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虹の中のレモン

  • posted at:2022-07-25
  • written by:砂月(すなつき)
にじのなかのれもん
松竹(大船撮影所)
配給:松竹
製作年:1968年
公開日:1968年7月20日 併映「天使の誘惑」
監督:斎藤耕一
製作:升本喜年
企画:堀威夫
脚本:桜井義久
撮影:大越千虎
美術:宇野耕司
音楽:チャーリイ脇野 北川裕
照明:本橋昭一
録音:堀義臣
編集:太田和夫
調音:松本隆司
監督助手:立仙雅巳
装置:中村文吾
進行:宗本弘美
現像:東洋現像所
製作主任:峰順一
主題歌:「虹の中のレモン」ザ・ビレッジ・シンガーズ
協力:サマーランド 江の島鎌倉観光株式会社
出演:清水道夫 林ゆたか 小池哲夫 笹井一臣 小松久
シネマスコープ カラー 87分

鎌倉にある大邸宅の前田邸はしばらく主人が不在の状態で、管理は下働きの吉岡とその娘の民子が行っている。このだだっ広い部屋を何か利用する手立てはないかと親友の真山エミとともに考えた結果、児童福祉のために開放することにした。ある日、二人はいつものように託児所の子供たちを集めて寸劇を行おうとするが、やることが同じだの子供だましだのと不評の声が飛んだ。困ったエミが例えばどんなのがいいのかと尋ねると、子供の一人がヴィレッジ・シンガーズのようなグループサウンズが聞きたいと言った。ヴィレッジ・シンガーズは「バラ色の雲」や「亜麻色の髪の乙女」などのヒット曲を持つ五人組(清水道夫、林ゆたか、小池哲夫、笹井一臣、小松久)だったが、エミたちはグループサウンズのことを何も知らなかった。同じ頃、そのヴィレッジ・シンガーズはサマーランドのステージで演奏をしていた。所属事務所から一週間の夏休みをもらった五人だったが、各々やりたいことがバラバラだった。そこで彼らの先輩に当たる芸能記者の田部井が「理由なき蒸発」を提案すると興味本位で実践してみることにした。

翌日、ヴィレッジ・シンガーズの五人は鎌倉の海岸にいた。身分を隠して女の子をナンパしてみようと考えたのだが周りはアベックばかり。何だか世間からあぶれたようで悲しい気分になり別行動を取ろうとしたところ二人の令嬢を見つけた。さりげなく近づき声を掛けると二人は快く応じた。その二人とは令嬢に扮したエミと民子だった。二人はとりあえず暇で時間を持て余している上にタダで働いてくれそうな若者をスカウトしにきたのだが、そんな都合のいい人はそう簡単には見つからなかった。手ぶらで帰って子供たちに笑われるならいっそ学生アルバイトでも頼もうかと考えていたところに声を掛けてきたのが五人だった。エミたちは彼らが暇な大学生だと思い込み、海のそばにある涼しい邸にぜひ来てくださいと言った。腕に縒りを掛けた食事が三食出る上に可愛い女の子たちと過ごせるとなれば五人の答えはひとつだった。

若者たちが本当に来てくれるのか心配だったが、五人は約束の時間に訪ねてきた。エミは紅茶でもてなすと早々に片付け始め、民子が奥から持ってきた着ぐるみに着替えさせた。そして五人は子供たちの前に立たされたが、わんぱくな子供たちにもみくちゃにされた。約束が違うと言って五人が着ぐるみの頭を外すと子供たちは歓声を上げた。エミたちはそこで初めて五人がヴィレッジ・シンガーズだということを知った。

屋台的映画館
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暴走の季節

  • posted at:2022-07-22
  • written by:砂月(すなつき)
ぼうそうのきせつ
東映(東京撮影所)
配給:東映
製作年:1976年
公開日:1976年7月1日 併映「暴力教室」
監督:石井輝男
企画:矢部恒
脚本:石井輝男
撮影:出先哲也
録音:広上益弘
照明:梅谷茂
美術:藤田博
編集:祖田冨美夫
助監督:森光正
記録:宮本衣子
スチール:加藤光男
進行主任:志村一治
装置:畠山耕一
装飾:米沢一弘
美粧:井上守
美容:宮島孝子
衣裳:内山三七子
演技事務:石川通生
現像:東映化学
音楽:鏑木創
主題歌:「傷あと」岩城滉一
製作協力:白浜ホテル南海荘 AOSレーシングチーム
写真提供:オリエンタル写真
出演:岩城滉一 中島ゆたか 志垣太郎 渡辺やよい 金井左弓
アメリカンビスタ カラー 86分

