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必殺女拳士

  • posted at:2016-08-16
  • written by:砂月(すなつき)
ひっさつおんなけんし
東映(東京撮影所)
配給:東映
製作年:1976年
公開日:1976年1月31日 併映「実録外伝 大阪電撃作戦」
監督:小平裕
企画:吉峰甲子夫
脚本:松田寛夫
撮影:仲沢半次郎
録音:宗方弘好
照明:小林芳雄
美術:北川弘
音楽:菊池俊輔
編集:田中修
助監督:森光正
記録:高津省子
擬斗:日尾孝司
スチール:藤井善男
製作進行:堀賢二
装置:井保国夫
装飾:矢部一雄
美粧:入江荘二
美容:石川靖江
衣裳:内山三七子
演技事務:石原啓二
現像:東映化学
出演:志穂美悦子 倉田保昭 千葉治郎 大塚剛 加藤嘉
アメリカンビスタ カラー 81分

アメリカの都市・ニューヨークでは犯罪の凶悪化に伴い警察官の犠牲者が相次いでいたことから、市警はその対策として護身術に空手を採用することにした。だが空手師範のポストを巡り沖縄空手と東京剛武館との間で対立が発生した。ロバート沖崎警部は、沖縄空手界の天才児と呼ばれ在米空手家の中で心技ともに最も優れている桧垣一真を推薦したが、本部長は剛武館の二階堂弘宣五段が有力市会議員を抱き込んで市警本部に圧力を掛けてきていることを明かした。円満解決を望む本部長は結論を先送りにしたが、それを黙って受け入れられない二階堂は果し合いで決着をつけるべく一真を呼び出した。だが争う気など微塵もない一真は娘の由美を連れて現れると、果し合いまでしなければ理由がないときっぱり言った。「貴様になくても俺にはある!」。空手師範のポストが喉から手が出るほど必要な二階堂にとって一真は邪魔な存在なのだ。沖縄空手はこけおどしだと貶されたことで一真は果し合いを受けることにしたが、勝負の結果は誰の目から見ても明らかだった。劣勢に立った二階堂は殺し屋として雇っていた李鉄根、アントニオ、白毛鬼の三人をけしかけ、側近の犬飼が由美をさらおうとしたのだ。一真は垂れ下がったロープを使って滑空して由美を助け出したが、白毛鬼の手裏剣を左目に受けた。さらに突進してくる白毛鬼の攻撃をかわすと二本の指で両目を潰した。だが次に現れたアントニオの突き出した剣が一真の左肩を、そして李鉄根のサイが右手を貫いたのだった。彼の苦しむ姿を見てほくそ笑む二階堂は、憎しみの一撃を腹に見舞い、去り際に命だけは助けてやる代わりにこのニューヨークから失せろと言った。一真は由美を抱き寄せると、奴らの顔を覚えておくんだぞと言い聞かせるのだった。

10年の歳月が流れ、一真の厳しい特訓を受けた由美は心身ともに成長した。だがある夜、一真は彼女の日記を偶然見つけその中に空手がにくいと殴り書きされていたことにショックを受けた。さらに体の衰えが見える相手への突きに手心が加えられていることを感じ取ると、俺を二階堂と思えと本気で戦うことを要求した。その結果、渾身の蹴りが胸に決まり一真は満足した笑顔を見せた。床に臥すようになった一真は、人並みな青春を与えずに空手漬けの生活をさせたことを詫びた。そしてこの特訓には個人的な恨みだけが込められているのではないことを説明した。沖崎の非業の死は二階堂の仕業に違いなかったからだ。二階堂は空手師範の地位を踏み台してのし上がり、東京剛武館の総長に君臨していた。だからこそ心を鬼にして由美に空手を仕込んだのだ。だが己の恨みを娘に背負わせることの罪に気づいたため、葛飾に祖父を訪ねて幸せに暮らせと言った。一真を看取った由美は打倒二階堂を胸に東京へ飛んだ。

