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お嬢さん乾杯

  • posted at:2018-08-19
  • written by:砂月(すなつき)
おじょうさんかんぱい
松竹(大船撮影所)
配給:松竹
製作年:1949年
公開日:1949年3月13日
監督:木下恵介
製作:小出孝
脚本:新藤兼人
撮影:楠田浩之
美術:小島基司
音楽:木下忠司
照明:豊島良三
録音:佐々木秀孝
調音:大野久男
編集:杉原よ志 大沢静子
現像:中原義雄
焼付:中村興一
装置:小林孝正
装飾:守谷節太郎
衣裳:鈴木文次郎
結髪:増淵いよの
床山:吉沢金五郎
スチール:小尾健彦
擬音:斎藤六三郎
撮影事務:山下義一郎
進行担当:渡辺大
賛助:八洲自動車株式会社
特別出演:大日本拳闘協会
特別出演:市村襄次夫妻(ガルデニアサークル)
主題歌:「お嬢さん乾杯」灰田勝彦
・・・:「バラを貴女に」灰田勝彦 若原弓子
出演:佐野周二 原節子 青山杉作 藤間房子 永田靖
スタンダード モノクロ 89分

ある日、自動車修理工の石津圭三のもとに得意先の佐藤専務が訪れた。その理由は車のタイヤがパンクしたときに彼のことを思い出したからだ。話の内容は工場を構えながらも独身生活を長らく送る圭三の縁談で、早速写真を見せると最初は拒みながらも幾分興味を持つようになった。見合いの相手は専務の恩人の令嬢・池田泰子で、家柄は立派だし学習院大卒と教養も申し分なかった。だがそれを聞いた途端、圭三は提灯に釣り鐘だと感じ拒んだ。そこで専務は会うだけでもどうかと薦めたが圭三にはその気がなかった。するとしつこくつきまとい身分違いなどこのご時世に流行らないと説得を続けると、絶対に断る気でいる圭三は条件として見合いの場所をいつも昼食で使うスパローというバーに指定した。嫌なら止めると言われた専務は渋々了承し、翌日の正午に行うことに決めた。

落ち着かない圭三はいつもの時間よりも早くスパローに向かい、マダムにこれからここで起こることを説明した。すると彼女は興味を抱いたが、組合の総会に出掛けなければならず成り行きを見届けることが出来ないことを残念がった。やがて時計の針が正午を差すと圭三は落ち着かなくなり、窓の下に車が停まるとグラスのビールをグイッと呷った。そして店に入ってきた専務に断りを言ったが後の祭り。仕方なく覚悟を決めた圭三だったが、泰子を見た途端、体が硬直した。「天上の美女」と逢い雷に打たれたような衝撃を受けた圭三は尚更自分とは住んでいる世界が違うと考えるようになった。部屋に戻ると五郎に心の内を打ち明けてたが気楽な弟は結婚しちゃえよと無責任なことを言った。やがて泰子を送り届けた専務が様子見にきて気持ちを聞いたが、煮え切らないため先方からの返事よりも自分から申し出るべきだとアドバイスした。だが圭三はダメに違いないと決めつけた。それからしばらくして専務からの電話で先方から承諾を得たことを知った圭三は天にも昇る気持ちになり、その喜びを分かち合うために同じ工場で働く五郎をバイクで迎えに行くと後ろに乗せて突っ走った。スパローに到着し五郎が承諾のことを報告するとマダムや客たちが圭三を祝福した。だが彼にはまだ解せないことがあった。何故自分なのかと。するとマダムがあんたは男の中でも上玉だとおだて五郎もそれに乗っかった。それを聞いた圭三はあっさりと心変わりした。

翌日、正装に身を包んだ圭三は池田家を訪問した。泰子から家族を紹介され畏まる圭三だったが、二人きりになると彼女は家の事情について話し始めた。その詳細をスパローにいる専務に尋ねると、泰子の父親が終戦直後の詐欺事件に巻き込まれて服役していることを知った。邸は抵当に入っておりその期限は三か月後に迫っているのだ。今回の縁談が金絡みだとわかり、他にも隠し事があって圭三は失望したが、泰子が心から結婚してくれる気持ちがあるのなら援助してもいいと専務に言った。二人きりで話して以来、彼女へ思いが一層強くなったからだ。

