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花井さちこの華麗な生涯

  • posted at:2018-07-09
  • written by:砂月(すなつき)
はないさちこのかれいなしょうがい
新東宝映画=国映
配給:アルゴ・ピクチャーズ
製作年:2004年
公開日:2005年11月26日
監督:女池充
企画:朝倉大介
プロデューサー:衣川伸人 森田一人 増子恭一
協力プロデューサー:岩田治樹
脚本:中野貴雄
音楽/アニメーション:岸岡太郎
撮影:伊藤寛
録音:小南鈴之介
編集:金子尚樹
助監督:永井卓爾
特殊造形:むくなしよる
特殊メイク:小川美穂
ガンエフェクト:ビル横山
アニメーション撮影:沖野雅英
ミサイル/エンドクレジット:清水康彦
制作協力:Vシアター
協賛:報映産業株式会社
出演:黒田笑 速水今日子 水原香菜恵 蛍雪次朗 松江哲明
アメリカンビスタ カラー 90分

新宿歌舞伎町のイメクラで働く花井さちこは仕事終わりに喫茶店に立ち寄った。席に座り注文を取りにきたマスターにアイスキャラメルマキアートを頼むと、携帯電話に掛かってきた社長からの指示に従って入り口に近い席に移ろうとした。だが電波状態が悪く店内をうろついているとマスターが置きっぱなしにしていた掃除のバケツにつまづき別の客のテーブルに倒れ掛かったのだった。ノートパソコンを挟んで向かい合い商談を行う二人組はそんな彼女を気にせずに取り引きを続け、一人が対象物を受け取ろうとしたのだが、もう一人がバッグの中を引っ掻き回してもそれが見つからなかった。それもそのはず、さちこがぶつかった弾みで男のバッグをぶちまけたときに筒状の金属が何処かへ転がって行ったからだ。そうとは知らずに騙されたと思い込んだ男は懐から拳銃を取り出すと発砲した。目の前で起きた事件に興奮したさちこが携帯電話のカメラでその様子を撮影しようとすると、男は再びもう一人に2発発砲した。銃弾を受けた男は絶命し、マスターは床に寝そべるさちこに大丈夫ですかと声を掛けた。彼女の額には銃弾が突き刺さっていたのだ。ところがさちこはおもむろに起き上がると大丈夫ですと言って店を出て行った。フラフラと歩くさちこを心配したマスターは傍に転がっていた金属を忘れて行ったハンドバックに放り込むとそれを手渡したのだった。しばらく歩いて座り込んだ彼女に声を掛けてきた警官は、その目を見てまともな精神状態ではないことがわかると取り調べと称してホテルに連れ込み強姦した。その頃、喫茶店では死体の処理に困ったマスターが苦労していた。何とか地域指定ゴミ袋に押し込んだが、殺害した当の本人は店の中で何かを一心不乱に探しているのだ。指くらいの大きさの金属と言われて思い出したマスターが女のバッグに入れたことを話すと、男は彼を射殺した。店を出ようとしたときに携帯電話の着信メロディーが流れ、それがさちこの物からだとわかるとその中の情報を手掛かりに彼女の自宅を割り出したのだった。

自分の身に何が起きたか記憶のないさちこはホテルで目覚め、全裸のままノロノロと洗面所まで歩いて行った。額に大きな傷のある異様な姿。それが鏡に映った自分の姿であることに驚き我に返ったのだった。そこで彼女はハンドバッグの中からペンシルアイライナーを取り出すとその穴に差し込んでみた。すると銃弾が脳の中枢部に押し込まれて行き刺激を受けたことで彼女の新たな一面が覚醒したのだった。猛烈な知識欲が突如襲い現代フランス哲学などあらゆるものに興味を持つようになったさちこは、図書館へ行き蔵書を片っ端から読み漁った。それでも飽き足りない彼女はドイツ哲学の著者である佐伯教授を直接訪ね、形而上学的現実に対する考察はいささか論理実証的過ぎる面があるのではないかと質問した。すると佐伯は突然のことでうろたえ答えることが出来なかった。

