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幻魔大戦

  • posted at:2016-04-06
  • written by:砂月(すなつき)
げんまたいせん
角川春樹事務所
配給:東宝東和
製作年:1983年
公開日:1983年3月21日
監督:りんたろう
製作:角川春樹 石森章太郎
プロデューサー:明田川進
原作:平井和正 石森章太郎
脚本:桂千穂 内藤誠 真崎守
キャラクターデザイン:大友克洋
作画監督:野田卓雄
美術監督:椋尾篁
美術:男鹿和雄 窪田忠雄
撮影監督:八巻磐
音楽監督:キース・エマーソン
音楽:青木望
主題歌:「光の天使」ローズマリー・バトラー
制作担当:浅利義美
声の出演:古谷徹 小山茉美 池田昌子 藩恵子 塩沢兼人
アメリカンビスタ カラー 135分

親善大使としてアメリカ合衆国に向かうウエストイーグル航空336便に乗っていたトランシルバニア国第1王女・ルナ姫は、彼女の水晶玉の中に近く訪れる未来を見て悲鳴を上げた。すると上空から落下してきた巨大な物体が旅客機に直撃し墜落した。その影響で空中に放り出されたルナは、強い光の中に吸い込まれて行った。銀河系から約380万光年離れた宇宙空間に運ばれた彼女は、そこで特定の姿を持たない宇宙意識のエネルギー生命・フロイと出会った。フロイは破壊のための破壊を続ける凶暴なエネルギー生命・幻魔によって10億年の間に無数の星雲や島宇宙が消滅したことを話した。幻魔との戦いは無限の過去から続いており、その中でも勇敢なサイボーグ戦士・ベガは200年を戦い続けてきたが、恋人のアリエータが幻魔に命を絶たれたことで戦意を失い敗れたのだった。幻魔は救命カプセルの中で2000年の眠りを保つことで生き長らえてきたベガを策略で放逐し、いずれ幻魔の存在を感知することになる一人の少女諸共抹殺するために地球へそのカプセルを落下させたのだった。フロイは災厄から救ったルナにトランシルバニア国第1王女としての生涯が終わり、サイオニクス(超越知覚能力)戦士として生きる運命が始まったことを告げた。誰のために、何のために戦うのかわからず戸惑う彼女に、フロイは自分自身のために、生き延びるために戦いなさいと言った。そして、あなた方地球人にある希望、愛と友情の連帯、至上志向の価値を求める心がプラスエネルギーとして集結したとき、地球は幻魔が持つマイナスエネルギーを打ち破ることが出来るだろうと言った。海面に浮かぶ旅客機の残骸の上に立つルナの前に突如カプセルが海中から浮上すると、彼女はベガにテレパシーで話しかけた。だがベガは戦う気力を失っていた。そこで長い眠りから覚めるのは戦士としての自覚、アリエータが告げた愛の実証、自分の願い、そしてフロイの意思であることをルナが伝えると、ベガは彼女がフロイの存在を知っていることに驚き、この日この時を待っていたのかと自問した。

青林学園の高校生・東丈は、野球部のレギュラーを外されたことが原因で落ち込んでいた。さらに恋人の沢川淳子から愛想をつかされてむしゃくしゃした彼は夜の街を彷徨っていたが、暗闇から出てきたベガの姿を見て驚き逃げた。そんな彼をベガは容赦なく撃ち、建築中のビルの最上階に追い込んだ。これ以上逃げられないことを悟った丈がこの化け物めと睨み返した。するとサイオニクスの兆候を見せ始めたことでベガは柱をへし折り丈の頭上に資材を落下させたのだ。すると彼は無意識のうちにバリアを張ってそれを食い止め、それが自分の力のせいだとわかると脇から出てきたルナが止めるのも聞かずにベガに向かって投げ返したのだった。追手から逃げた丈は、これはたちの悪い夢だと思うことにした。一方、瓦礫の山から抜け出したルナとベガはテストが予想以上の成果を挙げたことを喜んでいた。