超一流のバイクの運転テクニックを持つ水上一郎は相模湾のヨットクラブでアルバイトをしている。ある日、弟分のペロ新たちが金持ちグループの女王に君臨する島津夢子にコケにされたことから水上はいつか見返してやろうと考えていた。だがそのチャンスは突然やってきた。夢子の方から彼にヨットの操縦の依頼をしてきたのだ。気が進まなかったが、マネージャーの源さんから命令されれば従うしかなかった。翌日、夢子の別荘を訪ねた水上は、働く条件として夜間のセイリング以外は夜の外出を自由にして欲しいと言った。鼻につく夢子の態度は気に食わなかったが、条件を飲んでもらったことで仕方なく金のために働くことにした。1時間後に出発したヨットは白浜に向かった。ビーチでは彼女の仲間たちがパーティーを開き裸で戯れた。その夜、水上が砂浜でギターを弾きながら火の番をしていると、一人の女が近寄ってきた。彼女は真弓といい、体を求めてきたためそれに応じたのだが、それは水上を笑い者にするための悪戯だった。ライトに照らされた彼はドラ息子たちに殴り掛かるが多勢に無勢。逆に袋叩きにされてしまった。

翌朝、港に戻ってきた痣だらけの水上の姿を見て夢子の世話をするアキは驚いた。理由を尋ねても水上は岩場で転んだとしか言わないため逆に心配になり急いで救急箱を取りに帰った。アキが水上の部屋で治療をしているとボス格の南がやってきた。夢子のことを以前から気に掛けている南は彼女が水上に惚れているのではないかと気が気ではなかったのだ。昨夜の一件で辞めると思っていたが、夢子など眼中になくただヨットが気に入って引き続き働きたいのだという。そのことを伝えると彼女は面白がった。

夕方になり夢子がホテルのサマーカーニバルに出かけると屋敷の中は水上とアキだけになった。バイクで海岸に出掛けた二人は砂浜で体を重ねた。日が暮れサマーカーニバルが始まるとペロ新たちは女をナンパしようとテラスに押し掛けたが、南の配下の暴走族と鉢合わせし警察沙汰になった。主催者である南がその場を収め、小遣いをもらったペロ新たちは上機嫌で会場を後にしたが、そこにやってきた水上はある計画を耳打ちした。真弓が運転する車をバイクで取り囲むと助手席の正彦を引きずり出し全員で彼女を輪姦した。そして真弓の部屋で待ち伏せしていた水上は彼女がシャワールームから出てくると人に知られたくない写真の取り引きを持ち掛けた。

屋台的映画館

東京原発

  • posted at:2022-07-19
  • written by:砂月(すなつき)
とうきょうげんぱつ
「東京原発」フィルムパートナーズ(グランプリ=バサラ・ピクチャーズ=日活=衛星劇場)
配給:ザナドゥー
製作年:2004年
公開日:2004年3月13日
監督:山川元
エグゼクティブプロデューサー:北川雅司 横濱豊行 川上國雄 石川富康
プロデューサー:池田哲也 石原真 西健二郎 福田豊治
ラインプロデューサー:山本章
音楽プロデューサー:長岡和弘
脚本:山川元
撮影:北澤弘之
美術:稲垣尚夫
照明:内原真也
音楽:崎谷健次郎
録音:米山靖
編集:阿部亙英
助監督:宮城仙雅
製作担当:森賢正
エンディング曲:「TOMORROW」崎谷健次郎
企画制作:アートマン
出演:役所広司 段田安則 平田満 田山涼成 菅原大吉
アメリカンビスタ カラー 111分

