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落葉とくちづけ

  • posted at:2025-06-14
  • written by:砂月(すなつき)
おちばとくちづけ
松竹(大船撮影所)
配給:松竹
製作年:1969年
公開日:1969年3月29日 「結婚します」
監督:斎藤耕一
製作:升本喜年
脚本:広瀬襄 斎藤耕一
撮影:小辻昭三
美術:宇野耕司
音楽:北川祐
照明:中川孝一
編集:浦岡敬一
録音:平松時夫
調音:佐藤広文
監督助手:山田良美
装置:石渡敬之助
進行:宗本弘美
マンガ:仲倉眉子
現像:東洋現像所
製作主任:沼尾鈞
主題歌:「落葉とくちづけ」ヴィレッジ・シンガーズ
協力:横浜ドリームランド 麹町会館
衣裳協力:アトリエ・ノリオ
出演:尾崎奈々 藤岡弘 ヴィレッジ・シンガーズ 早瀬久美 山本リンダ
シネマスコープ カラー 87分

城南学園演劇部が卒業公演で選んだシェイクスピア劇は好評を博して幕を下ろした。この公演が成功したのはひとえに主演を任せた田代信子の演技力にあり、彼女を舞台裏から支えた水谷ら五人のグループはこの感激を忘れないようにして卒業した後も信子を守りながら芝居をやろうと誓った。その一年後、五人は舞台を踏んでいたが、何処をどう間違ったのかサイケな格好をしたベッガーズというGSバンドで楽器を演奏していた。一方、信子は女優としてCM撮影に携わる仕事をしていたが、着ぐるみなど裏方ばかりで顔が映ることはなかった。思い通りにならない人生でも六人の中で変わらないものはお互いの友情だった。ある日、信子は母・さよの勧めでお見合いをすることになったが、結婚のことなど端から頭にない信子は水谷グループに協力を頼んだ。会場でお見合いが始まり信子が合図を出すと五人はズカズカと入り込んでやりたい放題。お見合い相手が呆れて帰って行くと皆で満面の笑みを浮かべたのだった。

純という漫画家志望の青年はノッポのノンコを主人公にしたメルヘンチックな漫画を描いていた。田舎から上京した彼は出版社に原稿を持ち込むが、編集長にあっさりと突き返された。何故ならそこで出版されている雑誌は成人を対象にした週刊コミックパンチであり、編集長は世間があっと驚くような刺激を求めていたからだ。感情移入をするノンコにそんなことはさせられないと考えた純は会社を後にするが、編集員の亜紀は彼を引き留めると喫茶店に連れて行き綺麗事ばかり言っていても通用しないと意見した。そして私が提供する面白いストーリーに従ってあなたが絵を描けばきっと素晴らしい作品が出来るはずだとアドバイスするが、純は自分が体験したり目で見て感じたことでなければ描けないと頑なに拒んだ。余程このお嬢さんが素敵なのねと亜紀が呆れて言うと、純は目を輝かせてはいと返事した。彼は二年前に東京に出てきた恋人のノンコに会いたくて上京したのだが、三ヶ月経っても手掛かりは見つからなかった。風の便りではCMの仕事をしているらしいのだが。そこでこの漫画が世に出れば気がついてくれるのではないかと考えたのだ。

普段はペンキ屋で働く純が煙突で作業をしていると下にノンコに似た女性がいることに気づいた。慌てて降りるとその足で後を追い掛けるが、女性は似ても似つかぬの別人だった。落胆する純に悦子はうちのお姉さんと間違えたのかもしれないと言った。彼女の姉は信子という名らしいがノンコに妹はいないはずだった。

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おさな妻(1970年)

  • posted at:2025-04-16
  • written by:砂月(すなつき)
おさなづま
大映(東京撮影所)
配給:ダイニチ映配
製作年:1970年
公開日:1970年11月12日 併映「女子学園 悪い遊び」
監督:臼坂礼次郎
企画:藤井浩明 川崎治直
原作:富島健夫
脚本:白坂依志夫 安本莞二
撮影:上原明
録音:飛田喜美雄
照明:久保江平八
美術:間野重雄
音楽:八木正生
主題歌:「はじめての愛」関根恵子
編集:糸井敬男
助監督:山本洋
製作主任:川村清
現像:東京現像所
出演:関根恵子 新克利 渡辺美佐子 真山知子 坪内ミキ子
アメリカンビスタ カラー 86分

