになってからは笑顔を見せた。お嫁さんになっちゃおうかという藤穂の言葉に、有為子は心にもにもないことを言っちゃだめよとたしなめたが、全然ないこともないと藤穂が呟くと有為子はとても驚いた。

万千子は陶芸家の宇津木恵之助のことを愛しており、彼女の弟の一郎も二人の間柄を認めていた。だが障害となっていたのは両親だった。医師と結婚することを望んでいる母・加代子に対し、父・健策は国家試験後に判断すればいいと考えていた。恵之助が一人前の陶芸家になるまで父の病院で働くつもりでいた万千子は、合格しようがしまいが気持ちを変えるつもりはなかった。

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