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カミカゼ野郎 真昼の決斗

  • posted at:2018-08-15
  • written by:砂月(すなつき)
かみかぜやろうまひるのけっとう
にんじんプロダクション=國光影業股份有限公司
配給:東映
製作年:1966年
公開日:1966年6月4日 併映「地獄の野良犬」
監督:深作欣二
企画:田畑稔
脚本:深作欣二 太田浩児 池田雄一
撮影:山沢義一
録音:井上賢三
照明:川崎保之丞
音楽:八木正生
編集:田中修
助監督:太田浩児
記録:石田照
スチール:遠藤努
進行主任:中野洋
現像:東映化学工業
協力:三菱重工業株式会社 ニッカ・ウイスキー株式会社 日本航空株式会社 ミランダ・カメラ
主題歌:「素敵なカミカゼ野郎」千葉真一
出演:千葉真一 白蘭 大木実 国景子 高倉健
シネマスコープ カラー 90分

中華民国・台北市にある台湾観光份有限公司の頼天賜社長のもとに一通の封書が届いた。その封書の差出人欄には「日本 東京 K.M」と書いてあり、手紙の内容に頼は慌てた。その頃、横浜・中華街に店を構える矢島嘉市、東京に本社を置く日東商事の社長・北沢信にも同様の手紙が届いていた。北沢が他の二人と電話で連絡を取るために窓を閉めようとすると、上空には一機のセスナ機が旋回していた。

東京でのフライトを終えた国際航空のパイロット・御手洗健は休暇を取り赤沢温泉でスキーを満喫していた。明朗闊達で行動力に富む女好きな彼はプロ顔負けな滑り方をする女性に見惚れアプローチを掛けたが無視された。それでもめげない健が全力でアピールしていたそのとき、辺りの空気を震わす銃声が響いた。二人が胸を押さえて倒れた男に近づくとまだ息があったことから急いで救助を求めた。ペンションに戻った健は支配人から表彰ものだとおだてられていい気分になっていたが、刑事たちが彼を見る目は違った。健が所持する28口径の猟銃が犯行に使用された可能性があり、胸を撃たれた矢島が死の間際に「御手洗のヤツ・・・」と言ったというのだ。彼は警察署長から取り調べを受けることになったが、女性は健の無実を証言した。彼女は香蘭というカメラマンで、雪山の写真を撮るために台湾から仕事でやってきたのだ。更に遺体から発見された弾の旋条痕と健の猟銃のものとが一致しなかったため疑いが晴れたのだった。その夜、お礼を言うために香蘭をバーのカウンターに招待した健は話をするうちに異国に興味を持ち一度行ってみたいなと呟いた。すると背後にいた男がパイプを燻らせながらそういうことになるかもしれませんよと言った。そしてその男は隣に座るとあなたの未来を見て差し上げましょうと勝手に占い始め「南進の定めがある」と指摘したのだ。台湾が南に位置することで健の心は動いたが、その占いはある人物から依頼された芝居だった。

健を待ち伏せしていた北沢は車がやってくると強引に止め、冗談でやっているのかと問い詰めた。何のことかわからないと健が尋ねると、北沢はとぼけるのはよしたまえと手紙を渡した。そこには昭和20年8月15日の夜に台湾で起きたことへの復讐をする旨が書かれており、身に覚えのない彼は人違いだと笑い飛ばした。その後、職場の国際航空へ向かうと何故か主任や事務員が、彼が台湾へ行く前提で話し掛けてきたため戸惑った。三菱MU-2を130万円のギャラで台湾に運ぶことになっており、渡航に必要な手続きは全て仕事を依頼してきた矢島が行っているというのだ。会社に着く前にサングラスの男から止めた方がいいと忠告されていたが、タクシーで乗りつけた香蘭がMU-2の乗客であることがわかると健は腹を固めてパイロットを引き受けることにした。