屋台的映画館
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河内のオッサンの唄 よう来たのワレ

  • posted at:2018-07-05
  • written by:砂月(すなつき)
かわちのおっさんのうたようきたのわれ
東映(東京撮影所)
配給:東映
製作年:1976年
公開日:1976年12月25日 併映「トラック野郎 天下御免」
監督:斎藤武市
企画:坂上順
脚本:松本功 高田純 関本郁夫
撮影:出先哲也
録音:長井修堂
照明:川崎保之丞
美術:藤田博
編集:田中修
助監督:福湯通夫
記録:高津省子
擬斗:日尾孝司
スチール:遠藤努
進行主任:志村一治
装置:井保国夫
装飾:新井栄治
美粧:入江荘二
美容:石川靖江
衣裳:福崎精吾
演技事務:石原啓二
現像:東映化学
音楽:鏑木創
主題歌:「河内のオッサンの唄」ミス花子
河内音頭作詞:もず唱平
河内音頭指導:三音家浅丸社中
方言指導:山本稔
製作協力:株式会社カインドウェア
出演:川谷拓三 夏純子 岩城滉一 伊佐山ひろ子 ミス花子
シネマスコープ カラー 93分

自称天才博打打ちの徳田松太郎、通称・徳松も家に帰れば女房の花子に頭が上がらない。何故なら師走にも拘らず地主の息子の堺忠三郎が開く賭場に入り浸り、年越しに用意した金を巻き上げられたからだ。それは徳松だけでなく八百仙吉ら仲間も同様だった。そこで一念発起した彼らは新世界界隈で焼き芋を売ったり日雇いの工事現場で肉体労働をしたりと朝から晩まで働いた。それから数日後、花子のもとに電報が届いた。「アスカネモツテカエル、トクマツ」。

翌日、唐山長次が運転するトラックの荷台で仲間と酒を酌み交わした上機嫌の徳松は花子の笑顔を楽しみにしていたが、権藤勇の言葉で気が変わった。彼の行きつけのアルサロは美人ぞろいで評判だというのだ。懐が温かくなり気が大きくなった徳松は皆でその店に繰り出すことに決めた。店で飲み始めてしばらくすると権藤がそろそろ2階へ上がるよう皆を促したのだが、お母ちゃんに渡す金がなくなってしまうと仙吉が止めたのだ。するとホステスがサイコロ賭博を提案し、徳松はそれに乗った。勝てば金が増える上にタダでデキるからだ。ところが勝負はボロ負け、ほとんどの有り金を巻き上げられてしまった。このままでは女房に顔向けが出来ない徳松たちは最後の望みを掛けて競艇場に繰り出したのだがここでもツキに見放された。場内で偶然出会った当たりまくりの忠三郎から2-3がカタいと有力な情報を貰ったものの、それを真っ向から否定したのは謎のサングラスの男だった。彼が4-5で500円の舟券を買うように指示すると徳松は藁をも掴む思いで素直に従った。するとその予想は的中し、信用した徳松は男に言われるがままに舟券を次々と買った。そして最終レースでは大穴を的中させ、皆が家に帰っても恥ずかしくない程の大金を手にしたのだった。徳松たちが喜ぶ中、男は姿を消した。

徳松たちを乗せたトラックが河内方面へ向かっていると、同じ方向に歩いて行くあの男の姿を見つけた。トラックから飛び降りた彼らは先生と崇めるその男を取り囲むと感謝の気持ちを伝え、お礼をするために無理矢理トラックに乗せたのだった。河内松原に戻ると待ちわびた花子たちが押し寄せてきたため、徳松は世話になった先生を皆に紹介した。そこに大変やと叫びながら現れたのは忠三郎の母・サダだった。何事かと徳松が尋ねると、忠三郎が暴力団の難波組に博打を仕掛けられて長屋の権利書を持ち出そうとしているというのだ。住む家を取り上げられればまともな正月を迎えることが出来ないことから何か名案はないかと知恵を絞った。すると長次がふと呟いた。先生がいるじゃないですか、と。嫌がる彼を引き連れて向かった先は忠三郎の邸で、勝負は今にも始まろうとしていた。そこに割り込んだ徳松が先生に勝負を促すと、彼は切羽詰まって「半」に張った。その結果、窮地を切り抜けた上に騒動を聞きつけた警察が踏み込んだことで命を落とさずに済んだのだった。

