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告訴せず

  • posted at:2025-06-02
  • written by:砂月(すなつき)
こくそせず
東宝映画=芸苑社
配給:東宝
製作年:1975年
公開日:1975年2月1日 併映「どてらい男」
監督:堀川弘通
製作:市川喜一 森岡道夫
原作:松本清張
脚本:山田信夫
撮影:福沢康道
美術:薩谷和夫
録音:坂井長七郎
照明:平野清久
音楽:佐藤勝
スチール:岩井隆志
合成:松田博
効果:東宝効果集団
整音:東宝録音センター
監督助手:今村一平
編集:黒岩義民
現像:東京現像所
製作担当者:徳増俊郎
出演:青島幸男 江波杏子 渡辺文雄 悠木千帆 小松方正
アメリカンビスタ カラー 90分

日本列島が衆議院の選挙活動で騒がしい中、岡山3区の木谷芳太は焦りを隠せないでいた。この区は定員4人に対して候補者が8人立っているが、上位2人の現職は当選が堅かった。議席争いをしているのは山崎鉄郎という同じ党から出馬した候補者であり、彼に勝つには最低4万5千票は必要になる。だが独自調査を行ったところ投票日の3日前になってこのままでは当選に3千票足りないことがわかった。選挙事務所で頭を抱える芳太に選挙参謀の光岡寅太郎が実弾を使うべきだと提案するとその金を調達すべく派閥トップの中田に相談の電話を掛けた。だが電話に出た秘書の間宮からけんもほろろに断られ、その様子に気づいた妹の春子は先生がダメなら大臣に頼めばいいと提案した。それを聞いた光岡は、中田と宗近大臣は派閥が違うが裏切ったのはお互い様だし当選すれば子分が増えるのだから宗近には3千万円くらい安いもんだろうと言った。早速宗近の事務所に電話を掛けたところ秘書の佐藤を通じて許可がもらえたため芳太は安堵の涙を流した。3千6百万円の領収書と引き換えに金を受け取ることになったが、問題は誰を遣いとして東京に行かせるかだった。秘密が守れる人物として光岡の頭に浮かんだのは愚直な春子の夫の省吾だった。駅前で大衆食堂を開く彼は春子からの電話に従って渋々背広に着替えると選挙事務所に出向いた。指示通りに新幹線に乗り宗近の事務所で領収書を渡すと佐藤はそれと引き換えに金庫から出した3千万円を渡した。省吾はそれを持ってきたバッグに詰め込むとビルを後にした。

金を受け取った後に東京駅から電話が掛かることになっていたが、深夜になっても省吾からの連絡はなかった。彼が金を持ち逃げしたのではないかと考えた光岡は自分の建設会社に電話を掛け社員に若い者を集めるよう命じた。数日の間行方不明となっている省吾は「福山誠造」として伊香保温泉にいた。それは今まで顎で使われていた芳太と、散々馬鹿にされていた春子への初めての抵抗だった。その金を元手にして大きく儲けてやろうと考えていた省吾は、旅館に泊まっていた農協の一行やそこで知り合った女中のお篠と出掛けた比礼神社の神職の話を参考にして穀物の先物取引に投資することに決めた。ところが旅館で金銭の盗難事件が発生し、バッグの中身の改めを拒否したため省吾は警察で事情を聴かれることになった。署長になら話すという条件で二人きりにしてもらうと、彼はこの金の出所が政治家だと話した。そしてもし私を疑うのなら大臣に電話を掛けて調べてくださいと言ったが、大臣の返事は「全く心当たりがない」だった。裏金だから告訴出来ないんだ。この金を使っても犯罪にならないことに気づいた省吾はお篠と人生を変えることに決めた。

屋台的映画館
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