東映ビデオ=オービー企画
配給:東映ビデオ
製作年:2007年
公開日:2007年9月8日
監督:石井隆
企画:石井徹 松田仁
プロデューサー:阿知波孝
脚本:石井隆
撮影:佐々木原保志 寺田緑郎
照明:牛場賢二
録音:北村峰晴
美術:山崎輝
編集:村山勇二
音楽:安川午朗
音楽プロデューサー:石川光
スクリプター:田中小鈴
VE:矢部光宏
音響効果:斉藤昌利
ヘアメイク:山内聖子 相場広美
衣裳:森口誠治
アクションコーディネーター:柴原孝典 秋永政之
製作担当:小松功
制作主任:高見明夫
制作進行:小澤智之 安井謙 稲垣隆治
助監督:日暮英典 山下司 伊藤栄
製作協力:ファム・ファタル
企画協力:宇佐美廉
出演:喜多嶋舞 津田寛治 永島敏行 美景 伊藤洋三郎
アメリカンビスタ カラー 117分
多忙な日々を送る人気女優の土屋名美は映画の撮影の合間に編集者の葛城によるロングインタビューを受けることになった。彼女は芸能界に巻き起こった美少女ブーム期にCMでデビューしアイドル女優として活躍したが、24歳の時に15歳年上のベテラン俳優・土屋洋介と結婚した。幅広く活躍する俳優と清純派女優の結婚は当時のマスコミを大騒ぎさせた。葛城とのインタビューでプライベートな事柄まで赤裸々に語った名美は、今撮影中の映画について話すことになった。「レフトアローン」という作品は役者夫婦の愛と破綻の物語で、芸能界のおしどり夫婦と呼ばれている夫が新人女優と不倫し主人公の鏡子が絶望に陥るというストーリーだった。主人公の女優・鏡子を名美が演じ、夫で俳優の藤倉に扮するのが洋介だった。そして藤倉の愛人・涼子役には新進女優の小谷純子が抜擢された。レフトアローンには劇中劇が二つあるが、そのうちの一つが「愛の行方」だった。
鏡子は藤倉が涼子と親密な関係にあるのではないかと考えていた。彼の携帯電話に残された涼子からのメールを偶然見て以来、確信に似たものがあったのだ。鏡子が映画のロケで留守にした夜、裏口から家に入ると気づかれないように居間へ向かった。ソファーには女物のスカートや紙袋が置いてあり、テーブルには飲みかけの酒のセットがそのままになっていた。グラスは二個。上の階からは人が争うような声がしたことから鏡子は階段をゆっくりと上がった。二階から三階の寝室に上がるにつれて声は大きく聞こえてきた。藤倉は涼子と情事の最中だった。陰から見ている鏡子に気づいた涼子は謝って部屋を出て行き、藤倉は芝居の稽古だと言い張った。だが鏡子の怒りは収まるはずがない。すると藤倉は彼女を強く突き飛ばして部屋を出て行った。ここで監督の「カット!」という声が室内に響き渡りその日の撮影は終了した。藤倉は鏡子に近づき謝るが、彼女は日頃の鬱憤を晴らしているように感じていた。するとすかさずフォローに入ったマネージャーの岡野は鏡子の演技をべた褒めした。藤倉は以前から不満を抱えていた。忙しくてすれ違いの毎日を送るようになったのは家庭を顧みない鏡子の主婦としての怠慢だと考えていたのだ。追い詰められ精神のバランスを崩した鏡子は行き場を失ったが辛うじて扉をこじ開けたのだった。
屋台的映画館
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