屋台的映画館
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めがね

  • posted at:2016-03-28
  • written by:砂月(すなつき)
めがね
めがね商会(日本テレビ=バップ=シャシャ・コーポレーション=パラダイス・カフェ=日活)
配給:日活
製作年:2007年
公開日:2007年9月22日
監督:荻上直子
企画:霞澤花子
エグゼクティブ・プロデューサー:奥田誠治 木幡久美
プロデューサー:小室秀一 前川えんま
アソシエイトプロデューサー:オオタメグミ
ラインプロデューサー:関友彦
脚本:荻上直子
撮影:谷峰登
照明:武藤要一
録音:林大輔
美術:富田麻友美
スタイリスト:堀越絹衣
ヘアメイク:宮崎智子
フードスタイリスト:飯島奈美
編集:普嶋信一
スクリプター:天池芳美
音楽:金子隆博
エンディングテーマ:「めがね」大貫妙子
制作プロダクション:パラダイス・カフェ
出演:小林聡美 市川実日子 加瀬亮 光石研 もたいまさこ
アメリカンビスタ カラー 106分

日本の南にある小さな島。タエコは早春のその島に静かな居場所を求めてやってきた。手書きの地図を片手に大きなトランクを引きずりながら彼女が向かった先は「ハマダ」という小さな民宿だった。タエコの姿に気づいた主人のユージは、ずいぶん早かったですねと声を掛けると自己紹介をした。大きな看板を出すとお客がたくさん来るから表札でちょうどいいのだという。犬のコージも元気だ。ユージはタエコを部屋に案内すると窓を開け、右側が海で左側が街と覚えておけば大丈夫だと言った。

食堂に来たタエコにユージはよく迷わずに来れましたねと言った。彼の書く地図はわかりづらいらしく、ほとんどの客が迷うという。この季節に来た客は3年ぶりで、迷わずに来た客も3年ぶり。ユージは夕食の弁当を作りながら、あなたにはここにいる才能がありますよと言った。そして大切な人が来たから今日の夕食はみんなで食べますと言うと、タエコは遠慮して断った。するとユージは冷蔵庫にあるものを適当に食べてくださいと言い残してそそくさと出掛けてしまった。一人残されたタエコは仕方なく冷蔵庫の扉を開けたが、中には生魚一匹。どうしようもないので外に出かけようとしたが、ユージが後でやっておくと言いながら放置されたままになっているトランクに目が留まり自分で片付けた。

翌朝、目覚めると知らない女性が足元に座っていた。驚くタエコに彼女は微笑みながら挨拶し、「今日もお天気」と言い残して立ち去った。何事か理解できないタエコは再び眠り込むが、微かに聞こえる軽快な音楽が気になって目覚めたのだった。音楽の方へ歩いて行くと、浜辺で島の人たちがその音楽に乗せて体操を行っていた。彼女に気付いたユージは一緒にやりませんかと誘ったが、私は結構ですと言って宿に戻った。その「メルシー体操」を指導していたのはタエコを起こしに来たサクラだった。

ハマダの食堂で朝食のテーブルを囲んでいたのは、タエコとユージ、そしてサクラだった。今日は観光をしようと思うのですが、何かいいところありますかとサクラが尋ねると、ユージは困ったようにサクラと目を合わせそんなところありませんよと答えた。皆この島には観光目的ではなく黄昏に来るのだと言う。そこでタエコは早速、浜辺で黄昏てみることにしたのだが、自分には無理だとすぐに理解した。

屋台的映画館

11人いる!

  • posted at:2016-03-22
  • written by:砂月(すなつき)
じゅういちにんいる
キティ・エンタープライズ=日本ビクター
配給:東宝
製作年:1986年
公開日:1986年11月1日 併映「扉を開けて」
監督:出崎哲 冨永恒雄
企画:落合茂一
プロデューサー:古徳稔
原作:萩尾望都
構成:萩尾望都
脚本:今泉俊昭 小出一巳
作画監督:清水恵蔵
キャラクターデザイン:杉野昭夫 清水恵蔵
美術監督:東潤一
撮影監督:小山信夫
音楽監督:及川禅
録音監督:斯波重治
音楽:福田裕彦
主題歌:「僕のオネスティ」川上進一郎
挿入歌:「とことん I LOVE YOU」河合美智子
声の出演:神谷明 河合美智子 田中秀幸 古川登志夫 玄田哲章
アメリカンビスタ カラー 91分

