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会社物語 MEMORIES OF YOU

  • posted at:2020-05-14
  • written by:砂月(すなつき)
かいしゃものがたりめもりーずおぶゆー
坂本事務所=SEDIC=市川準事務所
配給:松竹
製作年:1988年
公開日:1988年11月26日
監督:市川準
製作:坂本敏夫
プロデューサー:中沢敏明
脚本:鈴木聡 市川準
音楽:板倉文
撮影:小野進
美術:菊川芳江
録音:熊谷良兵衛
照明:小中健二郎
編集:冨宅理一
助監督:米山紳
制作担当:高橋憲行
記録:川野恵美
スチール:上牧佑
スタイリスト:南平和子
擬斗:車邦秀
音楽プロデューサー:安藤賢次 庵豊
アートコーディネーター:市川敏明
企画協力:中井純一
製作協力:渡辺プロダクション
提携:松竹 日本テレビ放送網 坂本事務所 SEDIC
出演:ハナ肇 西山由美 谷啓 犬塚弘 桜井センリ
アメリカンビスタ カラー 99分

東京商事で勤続34年の総務課長・花岡始は間もなく定年を迎えようとしていた。仕事の引継ぎが終わったことで特に何もすることがなくなった彼は、自分のデスクからお茶をすすりながら部下たちの仕事ぶりを眺めるのが日課となった。仕事のストレスから解放されたからか朝早く目覚めるようになり、おかげで出勤時のラッシュアワーに遭うことはなくなった。だが家に帰れば見慣れた妻と顔を合わせなければならず、離婚した長女は娘と同居、受験に失敗した長男は予備校通いと別のストレスが溜まった。そんな花岡の一服の清涼剤は新入社員の西山由里が朝早くから笑顔で出迎えてくれることだった。退職を機に郊外へ引っ越すことにした花岡は、この地での最後の思い出に見慣れた河川敷で家族間でのささやかな焼肉パーティーを行ったが、定年後の彼を心配した妻は市役所でもらってきた趣味講座のチラシを手渡した。趣味を持たない花岡にとってどうでもいいようなものばかりだったが、何処からか聞こえてきたトロンボーンの音色に思わず耳を傾けた。

引っ越しが一段落した頃、花岡は同僚たちから陰口を叩かれていることを社内のトイレで偶然知った。その夜、久しぶりに別の課の谷山啓と飲みに行った花岡はそこで自分が昔、立川にある米軍基地のクラブでドラムを叩いていたことを話した。六大学の花形トロンボーン奏者として有名だった谷山が定年前に会社でジャズを演奏してみたいと言ったことに触発されたのだ。その頃を思い出し深酒をした花岡は帰り道にふらついて電柱に額をぶつけ、翌日は長男が警察にやっかいになり妻と謝りに行った。年末が目前に迫り何かと慌ただしい中、花岡は会社に迷惑を掛けまいと部下の木村台子に送別会を行わない旨の書類の作成を頼んだ。用事を済ませて席に戻ると封筒が置いてあり、その中には二人だけで行う由里主催の定年パーティーの案内が入っていた。驚いた花岡は視線で彼女を捜したが、その仕掛け人は台子だった。台子にとって朗らかで実直な花岡は太陽のような存在であり、私生活で何かあっても会社に行くことで元気をもらえた。 ある日、その花岡が由里を見るときだけ違う目をしていることに気づいた台子は、感謝のつもりでデートしてあげて欲しいと言った。パーティーは午後7時からだったが、重役会議と称した麻雀に誘われ抜けることが出来なくなった。ようやく終わった時には予定の時間を大きく過ぎており、急いで駆けつけると由里は辛抱強く待っていた。食事をし、今まで一度も足を踏み入れたことがないディスコへ行き、定年祝いの花をもらった。上機嫌でタクシーに乗ったが、伝えることを忘れていたことに気づき戻ると、由里は若い恋人とキスをしていた。ショックを受けた花岡はうなだれたまま家に帰った。

