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狼の紋章

  • posted at:2022-08-03
  • written by:砂月(すなつき)
おおかみのもんしょう
東宝映画=東宝映像
配給:東宝
製作年:1973年
公開日:1973年9月1日 併映「化石の森」
監督:松本正志
製作:田中収
原作:平井和正
脚本:石森史郎 福田純 松本正志
撮影:上田正治
美術:竹中和雄
照明:佐藤幸次郎
録音:伴利也
音楽:真鍋理一郎
主題歌「狼の紋章」杉田二郎
・・・「狼のバラード」杉田二郎
合成:三瓶一信
スチール:橋山直己
タイトル:片岡裕幸
整音:東宝録音センター
効果:東宝効果集団
監督助手:奈良正博
編集:武田勲
現像:東洋現像所
製作担当者:森知貴秀
出演:志垣太郎 安芸晶子 加藤小代子 本田みちこ 松田優作
シネマスコープ カラー 84分

博徳学園高校で英語の教師をしている青鹿晶子はある満月の夜に不思議な少年と出会った。その少年は新宿の歩道橋で四人のチンピラに絡まれていたのだが、頭を殴られようと無抵抗を貫いていた。そのうち痺れを切らした一人が抜いたナイフを彼の腹に突き刺したのだが、少年が顔色一つ変えないため恐ろしくなった男たちは逃げ出したのだった。その様子を遠目から見ていた晶子は気分が悪くなり、気を失ってその場に倒れた。駆けつけた警官によって意識を取り戻すが、少年の姿はなく血溜まりにナイフが落ちていた。

数日後、少年が晶子の高校に転校してきた。犬神明という名の彼は暴力事件を度々起こす札つきのワルだった。だが相手が命を落とすような大ケガを負っても何故か無過失、無責任として処理された。成績が優秀な明は人類学者の両親によって育てられたが、三歳の頃にアラスカで研究中だった両親は諜報活動と間違えられて殺された。アメリカでレストランチェーンを経営する叔母の山本勝枝に育てられ、小学校までニューヨークにいた。寄付金が目当ての大貫校長は定員を欠いた二年C組に入れるつもりでいたが、晶子が受け持つそのクラスには不良グループのリーダー・羽黒獰が在籍している。彼の父・羽黒武雄は暴力団東明会の最高幹部だが、大貫は息子がトラブルを起こさないようにと釘を刺していたため同じクラスに入れても問題ないと自信を持っていた。だが転校初日に騒動は起きた。犬神が自己紹介を終えると空いていた羽黒の席に着いたからだ。子分の黒田力也はナイフをチラつかせて脅すが、そこに羽黒がやってきたため教室の空気がピンと張り詰めた。だが彼は犬神を凝視すると出て行った。

事件のことは知らないという犬神を医務室に連れて行った晶子はシャツを脱がせてナイフ傷を確かめようとしたが全く見当たらなかった。かと言って自分の目の前で起きたことを否定することは出来なかった。そこに入ってきた羽黒の恋人の小沼竜子は羽黒一派があなたの命を狙っていると面白がるように言うが、犬神は顔色一つ変えなかった。

屋台的映画館
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沖縄やくざ戦争

  • posted at:2022-05-16
  • written by:砂月(すなつき)
おきなわやくざせんそう
東映(京都撮影所)
配給:東映
製作年:1976年
公開日:1976年9月4日 併映「徳川女刑罰絵巻 牛裂きの刑」
監督:中島貞夫
企画:日下部五朗 橋本慶一 奈村協
脚本:高田宏治 神波史男
撮影:赤塚滋
美術:井川徳道
照明:北口光三郎
録音:溝口正義
音楽:広瀬健次郎
編集:堀池幸三
助監督:藤原敏之
記録:森村幸子
装置:吉岡茂一
装飾:白石義明
背景:西村三郎
琉歌指導:竹中労 知名定男
スチール:中山健司
衣裳:高安彦司
美粧:田中利男
結髪:明田多美枝
演技事務:西秋節生
擬斗:上野隆三
進行主任:野口忠志
出演:松方弘樹 渡瀬恒彦 新藤恵美 矢吹二朗 尾藤イサオ
アメリカンビスタ カラー 96分