屋台的映画館
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ロボジー

  • posted at:2016-08-09
  • written by:砂月(すなつき)
ろぼじー
フジテレビジョン=東宝=電通=アルタミラピクチャーズ
配給:東宝
製作年:2011年
公開日:2012年1月14日
監督:矢口史靖
製作:亀山千広 新坂純一 寺田篤
エグゼクティブプロデューサー:桝井省志
企画:石原隆 市川南 阿比留一彦 小形雄二
プロデューサー:稲葉直人 堀川慎太郎 土本貴生
脚本:矢口史靖
脚本協力:矢口純子
音楽:ミッキー吉野
エンディング曲:「MR.ROBOTO」五十嵐信次郎とシルバー人材センター
撮影:柳島克己
照明:長田達也
録音:郡弘道
美術:新田隆之
装飾:秋田谷宣博
ロボットデザイン:清水剛
編集:宮島竜治
助監督:山口晃二
キャスティング:南谷夢
製作担当:花岡佐知子
ラインプロデューサー:前村祐子
企画協力:佐々木芳野
製作プロダクション:アルタミラピクチャーズ
出演:五十嵐信次郎 吉高由里子 濱田岳 河合正悟 川島潤哉
アメリカンビスタ カラー 111分

家電メーカーの木村電器は得意とする白物家電分野の不調が続いていたことから、起死回生を狙った木村宗佑社長の独断で二足歩行ロボットを開発することになった。任されたのは開発部に所属する小林弘樹、太田浩二、長井信也の3人で、木村は3か月後に行われるロボット博までにロボットを完成させよと無理難題を吹っ掛けたのだ。社内で弱い立場にいる3人にとって拒否はクビに直結することから、乏しいノウハウを駆使して開発を行った。ロボット博まであと1週間に迫った頃、小林たちの疲れは連日の徹夜でピークに達していた。さらに木村が持ってきたポスターには「ニュー潮風」と名付けたロボットが印刷されていたことから、苛立った太田は持っていた飲み物のパックを机に叩きつけたのだ。すると飛沫が飛び散り3人は慌ててパソコンのキーボードを拭こうとしたが、その拍子にロボットが起動してしまい「ニュー潮風」は勝手に歩き出したのだった。小林たちは目の前で起きていることが信じられずただただそれを見つめるばかり。やがて「ニュー潮風」は窓にたどり着くとガラスを突き破って地面に落下した。それと同時にケーブルで繋がったパソコンや周辺機器も一緒に持って行かれたのだった。我に返った3人は茫然と地面を見つめるばかり。バックアップのデータを取っていなかったため開発は振り出しに戻ったのだ。

老人会の舞台で転倒し腰を打った鈴木重光は、家族に付き添われて病院で検査を行った。だが結果は全く異常がなかったことから、重光は機械の方が故障しているのではないかと疑った。担当の医師は彼の娘・春江に最近変わったことはないかと尋ね、認知症の疑いがあることを小声で説明したが、それを聞いた重光は怒りを抑えられなかった。娘たちが帰ると一軒家には重光一人になった。妻の仏前に手を合わせると、他にすることのない彼の周りを時間だけが過ぎて行った。「趣味がないんだから仕事でも探してみれば?」と春江に言われたことが気に掛かっていた重光は、翌朝の新聞に挟まっていた広告の中の求人情報をしげしげと眺めた。だが年齢制限があったり資格が必要であったりと再就職が難しいことを知った。着ぐるみショーのチラシには経験、資格不問と書いてあり、体格の条件もぴったりだったが、自分には無関係だと破り捨てた。気晴らしにコミュニティーセンターの老人クラブに顔を出したがそこでも孤独を感じ、デパートの屋上で一人弁当を広げるとビールをグイッと飲んだ。やがて子供たちの歓声が聞こえ、その方へ歩いて行くとヒーローショーが始まっていた。夢中になる子供たちの笑顔を見て自分も注目されたいと思った重光は、あの着ぐるみショーのことを思い出し、オーディション会場の公民館に向かったのだ。だが周りの受験者は若者ばかりで重光は気後れした。すると3人の面接官が部屋から出てきて、用意が出来た方からお願いしますと言った。面接官は木村電器の小林たちだった。