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ルパン三世 バビロンの黄金伝説

  • posted at:2018-08-11
  • written by:砂月(すなつき)
るぱんさんせいばびろんのおうごんでんせつ
東宝=日本テレビ=よみうりテレビ=東京ムービー新社
配給:東宝
製作年:1985年
公開日:1985年7月13日 併映「ランボー 怒りの脱出」
監督:鈴木清順 吉田しげつぐ
製作:藤岡豊
プロデューサー:片山哲生 佐野寿七 武井英彦
原作:モンキー・パンチ
脚本:浦沢義雄 大和屋竺
作画監督:青木悠三 柳野龍男 尾鷲英俊
音楽:大野雄二
主題歌:「MANHATTAN JOKE」河合奈保子
音楽監督:鈴木清司
美術:石垣努
撮影:長谷川肇
録音:加藤敏
編集:鶴渕允壽
設定:飯岡順一 小野田博之
製作担当:松元理人 横溝隆久
制作協力:東京ムービー
声の出演:山田康雄 増山江威子 小林清志 井上真樹夫 納谷悟朗
アメリカンビスタ カラー 100分

ニューヨーク州マンハッタンの路地裏を歩いていた酔っ払いの老婆はモンスタークラブという仮装バーにたどり着いた。その店では怪物のマスクを被らなければならないというルールがある中、次元大介と石川五右ェ門がカウンタに座っていたが、彼らはルパン三世が必ずやってくるという情報に従い変装して待ち伏せする殺し屋だった。やがて配送業者が大きな荷物とともに到着し、東京から届いたルパン宛だと大声で説明するとゴリラに変装した男が手を振って合図を送ったため店内は騒然となった。峰不二子からの愛のプレゼントではないかとルパンが楽し気にその包みに近づくと、中から出てきたのは彼の宿敵・銭形警部だった。一瞬の隙をついたルパンが店外のバイクで逃走すると、銭形も負けじと店の脇に停めてあるバイクにまたがり後を追った。出遅れた殺し屋たちが店の外に飛び出すと、彼らを待ち受けていた本物の次元と五右ェ門が行く手を阻んだのだった。

銭形からの追跡を逃れたルパンが宿屋に戻ると、暗い部屋の床にあの老婆が横たわっていた。彼女はルパンの古くからの顔見知りのロゼッタだったことから驚いたルパンはおっかなびっくりフロントに電話を掛けた。ところが男は居眠り中で無視されたため、どうしていいかわからないでいると背後からコインを投げられたのだった。ロゼッタが化けて出たと思い込んだルパンだったが、彼女は部屋の中にあったバーボンを勝手に拝借しただ単に酔っ払って寝ていただけだったのだ。そのお礼としてロゼッタは奇妙な話を始めた。紀元前5世紀頃、それまで繁栄を続けていたメソポタミア文明の都市バビロンがペルシャ軍によって滅ぼされた。ところがバビロンが滅びる寸前に現れた神が一帯の宝を集めて隠したという。その話の最中にニューヨークマフィアのボス・マルチアーノの手下が現れマシンガンでルパンの命を狙ったが、部屋に仕掛けておいた防弾ガラスによって形勢が逆転した。奴らをどうしてやろうかと思案しているうちにロゼッタが姿を消したため、ルパンは手下を解放した。バビロンの秘密を聞き出すためにルパンはマルチアーノに近づく計画を立てていたが、そのことを知ってか知らずかロゼッタは去り際にその謎に関係ありそうな古びた燭台を置いて行ったのだった。

バビロンの黄金探しはマルチアーノの親の代から行われている大事業で、マルチアーノ自身も暗黒街の仕事を相棒のコワルスキーに任せて事業に取り組んでいる。父親が掘り当てた粘土板は解析が進み、バビロニア中の黄金を集めた塊が存在することまでは解読出来ていた。彼はルパンがその秘密に接触しようと試みていることを知り、コワルスキーに命じて殺し屋を差し向けたのだ。一方、金の匂いを嗅ぎつけてマルチアーノに接触してきたのは不二子だった。