沖縄本島の中部に位置するコザは、極東最大のアメリカ軍基地を対象とした商業や娯楽サービスにより経済は飛躍的な発展を遂げた。長年の間、国頭、北谷、中城の三派が縄張りを分け合っていたが、昭和43年、国頭正剛の命を受けた中里英雄とその舎弟分たちが北谷、中城の両派を倒してコザを制圧すると、中里は罪を一身に被り7年の刑を受けて服役した。その後、沖縄県の本土復帰が本決まりになると本土系暴力組織が侵略の動きを見せ始めたため、それに対抗すべく国頭派は那覇の大城派は大同団結し防衛に当たる決意を固めた。昭和46年に結成された「沖縄連合琉盛会」がそれである。だが国頭と大城朝光の二人を理事長に据えたことでいつ爆発するかわからない火山のように不気味な危機を孕んでいた。

喜屋武岬の慰霊塔下で白骨化した遺体が発見された。仲間の知花誠治が行方不明となっているため身元を確かめるために中里が警察に出向くが、その遺体はバラバラに切り刻まれ頭蓋骨にはいくつもの陥没があった。持ち物から知花だと確信したが、その話を国頭や理事の石川隆信にしても何故か乗ってこようとしなかった。そこで中里は知花の敵を討つまで葬式を出さないことに決めた。そんな彼の行動を一番警戒していたのは石川だった。知花と同様、中里も消さなければ将来対決することになりかねないと進言するが、国頭は兄弟分に絶対手を出すなと言った。一方、中里派も石川が知花を殺したと考えていた。何故なら中里の服役中に知花の弟・鉄男やその仲間たちが散々な目に遭わされていたからだ。鉄男は石川の殺害を提案するが、中里派が30人なのに対し石川は200人の配下を従えているため結果は目に見えていた。中里は国頭を信じて待つべきだと言った。

中里の配下の具志川照邦は組員を養うために縄張りを越えて飲食店に氷の販売を行い、その話が耳に入った国頭は見せしめとして彼を拷問に掛けた。即座に中里が詫びを入れにきたことで国頭は中の町一帯を任せることに決めたが、石川はその一方的なやり方が気に食わず反発した。その結果、破門されむしゃくしゃした気持ちで帰宅すると待ち伏せしていた鉄男に命を狙われた。

屋台的映画館

女体育教師 跳んで開いて

  • posted at:2022-04-26
  • written by:砂月(すなつき)
おんなたいいくきょうしとんでひらいて
にっかつ
配給:にっかつ
製作年:1981年
公開日:1981年10月9日 併映「ズームアップ 暴行白書」
監督:小原宏裕
プロデューサー:林功
企画:山田耕大
脚本:伴一彦
撮影:水野尾信正
照明:加藤松作
録音:福島信雅
美術:渡辺平八郎
編集:鍋島惇
音楽:甲斐八郎
助監督:藤澤龍一
色彩計測:青柳勝義
現像:東洋現像所
製作進行:三浦増博
出演:朝比奈順子 竹村祐佳 中川みづ穂 江利川さをり 吉原正皓
アメリカンビスタ カラー 67分

カーラ化粧品の女子体操部に所属するキャプテンでコーチ兼任の桂は国体出場に向けて練習に励んでいた。その日も仕事を終えると更衣室に直行したが、先に体育館へ行った部員たちが不満を口にしながら戻ってきた。何事かと尋ねてみると山本部長から今日限り体操部を解散すると言われたのだという。驚いた桂は体育館に行くが練習道具は片付けられて何もなし。そこで山本のところへ抗議に行くと小林専務の独断で決められたことだから断れなかったと言われた。だが部活が完全になくなるわけではなかった。会社が部活に資金を出すのは宣伝効果を期待してのことだが、体操部はここ数年優勝から遠ざかっていた。そこで翌春のキャンペーンテーマを「女性美の再発見」とし、発展的解散と称して新体操部を新たに立ち上げることになったのだ。まだ新体操部を抱えている企業が少ないためそれを利用すれば世間の注目は間違いなかった。桂はキャンペーンガール扱いされるのを嫌がったが、女の魅力で勝負すればいいとアドバイスされた。

2年つき合った恋人から愛想を尽かされ別れ際にもう器械体操の選手の体形ではないと言われた桂はショックを受けた。翌日、依頼を断るつもりで専務室を訪ねた彼女だったが、そこには部員の他に青木という新任コーチがいた。青木は桂の高校時代の熱血体育教師であり肉体関係もあった。コーチをクビになることを悟った桂だったが、小林はもう一度選手に戻って欲しいという。いちごやまりたちも当然断るものだと思っていたが、レオタードや道具を見て俄然やる気を見せた。翌日に体育館で練習が始まると噂を聞きつけた男子社員たちが押しかけたが、その中には桂の姿もあった。期待と股間を膨らませて指導を行う青木と、それを見て誰が先に味見をするか競おうとするいちごたち。だが青木は時折、指導を忘れて桂を見つめた。すると帯状布の扱いに手間取るみゆきに黙っていられなくなった桂は自ら手本となって演技を披露した。それを見たいちごたちは技術も恋もキャプテンには叶わないと舌を巻いた。