屋台的映画館

脱皮ワイフ

  • posted at:2016-08-05
  • written by:砂月(すなつき)
だっぴわいふ
フルモーション
配給:バイオタイド
製作年:2004年
公開日:2005年2月28日
監督:本田隆一
製作:永森裕二
プロデューサー:黒須功
原案:永森裕二
脚本:永森裕二
助監督:広田幹夫
撮影:下元哲
照明:高田宝重
録音:塩原政勝
音楽:松石ゲル(ザ・シロップ)
美術:田中耕作
ヘアメイク:堀川なつみ
スチール:奥川彰
撮影助手:中村拓 玄聖愛
車輌:山下こて
・・・:「君がかんでたチューインガム」溝呂木はじめ
・・・:「雨が降ってます」溝呂木はじめ
・・・:「二つで三百円」溝呂木はじめ
・・・:「とっておきの朝」溝呂木はじめ
制作協力:黒須映像工業
出演:小沢和義 miko 益子智行 時任歩 白石あや
アメリカンビスタ カラー 79分

茨城県出身で独自の世界観を持つミュージシャンの溝呂木はじめ。イカ天ブームのときに脚光を浴びた彼だったが、それ以降は長い長い不遇の時代を過ごしてきた。20世紀末となった今でも再ブームが来ることを信じてやまないはじめは、マネージャーで弟のテツを引き連れ若い頃に過ごしたひたちなかの商店街でギターを爪弾くのだった。いい物はいつの時代も受けるという信念のもとに活動を続けるはじめとは逆に、一度確変が掛かったパチンコ台で一日中粘ってもオケラになるだけだとテツは考えていた。そんな中、インディーズレーベルで茨城限定発売した「君がかんでたチューインガム」がオリコンチャート30位に食い込み、地元のラジオ番組に出演することになったのだが、気が大きくなったはじめは女性DJ・エミの「野育ち」という発言が気に入らないと難癖をつけ、それを口実にしてホテルに連れ込んだのだった。

5年間のストリートミュージシャン活動が実って久々のヒットを飛ばしたはじめは、1年足らず経ったある日、テツとともにレコード会社から呼び出された。担当の尾藤がはじめのベスト盤を出すというのだ。海外でのPV撮影や録音、大々的なプロモーション活動などを行い5枚のシングルをリリースしたにも関わらず世間の注目を浴びることはなかった。さらに親会社の役員の娘で宣伝部の女子社員と寝たことが発覚したため、告発しない代わりに首を切りベスト盤を出して少しでも宣伝費を回収せよというのが上層部からの命令だった。静かに話を聞いていたはじめが尾藤を殴ったことで、テツは次のレコード会社を探すとともに新たな仕事を探す決断をした。東京のラジオ局に彼が曲の売り込みに行った際、水戸でDJをしていたエミと偶然会った。エミはラジオ番組のディレクターをしており、はじめの声に魅力を感じていたことから彼女が担当する深夜番組のパーソナリティーをやらないかと誘われたという。その話を聞いたはじめは、ミュージシャンの俺が季節の話題やランキング紹介をして他人の曲を流すことなんてプライドが許さないと言った。

思うことはあるものの「溝呂木はじめの歌うハイウェイ」のパーソナリティーとなったはじめ。2003年最後の放送を終えたはじめがブースから出てくると、茨城時代からのファンだったというファンをテツが連れて来た。はじめは美樹というその娘を食事に誘うとそのまま自宅に持ち帰った。新年早々、彼は番組の中で入籍したことを突然発表した。そのことを誰にも伝えていなかったためテツはショックを隠せなかったがエミは平静を装った。新婚生活を始めて数日後の朝、はじめが目覚めると傍らに薄皮のような物が落ちていた。美樹に尋ねるとそれは彼女の物だという。「脱皮するの、わたし」。理解出来ずに再び尋ねると、同じ人と何度かエッチするとある日突然全身の皮がきれいに剥けるの、と言った。皮膚科や精神科に行っても解決しなかったことから美樹は一人で思い悩んでいたのだが、真面目に話を聞くはじめに心を許したのだった。その日以来、彼女に少しずつ変化が見え始めた。