大胆な発言とド派手なパフォーマンスで都民から絶大な支持を得る天馬都知事はある日臨時会議を招集した。会議室に集められたのは津田副知事、笹岡産業労働局長、佐伯政策報道室長、石川都市計画局長、大野財務局長、泉環境局長の6人だった。意気揚々と入ってきた天馬は都の財政を一気に立て直す方法が見つかったと誇らしげに言った。これまでにやってきたのはいわば焼け石に水。それを解決するには東京に原子力発電所を誘致するのが一番だと言った。会議室が静まり返る中、最初に口を開いたのは佐伯だった。まさか本気ではないですよねと言うと、天馬は俺が冗談でこんなこと言うわけないじゃないかと叱った。彼が原発を誘致する理由、それはバラマキ法と批判される原子力発電施設等立地地域振興特別措置法を利用してバラマかれる側に回れば莫大な補助金が交付される上に公共事業の補助率が引き上げられる。おまけに自治体の借金返済のかなりの部分が地方交付税で手当てされ、製造業者へは税制の優遇もあるのだ。天馬は佐伯に今すぐ記者会見を開く準備をするよう命じるが、津田はもっと議論すべきだと提案した。そして議論はくだらないと主張する天馬に対し何故自分たちを招集したのかと問うと、観念して全員の意見を聞く気になった。当初は反対意見が大半を占めていたが、都民が大量の電気を使うことで福島や新潟の素晴らしい自然環境や景観が失われて行くことを考えればコンクリートジャングルの中に斬新な建造物が増えても問題ないと天馬が言うと次第に意見は賛成の方へ傾いて行った。原発施設を観光の目玉にすることも考えられるからだ。

タバコ休憩を終えて再び会議が始まると、天馬は他にもある利点を挙げた。都市部に発電所を造れば漁業権などの莫大な買収費用や長い距離の送電コストが必要なくなる。そうなれば企業の電力コストが大幅に下がり、利益が上がれば税収に繋がる。それが一般家庭にまで及べば消費が拡大し景気は上向き、税収も増えるのだ。原発が海に面しているのはタービンの冷却に海水を使用しているからだが、発電時に出た温排水を都内中に張り巡らせた熱パイプで循環させれば東京都は巨大な冷暖房都市に生まれ変わるのだ。だが問題はその原発を何処に建てるかだ。笹岡が恐る恐るその質問を口にすると、天馬は平然として新宿中央公園だと言った。

屋台的映画館

大日本人

  • posted at:2022-07-16
  • written by:砂月(すなつき)
だいにっぽんじん
吉本興業
配給:松竹
製作年:2007年
公開日:2007年6月2日
監督:松本人志
企画:松本人志
企画協力:高須光聖 長谷川朝二 倉本美津留
アソシエイトプロデューサー:長澤佳也
プロデューサー:岡本昭彦
製作総指揮:白石久弥
製作代表:吉野伊佐男 大崎洋
脚本:松本人志 高須光聖
音楽:テイ・トウワ
撮影:山本英夫
照明:小野晃
録音:白取貢
美術:林田裕至 愛甲悦子
助監督:谷口正行
制作担当:湊谷恭史
監督補:高橋純
衣裳:高堂のりこ 木村直美
スクリプター:赤澤環
編集:上野聡一
音響効果:柴崎憲治
装飾:茂木豊
特殊造形・デザイン:百武朋
ミニチュア美術:平井淳郎
特機:横山聖
操演:島尻忠次
キャスティング:元川益暢
大日本人デザイン:天明屋尚
スーパージャスティス音楽:川井憲次
VFX監督:瀬下寛之
配給総括:松本輝起
出演:松本人志 竹内力 UA 神木隆之介 海原はるか
アメリカンビスタ カラー 113分

常に折り畳み傘を携帯し、週に2、3回行きつけの食堂で力うどんを頼む大佐藤大(だいさとうまさる)は「大日本人」の家系の6代目に当たる。代々日本各地に出現する獣を退治する仕事をしているが、20万円の支給と副収入30万円の合計50万円でひと月暮らしている。妻と8歳の娘とは別居しているが、その理由は彼が7代目を継ぐ男の跡取りが欲しかったからだ。そんな大佐藤に興味を持ったテレビ局が密着取材を申し出ると快く引き受けた。プライベートのことは気軽に話す大佐藤だったが、仕事の内容のことになると口を閉ざした。公園でのインタビュー中に仕事の依頼が入り人里離れた関東第弐電変場へ向かうことになると取材ディレクターは彼のスクーターを追うが、守衛の山城によってそれ以上の取材は止められた。

秋葉原に現れた締ルノ獣は少なくなった長い髪をなびかせながら輪のような長い腕でビルを締め付けると引き抜いた。そしてその跡地にて産卵するのが習性だった。電変場で高圧電流を浴び巨大化した大日本人は締ルノ獣の前に立ちはだかると戦いを挑み、苦戦しながらも何とか退治することに成功した。