屋台的映画館

男はつらいよ お帰り 寅さん

  • posted at:2022-02-07
  • written by:砂月(すなつき)
おとこはつらいよおかえりとらさん
松竹
配給:松竹
製作年:2019年
公開日:2019年12月27日
監督:山田洋次
製作代表:大谷信義
製作総指揮:迫本淳一
プロデューサー:深澤宏
原作:山田洋次
脚本:山田洋次 朝原雄三
音楽:山本直純 山本純ノ介
撮影:近森眞史
美術監修:出川三男
美術:倉田智子 吉澤祥子
照明:土山正人
編集:石井巌 石島一秀
録音:岸田和美
衣裳:牧亜矢美 松田和夫
装飾:湯澤幸雄
監督助手:佐々江智明
VFXスーパーバイザー:浅野秀二
VFXディレクター:横石淳
音楽プロデューサー:小野寺重之
宣伝プロデューサー:飯田桂介
スチール:金田正
記録:宮下こずゑ
製作担当:牧野内知行
製作主任:入交祥子
ラインプロデューサー:相場貴和
主題歌:「男はつらいよ」渥美清
オープニング唄:「男はつらいよ」桑田佳祐
制作協力:松竹映像センター
制作プロダクション:松竹撮影所 東京スタジオ
特別協賛:木下グループ スミフルジャパン スターツグループ みずほ銀行 芙蓉総合リース
出演:渥美清 倍賞千恵子 吉岡秀隆 後藤久美子 前田吟
シネマスコープ カラー 116分

長い間サラリーマン生活をしていた諏訪満男だったが、その合間に書いた小説が認められたことで仕事を辞め小説家になった。出版社に資料を貰いに行った彼は編集担当の高野節子から飯田編集長との会食を勧められたが断った。その日は妻・瞳の七回忌の法要だった。都内のアパートに中学三年生の娘のユリと暮らしているが、家事は専ら満男が担当している。法要の会場は彼が幼い頃から実家同然に過ごしてきた車家だったが、主人の竜造やその妻のつねが亡くなったことで店舗は団子屋から喫茶店に変わっていた。御前様が到着しお経が始まると、満男の頭の中にふと伯父さんのことが思い浮かんだ。彼の母・さくらは父・博の初恋の人である。今はアパートになっているこの家の裏手にその昔小さな印刷工場があり、工員の博は塀越しにさくらに思いを寄せていた。その切ない片思いを成就させたのは、満男の伯父さんでさくらの兄の車寅次郎だった。

法要が終わると瞳の父・窪田は、もしいい人がいるならば気兼ねせずに再婚をして欲しいと満男に言った。突然のことに驚いた彼はとりあえずわかりましたとだけ答えたが、妻の命日にその話をしたことを心底怒っていた。ユリのことが心配になり女の子には母親が必要なのかとさくらに相談すると、親子でも女同士の話はあると言われた。満男は博が忙しかったために男同士の話をしたことはなかったが、親身になって話を聞いてくれたのはいつも寅次郎だった。高校時代にブラスバンド部の後輩だった及川泉と卒業後も文通を続けていたが、それは彼にとって初恋だった。その後、遠距離恋愛に発展し泉は就職で上京したが、母・礼子の看病のために名古屋へ帰ってしまった。自分が振られたと思った満男が寅次郎に人間は何のために生きているんだろうと尋ねると、寅次郎はしばらく考えた末に、人生に何度かある生まれてきてよかったなと思うことのためじゃないかと言った。そのことを思い出したことをきっかけに何故かその日は泉のことが繰り返し頭に浮かんだ。

飯田の勧めで「幻影女子」のサイン会が八重洲ブックセンターで行われることになったが、悪筆を気にしている満男は乗り気ではなかった。ようやく列が終わりに差し掛かった頃、聞き覚えのある女性の声がしたため視線を上げると、そこに泉がいたため開いた口が塞がらなかった。見合い相手との縁談を解消した泉は満男との結婚を考えたが、いつまで経っても煮え切らないためヨーロッパへ留学した。その際に難民問題に興味を持った泉は親友とNGOのスタッフとして働くうちに国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の職員と親しくなりそのまま就職した。今は上級渉外官として活動をしており、副国連難民高等弁務官に同行して東京に出張してきた際に偶然立ち寄った書店で満男のポスターを見掛けたのだ。サイン会が終わると満男は会わせたい人がいると言って彼女を行きつけの小さなジャズ喫茶に連れて行った。すると泉はそこのママの顔を見るなり笑顔があふれた。彼女は奄美大島で世話になった寅次郎の恋人のリリーだった。