屋台的映画館

三大怪獣 地球最大の決戦

  • posted at:2016-07-30
  • written by:砂月(すなつき)
さんだいかいじゅうちきゅうさいだいのけっせん
東宝
配給:東宝
製作年:1964年
公開日:1964年12月20日 併映「花のお江戸の無責任」
監督:本多猪四郎
製作:田中友幸
脚本:関沢新一
撮影:小泉一
美術:北猛夫
録音:矢野口文雄
照明:小島正七
音楽:伊福部昭
挿入歌:「幸せを呼ぼう」ザ・ピーナッツ
整音:下永尚
監督助手:佐野健
編集:藤井良平
音響効果:知久長
現像:東京現像所
製作担当者:中村茂
特殊技術・撮影:有川貞昌 富岡素敬
特殊技術・光学撮影:真野田幸雄 徳政義行
特殊技術・美術:渡辺明
特殊技術・照明:岸田九一郎
特殊技術・合成:向山宏
特殊技術・監督助手:中野昭慶
特殊技術・制作担当者:小池忠司
特技監督:円谷英二
出演:夏木陽介 星由里子 小泉博 志村喬 ザ・ピーナッツ
シネマスコープ カラー 93分

日本は異常気象に見舞われており、1月であるにも関わらず夏日のような暑さだった。地球の各地で数々の異常現象が見られることから、宇宙円盤クラブは特別集会を招集し、ビルの屋上で現象に拘っていると思われる円盤と午前1時半に交信を行ったが、30分が経過しても音沙汰なかった。失敗であることを認めた会長は、番組制作の取材として許可を出した進藤直子が円盤の存在を信用していないからだと彼女の責任にした。そして地球上で起きている現象は只事ではなく銀河系以外の宇宙でも異変は絶えず繰り返すと言うと、直子は今にも地球が爆発しそうですねと皮肉った。一笑に付した会長は、考えられる変事を円盤と交信して確かめ警告するつもりだったと明らかにした。それから間もなくして夜空に無数の流星が現れた。その頃、沖田刑事課長から居残りを命じられた直子の兄で警視庁の刑事の進藤にある任務を与えられた。それは左右両陣営の紛争に巻き込まれているセルジナ公国マアス・ドオリナ・サルノ王女の非公式来日の護衛だった。王位継承者であるサルノ王女を暗殺する計画が持ち上がっている噂があり、反対派から一時的に逃れるための来日ではないかと考えられた。特別機で既に出発していることから、進藤は上司からの命令を断る理由を失った。日本に向かう特別機に乗ったサルノ王女は窓から星空を眺めていた。すると突然上空にまばゆい光が現れ、「ここから逃げなさい」と何者かが心に語り掛けてきたのだ。誰かに導かれるように通路を歩く彼女はやがて脱出口にたどり着くと、勝手に開いた扉から飛び降りた。光が彼方に飛び去ると、それと同時に特別機は爆発を起こし墜落した。

巨大な隕石が黒部ダム付近に落下したことから、帝都工大の村井助教授をリーダーとするチームは調査を行うことになった。目撃した電力会社社員の話で落下地点が黒岳霞沢付近であることがわかったが、ヘリコプターが近づけないほど気流が悪いため徒歩で移動するしかなかった。つり橋を渡り霞沢の位置を確認しようとコンパスを取り出したところ、北西の場所にいるにも拘らず針は何故か北を指していた。それは村井だけでなく他の隊員も同様だった。経験を頼りに前進を続けた結果、前方の谷に隕石らしきものを発見し夕暮れまでにたどり着くことが出来た。ベースキャンプを設営することになったが、準備の最中に隕石が持つ強力な磁場でピッケルが引き寄せられたのだった。

沖田は進藤に警護をする必要がなくなったことを説明した。それを聞いた進藤は、サルノ王女が戦争の犠牲者となったことを嘆いた。その頃、直子が宇宙円盤クラブの取材テープを社内で編集していると、金巻班長が飛び入りのネタだと駆け込んできた。上野に預言者が現れたというのだ。20世紀の神話にぴったりだということで取材を任された直子は、早速インタビューを試みた。男装をしたその女性は金星から来たと言った。そして九州の阿蘇に異変が起こることを予言した。