地球人はワープ航法と反重力を発見したことで飛躍的な宇宙進出を実現させ、200年の間に51の植民惑星を持つに至ったが、自治を望む惑星移民と地球連邦政府との間に小競り合いが続いた。だがある惑星で異星人の廃墟を発見した開拓団が異星人と接触したことで事態は急変。政府は一致団結して対処するために51の植民惑星と話し合いを行い統合政府・テラを発足させた。その後、数世紀に渡る紆余曲折を経てサバ、セグル、ロタの3大国と他の種からなる惑星国家の星間連盟に加盟した。新しい時代を担う優秀な人材を育成するために星間連盟によって創設された「コスモ・アカデミー」は、宇宙学のあらゆる研究ジャンルを持つ宇宙最高の教育機関であり、この大学の卒業生は全ての社会でエリートとしての地位を約束されることから、各惑星から受験者が殺到した。完全防音のカプセルの中にいる受験生の耳に聞こえるのは、解答を打ち出す自分のキーの音だけ。孤独な頭脳との戦いが何時間も続いた。3年毎に行われる入学試験に資格制限はなし。第一次予備試験、合格率0.1パーセント。第二次予備試験、合格率3.7パーセント。最終筆記試験に臨んだ者、7000名。最終テストに進んだ700名は7機のシャトルに均等に振り分けられ、一組10名のグループがテストポイント毎にランダムに選抜される。受験者の一人、タダトス・レーン(タダ)は仲間たちとともに漂流する宇宙船に向かった。テラ系シベリース出身の彼には種族特有の優れた直観力があり、それを生かして入り口のパスワードを解読するとロックを解除してハッチを開けた。部屋に安全確認のランプが灯り一人がヘルメットを取る提案をすると、別の一人がおかしなことを言った。「1人多いぞ!」。

10人のグループの中に11人目がいることがわかり、宇宙船に異様な空気が流れた。誰もこの事態を説明できる者はおらず、いつしか皆誰かを疑った。やがて宇宙船に爆発が起こり、船内は大きな振動に襲われた。さらにその影響で重力場調整装置が故障した。まだお互いの名前を知らない受験生たちはそれぞれの担当を受け持ち、ある者は装置の修復に、ある者はコクピットで爆発箇所の確認を行った。メインコンピューターを作動させ船内図をモニターに映し出すと爆発物がセットされている部分が赤く点滅した。次の爆発までの時間が刻々と迫る中、タダはD回路の切断を命じ危機を回避した。すると本部から最終テストの課題が発表された。それはこの船にクルーとして53日間留まることだった。このミッションを達成すれば全員合格。だが一人でも脱落すれば全員不合格となる。全員で解決不可能な事態が発生した場合はスクランブルボタンを押せばテストは中止となり救援を呼ぶことが出来るが、それ以外は外部との接触は禁止だった。開始からの非常事態に皆浮足立ったが、11人目を捜すよりも優先すべきことがあるとわかると考えを改めた。タダは他のクルー、サバ系アリトスカ・レ出身のマヤ王バセスカ、サバ系アリトスカ・ラ出身のソルダム四世ドリカス、テラ系シュシュ出身のアマゾン・カーナイス、テラ系クエス出身のチャコ・カカ、テラ系ペロマ出身のドルフ・タスタ、サバ系ミス出身のトト・ニ、星系に属さない辺境星ヴェネ出身のフロルベリチェリ・フロル、同じく星系に属さない辺境星ヴィヌドー出身のヴィドメニール・ヌーム、サバ系トレドレーガ出身のガニガス・ガグトス、セグル系灰白色星出身のグレン・グロフに対して直観力を使ったが、嘘をついている者を見つけ出すことは出来なかった。

屋台的映画館

北京原人 Who are you?

