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マルサの女

  • posted at:2023-02-17
  • written by:砂月(すなつき)
まるさのおんな
伊丹プロダクション=ニュー・センチュリー・プロデューサーズ
配給:東宝
製作年:1987年
公開日:1987年2月7日
監督:伊丹十三
製作:玉置泰 細越省吾
脚本:伊丹十三
音楽:本多俊之
撮影:前田米造
照明:桂昭夫
録音:小野寺修
美術:中村州志
編集:鈴木晄
記録:堀北昌子
衣裳:小合恵美子
装飾:山崎輝
撮影効果:落合保雄
キャスティング:笹岡幸三郎
グラフィック・デザイン:佐村憲一
音楽プロデューサー:立川直樹
演出助手:久保田延廣
助監督:白山一城
製作担当:川崎隆
出演:宮本信子 山崎努 津川雅彦 大地康雄 桜金造
スタンダード カラー 127分

脱税の知識を豊富に蓄えている港町税務署の調査官・板倉亮子は小規模企業などだけでなく後輩への指導も厳しく行っている。ある日、パチンコ店への調査に入った亮子はまず前日に客として入店した際にマジックペンで目印をつけた一万円札を両替機に投入した。そして翌日、社長と面談した際に事務所の中をくまなく視線を送った。帳簿に記された決済方法が現金しかないことに気づき不便ではないかと尋ねると、社長は昔倒産した際に痛い目に遭ったから銀行は村田銀行としか取り引きしていないと言った。だがそれは嘘だとすぐにわかった。何故なら彼が持っているマッチ箱やティッシュペーパーには司信用金庫と書いてあるからだ。問い詰めると義理で当座預金の取り引きがあると口ごもったため、亮子は帳簿を見せてくださいと言った。すると社長は出納帳をつけていないと開き直り小切手帳の耳も一冊使い切ったら捨ててしまうからないとしらばくれた。その態度を見た顧問弁護士も何か隠していると思われたらマズいからメモでも何でもいいから出した方がいいですよとアドバイスするが、ないんだから出しようがないと開き直った。前日は売り上げは閉店後に村田銀行の貸金庫に入金してここにはないという。社長が大事にしているバッグに気づいた亮子は例えそれが私物だろうと中身の判断はこちらですると言って半ば強引に見せてもらった。すると現金の入った封筒が見つかり、その中の一万円札に目印が見つかった。逃げられなくなった社長は泣き言を連ねて調査を免れようとするが、亮子はそんなことでは動じなかった。

突然降られラブホテルの軒先で雨宿りすることにした亮子だったが、彼女にとって服が濡れたことよりも駐車場に停まるたくさんの車の方が気になった。そのホテルを経営する権藤商事は不動産業も行っていたが、法人税の申告額が軽く計算した額よりも遥かに少なかったため経営者の権藤英樹を調べてみることにした。その権藤は末期がんで余命半年といわれる資産家・袴田利兵衛に目をつけ、担当の看護師を利用して実印と印鑑証明を手に入れた。彼はそれを使って袴田不動産という名のダミー会社を設立し、死亡後に倒産させて財産を根こそぎ奪おうと考えていたのだ。すると春を待たずにその時は訪れた。

春になると港町税務署では同伴旅館に的を絞って重点調査を行うことになった。同伴旅館は現金商売であり、一般旅館と違って領収書を受け取る者が少ないことから売り上げの除外が容易だった。そこで上司の露口は亮子に丁度いいタイミングだからと権藤商事の調査を任せることにした。ところが権藤が行う手口は巧妙で、徹底して調べたものの脱税を暴くことは出来なかった。やがて夏が訪れると亮子のもとに吉報が訪れた。念願の東京国税局査察部への配置換えが決まったのだ。彼女は査察官(通称・マルサ)として新たな道を歩むことになった。