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ルパン三世 風魔一族の陰謀

  • posted at:2020-05-11
  • written by:砂月(すなつき)
るぱんさんせいふうまいちぞくのいんぼう
東宝=東京ムービー新社
配給:東宝
製作年:1987年
公開日:1987年12月18日 
演出:大関雅幸
プロデューサー:竹内孝次
原作:モンキー・パンチ
脚本:内藤誠
監修:大塚康生
作画監督:友永和秀
美術監督:小林七郎
撮影監督:斉藤秋男
録音監督:浦上靖夫
編集:瀬山武司
音楽:宮浦清
主題歌:「セラヴィと言わないで」麻倉未稀
効果:フィズ・サウンド
タイトル:高具アトリエ
録音:APUスタジオ
現像:東京現像所
色指定:山本智子
制作デスク:南部正昭
演出助手:難波桂子
演出補佐:富沢信雄
声の出演:古川登志夫 銀河万丈 塩沢兼人 小山茉美 加藤精三
アメリカンビスタ カラー 73分

紅葉鮮やかな飛騨山中の神社で石川五右ェ門の結婚式が行われようとしていた。花嫁は墨縄家の跡取り娘・紫で、五右ェ門は婿養子となるのだ。式が粛々と行われる中、古来の習わしである墨縄家相伝の壺を花婿に渡す儀式が行われようとしていたが、突然現れた覆面装束の男たちにそれを奪われてしまった。出席していたルパン三世、峰不二子、次元大介による連携プレーで壺は何とか取り返したが、代わりに紫が連れ去られてしまった。

岐阜県警の風見刑事は飛騨の山寺を訪ねていた。その目的とはルパン逮捕に心血を注いできた銭形幸一と会うためだった。ある事件を追っていたインターポール専任捜査官の銭形警部はルパンが船上で爆死したのを見届けた。生き甲斐を失った彼は職を辞して出家し、妻子とともに飛騨の山寺に移り住むと毎日ルパンの供養を行っていたのだ。風見はさりげなく神社で壺の争奪戦を行うルパンの写真を見せ、昼頃に起こった強盗事件の犯人だと嘘をついた。そしてもしルパンが死んだのならこの男は一体誰なんでしょうと言った。写真を食い入るように見る銭形の目の色が変わった。

日が暮れ辺りが暗くなる中、警官たちは捜査と警備で屋敷の周りを走り回っていた。その頃、壺を前に考え事をしていた墨縄老人はある決断をし五右ェ門に伝えた。「紫のことは諦めてくだされ」。墨縄家の祖先はからくり細工屋で、その仕掛けの発明は遠く大化の頃から知られていた。ある時、からくりの腕を使って子孫の将来のための財宝を地面の底深くに隠すという出来事があり、その在り処を示す鍵となるのがあの壺だった。昼間現れた覆面装束の男たちは400年の長きに亘り壺を狙う風魔一族という盗賊で、墨縄老人は一族の長の責任として命を懸けて壺を守る決意を固めたのだった。その夜、からくり細工の隠し金庫に隠された壺を盗み出したルパンは次元とともに頭を捻り、偶然謎を解き明かした。

翌深夜、風魔一族が残した「D51 明晩一時」と記されたメモを手掛かりにして機関車の操車場にやってきたルパンたちは壺と引き換えに紫を、そしてあわよくば両方ともいただこうと考えていた。ところが彼を追ってきた銭形が現れたことで話がややこしくなった。次元がSLを動かしたことでルパンたちはその場から逃げ出すことに成功したが、壺は風魔に渡ったままだった。一方、財宝を独り占めにしようと考え風魔を調査していた不二子は、アジトが建築会社の風間組であることを突き止めていた。

