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男はつらいよ 夜霧にむせぶ寅次郎

  • posted at:2021-08-27
  • written by:砂月(すなつき)
おとこはつらいよよぎりにむせぶとらじろう
松竹
配給:松竹
製作年:1984年
公開日:1984年8月4日 併映「ときめき海岸物語」
監督:山田洋次
製作:島津清 中川滋弘
企画:小林俊一
原作:山田洋次
脚本:山田洋次 朝間義隆
撮影:高羽哲夫
美術:出川三男
音楽:山本直純
録音:鈴木功
調音:松本隆司
照明:青木好文
編集:石井巌
スチール:長谷川宗平
監督助手:五十嵐敬司
装置:小島勝男
装飾:町田武
衣裳:松竹衣裳
美粧:宮沢兼子
現像:東京現像所
進行:玉生久宗
製作主任:峰順一
主題歌:「男はつらいよ」渥美清
挿入歌:「千年接吻」中原理恵
撮影機材:パナビジョン
協力:北海道観光誘致宣伝協議会 釧路市 根室市 中標津町 北上市 花巻温泉 柴又 神明会 東亜国内航空
出演:渥美清 倍賞千恵子 中原理恵 下條正巳 三崎千恵子
シネマスコープ カラー 102分

春たけなわの葛飾柴又。さくらの一人息子である満男が中学生となりブラスバンド部に入った。柴又題経寺の御前様に入学祝いのお礼を言いに行った彼女はその足でとらやに向かったが、そこには満男がいた。彼が手にしていたのはフルートで、友達の兄のお下がりを1万円で譲ってもらう約束をしたのだという。さくらは反対だったが、小遣いで払うからと真っ直ぐな目で見られたら何も言えなくなった。満男が店を出て行ったのと入れ替わりにやってきたのはさくらの夫の博と彼が勤める印刷工場の社長・梅太郎だった。その日は梅太郎の娘・あけみの結納の日で、ハプニングがありながらも何とか縁談がまとまったのだ。肩の荷が下りた梅太郎はふとこの界隈の独り者は大概片づいたなと漏らしたが、問題を抱えているのがもう一人いた。その寅次郎から小包が届き開けてみると小さな地球儀が入っていた。それはきっと世界的な視野を持った人間になれという満男へのメッセージなのだろうと博は解釈した。

盛岡城跡公園で地球儀の啖呵売をしていた寅次郎はかつての舎弟だった川又登と再会した。彼は堅気になり所帯を持って食堂を経営していた。義理を果たすために店を休みにして精一杯のおもてなしをしようと登は考えたが、堅気として生きて行くのであれば渡世人とは距離を置くべきだと説教した。

盛岡、八戸、釧路と旅する寅次郎。繁華街の理容室で散髪をしていると若い女性が訪ねてきた。どうやら訳ありらしく雇って欲しいと店主に願い出たがけんもほろろに断られた。幣舞橋で彼女の姿を見つけた寅次郎が声を掛けると女性は親し気に話してきた。竹を割ったような性格の木暮風子はそれが災いして仕事が長続きしなかったらしい。お互いが「フーテン」と呼ばれていることを知った二人は意気投合し、旅館で夜遅くまで杯を交わした。その際、寅次郎が根室に行くことがわかると、おばに会いたいから一緒に連れて行って欲しいと風子は言った。そこに女将が顔を出し、相部屋をお願い出来ないかと言ってきた。寅次郎が引き受けると、部屋に入ってきたのはサラリーマン風の陰気な男だった。逃げられた妻が霧多布にいるという情報を得た福田栄作というその男は引き戻しに行く途中だが、一人にしておいたら自殺し兼ねないため仕方なく面倒を見ることにした。

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男はつらいよ 口笛を吹く寅次郎

  • posted at:2021-08-15
  • written by:砂月(すなつき)
おとこはつらいよくちぶえをふくとらじろう
松竹
配給:松竹
製作年:1983年
公開日:1983年12月28日 併映「喜劇 家族同盟」
監督:山田洋次
製作:島津清 中川滋弘
企画:小林俊一
原作:山田洋次
脚本:山田洋次 朝間義隆
撮影:高羽哲夫
美術:出川三男
音楽:山本直純
録音:鈴木功
調音:松本隆司
照明:青木好文
編集:石井巌
スチール:長谷川宗平
監督助手:五十嵐敬司
装置:小島勝男
装飾:町田武
衣裳:松竹衣裳
美粧:宮沢兼子
現像:東京現像所
進行:玉生久宗
製作主任:峰順一
主題歌:「男はつらいよ」渥美清
撮影機材:パナビジョン
協力:柴又 神明会 高梁市
出演:渥美清 倍賞千恵子 中井貴一 杉田かおる 下條正巳
シネマスコープ カラー 95分