屋台的映画館
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網走番外地 悪への挑戦

  • posted at:2023-02-14
  • written by:砂月(すなつき)
あばしりばんがいちあくへのちょうせん
東映(東京撮影所)
配給:東映
製作年:1967年
公開日:1967年8月12日 併映「兄弟仁義 関東命知らず」
監督:石井輝男
企画:今田智憲 植木照男
原案:伊藤一
脚本:石井輝男
撮影:稲田喜一
録音:渡辺義夫
照明:大野忠三郎
美術:藤田博
編集:鈴木寛
助監督:内藤誠
進行主任:武田英治
現像:東映化学工業
音楽:八木正生
主題歌:「網走番外地」高倉健
出演:高倉健 嵐寛寿郎 真理明美 谷隼人 田中邦衛
シネマスコープ カラー 90分

博多港の波止場では少年たちがバリケードを築き母子を人質にして立てこもっていた。彼らの手にはライフル銃が握られており、警察との睨み合いは長時間に亘っていた。そんな中、ふらりと現れた橘真一は彼らの前に歩み寄ると何の罪もない人を放してやれと言った。少年たちがそれを拒否すると橘は女子供の助けを借りなきゃ何も出来ないのかと挑発し人質の身代わりを買って出た。そして罪を重ねれば少年死刑囚になりうることを説明して脅すとマシマロが怯え始め、ダンプとの間で小競り合いが始まった。橘はしめたと思い飛び掛かろうとするが、それにいち早く気づいたダンプが引き金を引いた。銃弾は橘のどてっ腹に命中し動揺したダンプは警察に逃走用のボートを要求するが、うずくまっていた橘が立ち上がって近づいて来ると恐ろしくなり真っ青になった。お勤めに行くかと言われ観念したマシマロ、ダンプ、エントツの三人は御用となった。橘は服の中の鉄板を取り出しながら本当にぶっ放しやがったとつぶやいた。

早々に現場から立ち去った橘に話し掛けてきたのはペコという少女だった。彼女はベイビードールというクラブに案内したが、そこは不良少年たちの溜まり場だった。あっという間に取り囲まれた橘だったが、挨拶がわりに大暴れしお前らみたいな行儀の悪い奴らにはこういうお返しもあるんだと説教した。彼らのバックにはハジキやドスよりも肺がんが怖いというクラブのオーナーの衆木という男がいた。波止場での活躍を見たことで心底惚れ込み、橘に仕事を斡旋しようと考えたのだ。だが子供を手先に使うやり方が気に食わない橘はすぐに店を出て行った。

港の見える高台を橘が歩いているとペコと新坊がつけてきた。きっと衆木が命じたに違いないと考えた彼はそんなことばかりしていると臭い飯を食うことになるぞと説教した。すると偶然鬼寅が通り掛かり、橘は懐かしさに相好を崩した。鬼寅は今体調を崩した幼馴染の島田保護司の手伝いするために愛宕少年寮にいたのだ。話を聞いた橘は今まで世間に迷惑を掛けた恩返しとしてしばらくここで働くことに決めた。

屋台的映画館

宇能鴻一郎の姉妹理容室

  • posted at:2023-02-10
  • written by:砂月(すなつき)
うのうこういちろうのしまいりようしつ
にっかつ
配給:にっかつ
製作年:1983年
公開日:1983年2月25日 併映「団鬼六 蛇の穴」
監督:小沼勝
プロデューサー:結城良煕
企画:小松裕司
脚本:桂千穂 内藤誠
撮影:森勝
照明:木村誠作
録音:細井正次
美術:菊川芳江
編集:山田真司
選曲:伊藤晴康
助監督:堀内靖博
色彩計測:森島章雄
現像:東洋現像所
製作担当者:香西靖仁
アシスタントプロデューサー:桜井潤一
出演:井上麻衣 吉沢由起 三崎奈美 草薙良一 玉村駿太郎
アメリカンビスタ カラー 69分

高校を卒業して上京した露木三津枝は姉夫婦が経営する理容室「バーバー・ラビット」で働くことになった。姉の股野一美は手に職をつけてあげると言っていたが、実はただ働きさせようとしているのではないかと薄々感じていた。そんな理容室には隙あらば一美の体に触ろうと下心丸出しの男たちが集い、店内のテレビにはちょっとエッチな「お昼下がりのレディスショー」が映し出されていた。

