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(ハル)

  • posted at:2018-10-23
  • written by:砂月(すなつき)
はる
光和インターナショナル
配給:東宝
製作年:1996年
公開日:1996年3月16日
監督:森田芳光
企画:鈴木光
制作:鈴木光
プロデューサー:青木勝彦 三沢和子
脚本:森田芳光
撮影:高瀬比呂志
美術:小澤秀高
録音:橋本文雄 柴山申広
照明:小野晃
編集:田中慎二
スクリプター:森永恭子
キャスティング:網中洋子
助監督:杉山泰一
制作主任:氏家英樹
制作担当:坂本忠久
音楽:野力奏一 佐橋俊彦
音楽プロデューサー:裕木陽
主題歌:「TOKYO LOVE」THE BOOM
企画協力:ニューズ・コーポレイション
制作協力:トライアーツ
出演:深津絵里 内野聖陽 山崎直子 竹下宏太郎 水野あや
アメリカンビスタ カラー 118分

食品会社の営業マン・速水昇は映画好きな恋人との話題を増やすために、パソコン通信の「映画フォーラム」にアクセスした。参加するにはハンドル名を登録しなければならず、彼は自分の名前の最初のひと文字と最後のひと文字を取って(ハル)と名乗った。パソコン初心者であり映画にもあまり詳しくない(ハル)はチャットで会話するコアなファンたちの話題について行けなかった。その後、その中の(ほし)と名乗る人物からメールが届いたが、それはみんなが好きなことを言い合っているが、色々な考え方の勉強になるので気にしない方がいいというアドバイスだった。翌日、昇は恋人を食事に誘い、映画フォーラムで話題になった「浜辺のシンフォニー」を観に行こうと言ったが、彼女が既に試写会で観ていたことを知りがっかりした。帰宅後、(ハル)は(ほし)にある疑問をメールで送信した。「みんなの会話の途中で時々出てくる顔のマークのような物は何ですか?」と。それ以後、二人の間で顔文字が必要以上に飛び交ったことから、他のメンバーは何があったのかと訝った。

(ほし)は映画フォーラムで男性を装っていたが、その正体は藤間美津江という女性だった。盛岡市にあるデパートの宝石コーナーの販売員をしていたが、同性の多い職場であることから人間関係に悩んでいた。悩んでは勝手にメールを送り続けていたが、(ハル)から適切なアドバイスを貰えないため決心してデパートを辞めた。パン屋で働き始めた美津江は、映画の中で演じるように仕事も演じれば気が楽になると思ったのだ。一方、昇も思い悩んでいた。親戚の影響でアメリカンフットボールを始めた彼は、そのおかげで大学に推薦入学し今の会社にも入社することが出来た。そして今つき合っている彼女も試合の打ち上げで知り合ったのだが、同期が出世したりすることでアメフトへの情熱が薄れ、生きるための張り合いを失っていたのだ。上司にも恵まれない彼は(ほし)に愚痴のようなメールを送った。今度一度会って酒でも飲もうよ、と添えて。だが(ほし)からは、そっとしておいてほしいと送り返してきた。

ゴールドシアターの茶色いソファーで、ミルクセーキを飲んで時間をつぶすのが好きなんだ。(ほし)が送ってきたメールのその一文を思い出した昇は「タッチダウン」を上映しているゴールドシアターのロビーで恋人を待った。だがその映画館には茶色いソファーもミルクセーキもなかった。遊ばれているのかもしれないと感じた昇がその夜、皮肉めいたメールを送ると、(ほし)からお詫びの返信が届いた。そこには東京に行った3年前にその映画館に行ったこと、(ハル)が今までの通信仲間と違う視点を持っていて興味を持ったこと、そして自分が女性であることを明かした。

屋台的映画館
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顔役(1965年)

  • posted at:2018-10-19
  • written by:砂月(すなつき)
かおやく
東映(東京撮影所)
配給:東映
製作年:1965年
公開日:1965年1月3日 併映「徳川家康」
監督:石井輝男
企画:俊藤浩滋 吉田達
脚本:笠原和夫 深作欣二 石井輝男
撮影:星島一郎
録音:大谷政信
照明:元持秀雄
美術:中村修一郎
音楽:八木正生
編集:田中修
助監督:小山幹夫
進行主任:西井剛
現像:東映化学工業株式会社
出演:鶴田浩二 高倉健 佐久間良子 藤純子 三田佳子
シネマスコープ カラー 91分

