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男はつらいよ 寅次郎かもめ歌

  • posted at:2021-06-13
  • written by:砂月(すなつき)
おとこはつらいよとらじろうかもめうた
松竹(大船撮影所)
配給:松竹
製作年:1980年
公開日:1980年12月27日 併映「土佐の一本釣り」
監督:山田洋次
製作:島津清
製作補:佐生哲雄
企画:高島幸夫 小林俊一
原作:山田洋次
脚本:山田洋次 朝間義隆
撮影:高羽哲夫
美術:出川三男
音楽:山本直純
録音:鈴木功
調音:松本隆司
照明:青木好文
編集:石井巌
スチール:長谷川宗平
監督助手:五十嵐敬司
装置:小島勝男
装飾:町田武
衣裳:松竹衣裳
現像:東京現像所
進行:玉生久宗
製作主任:峰順一
主題歌:「男はつらいよ」渥美清
撮影機材:パナビジョン
協力:北海道奥尻町 江差町 柴又 神明会
出演:渥美清 倍賞千恵子 伊藤蘭 下條正巳 三崎千恵子
アメリカンビスタ カラー 100分

秋が深まり始めた頃、国勢調査の調査員を務めるおばさんが調査表を回収するためにとらやへやってきた。住んでいるのは夫婦のみですねと確認を求められた竜造だったが、どう答えていいかわからず「実は」と切り出した。普段住んでおらずふらりと帰ってくる甥の車寅次郎について尋ね、その場合は世帯に含めなくていいことがわかるとホッと胸をなで下ろした。だがそんなときに限って彼は帰ってくるのだ。竜造は店を出て行こうとするおばさんを勘違いしていましたと呼び止めると調査票を訂正した。ひと息ついて何かいいことはないかと寅次郎が尋ねると、竜造はさくらの新居のことを口にした。印刷工場の職工をする彼女の夫・諏訪博は以前から一戸建ての住宅を手に入れることを夢見ていたが、安月給では中々難しかった。そこで竜造は店を抵当にして借金をしそれを購入資金の一部に充てたのだった。二階建ての一軒家はとらやから目と鼻の先で、小さいながらも庭がついていた。建ててから3年が経っていたが、前の持ち主が丁寧に使っていたこともあってまだ新しく感じた。部屋の様子を見ていた寅次郎は自分が泊まるための部屋が二階に用意されていることを知り甚く感動した。そこで今何が欲しいかと尋ねると、ローンの支払いが大変だからお金が欲しいとさくらは答えた。

困ったときの御前様頼み。寅次郎は挨拶をしに柴又題経寺へ向かったが、まさか借金の相談じゃないだろうなと言われ逃げ出した。そこに駆け寄ってきた源公になけなしの小遣いをやるが、それをしまい込もうとする財布の中に聖徳太子が何人もいることがわかると、寅次郎は猫なで声を出して色々話したいことがあるからお茶を飲もうと言った。その夜、夕食時に寅次郎は引っ越し祝いとして源公から借りた2万円を渡すが、博はその額が大き過ぎると感じ気持ちだけもらってそれを返そうとした。その素直に受け取らない態度が気に食わないと寅次郎は怒り出し店を出て行った。

江差町を旅する寅次郎はテキヤ仲間から博奕狂いとして知られるシッピンの常が死んだことを聞き、彼の故郷である奥尻島へ向かった。家を訪ねるが誰もおらず、話を聞くためにスルメ工場へ行くと娘の水島すみれがそこで働いていた。その夜、寅次郎が泊まる旅館を訪ねたすみれは明日東京へ帰るという彼に胸の内を明かした。高校を中退したすみれは思うような会社に就職出来ずに苦労しており、いつか東京の定時制高校に働きながら通いたいと考えていたのだった。その話に心打たれた寅次郎は、そのときはここを訪ねてきなさいととらやのマッチを渡した。だが心配が山のように押し寄せ結局は東京へ連れて行くことに決めた。