紅葉にはまだ早い秋のある日、さくらがいつものようにとらやへやってくると店の様子がいつもと違っていた。叔母のつねによると、どうやら博と梅太郎が大ゲンカをしたらしい。その日の仕事の段取りが決まってるにも拘らず、梅太郎は手間ばかり掛かる二束三文にしかならない古い得意先の印刷の仕事を優先するように命じたのだという。いい機会なのだから根本的なことを話し合ってみたらいいとさくらがアドバイスすると博は少し冷静になったが、社長の顔を見た途端に腹の中に溜まっていた言葉が口をついて出てしまった。傷ついた梅太郎はいじけてしまい、一文無しになって寅さんのようにフーテンとして生きてやると泣きながら工場に戻って行った。するとそこにタイミングよく寅次郎から電話が掛かってきた。彼は今、備中高梁を旅している途中で、ついでに博の父・飈一郎の墓参りをしたいから寺の名前を教えて欲しいというのだ。寅次郎が父親のことを覚えていたことに感心した博は心を入れ替え、言われていた仕事を先にこなすことにした。

蓮台寺を訪れた寅次郎が墓参りを済ませて帰ろうとすると、酔っ払った和尚が階段をフラフラしながら上がってきた。すると心配した和尚の娘の朋子が慌てて駆け寄り体を支えたのだった。彼女に一目惚れした寅次郎は茶を一杯だけご馳走になりすぐにお暇しようと考えていたが、和尚と意気投合したことで一晩だけ厄介になることにした。翌朝、家を出ようとしたところ、朝ご飯を食べて行ってくださいと朋子に止められた。話の流れで彼女が訳あって今は独り身なのだということを知った寅次郎だったが、もうこれ以上長居は出来ないと丁寧に断った。するとそこに運転手がやってきた。法事の約束の時間が迫り和尚を迎えにきたのだ。だが肝心の和尚は二日酔いで寝込んでおり、慌てふためく朋子に私が替わって参りましょうと寅次郎が声を掛けた。法事の真似事なら出来ると豪語し先方に出向いたところ、名調子の法話が大受けしお布施を弾んでもらった。気を良くした寅次郎はそのまま寺に居ついたのだった。

屋台的映画館

男はつらいよ 旅と女と寅次郎

  • posted at:2021-08-06
  • written by:砂月(すなつき)
おとこはつらいよたびとおんなととらじろう
松竹
配給:松竹
製作年:1983年
公開日:1983年8月6日 併映「いとしのラハイナ」
監督:山田洋次
製作:島津清 佐生哲雄
企画:小林俊一
原作:山田洋次
脚本:山田洋次 朝間義隆
撮影:高羽哲夫
美術:出川三男
音楽:山本直純
録音:鈴木功
調音:松本隆司
照明:青木好文
編集:石井巌
スチール:長谷川宗平
監督助手:五十嵐敬司
装置:小島勝男
装飾:町田武
衣裳:松竹衣裳
美粧:宮沢兼子
現像:東京現像所
進行:玉生久宗
製作主任:峰順一
主題歌:「男はつらいよ」渥美清
演奏:ダン池田とニューブリード
撮影機材:パナビジョン
協力:柴又 神明会 日本生命 新潟県
出演:渥美清 倍賞千恵子 下條正巳 三崎千恵子 前田吟
アメリカンビスタ カラー 101分

梅雨まであとわずかとなった蒸し暑いある日、さくらがとらやに顔を出すと保険屋のおばちゃんがきていた。彼女の息子は今年大学に入ったが、月謝しか払わないと約束したのでアルバイトをして生活費を稼いでいるらしい。おばちゃんが用事を済ませて店を出て行くと、女手ひとつで子供を大学まであげるなんてえらいわねと言った。それを聞いたつねはつらいこともあったのよと当時の出来事を思い出し、結局は子供が重しになったってことさと竜造が言った。人間誰でも大なり小なり重しを背負って人生を歩いているんだと口にした竜造だったが、ふと風に吹かれてフワフワと漂う重しのない男のことを思い出した。そんな矢先、突風が吹いてその男が店の前を飛ばされて行った。それは腹を減らしたさくらの兄の車寅次郎だった。ようやくとらやにたどり着くと、竜造は今お前の噂をしていたんだよと快く迎え入れた。そこにさくらの夫の博がやってきて、研修会の幹事だったことをすっかり忘れていて明日の運動会に行けなくなったと言った。彼の息子の満男は6年生で、今年が小学校最後の運動会となることから必ず行くと約束していたのだ。それを聞いていた寅次郎は俺が父親代わりになって出てやるから心配するなと言った。彼がやる気を出したときは必ず何かが起こることを知っている博とさくらは心配でたまらなかった。