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前科おんな 殺し節

  • posted at:2020-05-08
  • written by:砂月(すなつき)
ぜんかおんなころしぶし
東映(東京撮影所)
配給:東映
製作年:1973年
公開日:1973年10月27日 併映「現代任侠史」
監督:三堀篤
企画:吉峰甲子夫 高村賢治
脚本:松田寛夫 神波史男
撮影:飯村雅彦
録音:内田陽造
美術:北川弘
照明:桑名史郎
編集:祖田冨美夫
助監督:橋本新一
記録:勝原繁子
擬斗:日尾孝司
スチール:加藤光男
進行主任:入葉一男
装置:小早川一
装飾:上原光雄
美粧:住吉久良蔵
美容:石川靖江
衣裳:内山三七子
演技事務:石川通生
現像:東映化学
音楽:八木正生
主題歌:「ふうてんぐらし」池玲子
出演:池玲子 杉本美樹 風間千代子 宗田政美 片山由美子
アメリカンビスタ カラー 83分

女子刑務所に送られてきた羽鳥マキは、罪名や刑期を知りたい同室の芦田かおるたちから話し掛けられてもふてぶてしい態度で無視した。頭に血が上ったかおるに対し谷政代は大人げないとたしなめ、マキにも新入りらしく古株を立てるべきだと注意した。ところがそれでも態度を改めようとはしないことから政代はタイマンでヤキを入れることに決めた。翌日、政代は刑務官の目を盗み建物の裏へマキを呼び出した。お互いが紐の端を咥え、窓ガラスの破片を武器とする。勝負の行方を見届けるのはかおるを始めとする女囚たちだった。一進一退の攻防で白熱する中、お互いのガラスが砕け散ると勝負は取っ組み合いに変わり死闘は長時間に及んだ。スタミナ切れでマキの方が先にぶっ倒れてたのだがそれでも立ち上がってこようとし、その姿に根負けした政代が白旗を上げると、かおるたちも心意気を認めたのだった。

政代たちに心を開いたマキは収容部屋へ戻ると身の上に起こったことを話し始めた。ヤクザに脅されたマキの父親は麻薬の売人をさせられていたが、組織の掟を守るために消された。この世にたった一人の身寄りだった父親を奪われたばかりかヤクザ連中に輪姦されたマキは復讐するために組長がいるバーへ単身で殴り込んだのだった。計画は失敗し警察に逮捕されたが、彼女は再び復讐するつもりでいた。その組織が大場興業だと知ると政代の顔色が変わった。

数年後、出所したマキを待っていたのは先に出所していたかおる、木村夏子、中川雪江の三人だった。組長の大場喜一をただ殺すだけでなく父親にした仕打ちを味わわせてやろうというマキの気持ちを汲み協力することにしたのだ。計画が始動すると夏子と雪江はまず大場興業のついての情報収集を、かおるは最適なアジトを探すことになった。1週間後に合流するまでにマキは米軍の関係者と手当たり次第に関係を持ち、多額の現金と銃や手榴弾など横流しの武器を手に入れたのだった。一方、雪江たちは大場について調べ上げていた。元々この街は戦前から浜安組が縄張りにしていたが、10年ほど前に強引に割り込んできて一帯の盛り場をもぎ取ったのが愚連隊上がりの大場だった。その後、浜安組と大場興業との間で小競り合いが続き、2年前の大出入りで大場が勝ったが、浜安組が完全に潰される前に仲を取り持ったのが市会議員の淡野亀次郎だった。命拾いした浜安組が港湾の荷役の仕事で細々と暮らしているのに対し、大場興業は街の事業を独占した上に裏では覚醒剤の取引を一手に握った。大場は浜安組をいつでも潰すことが出来たが、そうしなかったのは組長・浜田安太郎のバックに狂犬のような息子の鉄がいるからだった。マキは鉄を利用することも考えたが、覚醒剤を取り仕切る四人の幹部の殺害を優先することにした。火を点ければ勝手に燃え上がるに違いないからだ。