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宇宙戦艦ヤマト 復活篇

  • posted at:2021-06-10
  • written by:砂月(すなつき)
うちゅうせんかんやまとふっかつへん
エナジオ=「宇宙戦艦ヤマト復活篇」製作委員会(東北新社=TBS=バンダイビジュアル=セディックインターナショナル=博報堂DYメディアパートナーズ=東宝=毎日放送=中部日本放送=TOKYO FM=伊藤忠商事=Yahoo! JAPAN)
配給:東宝
製作年:2009年
公開日:2009年12月12日
監督:西崎義展
製作総指揮:西崎義展
企画:西崎義展
原案:石原慎太郎
原作:西崎義展
脚本:石原武龍 冨岡淳広 西崎義展
音楽監督・指揮:大友直人
演奏:日本フィルハーモニー交響楽団
ヤマト・オリジナルスコア:宮川泰 羽田健太郎
ピアノ:横山幸雄
絵コンテ:白土武
チーフディレクター:白土武
キャラクターデザイン:国友やすゆき 湖川友謙 高橋信也
衣裳デザイン協力:MIHARA YASUHIRO
メカニックデザイン:小林誠
総作画監督:湖川友謙
作画監督:宇田川一彦 高橋信也
撮影監督:加藤道哉
美術監督:竹田悠介
演出:高山秀樹
メカニック演出:羽原信義
音響監督:吉田知弘
スペシャルアドバイザー:田代敦巳
効果:倉橋静男
編集:西崎義展 坂本雅紀
録音:井上秀司
総監修:舛田利雄
アソシエイトプロデューサー:山本暎一
エグゼクティブプロデューサー:西崎彰司 西崎義展 中沢敏明
副監督:小林誠
エグゼクティブスーパーバイザー:植村伴次郎
製作:東北新社
制作:ヤマトスタジオ
声の出演:山寺宏一 伊藤健太郎 浪川大輔 茶風林 野島健児
アメリカンビスタ カラー 135分

人類を産み育てた母なる星・地球。その約3万光年彼方にある天の川銀河系の中心部には太陽の200万個分の質量を有する時空の穴・巨大ブラックホールが存在した。西暦2220年、そのブラックホールが遥かな宇宙から刻一刻と地球に迫りつつあった。

地球から1万6800光年離れた宇宙開拓辺境の宇宙ステーションには深宇宙貨物船ゆきが接岸していた。その貨物船の船長はかつて宇宙戦艦ヤマトの艦長代理を務めたことがある古代進だった。ディンギル星人との戦いに勝利し回遊惑星アクエリアスからの危機を回避した後、彼は恋人の森雪と結婚した。一人娘の美雪を授かったが平和な地球の生活に馴染むことが出来ず再び宇宙での仕事に就いたのだった。現在地から150宇宙キロの地点で難破船を発見し、副長の大村耕作、ナビゲーターの桜井洋一と生存者の救出に向かったところ船団は壊滅状態に陥っていた。地球連邦政府は2万7千光年離れたサイラム恒星系惑星アマールの衛星に人類を移民させる計画を立て実行した。3億人を乗せた3千隻の第1次移民船団は順調に航行していたが、地球から1万7千光年離れた地点で謎の船団に襲撃されたのだった。古代たちが連結した大型空母ブルーノアは辛うじて船体の姿を止めており、地球防衛軍1等空佐の上条了がただ一人傷を負いながらも生存していた。残存戦艦による攻撃に再び遭うと古代はエンジンを起動し、直前まで引きつけて上条に攻撃を命じた。主砲は敵戦艦の横っ腹を貫き大爆発を起こしたのだった。古代は危機が迫る地球へ3年ぶりに戻ることに決めた。

地球連邦科学局長官の真田志郎は古代が到着するのを首を長くして待ってた。彼が一刻も早く知らせたかったのは移動性ブラックホール「カスケードブラックホール」が太陽系を通過することが確実視され、地球到達まで約3ヶ月と予測されたからだった。カスケードブラックホールは3年前に初めて観測されたが、天体物理学の権威による対策会議で現在の科学力では対抗出来ないという結論に至り人類が生き残る手段として宇宙移民を選択したのだった。だが第1次移民船団は壊滅しそれに次ぐ第2次移民船団とも連絡が取れなくなっていた。人類を救えるのは古代しかいないと考えていた真田は第3次移民船団の護衛艦隊司令を任せようとした。その話を古代は断るつもりでいたが、雪が第1次移民船団の護衛艦に責任者として乗っていたことを知り、更に第2次移民船団まで同じ地点で壊滅したことで任務を引き受けることにした。すると真田は、お前が乗る船を用意してあると当然のように言った。