その日の夕方、運動会の準備を終えて帰ってきた満男は仕事で行けなくなった博の代わりに寅次郎がくることを知り落胆した。父親がこないのは毎年のことなのでそれほどショックではなかったが、問題は寅次郎の方だった。恥ずかしい姿を友達に見せたくない満男は必死になって止めさせようとし、それが自分のせいだとわかると寅次郎は癇癪を駅前に飲みに出掛けた。翌日は雨が降り運動会は中止になった。満男は学校からの帰りにとらやに寄ったが、寅次郎は旅に出た後だった。

新潟市にやってきた寅次郎は新潟県民会館の広場で化粧道具の啖呵売を行っていた。ホールでは京はるみのリサイタルが催されることになっていたが、体調不良による中止が発表された。翌日、出雲崎町を旅していた寅次郎は訳ありな女性と知り合い漁船で佐渡島まで渡ることになった。彼はその女性が演歌の女王であることに気づかなかったが、はるみの事務所は失踪騒動でてんやわんやだった。

屋台的映画館

男はつらいよ 花も嵐も寅次郎

  • posted at:2021-07-28
  • written by:砂月(すなつき)
おとこはつらいよはなもあらしもとらじろう
松竹
配給:松竹
製作年:1982年
公開日:1982年12月28日 併映「次郎長青春篇 つっぱり清水港」
監督:山田洋次
製作:島津清 佐生哲雄
企画:小林俊一
原作:山田洋次
脚本:山田洋次 朝間義隆
撮影:高羽哲夫
美術:出川三男
音楽:山本直純
録音:鈴木功
調音:松本隆司
照明:青木好文
編集:石井巌
スチール:長谷川宗平
監督助手:五十嵐敬司
装置:小島勝男
装飾:町田武
衣裳:松竹衣裳
現像:東京現像所
進行:玉生久宗
製作主任:峰順一
主題歌:「男はつらいよ」渥美清
撮影機材:パナビジョン
協力:柴又 神明会 大分県
出演:渥美清 倍賞千恵子 田中裕子 下條正巳 三崎千恵子
アメリカンビスタ カラー 106分

まだ暑さが残る秋の彼岸のある日、さくらが御前様からもらった松茸を抱えてとらやを訪ねた。松茸御飯におすまし、土瓶蒸しといろいろな料理の名が思い浮かぶ中、寅さんが帰ってくるといいねとつねがつぶやいた。せっかくの松茸料理を皆で食べることが出来るのに。どうしているのかしらとさくらが思い巡らせていると、お向かいの江戸屋から派手な服を着た女性が出てきた。彼女は桃枝というそこの娘で、夫の会社が景気良くどうやらハワイ旅行で買ってきた土産を実家に届けにきたらしい。久しぶりに帰ってきた寅次郎は路上で鉢合わせした彼女を幼馴染のよしみで口説こうとしたのだが、迎えにきた夫が桃枝を連れて行くと悪態をついた。その様子を店の中から見ていた竜造は頭を抱えた。夕食の時間になり二階から寅次郎が下りてきたが彼の機嫌は悪いままだった。更に寅次郎が松茸の炊き込みご飯に難癖をつけたことで怒りが爆発し、大ゲンカの末に寅次郎は出て行った。

大分・湯平温泉を旅する寅次郎は馴染みの旅館・湯平荘を訪ねた。旅館の主人の牟田勝三とは古いつき合いで、風呂から上がると酒を酌み交わして盛り上がっていたが、そこへ先に泊まっていた青年が声を掛けてきた。彼は三郎といい、30年以上前にこの旅館で女中として働いていたお文の息子だった。彼女は先月の初めに病死したが、生前に湯平での話を良くしていたため生まれ故郷の杵築にお骨を納める前にこの地を一目見せてあげようとしたのだった。それを聞いた寅次郎が正式に供養してやったらどうかと提案すると牟田は二つ返事で同意した。