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ピラニア軍団 ダボシャツの天

  • posted at:2018-08-07
  • written by:砂月(すなつき)
ぴらにあぐんだんだぼしゃつのてん
東映(京都撮影所)
配給:東映
製作年:1977年
公開日:1977年2月26日 併映「北陸代理戦争」
監督:山下耕作
企画:杉本直幸 上坂久和
原作:政岡としや
脚本:松本功
撮影:増田敏雄
照明:金子凱美
録音:中山茂二
美術:富田治郎
音楽:渡辺岳夫
編集:玉木濬夫
助監督:清水彰
記録:梅津泰子
装置:吉岡茂一
装飾:西田忠男
背景:西村和比古
美粧:長友初生
結髪:福本るみ
スチール:内藤アリ
演技事務:西秋節生
衣裳:豊中健
擬斗:上野隆三
進行主任:長岡功
主題歌:「ダボシャツの天」川谷拓三
・・・:「恋歌」川谷拓三
出演:川谷拓三 竹田かほり 橘麻紀 菅貫太郎 深江章喜
シネマスコープ カラー 83分

死んだ母親から通天閣のように真っ直ぐ伸びるような男になれという願いを込めてつけられた名前を持つ松田天。それをどう解釈したのか出世するには極道になることが早道だと考えたのだった。そのためには刑務所に入って箔をつけることが先決だとし阪神刑務所の外壁に立ち小便するのだが、刑務官からは軽くあしらわれた。雪駄、腹巻、ダボシャツに夜店で買った偽革バンドといういで立ちの天は大阪・新世界を活動の拠点としている。ある日、彼はストリップ劇場の裏道で気弱そうな学生に無理矢理エロ本を売りつける高校生たちから四千円を巻き上げた二人のヤクザ者に物申した。何故ならその高校生は天をアニキと慕っている数少ない味方だからだ。ところがそこに大市組の幹部・花木が現れたことで事情は変わった。上方会の下っ端の彼が例え合図を送ったところで援軍がくるはずもなく袋叩きに遭うのだが、ある男が偶然通り掛かったことで形勢は逆転した。それは天が男の中の男と惚れ込んだ幹部の「百足の錦三」だった。四年前のイザコザで出来た腹の傷を錦三が見せると、バツが悪い花木は歯向かえず言われたとおりに四万円と心づけを渡してそそくさと逃げたのだった。

どうしても本物の極道になりたい天は以前から錦三に正式組員に所属したいことを申し出ていた。改めてそのことを申し出ると錦三は土産がいると言った。上方会では阿倍野の朝日町に特殊浴場を開くことになっており、彼はそこでマネージャーを任されることになっていた。そこで錦三は若い女性を二、三人連れてきたら考えてやると言った。天が不安視しているのは朝日町が大市組の縄張りであることだったが、錦三はそれも計算済みだった。近々、上方会は大市組と一戦交える計画があるからだ。それを聞いて安心した天は公園に出掛けて女性に片っ端から声を掛けた。ところが痴漢と間違えられてパトロール中の警官に逮捕され留置場に入れられたのだった。天は落ち込むどころかこれも極道にとって勉強だと前向きに捉えた。ブタ箱は小学校、拘置所は中学、そして刑務所は大学、と。ところが身元保証人となった錦三によってあっさりと釈放されたことでうれしさとさみしさが入り乱れた。

錦三の希望どおりに女を集められなかったことで正式組員への道が遠ざかった天は、天王寺動物園近くの道端でサルのおもちゃを売ることにした。そのときに高校生くらいの少女を見つけたためこれ幸いと声を掛けた。彼女は夏という名の奈良の山奥からやってきた家出少女で、大阪にきたもののどうしていいかわからない様子だったことから錦三のもとへ連れて行くことにした。だが世話をするうちに情が移り、自分は悪い男だし大阪には似たような男がいる怖い所だから田舎に帰るべきだと諭した。ところが話をするうちに夏が自分と同じように両親を亡くしていることがわかり、帰る家がないことを不憫に思った天は彼女を自宅に泊めることにした。