西暦2203年、地球を水没の危機に陥れたアクエリアスの水柱を断ち切る代償として宇宙戦艦ヤマトは艦長・沖田十三の命とともに散った。その名残として巨大な氷塊が残ったが、その場所にドックが建造された。最新技術により蘇ったヤマトは古代がくる日を待ち続けていたのだった。

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バトルフィーバーJ

  • posted at:2021-06-07
  • written by:砂月(すなつき)
ばとるふぃーばーじぇい
テレビ朝日=東映=東映エージエンシー
配給:東映
製作年:1977年
公開日:1977年7月17日 併映「パンダの大冒険(再映)」「SF西遊記スタージンガー 悪魔のバリバリゾーン」「花の子ルンルン」「ねずみのよめいり」
監督:竹本弘一
プロデューサー:落合兼武 吉川進 折田至
原作:八手三郎
脚本:高久進
撮影:相原義晴
照明:中川勇雄
美術:井上明
録音:上出栄二郎
効果:阿部作二
選曲:石川孝
編集:松谷正雄
助監督:稲垣信明
計測:黒須健雄
記録:石川和枝
進行主任:沼尾和典
技斗:高橋一俊
視覚効果:デン・フィルム・エフェクト
現像:東映化学
音楽:渡辺宙明
演奏:コロムビア・オーケストラ
主題歌:「バトルフィーバーJ」MOJO コロムビアゆりかご会 フィーリング・フリー
・・・:「勇者が行く」MOJO コロムビアゆりかご会 フィーリング・フリー
装置:紀和美建
操演:佐藤幹雄
美粧:太陽かつら
衣裳:鷹志衣裳
キャラクターデザイン:企画者 104 久保宗雄
キャラクター制作:エキスプロダクション
オートバイ協力:鈴木自動車(株)
車輌協力:MAZDA
特殊撮影・操演:(株)特撮研究所 鈴木昶
特殊撮影・美術:(株)特撮研究所 大澤哲三
特殊撮影・撮影:(株)特撮研究所 高橋政千
特殊撮影・照明:(株)特撮研究所 日出明義
特撮監督:矢島信男 佐川和夫
出演:谷岡弘規 伊藤武史 倉地雄平 大葉健二 D・マーチン
アメリカンビスタ カラー 24分

サタンエゴスを神として崇める秘密結社エゴス。原始科学を信奉する彼らは怪人製造カプセルよって生み出された神子・エゴス怪人を操って世界を混乱に陥れようと企んだが、そこに立ち塞がったのは国防省の最高幹部である倉間鉄山が創設し国防省とFBIの中から選び抜かれた5人の精鋭(伝正夫、白石謙作、志田京介、曙四郎、ダイアン・マーチン)で構成されたバトルフィーバー隊だった。そのチームが搭乗する巨大なロボットが製造されているという情報を掴んだヘッダー指揮官は国防省の坂口情報局長を利用しようと考え、彼の子供である陽子と健一を誘拐、監禁した。そして子供たちを返して欲しければ巨大ロボットに関する情報を集めよと命じたのだった。

バトルフィーバー隊の拠点である秘密基地・ビッグベイザーでは突然辞表を提出して姿を消した坂口のことが話題になっていた。すると突然警報が鳴り響き、基地内に侵入した彼の姿がモニターに映し出された。メインルームに必ずやってくると睨んだ鉄山は5人に姿を隠すように命じ彼がくるのを待った。そして室内から巨大ロボットの設計図を持ち出そうとする坂口に何故泥棒のようなことをするのかと背後から問い掛けた。俺は裏切り者だが償いは必ずする。坂口はそう言って姿を消した。隣の部屋から出てきた正夫たちは後を追おうとするが鉄山は何故か涼しい顔をしていた。それは巨大ロボットが完成間近となり多少の情報が漏れても然程問題がないからだ。彼が何よりも気掛かりなのは友人で同期入省の坂口が命を懸けてまで何かをやろうとしていることだった。そこで鉄山は四郎に二人の子供の行方を捜すように命じた。