国立代々木競技場の近くにあるホテルオーヤマに続々と車が集結していた。その会場では関東一帯のやくざ組織である関東城政会の84団体による幹部会が行われ、政府が3兆円の金をつぎ込んで東洋一の大産業地帯を造成しようとしている新浜市の埋立地についての説明がなされた。10年先には人口100万人の都市が3つは出来上がると予想され、大企業コンビナートの移転に連れてマンモス団地も建設されている。やがては東京や大阪に匹敵する一大消費都市になることは間違いなかった。埋立地の一部は県が地元の漁業組合に漁場放棄の見返りとして譲り渡した30万坪の土地で、その顔役の漁業組合長は鳴海一家の三代目で小杉組組長をしていた小杉末造だった。小杉と吉川市長がその土地の実権を握っており、整地が済み次第ここに転業漁民のための酪農地を造成する計画を立てていたが、それを関西同志会会長の尾関が狙っていたのだ。近々漁業組合が整地の入札を行うことになっており、尾関は子分の甲田建設の名を借りて落札しようとしていた。そこで城政会会長の檜山義一が大役を任せて貰えないだろうかと名乗り出ると満場一致で可決された。

東日開発会長の山脇と組んだ檜山は、気の毒だと思っているが関東を代表して派遣できる檜山組3千人の中でもお前以外見当たらないと大幹部の中神正治を指名した。中神はかつて兄弟分と二人で竹内一家に乗り込んで行ったという伝説の持ち主だったが、それもいつも損な役回りを押し付けられていたからだ。この役についたのは他に早見恭一、宮田哲男、染谷勇、桑原次郎、安積徳三郎の5人だった。彼らが埋立地に中神建設の工事事務所を建てると、早速甲田組が挨拶に現れ花瓶を置いて行った。それには爆竹が仕掛けられていたが、その破裂音が抗争の始まりの合図だった。甲田は実弾攻勢で入札に拘る建設業者とパイプを結び、賭場を開いて漁業者から借金の形として権利書を奪った。その頃、中神は足を洗ってバーを経営する柏田弘と会い、昔のよしみで小杉を紹介してもらうことになった。だが客としてやってきた上機嫌の新聞記者・秋田吾郎から大スクープを聞き気が変わった。甲田建設を追っていた彼は、市役所の土木課長が甲田と料理屋で何度も会っていたことを警察が突き止め参考人として出頭を命じたところ、留置場で首を吊って自殺したという情報を掴んだというのだ。それを知った中神は、柏田にさっきの話はなかったことにしてくれと言い残すと店を後にした。秋田が書いた記事はその日の夕刊に載ったが、死人に口なしだと甲田は笑い飛ばした。その頃、中神は小杉の屋敷を訪ね、私どもに力添えをお願いしたいと頭を下げた。すると小杉は、どちらに入札が落ちて血の雨が降ったとしてもカタギの者たちには関係ない話だときっぱり言った。

屋台的映画館

ひと夏の秘密

  • posted at:2018-10-14
  • written by:砂月(すなつき)
ひとなつのひみつ
日活
配給:日活
製作年:1979年
公開日:1979年8月4日 併映「宇能鴻一郎の女体育教師」
監督:武田一成
プロデューサー:八巻晶彦
脚本:田中陽造
撮影:森勝
照明:小林秀之
録音:建部日出夫
美術:菊川芳江
編集:山田真司
助監督:黒沢直輔
色彩計測:苧野昇
現像:東洋現像所
製作担当者:服部紹男
音楽:淡海悟郎
主題歌:「海・アゲイン」萩原恵
演奏:ミノタウロス
協力:神津島観光協会
出演:原悦子 渡辺とく子 江角英明 萩原友絵 錆堂連
アメリカンビスタ カラー 72分

初夏の頃、「チチキトクシキウカエラレタシ」という電報を受け取ったちひろは故郷の勿来に戻ってきた。駅を出て乗ったバスは海岸線を走り続け、やがて港町に着いた。九十九屋という店に入り射的の銃を取ると百発百中の腕前で的を撃ち落とした。すると奥から出てきたアルバイトの光一は驚きの表情を見せたが、次第に彼女がちひろであることを理解した。光一はガンを患うちひろの義父・軍治が肺炎を併発して危篤状態に陥ったことで電報を打ったのだが、彼女について高校二年生だった六年前に家出したこと以外は何も知らされていなかった。容体は安定したが何故か面会に行こうとしないちひろに疑問を感じていると、病院から軍治が制服を持ってきて欲しいと言っているという電話があった。光一がそのことを伝えると、以前警官だったのよと言ってちひろは店を出た。そして裏に回り自宅に向かうと部屋の中はあの頃と変わっていなかった。クローゼットを開けたが制服はなく、次に庭の納屋に向かうと洋服ケースの中にクリーニングの袋に入ったままの警官の制服が掛けてあった。その隣にはちひろのセーラー服がこちらもクリーニングの袋に入ったままになっていた。