屋台的映画館

日本一のゴリガン男

  • posted at:2018-07-01
  • written by:砂月(すなつき)
にっぽんいちのごりがんおとこ
東宝=渡辺プロ
配給:東宝
製作年:1966年
公開日:1966年3月16日 併映「何処へ」
監督:古澤憲吾
製作:渡辺晋 森田信
脚本:笠原良三
撮影:小泉福造
美術:竹中和雄
録音:増尾鼎
照明:隠田紀一
整音:下永尚
音楽:宮川泰
主題歌:「しびれ節」
・・・:「何がなんがかわからないのよ」
監督助手:長野卓
編集:黒岩義民
合成:松田博
現像:東洋現像所
製作担当者:堤博康
出演:植木等 浜美枝 進藤英太郎 藤村有弘 人見明
シネマスコープ カラー 93分

西北商事の無責任社員・日本等は出張がてら残りの経費をパチンコにつぎ込んで見事その倍の景品を手にしたのだが、時間を浪費したことで帰りの列車に間に合わないかもしれないことがわかると慌てて駅に向かって駆け出した。だが工事現場付近を通り掛かったときに運悪く空から降ってきた鉄骨に当たり生死をさまようことになったのだ。それから一年後、奇跡的に全快し退院することになった等は第一脳外科病院の担当医師から前後三回に亘る手術に耐えられたのは強心臓のおかげだと感心され、手術の度に脳みそに溜まった余分なカスや水分を取り除いたことで頭の回転が入院前の100倍になったとお墨付きをもらった。生まれ変わった彼は早速出社することにしたのだが、社長室の受付には見慣れない女性が座っていた。更に営業第一課に行っても自分の席がなく、石亀という知らない営業課長から不審者扱いされた。かみ合わない話が進行して行くうちに等はようやく自分が置かれている立場を理解した。彼が勤めていた会社は半年前に倒産し、その権利を買った統南商事が同じ場所に引っ越してきたのだ。そうとわかると等は石亀にある提案をした。「僕をお宅で使ってみませんか?」と。面食らった石亀が会社は不況対策で合理化を行っており社員を増やせるわけがないと断ると、等は当分の間、月給なしで働くと切り出したのだ。そんなバカな奴がいるかなどとやりとりをしていると、石亀は浅利営業部長に呼び出され、食品代理店の接待プランを早急に提出せよと命じられた。経費は不況によって前年の3割減。にも拘らず開催場所は熱海の一流旅館、家族も招待して飲み放題食い放題、おみやげ等々。それらを全て会社で負担することは容易いことではなかった。その話を聞いた等は、僕が月給なしでバッチリやって見せますよと啖呵を切った。

船橋ヘルスセンターに向かった等はまず営業担当と掛け合い、日帰り参加者200名で芸者なしの宴会、その代わりに一流芸能人のアトラクションを行うプランを説明した。そして嫌がる担当に別口で儲けさせてやると約束し飲み物とおみやげは全て持ち込みという条件を飲ませた。宴会当日、等は酒販メーカーの販売課長に直接飲み物を持ってこさせると請求書を突き返し、イベントの共同主催として大々的に宣伝すると約束して強引に条件を飲ませた。そして一流芸能人の役を自分と石亀が務めたショーは招待客から喝采を浴びた。宴会が終わると等はヘルスセンターに併設する遊園地に招待客を誘導し有料で入場させた。その結果、経費は前年の半分の額で収まり、会社には出席者からの感謝の手紙が予想以上に届いたのだった。浅利が石亀にその理由を尋ねると、横から割り込んできた等が説明を始めた。招待客は増えているが家族連れだったことで宿泊費等の遊興費が掛かっておらず、飲料はメーカーのタイアップでタダ。更に招待客が自腹で支払った遊園地の入場料の上がりの半分を会場代から差し引かせたのだ。会社の名前さえ使わせてもらえれば給料はいらないというこの奇妙な社員に困惑する浅利。すると等は「日本等課」を勝手に立ち上げ、一人で取引先を探して商売することにしたのだった。