サタンエゴスは新たなエゴス怪人・バッファロー怪人を造り出しヘッダーのもとへ向かい弟と会うように言った。その弟とはバッファロー怪人の姿をした巨大ロボットだった。ヘッダーが知りたかったのは単なるバトルフィーバーロボの進捗状況であり、それよりも早く完成したことがわかったことで坂口一家に用はなくなった。戦闘員のカットマンに銃殺を命じたところ、坂口は体中に巻いたダイナマイトを見せて撃つなら撃ってみろと逆に脅した。

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男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花

  • posted at:2021-06-04
  • written by:砂月(すなつき)
おとこはつらいよとらじろうはいびすかすのはな
松竹(大船撮影所)
配給:松竹
製作年:1980年
公開日:1980年8月2日 併映「思えば遠くへ来たもんだ」
監督:山田洋次
製作:島津清
企画:高島幸夫 小林俊一
原作:山田洋次
脚本:山田洋次 朝間義隆
撮影:高羽哲夫
美術:出川三男
音楽:山本直純
録音:鈴木功
調音:松本隆司
照明:青木好文
編集:石井巌
スチール:長谷川宗平
監督助手:五十嵐敬司
装置:小島勝男
装飾:町田武
衣裳:松竹衣裳
現像:東京現像所
進行:玉生久宗
製作主任:峰順一
主題歌:「男はつらいよ」渥美清
撮影機材:パナビジョン
協力:日本航空 沖縄県 沖縄県観光連盟 琉球映画貿易 柴又 神明会
出演:渥美清 倍賞千恵子 浅丘ルリ子 下條正巳 三崎千恵子
アメリカンビスタ カラー 104分

印刷工場で働く諏訪博は注文を受けたチラシを届けるために小岩駅前の繁華街にあるキャバレーへ向かった。そこで彼が偶然出会ったのはスナックやキャバレーでドサ周りをしながら活動を続ける歌手のリリーだった。二人は再会を喜び、博はうちにきたら皆大喜びしますよと誘うが、スケジュールが多忙の彼女は悲し気な顔をして断った。キャバレーでの仕事が終わるとその後は車で大阪へ。そして今度は九州へ行かなければならなかったのだ。別れ際にリリーは、とても逢いたいと寅さんに伝えてと言った。つかの間の出来事をとらやで夕食時に話しているとその車寅次郎から電話が掛かってきた。上州で仲間と酒盛り中で、これから新潟方面を北上するルートで旅をするのだという。リリーが逢いたがっているとさくらが言ったことから寅次郎は詳しく話を聞き出そうとした。ところが手持ちの10円玉がなくなってしまい電話が切れてしまった。心残りのまま彼は仲間たちと旅に出た。

それからひと月後、とらや一家はアヤメの花が盛りな水元公園でピクニックをしようと出掛ける準備をしていたが、間が悪いことに寅次郎が帰ってきた。さくらたちはそのこと必死に隠そうとするが結局バレてしまい、変に気を使ったことが悪いと寅次郎は拗ねた。気分が悪いと竜造は計画を取り止め、一晩厄介になろうと思ったがそんな気分になれないと寅次郎は出て行こうとした。だが自分宛ての速達郵便が届いていたことを知り手紙を読んだ。差出人はリリーで、ステージで血を吐き今は病院で療養中だと書かれていた。気弱な文面に居ても立っても居られなくなった寅次郎は病院のある那覇市へ行くことに決めたが、一番早く到着出来る手段が飛行機だとわかり青ざめた。お金の問題ではない。高い所が死ぬほど苦手なのだ。どうしても乗りたくないという寅次郎を説得するために近所の人だけではなく御前様までくる始末。何とか納得させて事なきを得たが、騒動は翌日に待ち構えていた。朝早く博が運転する車で出掛けたまでは良かったが、空港でジェット機を目の前にして怖気づいたのだった。柱にしがみついた寅次郎を博が説得するが動く様子を見せず、諦めかけたそこに客室乗務員の一団が傍を通り掛かった。事情を知ったそのうちの一人が私なんて毎日乗ってますよと言ったことで寅次郎は気を良くし、いいところを見せようと進んでついていったのだった。だが苦手なものはやっぱり苦手。那覇空港に着いたときには腰が抜けてフラフラになっていた。

