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日本沈没(1973年)

  • posted at:2018-05-09
  • written by:砂月(すなつき)
にほんちんぼつ
東宝映画=東宝映像
配給:東宝
製作年:1973年
公開日:1973年12月29日 併映「グアム島珍道中」
監督:森谷司郎
製作:田中友幸 田中収
原作:小松左京
脚本:橋本忍
撮影:村井博 木村大作
音楽:佐藤勝
美術:村木与四郎
録音:伴利也
照明:佐藤幸次郎
監督助手:橋本幸治
編集:池田美千子
スチール:石月美穂
現像:東洋現像所
協力:日本海洋産業株式会社
製作担当者:森知貴秀
特殊技術・撮影:富岡素敬
特殊技術・美術:井上泰幸
特殊技術・照明:森本正邦
特殊技術・光学撮影:宮西武史
特殊技術・合成:三瓶一信
特殊技術・操演:松本光司
特殊技術・監督助手:田渕吉男
特殊技術・特殊効果:渡辺忠昭
特殊技術・スチール:田中一清
特殊技術・制作担当者:篠田啓助
整音:東宝録音センター
効果:東宝効果集団
特別スタッフ:竹内均 奈須紀幸 大崎順彦 諏訪彰
特技監督:中野昭慶
出演:小林桂樹 丹波哲郎 藤岡弘 いしだあゆみ 中丸忠雄
シネマスコープ カラー 140分

小笠原諸島北方の無人島が一夜にして水没するという怪現象が発生し、海洋開発興業所属の深海調査艇「わだつみ」が現地に派遣されることになった。わだつみに乗り組むのは操艇者の小野寺俊夫の他に、地球物理学者の田所雄介博士と助手の幸長信彦助教授だった。海上保安庁の巡視船が現地に着くとデリックで吊り上げられたわだつみは静かに海面に降ろされた。

調査の様子はVTRに収められ、その道のスペシャリストが集う巡視船の一室で公開された。海底に見られる裂け目は火口形成後に起きた二次的な原因の崩壊で出来たものではないかと考えられた。こうした海底はその先も続き、やがてリップルマークと呼ばれる漣痕が現れ火山岩や火山弾が露出していた。海底泥土がつい最近激しく動いたようだと技官が言うと、匍行というよりは地滑りだと別の技官が言った。そうなると島が沈んだ原因は火山活動でなく地滑りということになるが、何故それが海底の広範囲で起きたのかは謎だった。地滑りの原因が海溝にあるのではないかと考えた田所はその箇所を自分の目で確かめることにした。翌日、日本海溝の底8740メートルまで潜ると、南から北へ激しい底流があったことが確認された。そして東西へ走る古いリップルマークも。このままの深さで船首に対し右7度の方角へ動かせるかと田所が尋ねると小野寺は返事をする間もなく操縦を行った。するとその先には化け物のようなナメクジが這ったような溝があったのだ。田所が目を凝らして調査を行っていると突然の衝撃で船体が揺れた。溝は泥雲の前で消滅しており、視界が悪くなる中わだつみがそこへ着くと田所は停止を命じた。そして小野寺が水中照明弾を発射して海底の様子が明らかになると田所は興奮し、水温、密度、塩分濃度を測定するための下降を命じた。小野寺と幸長は顔を見合わせたが、逆らえないと悟りいつでも上昇出来る状況を整えて指示に従うことにした。再び揺れが襲い、海底密度に飛躍層があると田所は言った。続いて幸長は流れが南から北で通常の海溝底流とは反対だと言った。密度は1.053、多量の重金属が混じっていることで塩分濃度は海水密度の最大値を上回っていたのだ。小野寺が照明弾を再び発射すると深海底で乱泥流が起こっていることが見て取れた。しかもそれは日本列島の地殻の海溝崖から噴出しているのだ。田所は世界最大の日本海溝の底で何かが起こりかけているんだと呻くように言った。