屋台的映画館

嗚呼!!花の応援団 男涙の親衛隊

  • posted at:2018-06-27
  • written by:砂月(すなつき)
ああはなのおうえんだんおとこなみだのしんえいたい
日活
配給:日活
製作年:1977年
公開日:1977年3月19日 併映「野球狂の詩」
監督:曽根中生
プロデューサー:三浦朗
原作:どおくまんプロ
脚本:田中陽造
撮影:森勝
照明:土田守保
録音:橋本文雄
美術:菊川芳江
編集:山田真司
助監督:中川好久
色彩計測:松川健次郎
現像:東洋現像所
製作担当者:高橋信宏
撮影協力:高瀬道場
音楽:コスモスファクトリー
主題歌:「嗚呼花の応援団」異邦人
・・・:「南河内大学節」異邦人
挿入歌:LP「風の伝言」より 東てる美
協力:テレス紳士服株式会社 株式会社市川工務店 篝火荘
技斗:高瀬将敏
出演:本間進 宮下順子 川畑信三 深見博 泉じゅん
アメリカンビスタ カラー 93分

今年も花見の季節がやってきた。だが南河内大学応援団の花見は桜が満開を過ぎて行われていた。何故ならいい場所は他の大学に占領され、力の弱い南河大ははじき出されてしまうからだ。人並みに花見を行うには咲いた桜の枝を折り誰も来ないような場所の木に縛りつけるしかなかった。その下ごしらえはいつも一回生が行うことになっており、今年は富山一美と北口良一が担当した。応援団には一年はゴミ、二年は奴隷、三年になるとようやく人間となり、四年は神様とそれぞれの階級がある。新人は過酷なしごきに耐えねばならず、もうすぐ二回生となる富山と北口はこの作業がゴミ最後の御奉公となるのだ。何故そうまでして花見をしなければならないのか理由はわからなかったが、応援団という場所が男を磨く修羅場だと考えれば納得出来なくもなかった。ようやく会場の準備が整った頃、応援団OBの薬痴寺が到着した。一方、食事の準備をしていた応援団本部の部室に電話のベルが鳴った。副団長の下村が出ると相手は浪華大の団長だった。団員が南河大の団員に暴行されたため詫びを入れろというのだ。下村は幹部を集めて会議を開いたが、親衛隊も含めると200人を超えるといわれる団員に殴り込みを掛けられるのは御免だが頭を下げるのはもっと御免だという結論に至った。穏便に治めるには暴力事件を起こした犯人を見つけ出しその首を差し出さなければならないが、 このことが薬痴寺の耳に入ると厄介なことになるため何事もないように花見を進めた。

翌日、団長の木村は団員を部室に集めて白状させようとしたが、誰ひとり名乗り出る者はいなかった。そこに現れたのは親衛隊隊長の青田赤道で、突然「ボクちん、見合いするんよね」と言った。相手は昨年度のミス日本で山口県一の金持ちの令嬢。結婚を前提としたお付き合いをしたいと先方から申し込んできたというのだ。木村たちはその話を唖然とした表情で聞いた。父・玄道からの手紙には私立探偵が素行調査を行う旨が書かれており、軽率な行動と慎むべきだと釘を刺されていたことから赤道はいつもの自分らしさを消して慎重に行動した。きょろきょろと街中を警戒しながら歩いているとコートに身を包んだ黒メガネの男がつけてきた。そして広場でエロ本を名残惜しそうに燃やしていると男はその様子をじっと観察していた。その頃、浪華大の襲撃を警戒する部室では、木村や副団長の下村、リーダー長の柏原が新しい革靴を自慢し合っていた。ボロボロの革靴を履いていたことで悔しい思いをした統制部長の小川はその反動で10万円もする雪駄を手に入れたのだが、ヤクザ者の車に泥を撥ねられ因縁をつけたことでのされた上にそれを奪われてしまった。バーに入ったヤクザ者がその雪駄を穿いてご機嫌でいると舎弟の男は古い雪駄を投げ捨てた。その先には赤道がおり彼の怒りは頂点に達していたが、後ろの席には黒メガネの男が座っていた。