大佐藤は2、3日掛けて勝手に元の大きさに戻るが、戻った後もしばらく鬱のような状態が続くのだという。大日本人が戦う様子はテレビで放送されるが、かつては高視聴率を得ていた番組も6代目となると飽きられていた。4代目だった祖父が活躍していた時代は毎晩芸者衆を集めてドンチャン騒ぎをする程景気が良く、使用人を50人も雇うような今では考えられない暮らしをしていた。かつては2、30あった稼業も今は彼一人。出現する獣も数少なくなった。番組の視聴率も良くゴールデンタイムにたくさん放送されていたが、深夜帯に移った今は天気予報にも負ける程落ち込んでいた。危機感を覚えた大佐藤の女性マネージャーの小堀は、大日本人の胸につけるスポンサーとの契約にこぎつけたのだった。

屋台的映画館

スーパー戦闘 純烈ジャー

  • posted at:2022-07-13
  • written by:砂月(すなつき)
すーぱーせんとうじゅんれつじゃー
東映ビデオ
配給:東映ビデオ
製作年:2021年
公開日:2021年9月10日
監督:佛田洋
製作:與田尚志
エグゼクティブプロデューサー:加藤和夫 塚田英明
プロデューサー:中野剛
脚本:久保裕章
アクション監督:竹田道弘
サウンドデザイン:桑原秀綱
キャラクターデザイン:野中剛
宣伝プロデューサー:斎藤貴晴
ラインプロデューサー:関谷和隆
企画協力:山本康平
撮影:鈴木啓造 岡本純平
美術:将多
照明:太田博
装飾:中澤正英
録音:森川数間
スクリプター:高山秀子
助監督:大峯靖弘
VFXスーパーバイザー:沖満
制作担当:松嶋翔
編集:長田尚樹
主題歌:「NEW(入浴)YORK」純烈
劇中歌:「愛をください ~Don’t you cry~」純烈
・・・:「君に会うために」純烈
・・・:「今夜はドラマチック」純烈
・・・:「愛をありがとう」純烈
・・・:「プロポーズ」純烈
・・・:「勇気のペンライト」純烈
・・・:「心のままに」純烈&前川清
・・・:「そして、神戸」前川清
・・・:「おもいで酒」小林幸子
製作プロダクション:特撮研究所
出演:後上翔太 白川裕二郎 小田井涼平 酒井一圭 小林綾子
アメリカンビスタ カラー 83分

ムード歌謡グループ・純烈(酒井一圭、白川裕二郎、小田井涼平、後上翔太)はスーパー銭湯アイドルとして今日もおばさまたちを熱狂させている。ある日、公演をしている天然温泉「御老公の湯」で清掃員の天地星子が浴室の清掃を行おうとしたところ金髪ハードコアパンクの男が湯に浸かっていた。これから掃除なんですけどと声を掛けても返事はなし。眠っているのかと思いそっと肩を叩いたところ、振り返ったその顔は老人だった。パニックに陥った彼女は助けを呼びに向かうが気づけばそこはステージ上。そこで星子は高校教師時代の教え子だった後上と再会したが、思い出に耽る間もなく誰か警察を呼んでと客席に向かって叫んだ。

捜査一課の桜井と竹中は星子の証言から不良老人が心不全で死んだと判断し事件性はないと結論づけた。二人が帰ると星子は酒井たちに根は真面目なのでよろしくお願いしますと頭を下げ、片付けに戻った。15年前、熱血教師だった彼女は後上を人の道から外れさせまいと口うるさく注意した。その際に「正直」という言葉が口癖だったことから仲間たちの間で「正直ババぁ」と呼んでいた。だがある事件で彼女を傷つけてしまったことを今でも後悔していた。

白川は雑誌に載っているある記事が気になった。それは昨年から全国各地の温泉でイケメンが忽然と姿を消す事件が多発しているというものだった。東大泉温泉で姿を消したという自称バンドマンの写真があの老人の髪型とそっくりだった。しかも鼻ピアスと顎のところにあるホクロの位置も同じなのだ。この二人が同一人物であれば何か良からぬことが起きるのではないかと考えた。休憩時間に後上が浴室の洗い場で髪を洗っていると突然浴槽の湯面が沸き立ち、そこから男たちが現れた。彼らは三千年生き永らえる悪の女王・フローデワルサに仕える部下たちで、永遠の美しさを保つために必要な若返りのエキスを得るために後上を拉致しにきたのだ。危機を察知した酒井、白川、小田井の三人はマイクチェンジャーで召喚した温泉の女神・オフロディーテとエネルギー融合し、温泉の平和を守る戦士・純烈ジャーに変身した。彼らの隠された姿を見た後上は呆気に取られた。

屋台的映画館

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