屋台的映画館
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女番長ブルース 牝蜂の逆襲

  • posted at:2018-05-05
  • written by:砂月(すなつき)
すけばんぶるーすめすばちのぎゃくしゅう
東映(京都撮影所)
配給:東映
製作年:1971年
公開日:1971年10月27日 併映「昭和残侠伝 吼えろ唐獅子」 
監督:鈴木則文
企画:天尾完次
原案:小山裕久
脚本:皆川隆之 鈴木則文
撮影:古谷伸
照明:若木得二
録音:堀場一朗
美術:井川徳道
音楽:鏑木創
編集:神田忠男
助監督:皆川隆之
記録:田中美佐江
装置:温井弘司
装飾:宮川俊夫
美粧結髪:東和美粧
衣裳:高安彦司
擬斗:三好郁夫
進行主任:真沢洋士
主題歌:「女番長ブルース」八田富子
挿入歌:「恋する者たちよ」ピーター
・・・:「波止場」西来路ひろみ
出演:池玲子 弓恵子 西来路ひろみ 賀川雪絵 阿部徹
シネマスコープ カラー 86分

女ネリカンを脱走した牝蜂が結成したアテネ団。女番長の玲子は団員を率いて神戸を中心に非行の限りをつくしていた。玲子と真弓が三宮駅前の歩道橋でカモを探していると石部金吉のような物堅い男が歩いてきた。真弓は止めた方がいいと諭したが、そんなヤツに限ってスケベ男に違いないと玲子はアタックすることにした。彼女は中年男に近づくと100円恵んでくれたらいい娘を紹介してあげると話しかけた。そして脈があるとみるや、育ちのいい名門女子大生がお金に困っていて今日中に2千円を都合しなければならないのとまくしたてた。こんなチャンスは二度とないと言われ心がぐらついた男は気安くついて行った。ホテルの一室で男のお相手をするのは女子大とは無縁の団員・サセ子だった。彼女は精力がつくモノを作ると言ってドリンクに睡眠薬を混ぜた。その効果はてき面で男は一瞬にしてダウンした。簡単には起きないことを確認するとサセ子は玲子と真弓を招き入れて金品を物色したが、財布には3千円と小銭。悪態をつくと三人は男の乗用車を盗んで逃走を図った。ところがその途中でエンジンがオーバーヒートしたため近くに停まっていた代わりの車を盗もうとしたのだが、鍵が掛かっていてどうしようもなかった。そこで窓を石で叩き割ろうとしたのだが、偶然通りかかった杉岡英二をリーダーとするバイク集団・学生愚連隊に一部始終を見られてしまった。黙って後ろに乗るか、警察に通報されるかの選択を迫られた玲子たちは、仕方なくバイクに乗ることにした。英二たちは廃工場に連れ込んで三人を犯そうとしたのだが、抵抗に合って手こずるうちに玲子の用心棒である北神会の巽次郎が助けに駆けつけたのだった。

ある日、アテネ団に入りたいとセーラー服の女子高生がやってきた。玲子は宥子がバージンであることを知ると課題を出した。それは自らの指で処女を喪失することだった。度胸試しをクリアすると玲子は彼女に合格を与え、アジトにしているアパートに招くとデパートで万引きした服で着飾らせた。そこに訪ねてきたのは前の女番長で二度目の少年院帰りのジュンだった。現在のアテネ団は玲子が作成したアテネ憲法で規律を正していたが、束縛されることに反感を抱くジュンはその考え方に異議を唱えた。その頃、巽は部下の前で北神会は今や押しも押されぬ極道予備軍で後は秋本組からのお墨付きをもらうだけだと訓示した。彼の夢は秋本組の幹部になることであり北神会が秋本組の一部となることだったが、アテネ団が組に挨拶に来ていないことを金庫番の紺野房夫から咎められうなだれた。秋本組は神戸を中心に活動する暴力団で、組長の秋本剛は関西一円を牛耳ることを目論んでいた。そのために北神会やアテネ団、そして5年前に関本組の組長を殺害して逮捕され出所してきたばかりの土居政也をも利用しようと考えていた。