六年前の夏、学校から帰ったちひろが着替えをしながらくつろいでいると、勤務中の軍治が仏壇の前にいることに気づいた。その日は11歳のときに何者かに殺された実の娘・ミユキの命日だった。彼女は娘の身代わりとして同じ歳のときに貰われてきたのだ。軍治は拳銃をちひろに向けると、こんなに女らしく育ったお前を見ていると憎いと苦々しく言った。そして抵抗したら撃つぞと脅して犯したのだが、そのときに拳銃が暴発し銃弾を一発紛失した責任を取って警察を辞職したのだった。

制服を持って光一と軍治を見舞うことにしたちひろだったが、病院が建つ区域がかつての屠殺場だったことに驚いた。その場所でミユキは殺されていたのだ。腹に牛の角が刺さった状態で。それを聞いた光一はこれ以上そんな話は聞きたくないと一喝し病院に向かった。余命三ヶ月と言われている病室の軍治は痛みを訴えたことで強い鎮痛剤を投与され静かに眠っていた。翌朝、九十九屋にやってきたのは軍治の弟の邦夫だった。彼はミサという未亡人と組み、一億円の保険金を掛けて入水自殺した夫の遺体捜しをモーターボートを使って海で行っていたのだ。その様子は軍治の病室から良く見えた。

屋台的映画館

にっぽん親不孝時代

  • posted at:2018-10-10
  • written by:砂月(すなつき)
にっぽんおやふこうじだい
東京映画
配給:東宝
製作年:1968年
公開日:1968年12月7日 併映「お熱い休暇」
監督:山本邦彦
製作:佐藤一郎 椎野英之
原作:松山善三
脚色:山本邦彦
撮影:黒田徳三
美術:樋口幸男
録音:神蔵昇
照明:今泉千仭
音楽:かまやつひろし 池野成
整音:西尾曻
編集:諏訪三千男
監督助手:奥村正彦
現像:東洋現像所
製作担当者:内山甲子郎
出演:田辺昭知 かまやつひろし 堺正章 井上順 井上孝之
シネマスコープ カラー 85分

父・満が建設業や飲食店などを経営する実業家だったことで杉本邦雄は自由気ままな生活を送っていた。満のスナックは若者の溜まり場になっており、時間を持て余して入り浸っているのは邦雄と四人の仲間(録郎、菊男、昭、実)だった。彼らには共通する夢があった。それはバンドを組んでスポットライトを浴びることだった。その夢を叶えるには先立つ物が必要だが、録郎たちはそれを集めることが出来ずにいた。すると翌日、邦雄はある計画を実行した。それは自宅の金庫を破って三十万円を盗み出したのだ。秘書の谷口加奈子に現場を見つかったが、札束は外で待ち受ける録郎たちの手に渡り、それは忽ち楽器店のドラムやギターなどへと変貌したのだった。

ある日、録郎の父で光妙寺の和尚・法念は商店街の役員たちとともに満のもとへ抗議に向かった。何故なら学校建設のために譲った土地をデパートに転用すると聞いたからだ。満はスナックの存在が教育に影響を与えることを理解して直ちにそれを閉店し、取得した土地に学校を建設すると約束したのだが、それを翻しスナックの営業を継続した上でデパートを建設すると宣言したのだ。彼は私の金で私の土地に何を建てようと自由だと主張し、地元の発展のために外国資本を導入すると説明したが、法念たちは納得出来なかった。

フーテンの哲と一彦が偶然出会い、旅を続けて十日目。横浜港に停泊する貨物船から落ちたバッグをモーターボートが拾い上げた現場を目撃した二人は、先回りしてそれをいただこうと考えた。ところが大柄な男に首根っこを掴まれて車に押し込まれたのだった。紳士のジョージが貨物船から落としたバッグは遣いを通じて満に渡るはずだったが、その遣いが横領をして逃げようとしたのだ。その車を追い詰めた男たちは危険を感じ代わりに哲と一彦にバッグを取りに行くよう命じたが、突如銃撃戦を始まったため二人はそれを持ってトンズラしたのだった。