  • posted at:2016-03-16
  • written by:砂月(すなつき)
ぺきんげんじんふーあーゆー
東映=テレビ朝日=バンダイ=東北新社
配給:東映
製作年:1997年
公開日:1997年12月20日
監督:佐藤純彌
製作:高岩淡 伊藤邦男 山科誠 植村伴次郎
企画:岡田裕介 大沢清孝 角田良平 植村徹 園部芳己
プロデューサー:野村敏哉 山川秀樹 冨永理生子
脚本:早坂暁
製作プロデューサー:東一盛
撮影:浜田毅
美術:小澤秀高
照明:渡邊孝一
録音:横溝正俊
編集:只野信也
撮影補佐:堀美臣
装飾:若松孝市
キャスティング:福岡康裕
スクリプター:久保田民子
助監督:谷口正行
進行主任:榊田茂樹
製作担当:菊池淳夫
プロデューサー補:湊美也子
音楽:長谷部徹
音楽プロデューサー:石川光
主題歌:「さよならより 永遠の中で」Favorite Blue
挿入歌:「Who are you?」 ジョイ・ウォン
出演:緒方直人 ジョイ・ウォン 本田博太郎 片岡礼子 長谷川初範
アメリカンビスタ カラー 115分

2001年、種子島宇宙センターから日本初の有人スペースシャトル・HOPE-X2が打ち上げられようとしていた。地上からの遠隔操作で航行するこのスペースシャトルには、ミッションスペシャリストの佐倉竜彦と竹井桃子、そして彼らの上司の桑沢がある極秘プロジェクトのために乗り込んだ。シャトルの打ち上げは成功したが、その様子を取材していた中国電視台局員・宗美々は黒いボックスを竜彦が搭乗時に直接機内に持ち込んだことを疑問に感じ、ATVのスタッフにそのときの映像を分けて欲しいと願い出た。美々は北京原人をテーマにした番組を制作する中で、消えた原人の骨の謎を追って日本にやってきたのだ。太平洋戦争の始まる数日前、関係者たちはその骨を日本の侵略から守るために二つのトランクに詰めて密かにアメリカへ送ろうとしたのだが、12月7日に天津港を出港したバージニア号は8日の早朝に消息を絶った。遭難海域周辺を捜索した中国海軍は1998年3月にようやく沈没したバージニア号を発見したがトランクは見つからなかった。それ以前にその海域で財団法人生命科学研究所の船が長い期間停泊していたことと、今回のミッションに参加した搭乗員の3人が研究所所員だったことから、彼女は研究所が骨を手に入れたことを確信していた。

1兆円の国費を掛けたプロジェクト、それは化石骨から採取したDNAをPCR法(ポリメラーゼ連鎖反応)という特殊な手法で増殖させて北京原人を蘇えらせるという驚くべきものだった。既に研究所のシベリア支所では凍結した精子を象に人工授精して混血のマンモスを作り出すプロジェクトを成功させており、2頭目の実験に着手していたことから、プロジェクトのリーダである所長の大曽根は悲願の北京原人復活を確信していたのだった。その実験は情報漏洩の可能性が低いシャトル内で行われていた。増殖させたDNAを制限酵素を使って切断すると、電気泳動法で北京原人の塩基配列を完全に読み取った。そして北京原人と現生人類のDNAには0.4パーセントの違いがあることから、現生人類のその部分を組み替えて北京原人と同じ配列にすることに成功すると、それを低栄養培養して休眠していたDNAを全て目覚めさせた。竜彦は1号から3号までのDNAが入った容器を装置にセットすると、原人の細胞に核なし卵子細胞を加えることで全ての設定が完了した。実験を開始すると細胞は分裂と増殖を始め、実験設備を搭載したベビーシャトルはロボットアームで船外に出された。そして細胞量が水準に達したことを確認すると時間を逆転させる時間変位プロジェクトを開始した。ところがシャトルに隕石群が衝突しアームが損傷、ベビーシャトルは漂流を始めた。桑沢は機密を守るために自爆させる選択を主張したが、竜彦は自動制御で地球に戻るシステムを作動させるべきだと言った。桃子も新たな命が生まれつつあることを理由に反対すると、判断は地上の大曽根に委ねられた。彼は迷わずベビーシャトルのエンジンに点火しろと桑沢に命じた。