屋台的映画館

ある殺し屋の鍵

  • posted at:2018-05-02
  • written by:砂月(すなつき)
あるころしやのかぎ
大映(京都撮影所)
配給:大映
製作年:1967年
公開日:1967年12月2日 併映「残侠の盃」
監督:森一生
企画:藤井浩明
原作:藤原審爾
構成:増村保造
脚本:小滝光郎
撮影:宮川一夫
録音:海原幸夫
照明:中岡源権
美術:太田誠一
音楽:鏑木創
編集:谷口登司夫
擬斗:楠本栄一
助監督:大洲斉
製作主任:小沢宏
現像:東洋現像所
出演:市川雷蔵 西村晃 佐藤友美 山形勲 中谷一郎
シネマスコープ カラー 79分

ある花街の奥路地に屋敷を構える日本舞踊・藤川流の師匠の藤川寿一郎こと新田。その端整な顔立ちから彼を慕うものは多く、女弟子で芸者の秀子もその中の一人だったが、新田は努めて謹厳な態度を崩そうとはしなかった。ある日、そんな彼に仕事の依頼が舞い込んできた。その内容は「殺し」だった。新田は日舞の他にその道でも超一流の腕前を持っていたのだ。依頼主は石野組組長で新田と連絡を取ったのは舎弟の荒木だった。標的は朝倉という高利貸で、100億を超える脱税をして世間を騒がせている男だった。新田が簡単に了承しないと聞いていた荒木は、カタギの人々は泣きの涙で税金を納めている人が多く中には首をくくる人だっているという話で情に訴えかけた。そしてそんな悪党をのさばらせておく手はないと一押しすると新田はしばらく考え込み、いくら出すかと切り出した。小さな笑みを浮かべた荒木が謝礼として1500万円出すと言うと新田は心を決めた。

世間では東日道路公団の用地買収にかかわる政財界の不正事件が露見し、その発端となったのが金融王・朝倉による証言だった。彼は130億円にも上る脱税のもみ消しを経済界会長の北城から断られたことを逆恨みし、その証拠となる「秘密メモ」を公表するという噂が流れたのだ。そうなれば要職につく人物の名前が浮かび上がり、下手をすれば北城にもたどり着く可能性があった。そこで彼は遠藤建設社長を呼び出すと4000万円を渡し、わかっていることは朝倉が私にとって邪魔だということだと言った。4000万円を持ち帰った遠藤は石野を呼び出すと筋書きを話した。すると石野は3000万円で了承し、いざという場合を考えて始末のときに都合の良い男を選び出すと約束した。遠藤は荒木を応接室に呼び出すと手付として1000万円、仕事後にもう1000万円渡すと言った。荒木は快く引き受け、万が一ドジを踏むようなことがあっても組長の顔を潰すようなことは絶対しないと約束した。このような仕事に打ってつけな人物として荒木が依頼したのが仲間の草薙と懇意にしている新田だった。

朝倉は仮保釈中で刑事に取り囲まれながらホテル住まいをしていた。荒木からその情報を得た新田は生活する様子を写真に収め遠藤に提出した。そして手付金の1000万円を受け取ると仕事後の謝礼に1000万円を要求した。同席する荒木は不快な顔をしたが、遠藤はその条件を飲んだ。それから数日後、新田は荒木が運転する車をホテルから少し離れた場所に停めさせると単身で乗り込んで行った。そして客として水着でプールサイドに近づくと辺りを見回し、プールで泳ぐ朝倉と彼を見張る警官の位置を確認した。しばらくして泳ぎ始めると秀子とばったり会った。朝倉は秀子のパトロンだったのだ。秀子はプールサイドでしきりに話し掛けてきたが新田は浪費する時間に焦りを感じていた。余計な邪魔が入り計画は水泡に帰すかと思われたが、奥にいた若者たちがはしゃぎ始めそれを見て秀子も泳ぎましょうよとプールへ入った。それを機に水中へ潜った新田はプールの中央でくつろぐ朝倉のゴムボートへ向かうと周囲に悟られぬ間に仕事を終えた。そして素早く着替えを済ませると車に急いだが荒木の姿はなかった。パトカーのサイレンが聞こえたことで長居は無用とエンジンを掛けたが、その車のブレーキには細工が施されていたのだ。停まることを知らない車はガードレールを突き破り谷底へ消えて行った。