屋台的映画館
おとこはつらいよとらじろうはいびすかすのはなとくべつへん
松竹
配給:松竹
製作年:1997年
公開日:1997年11月22日 併映「新 サラリーマン専科」
監督:山田洋次
製作:島津清
企画:高島幸夫 小林俊一
原作:山田洋次
脚本:山田洋次 朝間義隆
撮影:高羽哲夫
美術:出川三男
音楽:山本直純
録音:鈴木功
調音:松本隆司
照明:青木好文
編集:石井巌
スチール:長谷川宗平
監督助手:五十嵐敬司
装置:小島勝男
装飾:町田武
衣裳:松竹衣裳
現像:東京現像所
進行:玉生久宗
製作主任:峰順一
CG技術:株式会社日立製作所 武田晴夫(システム開発研究所)
撮影協力:日本航空 沖縄県 沖縄県観光連盟 琉球映画貿易 柴又 神明会
オーケストラ:東京ニューフィルハーモニック管弦楽団
主題歌:「男はつらいよ」八代亜紀
出演:渥美清 倍賞千恵子 吉岡秀隆 下條正巳 三崎千恵子
シネマスコープ カラー 106分

靴の製造、販売を行う光陽商事のセールスマン・諏訪満男は、サンプルを詰めたカバンを担いで鈍行列車に乗り地方都市を訪ね歩いていた。旅先で安いビジネスホテルに泊まることがあるが、彼はそんな時に決まって伯父さんのことを思い出した。今頃、何をしているのだろう。僕と同じようにトランクを下げて旅をしているのだろうか。伯父さんに会いたいという満男の気持ちは日に日に強まって行った。伯父さんこと車寅次郎は年中誰かに恋をしているが決まって振られる。満男が物心ついたときから柴又にたくさんの女性を連れてきたが、彼が特に印象に残っているのは歌手のリリーだった。満男は旅の列車に揺られながら二人のことを考えているうちに深い眠りに落ちた。

新緑の季節。印刷工場で働く満男の父・博は注文を受けたチラシを届けるために小岩駅前の繁華街にあるキャバレーへ向かったが、そこで偶然リリーと再会した。忙しい彼女はすぐにステージに立たなければならず、とても逢いたいと寅さんに伝えてと別れ際に言った。とらやでの夕食時にそのことを話していると、偶然その寅次郎から電話が掛かってきた。さくらの話でリリーが逢いたがっていることを知った寅次郎は詳しく話を聞き出そうとしたが、公衆電話の10円玉がなくなって切れてしまった。もやもやしたまま彼は仲間たちと旅に出た。

それからひと月後、とらや一家はアヤメの花が盛りな水元公園でピクニックをしようと出掛ける準備をしていたが、間が悪いことに寅次郎が帰ってきた。さくらたちはそのこと必死に隠そうとするが結局バレてしまい、変に気を使ったことが悪いと寅次郎は拗ねた。気分が悪いと竜造は計画を取り止め、一晩厄介になろうと思ったがそんな気分になれないと寅次郎は出て行こうとした。だが自分宛ての速達郵便が届いていたことを知り手紙を読んだ。差出人はリリーで、ステージで血を吐き今は病院で療養中だと書かれていた。気弱な文面に居ても立っても居られなくなった寅次郎は病院のある那覇市へ行くことに決めたが、一番早く到着出来る手段が飛行機だとわかり青ざめた。お金の問題ではない。高い所が死ぬほど苦手なのだ。どうしても乗りたくないという寅次郎を説得するために近所の人だけではなく御前様までくる始末。何とか納得させて事なきを得たが、騒動は翌日に待ち構えていた。朝早く博が運転する車で出掛けたまでは良かったが、空港でジェット機を目の前にして怖気づいたのだ。諦めかけたところに客室乗務員の一団が通り掛かり、声を掛けられた寅次郎は調子に乗ってついて行ったのだった。だが苦手なものはやっぱり苦手。那覇空港に着いたときには腰が抜けてフラフラになっていた。

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