泉恵高校に通う黛玲子は母子家庭だったが、母・文子の急死により叔母・静江の家で生活することになった。静江は住宅地に自宅兼店舗のブティックを構えているが、評判がいいことから女手一つで息子の淳一を大学に通わせることが出来ていた。その彼女が玲子を引き取った理由は高校を卒業するまでの貯金を文子が残していたからだった。台所を任せられる家族が増えたことを静江は喜んだが、それ以上に喜んでいたのは女に飢えている淳一だった。ある日、アルバイトの明美が閉店作業中に吐き気を催した。玲子は病気を心配するが明美には思い当たる節があった。淳一の部屋に行った彼女は子供が出来たことを報告するが、当の淳一は何処吹く風。誰の子かわかりゃしないと突っぱねたのだった。責任を取って欲しいと明美が懇願すると、淳一はいい医者を紹介するから勝手に始末すればいいと言った。出掛けている静江が戻ってきたら洗いざらいぶちまけてやると言っても、ママは取り合わないと思うよと淳一はギターを弾き鳴らす。そのやり取りを陰で聞いていた玲子はこのままこの家にいてもいいのかと部屋で悩んでいた。彼女は淳一から度々性的な嫌がらせをされていたからだ。そこにやってきた淳一は力ずくで自由を奪おうとするが、玲子は何とか振り払って逃げ出したのだった。

行くところのない玲子が夜の街をさまよっていると酔っぱらった女に話し掛けられた。女はジャンヌという売れない小劇場の舞台俳優で、飲むから男に逃げられるのか、逃げられるから飲むのかとニワトリとタマゴのような話を始めた。そして玲子の浮かない顔を見て私に話してみたらいい知恵が浮かぶかもよと提案すると、玲子は半信半疑で相談した。その後、帰宅すると静江が暗い部屋で待っていた。明美が突然店を辞めると言い出し、淳一は行き先を言わずに家を飛び出したのだ。何があったのかと尋ねると、玲子はお世話になったのに恩知らずかもしれないがこの家を出て一人で暮らしたいと言った。全ての原因が淳一であることを察した静江は改めて話すことにした。玲子はジャンヌから紹介された家賃の安いアパートで独り暮らしをすることになったが、文子の貯金だけでは心許なかった。そこで彼女は自分が育った保育園でアルバイトをすることにした。園児たちはすぐ玲子に懐き、特に母親のいないまゆみは彼女を本当の母にように慕った。数日後、玲子はまゆみを迎えに来た父親を見て驚いた。彼は酔っぱらったジャンヌを一緒に介抱した通りすがりのサラリーマンだったからだ。

屋台的映画館

女の穴

  • posted at:2024-08-17
  • written by:砂月(すなつき)
おんなのあな
「女の穴」製作委員会(VAP=アイエス・フィールド=徳間書店=ダブ)
配給:アイエス・フィールド アルゴ・ピクチャーズ
製作年:2014年
公開日:2014年6月28日
監督:吉田浩太
製作:岡本東郎 嶋田豪 平野健一 宇田川寧
プロデューサー:行実良 若林雄介
アソシエイトプロデューサー:関顕嗣
原作:ふみふみこ
脚本:吉田浩太
撮影:山崎裕典
照明:岩切弘治
録音:小原善哉
美術:露木恵美子
装飾:斉藤暁生
衣裳:金田あずさ
ヘアメイク:ホリグチユキエ
キャスティング:田端利江
助監督:川松尚良
制作担当:村松大輔
編集:高良真秀
VFXスーパーバイザー:大萩真司
整音:九連石由文
音響効果:井上奈津子
ポストプロダクションプロデューサー:篠田学
音楽:松本章 一塚優絵
主題歌:「女の穴」MAMADRIVE
主題歌プロデュース:知念亮典
製作プロダクション:ダブ
出演:市橋直歩 石川優実 小林ユウキチ 布施紀行 青木佳音
アメリカンビスタ カラー 95分