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ラーメン大使

  • posted at:2016-03-10
  • written by:砂月(すなつき)
らーめんたいし
大映(東京撮影所)
配給:大映
製作年:1967年
公開日:1967年2月11日 併映「若親分を消せ」
監督:島耕二
企画:藤井浩明
原作:花登筐
脚本:舟橋和郎 花登筐
撮影:渡辺徹
録音:三枝康徐
照明:泉正蔵
美術:高橋康一
音楽:大森盛太郎
編集:鈴木東陽
助監督:進藤重行
製作主任:真鍋義彦
現像:東京現像所
出演:フランキー堺 船越英二 丸井太郎 市村俊幸 人見きよし
シネマスコープ カラー 83分

中国生まれの王(ワン)さんは、母親の遺言を叶えるために日本へやってきた。昭和13年、日華事変の戦火が広東省に拡がる中、日本兵たちが民家に潜んでいる兵士に警戒しながら中を検めていると、藁を被って隠れている一人の女性を見つけた。片言の日本語をしゃべる彼女が身重だとわかると山川伍長はすぐに衛生兵を呼び、安心していい子を産むんだぞとやさしく声を掛けた。そして夫が戦争で死んだことを知ると、哀れに思った山川はポケットから出した紙幣を握らせようとしたが、女性は強姦されるのではないかと警戒して受け取りを拒否した。怯える彼女に、君にじゃなくて生まれて来るその赤ん坊にあげるんだと山川が言うと、女性は感謝して何度も「山川伍長」という名を繰り返し口にした。それから歳月が流れ、女性は臨終の時を迎えようとしていた。彼女は傍に座る27歳になった息子の王さんに、人からもらったお金でお前を産んだのでは死んでも死にきれないからあの人にお金を返して欲しいと言った。そのことから王さんは、横浜港へ向かう貿易船ブルネオ丸に船員として乗り込んで日本を目指したのだった。港が見えると船長は王さんを呼び出し、無事に会えることを祈っていると言ってプレゼントのシャツを渡した。そしてその代わりに今日の正午に東京タワーの下で待つ私の友達に渡して欲しいと唐辛子の入った袋を手渡すと、喜ぶ王さんは必ず持って行きますと何度も頭を下げた。ブルネオ丸の船長は札付きの麻薬密輸男として警察がマークしていた。

下船した王さんは、港で一服していたクリーニング屋の六さんに山川さんについて尋ねたが、何のことやらさっぱりわからない六さんは何度も聞き返してその山川という人物が陸軍の伍長をしていたという情報を得た。そこで王さんと言えば長島さんだとひらめいた六さんは、配達用のバイクに彼を乗せて自分の街にある栄町派出所の長島巡査を訪ねたのだった。引き継ぎの巡査と交代した長島は、腹を空かせているという王さんを万来軒というラーメン屋へ連れて行く間に日本へ来た理由を聞いた。その日、万来軒は葉っぱ会という若者たちのサークルに貸し切っていたことから、長島はそこで王さんのことを紹介することにしたのだ。女将は彼の話を涙ながらに聞いていたが、返す金額が23円50銭と聞いて拍子抜けした。倍の50円とお礼の気持ちとして家が2、3軒買える2千円を用意してきたのだが、それは村長から聞いた60年前の情報をもとにしていたのだ。女将から今の2千円の価値がラーメン20杯程度しかないことを聞いた王さんは肩を落とした。その様子に長島は今の価値に換算した5万円を返したらどうかと提案したが、王さんは驚いてそんなお金はないと首を横に振った。ブルネオ丸が停泊している2週間で5万円を用意するのは大変だったが、長島はまず落ち着いてラーメンを食べるように言った。左手に持った七味の容器で唐辛子のことを思い出した王さんは急いで東京タワーに向かうと船長の友人だという二人組が現れた。だが一緒にいた長島の姿を見るなり慌てて逃げ出した。

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