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エイプリルフールズ

  • posted at:2018-04-28
  • written by:砂月(すなつき)
えいぷりるふーるず
フジテレビジョン
配給:東宝
製作年:2015年
公開日:2015年4月1日
監督:石川淳一
製作:石原隆
企画:成河広明
プロデュース:成河広明
プロデューサー:梶本圭 稲田秀樹
脚本:古沢良太
音楽:林ゆうき
ラインプロデューサー:森太郎
撮影:大石弘宜
照明:藤本潤一
録音:芦原邦雄
美術:柳川和央
編集:河村信二
映像:高垣知加士
VFXスーパーバイザー:西尾健太郎
スクリプター:巻口恵美
スケジュール:湯浅真
助監督:渡部篤史
制作担当:香川智宏
脚本協力:野間清恵
技術プロデューサー:市村雅彦
美術プロデューサー:橋本昌和
制作プロダクション:共同テレビジョン
出演:戸田恵梨香 松坂桃李 ユースケ・サンタマリア 小沢征悦 奈々緒
アメリカンビスタ カラー 120分

2015年4月1日水曜日。登校拒否で自宅に引きこもっている中学生の野沢遥人は日付が変わった直後、ネット掲示板である書き込みを見つけた。それは地球上にはスペースノイドと呼ばれる別の惑星からきた種族が調査活動を行っており、それが今日を以って終了したというものだった。中には地球人の生活に適合し過ぎ自分がスペースノイドであることを忘れてしまっている者もいるのだという。その判別方法として、足の親指よりも薬指が長いこと、出べそ、しゃっくりが出やすい、大きい犬が怖い、ラッキョウが食べられないという5項目に当てはまれば間違いなくその者はスペースノイドであるらしく、全てに適合した遥人は慌てふためいた。

午前7時前、おめざめテレビという情報番組で42年前に死亡扱いされていた行方不明の少年がインドネシアで発見されたというニュースを芋けんぴを食べながらベッドで見ていた新田あゆみは、キャスターが言った信じ続ければ奇跡が起こるという言葉に感銘を受けある行動に出ることにした。彼女は対人恐怖症の清掃員だったが、天才外科医の牧野亘と一夜限りの関係を持った。そこでもうすぐ臨月を迎えるので認知してくださいと電話したのだが、亘はエイプリルフールの悪い冗談だと思い相手にしなかった。

キャブオーバー車を停めて舎弟とともに待っていた裏社会に生きる宇田川勇司は、自転車で通学中の江藤理香がやってくるとお父さんが事故に巻き込まれて病院に担ぎ込まれたから早く乗りなさいと促した。だが如何にも怪しげだったことから逃げ出すと、宇田川は力ずくで彼女を車に押し込んだ。そしておとなしくしていればムチャクチャうまいラーメン屋に連れて行ってやると言った。

海外の園遊会に出席することになっているロイヤル夫妻の櫻小路佑麻呂と文子はそのための服を選ぶために高級婦人服専門店を訪れた。その帰り、文子は庶民的な物が食べたくなり、運転手行きつけのハンバーガー店で食事をすることになった。

午後1時過ぎ、あゆみから再び掛かってきた電話を無下にして亘はキャビンアテンダントの麗子と待ち合わせをしているイタリアンレストラン「デル・ドランマティコ」へ向かった。一方、業を煮やしたあゆみは通話中に突然割り込んできたタクシーの運転手と亘との会話の中に出てきたレストランの名前を検索し、腹にタオルを詰め込んで臨月スタイルになるとそのレストランに突入することに決めた。