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宇宙大怪獣ドゴラ

  • posted at:2018-08-03
  • written by:砂月(すなつき)
うちゅうだいかいじゅうどごら
東宝
配給:東宝
製作年:1964年
公開日:1964年8月11日 併映「喜劇 駅前音頭」
監督:本多猪四郎
製作:田中友幸 田実泰良
原作:丘美丈二郎
脚本:関沢新一
撮影:小泉一
美術:北猛夫
録音:矢野口文雄
照明:小島正七
音楽:伊福部昭
整音:下永尚
監督助手:佐野健
編集:藤井良平
音響効果:知久長
現像:東京現像所
製作担当者:中村茂
特殊技術・撮影:有川貞昌 富岡素敬
特殊技術・光学撮影:真野田幸雄 徳政義行
特殊技術・美術:渡辺明
特殊技術・照明:岸田九一郎
特殊技術・合成:向山宏
特殊技術・監督助手:中野昭慶
特殊技術・制作担当者:小池忠司
特技監督:円谷英二
出演:夏木陽介 藤山陽子 小泉博 若林映子 中村伸郎
シネマスコープ カラー 81分

テレビ中継用の人工衛星・L-100型が打ち上げられ、周回軌道に乗ることに成功した。衛星が6周目の日本上空を通過した頃、宇宙空間で異常事態が発生した。光を明滅しながら成長する3体の宇宙生物が地球に接近し、その衛星を飲み込んだのだった。だが地上で観測を行っていた電波研究所では正確な事態を把握することが出来なかった。

人工衛星の事故をラジオが速報として伝えていた深夜、パトロール中の警官二人は不審な車を見つけたため声を掛けた。その車にはラジオを聞いている女が乗っていたが、男を待っている様子だったのでそれ以上は聞かなかった。しばらくパトロールを続けていると酔っ払いが宙に浮いているのを目撃し急いでその後を追ったのだった。その頃、宝石店・天宝堂に五人組の強盗が押し入り金庫の扉をガスバーナーで焼き切ろうとしていたが、急に体が浮いて自由が利かなくなったため道具を放り出して逃げたのだった。店のシャッターには人工衛星を破壊した物と同じ生物が張り付いており、男たちは発砲したが手に負えず用意していた車をスタートさせると、リーダー格の男は待ち伏せしていた女の車に乗り込んだ。警官は銃声を聞いて駆け付けたが強盗団を捕まえることは出来なかった。

世界各国でダイヤモンドが盗まれる事件が多発し、それは日本も例外ではなかった。警視庁外事課の駒井刑事は宝石ブローカーのマーク・ジャクソンを追跡し、結晶構造学の権威・宗方博士の邸までたどり着いたが、あと一歩のところで出し抜かれたのだった。最近、世界的に組織されたダイヤモンド強盗団が動き出しており、ニューヨークやロンドン、パリなどで大きな被害が出ていた。だが彼らが拘わっていたのはパリの一件だけだった。日本支部でも成果が上がらないことに頭を抱えており、髭のボスは何か名案はないかと知恵を絞った。そもそも昨夜の犯人は人間ではなく、何故そんな奴がダイヤを狙っている理由がわからなかった。そこへ浜子がマークを連れてきたのだった。夕べの仕業はお前だろうと多田がマークに掴み掛かったとき、隣にいた真木がボディータッチをして背広のポケットから袋を見つけた。その中身をテーブルにぶちまけると無数のダイヤが光輝いた。

駒井は宗方を警視庁に呼び出すと天宝堂で起きた事件の資料を渡した。写真には金庫の扉が蝋細工のように溶けた様子が写っており、それを見た宗方は現場に放置されていた酸素切断機とは比較にならないほどのエネルギーが必要だと言った。そして駒井が被害届の提出を促すと、宗方は秘書の桐野昌代と顔を見合わせて困ったなと首を傾げた。盗まれたダイヤはまだ公にされていない研究、開発中の「人造ダイヤ」だったからだ。

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