屋台的映画館

トラック野郎 突撃一番星

  • posted at:2016-07-24
  • written by:砂月(すなつき)
とらっくやろうとつげきいちばんぼし
東映(東京撮影所)
配給:東映
製作年:1978年
公開日:1978年8月12日 併映「多羅尾伴内 鬼面村の惨劇」
監督:鈴木則文
企画:天尾完次 高村賢治
脚本:掛札昌裕 中島信昭
撮影:飯村雅彦
録音:小松忠之
照明:川崎保之丞
美術:桑名忠之
編集:鈴木宏始
助監督:森光正 馬場昭格
記録:宮本衣子
擬斗:日尾孝司
宣伝担当:本間昭信 小田和治
スチール:藤井善男
製作進行:小島吉弘
装置:中村文栄
装飾:酒井喬二
音響効果:岩藤竜三
美粧:井上守
美容:石川靖江
衣裳:内山三七子
演技事務:和田徹
振付:星野隆
協力:東映俳優センター
現像:東映化学
音楽:木下忠司
主題歌:「一番星ブルース」菅原文太 愛川欽也
協力:下呂温泉 企画協力:(株)カントリー
協力:三重県鳥羽市戸田家別館 東駒ベーシック清酒(株) 藤田観光(株)下田海中水族館 哥麿会
出演:菅原文太 せんだみつお 原田美枝子  樹木希林 亜湖
アメリカンビスタ カラー 103分

UFOや宇宙をテーマにした映画が次々と公開されSFブームが到来した日本列島。その影響はトラック野郎・一番星こと星桃次郎にも及んでいた。UFOに関する書籍を買い漁ると、天体望遠鏡で姿を追い無線で交信を試みた。伊勢湾フェリーでの移動中も時間を惜しみ、昼間であろうが関係なく観測に精を出していた。その様子を呆れてみていたのは、彼の相棒・やもめのジョナサンこと松下金造だった。桃さんのUFO狂いは地球の女に振られ過ぎたからじゃないのかと金造がバカにすると、頭に来た桃次郎は怒鳴って追いやった。そんな彼に声を掛けてきたのは、グラマーな美女の小百合だった。小百合は桃次郎の手を取ると、これが第一種接近よと言った。次に彼の手を引き寄せて胸に触らせると、これが第二種接近よと言った。さらに腰を触らせて第三種接近よと言った。調子に乗った桃次郎が別の場所へ手を伸ばそうとしたそのとき、寸前で引き留めたのは彼女の兄と称する桶川玉三郎だった。玉三郎は丸菱商事営業部と書かれた名刺を渡すと、メイドインイングランドの高級紳士服を扱っており今なら市価の6割引きでサービスしていると言って4万8千円の純白のスーツをケースから取り出した。小百合からUFO研究の先生にぴったりだと言われ気を良くした桃次郎が気前よく現金で支払うと、船が着いたら真珠島で散歩しましょうと耳元で囁かれたため舞い上がった。鳥羽港に着くと買ったばかりのスーツに身を固めた桃次郎は波止場で小百合が来るのを今か今かと待っていた。するとその近くに同じように純白のスーツ姿の金造がいるのだ。ライバルの出現に驚いた二人はにじり寄ると、玉三郎と小百合が乗った車が彼らの前を横切ったのだ。撒いていた水に濡れたことが原因でスーツが縮み、小百合だけでなく玉三郎にまで騙されていたことを知ったのだった。

夜の国道をひた走る一番星号。桃次郎が宇宙人をテーマにした大人向けのラジオドラマを聞きながら運転をしていると、車内に装備したUFO探知機が反応し光の前に立つ人影を前方に見たのだ。宇宙人だと確信した彼はトラックを停めると近づいて確認した。それは白いウェットスーツ姿の美女だった。一目惚れした桃次郎は宇宙から来た使者の方ですねと声を掛けると自己紹介し、あなたのような美しい方と第三種接近出来るなんて光栄だと言った。それを聞いてクスリと笑う美女。すると後ろから金造が追いかけて来て、正月と盆に出る病気なのですみませんと引きずって行ったそそして二人が言い争っているうちに彼女は姿を消した。

尾鷲魚市場で荷を積み帰途を急いでいると、桃次郎は前方に玉三郎の車を発見した。だが巧妙な運転にまんまと巻かれてしまった。仕方なくドライブイン・海女の郷で食事することにした二人だったが、そこで玉三郎と鉢合わせした。彼は桃次郎にとっちめられたことで、かつて自分もトラック野郎だったことを白状した。もう一度トラックに乗りたいという玉三郎の熱意と口のうまさに負けた金造は助手として雇うことにしたが、大飯食らいでまるで役に立たないことがわかると桃次郎に引き取ってくれと頭を下げた。

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