屋台的映画館

河内のオッサンの唄

  • posted at:2018-06-23
  • written by:砂月(すなつき)
かわちのおっさんのうた
東映(東京撮影所)
配給:東映
製作年:1976年
公開日:1976年11月17日 併映「新女囚さそり 701号」
監督:斎藤武市
企画:坂上順
脚本:関本郁夫 高田純
撮影:中島芳男
録音:小松忠之
照明:萩原猶義
美術:藤田博
編集:田中修
助監督:馬場昭格
記録:高津省子
擬斗:日尾孝司
スチール:藤井善男
進行主任:志村一治
装置:井保国夫
装飾:高井義典
美粧:入江荘二
美容:石川靖江
衣裳:福崎精吾
演技事務:山田光男
現像:東映化学
音楽:鏑木創
主題歌:「河内のオッサンの唄」ミス花子
出演:川谷拓三 岩城滉一 夏純子 奈美悦子 清水美恵
シネマスコープ カラー 89分

河内松原に住む徳田松太郎は三十路を過ぎてもまだ独り身の白タク運転手。喧嘩早くて粗忽者だが河内男の心意気を身につけた好漢である。そんな彼を皆親しみを込めて徳松と呼んでいた。博打好きだが才能のない彼は仕事で稼いだ金を地主の息子・堺忠三郎が開く賭場につぎ込み丸裸にされて朝帰りする、そんな毎日を送っていた。徳松がいつものように河内松原駅の前で客引きをしていると、金髪かつらをつけた八百千枝子がやってきた。浮気癖のある彼女は新しい男を見つけては家を出て行き、ほとぼりが冷めると帰ってくるのだ。そんなとき夫の仙吉との間に仲裁役として入るのが徳松の役目で、このたこ焼き屋の夫婦ゲンカは町の名物でもあった。ある日、怪我をした老婆がリアカーで運ばれてきた。彼女は六升とのあだ名で呼ばれる酒豪の林田かねで、倒れていた場所が大和川の工事現場付近だったことから山村建設の仕業だと断定し河内者の男気を見せつけろと団結した。徒党を組んだ徳松たちはバックに剛田組がいようが構わず飯場に突入し、通報でやってきた警官隊も巻き込んで大暴れした。そして釈放された彼らを女将たちは紙吹雪とクラッカーで歓迎した。その夜、徳松の家で宴会が行われたが、勝手知ったる他人の家。テキパキと働くのは彼を慕う倉本花子だった。隣のおばさんから醤油を取ってきて欲しいと頼まれた花子が玄関を出ようとすると、入り口に懐かしい人が立っていた。それは東京でファッションモデルとして活躍しているかねの娘のかほるだった。三年ぶりの帰郷ということで皆彼女を歓迎した。お開きになり自宅に戻るとかほるは誰か訪ねてこなかったかとかねに聞いた。それが東京者の三人連れだったことがわかると、かほるは夜明け前に出て行った。

博打で身上を潰した花子の父の墓参りをしたその夜、徳松に一生一度のツキが回ってきた。丁半博打で勝ちまくり誰も手に負えない状態になっていたのだ。天才を豪語する徳松を黙らせようとしたのは、夜食の海苔巻きを納めにきた花子だった。彼女は海苔巻きの売り上げに加えて体を賭けると啖呵を切り一世一代の勝負を行った。結果はピンゾロの丁で徳松の勝ち。煮ても焼いても食えないじゃじゃ馬に用はないと捨てゼリフ残して帰った徳松を許せなかったのはその場で一部始終を見ていた仙吉だった。博打の形はちゃんとつけるのが河内者の仁義という教えのもと彼はかねたちと結託してある行動に出た。まず寝入った徳松を豪勢な花火の灯りで叩き起こし、出てきたところを白無垢姿の花子に対面させるのだ。果たしてその作戦は成功し、面食らった徳松を力ずくで正装に着替えさせると強引に祝言を挙げさせたのだ。だが酒が飲めればいいかねたちにとってそんなことはどうでもよく、居場所を奪われた二人は刈り取りが終わった田んぼで朝を迎えたのだった。

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