杵築の養徳寺に納骨を済ませた三郎は車を運転して東京に帰ろうとしていたが、その途中で小川螢子を偶然見かけた。東京のデパートに勤める彼女は、売り場は違うが仲の良いゆかりと大分旅行にきていた。湯平温泉で旅館を決め兼ねていたところ、ゆかりが男前の三郎の姿を見て即決したことが出会いのきっかけだった。三郎は悲しみを紛らわすために観光をしようと決めるが、そこには二人の他に寅次郎もいた。動物公園や遊園地で時間を忘れて楽しく過ごすうちにやがて別れがやってきた。ホーバーフェリーに乗り込む螢子に三郎は「ボクとつき合ってくれませんか」と唐突に告白するが、心の準備が出来ていない彼女は戸惑った。その様子を傍から見ていた寅次郎は笑い飛ばし、雰囲気を出してもう一度逢いたいと言えばよかったのにとアドバイスした。それを聞いて納得した三郎は、東京まで連れて行く代わりに恋の指南をして欲しいと願い出たのだった。

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男はつらいよ 寅次郎あじさいの恋

  • posted at:2021-07-19
  • written by:砂月(すなつき)
おとこはつらいよとらじろうあじさいのこい
松竹
配給:松竹
製作年:1982年
公開日:1982年8月7日 併映「えきすとら」
監督:山田洋次
製作:島津清 佐生哲雄
企画:小林俊一
原作:山田洋次
脚本:山田洋次 朝間義隆
撮影:高羽哲夫
美術:出川三男
音楽:山本直純
録音:鈴木功
調音:松本隆司
照明:青木好文
編集:石井巌
スチール:長谷川宗平
監督助手:五十嵐敬司
装置:小島勝男
装飾:町田武
衣裳:松竹衣裳
アニメーション:白組
現像:東京現像所
進行:玉生久宗
製作主任:峰順一
主題歌:「男はつらいよ」渥美清
撮影機材:パナビジョン
協力:柴又 神明会 株式会社リコー 河井寛次郎記念館
出演:渥美清 倍賞千恵子 いしだあゆみ 下條正巳 三崎千恵子
アメリカンビスタ カラー 110分

新緑が眩しくなり始めた頃、とらやに一通の絵葉書が届いた。それは信州を旅する車寅次郎からだったが、明らかに筆跡が違った。誰かが名前を騙ったとは考えづらく、きっと誰かが書いてくれたんだろうと皆納得した。これから京都の葵祭に行くと手紙に書いてあったことから、当分は帰ってこないんだろうねえとつねは寂しそうにつぶやいた。

下鴨神社で接着剤の啖呵売をする寅次郎だったが、その日の売上はさっぱりだった。店じまいをし帰ろうとしていると鴨川のほとりで困っている着物姿の老人と出会った。どうやら下駄の鼻緒が切れたらしく、手拭いを裂いて手際よく直すと近くの茶屋へ連れて行った。話を聞くうちにその老人が陶芸家であることがわかったが、寅次郎は深く聞かずに金を払って店を出た。だがどうしても親切にしてもらったお礼をしたいと引き留められ食事に招待されたのだが、寅次郎が連れて行かれたのは足がすくむような高級料亭だった。

老人の正体は人間国宝の陶芸家・加納作次郎だった。彼は作品に対する情熱を得々として語ったが、興味のない寅次郎は酔いが回ったのも手伝って寝入ってしまった。翌朝、目を覚ましたのは加納の屋敷だった。軽く挨拶をして商売先に向かう寅次郎だったが、仕事を終えて旅館に戻ると前の日のことを思い返した。翌日、彼は会津桐の下駄を持って加納の屋敷を訪ねた。一足は加納へのお礼に、そしてもう一足はお手伝いとして働くかがりという女性へのプレゼントだった。五年前に夫を病気で亡くし、娘を実家の母親に預けて働いていることを知った寅次郎は不憫に思うが、それと同時に恋心が生まれた。それから数日後、独り立ちした加納の弟子の蒲原が訪ねてきた。個展を成功させるなど順調な歩みを続けている彼はいい土を手に入れるために東京から美濃へ仕事場を移すことにしたが、それには理由があった。陶芸の勉強にきていた女性と婚約することになり、彼女の実家がある美濃の土地を提供してもらえることになったのだ。加納の許しを得るために屋敷を訪ねたのだが、かがりと結婚するとばかり思っていた加納は落胆しそれ以上彼と話すことはなかった。翌日、そんな事情を知らない寅次郎は花を持って現れたが、かがりは丹後に帰った後だった。その原因が加納にあることがわかると寅次郎は叱らずに慰めてやるのが本当じゃねえかと説教した。これから風の吹くまま気の向くままな旅に出るという寅次郎に、その風が丹後の方に吹かんやろかと加納は言った。

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