人気のない墓地にたどり着いた哲たちはバッグを開けることにした。食い物だといいなとロックを外すと警報音が辺りに鳴り響き、それと同時にジョージの探知機に知らせが届いた。彼が杉本興業のビルから慌てて駆け出す様子を加奈子がカメラに収めていた頃、警報音に驚いた法念が本堂から飛び出しその正体がバッグだと気づくと蓋を閉めてこっそり持ち去ろうとした。隠れてその様子を見ていた哲たちはそれを返せと抗議したが、そこに帰ってきた録郎が寺への嫌がらせだと勘違いし、五対二なら勝てるとケンカを始めた。哲たちを追い出して気分爽快な五人は本堂を二時間レンタルして演奏の練習をしていたが、バッグのことが気になって仕方がない法念は理屈をつけて録郎たちを追い出すとバッグを開けた。すると再び警報音が鳴り響き、それと同時に様々なことが動き出した。

屋台的映画館

賞金稼ぎ

  • posted at:2018-10-05
  • written by:砂月(すなつき)
しょうきんかせぎ
東映(京都撮影所)
配給:東映
製作年:1969年
公開日:1969年8月13日 併映「新網走番外地 流人岬の血斗」
監督:小沢茂弘
企画:俊藤浩滋 松平乗道
脚本:高田宏治 伊上勝
撮影:山岸長樹
照明:金子凱美
録音:中山茂二
美術:矢田精治
音楽:八木正生
編集:堀池幸三
助監督:本田達男
記録:牧野淑子
装置:温井弘司
装飾:清水悦夫
美粧:中野進明
結髪:白鳥里子
衣裳:高安彦司
擬斗:上野隆三
古武道指導:中島正義
進行主任:俵坂孝宏
協力:銃砲史学会 吉岡新一
出演:若山富三郎 野川由美子 真山知子 天津敏 高橋昌也
アメリカンビスタ カラー 90分

宝暦二年六月、オランダ船ロッテルダム号が最新式のゲーベル銃千丁を積んで神奈川沖に現れた。特命大使カピタン・シーゲルは幕府老中と会見し、銃を安価で提供する見返りに無条件和親条約の調印を要求したが、時の将軍家重はそれを断固拒絶し帰国を命じた。するとシーゲルは船首を南に転じ、幕府が最も恐れる九州の雄藩薩摩に向かったのだった。老中筆頭牧野豊後守を始めとする幕府首脳は重大な決意で薩摩藩江戸家老伊集院右京を召還しオランダとの密約を問い質したが、右京は決してそのようなことはないと断言した。同月二十日、東叡山寛永寺に異例の参詣をした家重はそこである人物と会った。関ヶ原の合戦以来、幕府と薩摩の関係が最も険悪になっていることを憂慮した家重は、右京が過激派の暴走を食い止めるために国許へ向かうはずと見当をつけ、オランダ医学に精通する懇意の町医者錣市兵衛に助力を要請した。市兵衛は剣術だけでなく銃や弓などあらゆる武器を使いこなせる凄腕の賞金稼ぎだった。薩摩へ向かう道中で右京の一行は桜島山嶽党の小野里民部に襲われたが、突如現れた彼によって命を救われた。礼を言う右京に市兵衛は、異国の船は足が速いからお急ぎなさいと先を急がせたのだった。

大雨で大井川が増水し川留めを食らった市兵衛は、道中で勝手についてきた曲垣藤九郎という妙な浪人と宿に泊まることになった。そこで川抜けをしてでも先を急ごうとする女と出会い、それ以来気になった市兵衛は先回りをして彼女を待つことにした。霧島越えの道を選ぶと読んだ市兵衛は薩摩国の入り口で待ち伏せし偶然を装って出会った。その先では幕府の隠密が屍としてさらされ、役人の目も厳しかったことから易々と入り込むことは出来なかった。そこで一番難しい入り口といわれる関所を市兵衛は選び二人に黙ってついてこいと言った。彼が関所の前で堂々と俺は幕府の隠密だと名乗ると役人たちは慌てふためいて取り押さえようとした。覚悟してきているんだから逃げやしないと市兵衛が落ち着いた声で言うと、男たちは迫力に負けて役人頭の所へ連れて行った。すると彼は懐から出した爆薬でその場を混乱させ、その隙に女とともに全ての役人を斬ったのだった。市兵衛は別れ際に、お前を死なせたくないんだと女に白い丸薬を渡した。

その夜、女は薬商名張の与藤次を訪ねた。女の正体は陽炎という名の隠密で、老中牧野豊後守の遣いで薩摩藩取り潰しのための謀叛の証拠を集めるために動いていた。その繋ぎの一人が与藤次だった。一方、市兵衛は座頭と偽って山嶽党の茜に接触すると民部から死に際に託された言付けを伝えるために砦まで連れて行って欲しいと訴えた。そして民部が身につけていた証を見せると茜はその話を信用した。

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