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色暦大奥秘話 刺青百人競べ

  • posted at:2021-06-01
  • written by:砂月(すなつき)
いろごよみおおおくひわいれずみひゃくにんくらべ
日活
配給:日活
製作年:1972年
公開日:1972年8月5日 併映「団地妻 昼下りの悶え」
監督:近藤幸彦
企画:伊藤亮爾
脚本:久保田圭司
撮影:前田米造
美術:川船国彦
録音:榊八郎
照明:松下文雄
編集:鍋島惇
音楽:山野狩人
助監督:浅田真男
色彩計測:仁村秀信
現像:東洋現像所
製作担当者:大内利男
刺青:河野光揚
出演:小川節子 原英美 橘田良江 小森道子 堺美紀子
シネマスコープ カラー 69分

宝永六年の秋、江戸城の大奥で一人の中臈が六代将軍徳川家宣によって手討ちにされた。だがこの事件は闇から闇に葬られ、その現場となった納戸は以来開かずの間となり誰一人入る者はなかった。中臈の話がいつしか消え掛けた頃、開かずの間から殺された女の怨念が立ち込め夜毎異様な声が聞こえてくると噂され、皆恐れて近づかなくなかった。それから四年後、間部越前守は家宣とともに鷹狩りに出掛けたが、間部は趣向を凝らした余興を用意していた。滝の近くにある水辺に案内するとそこには沐浴をする女がいた。彼女の背中には大きな竜の刺青があり、それが自分への献上品だとわかると家宣は興奮した。それ以来、家宣はお万を寵愛し片時も離すことはなかった。その頃、お八重とお美代の二人が大奥への御奉公を命じられた。お八重はお清の方に、お美代はお蝶の方に仕えることになったが、二つの勢力は常に張り合っていた。手討ちにされたお加代を家宣に献上したのはお清の方で、それが面白くないお蝶の方は奥医師を利用した。牛蒡によく似た毒性のある曼陀羅華の根をお加代に処方し、彼女は意識障害を起こしたのだった。刺青女がいないなら作ればいいという奥医師の提案を受け入れたお蝶の方は、江戸で随一と呼ばれる彫師彫辰に依頼して容姿端麗なお美代の体に刺青を入れることにした。

一見華やかに見えて実は欲望と執念が醜く絡み合う奥女中の生活。そんな女の世界にお八重が入って数カ月が経った頃、お美代の様子がいつもと違うことに気づいた。そこで声を掛けてみるが、何も言わずに去って行った。その夜、お八重が屋敷内の見回りをしていると何処からか女のすすり泣く声が聞こえてきた。その方へ歩を進めると、声の主はお美代だった。訳を聞いて見ると親にも見せられない体になってしまうのだという。そのことは口止めされているらしく、それがどういうことかはわからず仕舞いだった。彫辰によってお美代の体に刺青が入れられていた頃、家宣が突如病に倒れた。齢五十歳を迎えた家宣はお万を寵愛するあまり房事過度となり何時しか体を損ねていたのだった。若さと豊満さ故に危険と見做されたお万は越前たちの計らいで密かに宿下がりをさせられた。だがそれを機にお蝶の方がお美代を家宣に献上したことがお清の方の感情を逆撫でした。怒り心頭の彼女が越前に相談すると江戸にはまだ腕の立つ彫師がいることを知った。そこで若いながらも図抜けた才能を持つという評判の新三に仕事の依頼するが、遊び半分の見世物のためなら無理だと突っぱねた。だが対戦相手が彫辰だとわかると俄然やる気を出した。一方、越前は全快した家宣に刺青競べなる催しを提案した。

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