ある秋の放課後、高校の音楽室に卒業アルバム製作のために各クラスから選ばれたメンバーが集まった。だがまだ委員長が決まっておらず、教師の福田祐一が挙手を促すが誰もやりたがらなかった。だがしばらくすると鈴木幸子が手を挙げた。全会一致で彼女が委員長を担当することが決まり、福田は各クラスのメンバーに10枚の写真提出するようにと指示すると幸子には打ち合わせのために残るように言った。幸子ははいとひとつ返事したが、福田は彼女が自分を見つめる目がぽっかり空いた穴のようで恐怖を感じた。

二人きりになり福田はアルバムのレイアウトなどについて説明をするが、幸子は何か別のことを考えているようだった。そこで何故委員長に立候補したのか尋ねると、彼女は誰も手を挙げないし時間の無駄だと思ったからだと答えた。それを聞いた福田が他の人から何を考えているのかわからないと言われないかと尋ねると、幸子は私のことをちゃんと見ているんですねと言った。そして唐突に私と子供を作ってくれませんかと言い出し、驚いた福田は言葉を失った。それは犯罪だからと言って断ろうとするが、幸子は理由をつけてセックスする気でいた。たまらずいい加減にしろと言うと、幸子は自分が異星人だと告白した。今は地球人の体を借りており、地球人の子供を作るように命令されているのだという。頭を抱える福田は、忙しいからそういうのは暇そうな先生を見つけた方がいいと思うとアドバイスして席を立とうとした。ところが幸子の目に魅入られ聞き入れることにした。

誰も来そうにない待ち合わせ場所のみかん畑に向かった福田が車の中で待っていると、やがて幸子がやってきた。車に乗り込んだ彼女は失礼しますと言ってシートを倒すと福田の上に馬乗りになった。すると福田は宇宙へ放り出され、その向こうにぽっかりと開いた穴から幸子が覗いていた。

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女獄門帖 引き裂かれた尼僧

  • posted at:2024-03-28
  • written by:砂月(すなつき)
おんなごくもんちょうひきさかれたにそう
東映(京都撮影所)
配給:東映
製作年:1977年
公開日:1977年4月8日 併映「新宿酔いどれ番地 人斬り鉄」
監督:牧口雄二
企画:本田達男
原作:島守俊夫
脚本:志村正浩
撮影:塚越堅二
照明:北口光三郎
録音:溝口正義
美術:山下謙爾
音楽:渡辺岳夫
編集:堀池幸三
助監督:俵坂昭康
記録:梅津泰子
装置:三浦公久
装飾:柴田澄臣
スチール:中山健司
擬斗:菅原俊夫
美粧:長友初生
結髪:明田多美枝
演技事務:森村英次
衣裳:松田孝
進行主任:俵坂孝宏
出演:田島はるか ひろみ麻耶 芹田かおり 成瀬正 小林稔侍
シネマスコープ カラー 69分

くちなわの弥多八の監視のもとで飯盛女郎として働いていたおみのは年季が明けて自由の身になれると喜んでいた。ところが弥多八は品川の女郎屋で五年間働くという契約を勝手に結び手付金まで受け取っていたのだ。おみのは常連客の沢吉に足抜けを手伝って欲しいと願い出るが、失敗した時の恐ろしさを知っている沢吉は二の足を踏んだ。それなら自分一人でやって逃げまくってやると言い出したため、呆れてある秘策を教えた。人から聞いた話では上州妙来山の辺りに愁月院という尼寺があるらしい。そこに駆け込んで三年間辛抱すれば現世に縁が一切断ち切れるというのだ。それを聞いたおみのはとても喜び、沢吉はその夜決行した。ところがその計画はあっさりとばれてしまい、袋叩きに遭う沢吉はおみのが勝手に言い出したことだから俺は知らないと裏切ったのだ。失望したおみのは騒動を利用して逃げ出し橋の下に一晩隠れてやり過ごした。

腹を空かせながら逃げるおみのは峠の茶屋を見つけるが、銭がないので客が食べるのを外から眺めるしかなかった。そして客が落としたおかずに飛びついて貪り食っていると、追手の弥多八と相棒の亀の姿が見えたため建物の陰に隠れた。二人は店に入るとじゃれ合いながら飯を食っていたが、おみのは今まで遭った仕打ちを思い返し睨みつけた。だが偶然目が合ってしまい再び逃げなくてはならなくなった。すると幸運なことにその先で出会った旅の町人に匿ってもらった上に握り飯までもらった。何処まで行くんだと聞かれたおみのは愁月院を探していると答えるが、町人はしばらく考えた末にそんな尼寺は聞いたことがないと言った。お礼を出来ないからこんな体で良かったら好きにしてくださいとおみのは言うが、町人はつまらない了見を起こさず自分を大事にしなさいと断った。その言葉に感動するおみのだったが、心とは裏腹に悪態をついた。