一美と夫の保は人が羨む程のおしどり夫婦だった。だが三津枝が店に来て以来、二人の間に不穏な空気が漂うようになった。ある日、三津枝を東京見物に連れて行くことにななった一美は迷わずお昼下がりのレディスショーのスタジオ観覧を選んだ。料理の先生の谷間新吾のファンである一美は収録が終わると三津枝に一人で帰るように言って楽屋に行こうとするが、そこに新吾と司会の上原のり子がやってきたことで話がややこしくなった。度々スタジオに来ることで新吾は一美の顔を覚えており、深い関係になりたい彼女はどんな手を使ってでも近づきたいと考えていた。一方、既に深い関係になっているのり子はそうはさせまいと必死に抵抗した。新吾と一美の関係が怪しいと睨んでいた三津枝はテレビ局から出てきた二人がタクシーに乗ったところを目撃し、自分もタクシーを拾って後を追った。下車した一美たちはマンションへ消えて行ったが、そこは理容室から目と鼻の先の場所だった。そんな近くで不倫しているなんてと三津枝は憤った。

保は三津枝に剃刀の研ぎ方を教えることにしたが、それは近づくための口実だった。口説いている途中にやってきた作業員の客は一美に髭を剃ってもらおうと思ってやってきたが、彼もお触り目的だった。一美がまだ帰ってきていないため保が代わりに行おうとすると、男は三津枝にやってもらいたいと言った。強烈なラブコールに彼女は渋々剃刀を持つが、いきなりお尻を触られたため驚いて顔を切ってしまった。それでもやめようとしないことから、三津枝は新米だから本当に鼻を削ぎ落すかもしれませんよと脅した。

屋台的映画館

甘い鞭

  • posted at:2023-02-07
  • written by:砂月(すなつき)
あまいむち
角川映画=ファムファタル
配給:角川映画
製作年:2012年
公開日:2013年9月21日
監督:石井隆
エグゼクティブプロデューサー:井上伸一郎
企画:安田猛
製作:加茂克也 石井隆
プロデューサー:大森氏勝 阿知波孝
原作:大石圭
脚本:石井隆
撮影:佐々木原保志 山本圭昭
照明:祷宮信
録音:北村峰晴
美術:鈴木隆之
音楽:安川午朗
音響効果:斉藤昌利
編集:村山勇二
ヘアメイク:竹村由三子
衣裳:森口誠治
アクションコーディネーター:柴原孝典
特殊メイク:福岡洋一
緊縛指導:有末剛
助監督:池本晋
制作担当:高見明夫
アシスタントプロデューサー:小橋孝裕
製作プロダクション:ファムファタル
出演:壇蜜 間宮夕貴 中野剛 屋敷紘子 中山峻
アメリカンビスタ カラー 118分

32歳の岬奈緒子はレディースクリニックで不妊治療の勤務医をしている。彼女はオペ室や培養室にいる時間を除けば火曜日から土曜日までの日中の大半を狭い第2診察室で過ごしている。15年前の忌まわしい事件によって奈緒子と両親との細やかな幸せは崩壊した。それ以来、母は彼女のことを「さん」付けで呼ぶようになり、奈緒子も両親と敬語で話すようになった。

暑い夏の朝、奈緒子は夏休み中の水泳部の練習で家を出た。母はいつものようにドアの外に出て娘を見送り姿が見えなくなるのを確認してから家に入った。奈緒子もいつものように振り返らなかった。そして電車通り添いに建つ丸い屋根の家のガレージからいつものようにあの男の視線が学校へ急ぐ彼女の姿を追っていることなど知る由もなかった。事件はその日の夕方、学校からの帰り道で起こった。ものすごい夕立に遭った彼女が丸い屋根の家のガレージで雨宿りをしているとこの家に住む藤田赳夫が突然声を掛けてきた。藤田は彼女を強引に家に引き入れると地下室に監禁した。