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必殺!5 黄金の血

  • posted at:2020-05-04
  • written by:砂月(すなつき)
ひっさつふぁいぶおうごんのち
松竹=朝日放送
配給:松竹
製作年:1991年
公開日:1991年12月23日
監督:舛田利雄
製作:櫻井洋三 山内久司
制作補:橋本芳和 中嶋等
脚本:吉田剛
音楽:平尾昌晃
編曲:竜崎孝路
撮影:石原興
美術:倉橋利韶
録音:広瀬浩一
編集:園井弘一
調音:鈴木信一
装飾:木下保
スチール:野上哲夫
殺陣:谷明憲 布目真爾
記録:野崎八重子
効果:竹本洋二
制作主任:武田功 渡辺寿男
監督補:津島勝
主題歌:「月が笑ってらぁ」藤田まこと
出演:藤田まこと 三田村邦彦 菅井きん 白木万理 光本幸子
アメリカンビスタ カラー 104分

佐渡島にある佐渡金山では金などの鉱物が採掘され、長年に亘って徳川幕府の財政を支えていた。は幕府直轄の天領であるこの地には佐渡奉行所が置かれ、水汲人足たちが山を出る際には金を外へ持ち出せないよう念入りな検査が行われた。ある夜、黒衣の集団が奉行所を襲撃し、無宿人を解放すると御用船を襲わせたが、嵐のために操船出来ず出雲崎沖合に沈んだ。その船には半年分の上納金二百貫が乗っていたが、それは小判十万両に相当した。物資不足により金の暴騰を恐れた勘定奉行は小判の加工を行う金座後藤本家に対し他言無用の御触を出したのだった。

御用船沈没の知らせを聞いた後藤本家奉公人のお浅は絶望のあまり川へ身を投げようとしていた。何故なら彼女は、思いを寄せる与七が乗った御用船が沈没する夢を何度も見ておりそれが現実となったからだ。偶然通り掛かった政が思いとどまらせ、お前の夢が良く当たることは知っているが与七はやわに死ぬ奴じゃないと言い聞かせた。するとお浅は、与七が夢の中で会いたいと言っていた深川洲崎に連れて行って欲しいと頼んだ。会えば何もかもがわかると彼女は信じていたのだ。

御用船が沈んだことで金相場が高騰するという噂が広がり、巷では金の買い付け騒動が起こっていたが、それは南町奉行所同心中村主水の屋敷にも影響を及ぼしていた。朝から嫁のりつと姑のせんが大掃除と称して主水のへそくりを探し回っていたのだ。何だかわからないが見つけられてはたまらないと在り処を厠の天井に変えて仕事に出掛けると、奉行所は何やら慌ただしい様子だった。勘定奉行所からの要請で、金の値上がりで駿河町が大混乱となり怪我人が出ないように取り締まることになったのだ。主水は屋敷内での騒動の発端がこれだったことに納得した。早速駿河町に向かうと通りには人だかりが出来ており、両替商から出てきたりつとせんは十二両分の金を買ったと誇らしげに言った。それが半月もすれば三十両に化けると聞き驚いたが、その原資としてあのへそくりが使われていることがわかるとさらに驚いたのだった。

元締鎌イタチのおむらに呼び出された仕事人たちは金座後藤の妻千勢からの依頼内容を聞いた。御用船が沈没した際、無宿人は生き残った形跡があったが御公儀は全て溺死として処理しそれ以上調べようとしなかった。そのことから千勢は乗員を皆殺しにした無宿人への敵討ちを二百両で依頼したのだった。分け前が多いことからおむらは全員が協力すると思っていたが、役人の尻拭いは御免だと飾り職人の秀が抜け、お歌が抜け、夢次が抜け、俺一人じゃ出来ねえと主水も抜けた。その頃、政はお浅を連れて洲崎の砂丘にきていた。そこは寛政の津波で民家が流された場所で今は津波避けの何もない場所になっていた。その日から毎晩そこへ通うようになり、ある夜、お浅は与七の声が聞こえると言った。彼女の代わりに政が浜へ下って行くとそこには無宿人と上納金を運ぶ与七の姿があった。