おみのが薄暗い森の道を歩いていると休憩していた二人の木こりが声を掛けてきた。こんなところで何をしているのかと聞かれた彼女は愁月院を探していると答えた。するとまだ遠いし俺たちが案内してやるからまず飯を食えと木こりの一人が言った。だがそれは口実で留吉と捨松の狙いはおみのの体だった。二人に犯された彼女が森の中をさまよっていると足を滑らせ落ちて行った。だが幸いにも目の前には探していた愁月院があった。

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お父さんと伊藤さん

  • posted at:2024-01-26
  • written by:砂月(すなつき)
おとうさんといとうさん
ファントムフィルム
配給:ファントムフィルム
製作年:2016年
公開日:2016年10月8日
監督:タナダユキ
エグゼクティブプロデューサー:小西啓介
プロデューサー:木村俊樹 半田健
アソシエイトプロデューサー:天野恵子
キャスターディレクター:杉野剛
原作:中澤日菜子
脚本:黒沢久子
撮影:大塚亮
照明:宗賢次郎
録音:藤丸和徳
美術:仲嶺智治
編集:村上雅樹
装飾:須坂文昭
衣裳:宮本茉莉
ヘアメイク:岩本みちる
音響効果:大河原将
選曲:佐藤啓
助監督:松倉大夏
制作担当:伊達真人
エンディングテーマ:「マイホーム」ユニコーン
音楽:世武裕子
制作プロダクション:ステアウェイ オフィスアッシュ
企画:ファントムフィルム
出演:上野樹里 藤竜也 リリー・フランキー 長谷川朝晴 安藤聖
アメリカンビスタ カラー 119分

コンビニでアルバイト店員として働く山中彩は、最近入ってきた要領の悪い中年男の伊藤康昭のようにはなりたくないと思っていた。だがふとしたことで飲みに行くことになり、その後も何度か繰り返したことでいつの間にか伊藤がアパートに住み着いてしまった。そこで彩は二人で新たな生活を送るために違うアパートへ引っ越すことにした。それからしばらくして兄の潔から相談があると喫茶店に呼び出された。息子たちの中学受験が終わるまでの半年間、同居しているお父さんと暮らして欲しいというのだ。毎日塾通いで夕食の弁当を持たせて送り迎え。双子なだけに苦労は2倍で、そのうえでお父さんの世話までしなければならなかった。そんな大変さのせいで妻の理々子が精神的に不安定な状態になってしまい潔が一人で背負い込むことになったのだ。今年74歳になるお父さんを一人暮らしさせる訳には行かず、頭を下げて頼み込むが彩は頑ななまでに拒んだ。もしかして誰かと一緒に暮らしているのかと尋ねると彩は無言で首を縦に振った。それが拒否する理由だとわかると潔は諦めることにした。

彩が家に帰ると玄関に伊藤さんの物とは違う靴があったが、驚くことに部屋にいたのはお父さんだった。一方、突然やってきたお父さんも知らないおじさんが部屋にいて驚いていたのだった。状況の説明を求められた彩が一緒に暮らしているが結婚はしていないと答えると、お父さんは伊藤さんに歳を聞いた。そして54歳と知り年の差が離れ過ぎてはいないかと指摘すると、伊藤さんは彩の顔を見ながら特に気にしたことがないと言った。あまりにも伊藤さんを質問攻めにするため、どうして急に来たのと彩が話題を変えようとすると、お父さんは潔に会ったのならそういうことだと言った。そして食事は薄味の和食で頼むと当面の生活費が入った封筒をテーブルに置いた。こうして三人の奇妙な共同生活が始まった。

その夜、彩が電話を掛けると潔は家を出たお父さんが彼女のところへ行ったことを知っていた。何故なら書き置きがあったからだ。困っていると愚痴っても、潔はこっちが落ち着いたら引き取るからそれまで我慢して欲しいと譲らなかった。

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