日が暮れても帰ってこない娘を心配した母は警察に連絡するが、すぐにパトカーが何台もやってきて、女子高生誘拐事件としてマスコミが押し掛け、テレビで公開捜査が行われることは実際にはなかった。誘拐の電話があったわけでもなく、年頃だから渋谷でデートでもしているのかもしれないので終電の時間まで待ってみましょうと交番の警察官に言われ、仕方なく言う通りにした。その日、母は一睡もせずに娘の帰りを待ったが結局帰ってこなかった。それでも奈緒子の失踪は事件として公にはされなかった。この年、警察が受理した行方不明者の捜索願は10万人を超えていた。事件性がないことを理由に母が書いた家出人捜索願に従い所轄の警察官たちの形だけの聞き込みが行われただけだった。その後、奈緒子の部屋からはラブレターやお酒、たばこ、更にはアダルトビデオや興味本位で買ったと思われる避妊具まで見つかり、両親は家出を信じることで不安を打ち消そうとした。そして1ヶ月が過ぎた夕方、若い警察官が訪問しているところに奈緒子が帰ってきた。バスローブ一枚の彼女の体には全身に暴行を受けた痕があり、両手には手錠が掛けられていた。あまりの変わり様に母は言葉を失い全身血だらけの彼女を冷たく拒否した。

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日本女侠伝 真赤な度胸花

  • posted at:2023-02-04
  • written by:砂月(すなつき)
にほんじょきょうでんまっかなどきょうばな
東映(京都撮影所)
配給:東映
製作年:1970年
公開日:1970年1月9日 併映「不良番長 王手飛車」
監督:降旗康男
企画:俊藤浩滋 日下部五朗
脚本:笠原和夫
撮影:古谷伸
照明:和多田弘
録音:渡部芳丈
美術:井川徳道
音楽:八木正生
編集:宮本信太郎
助監督:篠塚正秀
記録:梅津泰子
装置:米沢勝
装飾:山田久司
美粧:久斗敏厚
結髪:妹尾茂子
衣裳:松田孝
擬斗:谷明憲
進行主任:福井良春
協力:十勝農業組合連合会 釧路市 吉永長吉郎
出演:藤純子 高倉健 山城新伍 山本麟一 小松方正
アメリカンビスタ カラー 94分

明治末期の北海道釧路。博労総代の松尾兼之助はともに苦労をして育てた十頭の馬を木島が借金の形にしたと聞き博徒大野金次郎の賭場へやってきた。馬を博労の鑑札なしで売買することは法律で禁止されているため、兼之助は証文を然るべきところへ出せば貴様を監獄へぶち込むことが出来ると脅した。それが嫌なら町から出て行けと言い放つが、大野の子分によって暗殺された。兼之助の死によって博労の鑑札が宙に浮いたままになっており、久寿里町の向井三蔵助役が道庁に問い合わせたところ組合側で後継者を決めるように言われた。番頭の陣之内七兵衛は兼之助の一人娘の雪を後継者に推薦するが、向井は道庁が直接認可して春秋二回開催される馬市の運営一切を任される重要な博労総代の鑑札を九州から北海道へ初めてくるような小娘に務まるはずがないと言った。七兵衛は我々がついているから大丈夫だと胸を張るが、向井はその申請にある筋から異議が出ていると言った。そこに松尾の下で働いていた益川源次が現れ、傍にいた大野の部下は飼子頭だった彼が適任だと言った。

騒動を起こして留置場に入れられた七兵衛との面会を申し出たのは長旅で北海道にやってきた雪だった。雪は警察に対し松尾側の飼子だけ逮捕されたのは一方的で不当であり、釈放しなければ新聞社に訴えると申し出たのだ。事を荒立てたくない署長と向井の判断により七兵衛は釈放された。雪が北海道にきたのは博労総代になるためではなかった。八年前に母親が亡くなってから彼女は支那大陸に渡ることを夢見ておりそれがようやく実現することになった。満州のある日本人小学校に奉職することが決まり翌月の末に日本を離れることになっていた。北海道にきたのは兼之助の分骨を貰うことでありそれを佐賀で眠る母親の傍に埋めてあげようと思ったからだ。ところが突然警察から飼子たちの町外への強制退去を命じられたことから、理不尽さを肌で感じた雪は兼之助の後を継ぐことに決めた。組合の理事会が開かれ表決が行われた結果、五対五で真っ二つに割れた。勝敗の鍵を握るのは兼之助が推奨し株を譲渡したもう一人の理事の風見五郎だったが、今は行方不明になっていた。組合長は票が割れた以上、網走方面にいるというその人物を捜し出して白黒をつける以外に方法はないと言った。

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砂月(すなつき)
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ブログ主はインドア派大分トリニータサポーター

 

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