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大奥絵巻

  • posted at:2020-05-01
  • written by:砂月(すなつき)
おおおくえまき
東映(京都撮影所)
配給:東映
製作年:1968年
公開日:1968年11月16日
監督:山下耕作
製作:大川博
企画:岡田茂 翁長孝雄
脚本:成沢昌茂
撮影:鈴木重平
照明:和多田弘
録音:中山茂二
美術:矢田精治
音楽:斉藤一郎
編集:宮本信太郎
舞踊振付:西川鯉
助監督:清水彰
記録:石田照
装置:温井弘司
装飾:宮川俊夫
美粧:佐藤宇之助
結髪:妹尾茂子
衣裳:森護
擬斗:土井淳之祐
企画助手:杉本直幸
進行主任:俵坂孝宏
出演:佐久間良子 田村高廣 宮園純子 大原麗子 桜町弘子
アメリカンビスタ カラー 96分

寛政二年、春。江戸城内吹上の庭において桜見の宴が開かれ、十一代将軍徳川家斉はお褥を辞退した御台所萩乃の方の代りとなる者を舞踊で競わせ選ぶことにした。そしてその中から抜擢したのは若年寄浅岡局の実の妹で部屋子のお阿紀だった。妙心による身体検が行われ、問題がないと判断されるとその日から御手付中臈の阿紀江の方と呼ばれるようになった。この出世を心から喜んでいたのは浅岡局だった。姉妹の関係はなくなったが、その代わりに高い身分が保証され行く行くは大年寄りへの出世が見込まれるからだ。

家斉は幼い頃から一の丸で起居を共にし末を誓ったお福の方を寵愛していたが、先立たれてからもその気持ちは揺るがなかった。それを不憫に思った大年寄松島局は萩乃の方を遣わすが、この数年お褥を共にすることはなかった。そして年が明けて三十路を迎えたことでしきたりによってお褥を辞退しなければならなくなり阿紀江の方が選ばれたのだ。

阿紀江の方が寝所を共にするようになってから家斉は他の愛妾を遠ざけるようになった。お福の方が世を去ったのは家斉が十六歳のときで、その悲しみが癒えぬうちに萩乃の方が輿入れをした。それが政のからくりによるものだと考えた家斉は萩乃の方と距離を置くことにしたのだ。だが阿紀江の方と出逢ったことで家斉の心は突然燃え上がった。その理由はわからなかったが、彼女を野に咲く花のように感じたのだった。家斉は御湯殿まで阿紀江の方に世話をさせたが、その前例のない所業に激怒した松島局と若年寄藤尾は阿紀江の方を呼び出し叱責した。そして今度は矛先が浅岡局の方へ向き、若年寄の職を辞す覚悟はあるのかと言った。すると浅岡局は、上様の仰せなればと答えた。彼女には家斉の寵愛を受ける阿紀江の方がついているため任を解かれる心配はないという自信があったのだ。松島局は嫉妬のあまり浅岡局の額を扇子で打ち、それを知った家斉は松島局を即刻免職にした。そして大年寄の後釜に浅岡局を据えたのだった。

江戸祭の夜、家斉は浅岡局と阿紀江の方を宿下がりとし、家斉自身もお忍びで城を抜け出した。祭囃子を遠くで聞くことはあっても祭そのものに触れることはなかった家斉にとってそれは愉快なものであった。その帰り阿紀江の方の父和泉屋十兵衛が営む米問屋の屋敷に立ち寄った家斉は三女のお町が大奥に上がること望んでいることを知り喜んだ。一方、復讐に燃える松島局は飛鳥井に命じ阿紀江の方の跡をつけさせたのだった。

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