屋台的映画館

怪竜大決戦

  • posted at:2018-04-24
  • written by:砂月(すなつき)
かいりゅうだいけっせん
東映(京都撮影所)
配給:東映
製作年:1966年
公開日:1966年12月21日 併映「黄金バット」
監督:山内鉄也
企画:岡田茂 新海竹介
脚本:伊上勝
撮影:わし尾元也
照明:長谷川武夫
録音:荒川輝彦
美術:矢田精治
音楽:津島利章
編集:神田忠男
助監督:牧口雄二
記録:矢部はつ子
装置:米沢勝
装飾:山田久司
美粧:堤野正直
結髪:橋本明子
衣裳:三上剛
擬斗:上野隆三
合成:松木春吉
進行主任:並河正夫
特殊撮影・撮影:赤塚滋 国定玖仁男
特殊撮影・照明:金子凱美
特殊撮影・助監督:俵坂昭康
特殊撮影・記録:塚越恵江
主題歌:「怪竜大決戦」ヤング・フレッシュ
出演:松方弘樹 小川知子 鈴村由美 金子信雄 林真一郎
シネマスコープ カラー 85分

近江の国尾形城の乗っ取りを企てた家老結城大乗は忍者たちと結託し謀反を起こした。寝室の城主尾形左馬亮が大乗によって斬殺された頃、月夜に照らされる一艘の小舟が城からの脱出に成功していた。幼き若君雷丸は家臣に助け出されたのだが、彼らを待っていたのは巨大な海竜だった。忍者の頭領大蛇丸は奥の手を使って若君の命を狙ったのだが、それを阻んだのは突然飛来した大鷲だった。大鷲は海竜に襲い掛かり爪で額を一撃すると、雷丸をさらって飛び去って行った。

大鷲にさらわれてから十四年余、飛騨の国蟇ヶ岳に住む蟇道人に忍術を仕込まれた雷丸は青年忍者となっていた。数日前から身辺が騒がしくなってきたことに気づいていた道人は、お墨付きを与えた雷丸に里へ行くよう促した。明日あたり里の者が薬草を取りにくるかもしれないから用意をしてくれと言われ庵に戻ろうとした雷丸は複数の忍者に襲われた。自分の名を知っていることに眉をひそめた彼は持ち前の敏捷さで危機を乗り越え、残り一人を木に縛りつけた。そして何故自分の命を狙ったのかと刀を突きつけて問いただしたが、忍者は舌を噛み切って果てたのだった。他にも気配を感じ小太刀を木に向けて投げつけるとその後ろに隠れていた何者かが走り去った。雷丸が先回りして捕らえると忍者ではなく、通りすがりに殺し合いを見てしまい恐ろしくなり逃げ出した綱手という娘だった。幼い時に別れた父親を捜している彼女は、昔蟇ヶ岳に住んでいたことを知って手掛かりを求めて蜘蛛ヶ峰からやってきたのだ。父親の顔も名も知らず、ただ一つの手掛かりは大事にしている御守袋のみ。困り果てた雷丸は師匠なら何か知っているかもしれないと考え会せることにした。

夕刻、道人の庵に現れたのはかつての弟子の大蛇丸だった。彼は道人の命を狙うために蛇の化身となって近づいたが手の内は見透かされていた。仕方なく御機嫌伺いと嘘をついたが、欺いて秘伝昇竜の一巻を盗んだ男の言葉を信用するはずがなかった。道人は巻物を手に入れた大蛇丸が尾形家の忘れ形見を亡き者にしようと企んで小舟を襲うことを予知しており、雷丸を助けるために大鷲を差し向けた。そのときに受けた額の傷が大蛇丸にもあるのだ。雷丸が成人したことを知り立ち戻ったのであろうと指摘すると大蛇丸は開き直り、手の者が今時分始末したに違いないと言った。そして道人を葬り去ろうとしたが力の差は歴然だった。だが見せた隙をつき大蛇丸は道人を後ろから斬ったのだった。夕餉の支度をするために雷丸が綱手を連れて戻ると道人は虫の息となっていた。道人は最後の力で印可し蟇の妖術を授けた。そして雷丸の生い立ちを明かし、大蛇丸と結城大乗の成敗を命じたのだった。翌日、雷丸は両親と道人の恨みを晴らすために綱手と別れて近江の国に向かった。

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