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男はつらいよ 柴又慕情

  • posted at:2020-12-10
  • written by:砂月(すなつき)
おとこはつらいよしばまたぼじょう
松竹(大船撮影所)
配給:松竹
製作年:1972年
公開日:1972年8月5日 併映「祭りだお化けだ 全員集合!!」
監督:山田洋次
製作:島津清
企画:高島幸夫 小林俊一
原作:山田洋次
脚本:山田洋次 朝間義隆
撮影:高羽哲夫
美術:佐藤公信
照明:青木好文
編集:石井巌
録音:中村寛
調音:松本隆司
音楽:山本直純
監督助手:五十嵐敬司
装置:小野里良
装飾:町田武
進行:玉生久宗
衣裳:東京衣裳
現像:東京現像所
製作主任:池田義徳
主題歌:「男はつらいよ」渥美清
協力:京成電鉄 福井新聞社 京福電鉄 きもの・洛趣織 ペプシコーラ 柴又 神明会
出演:渥美清 倍賞千恵子 松村達雄 三崎千恵子 前田吟
シネマスコープ カラー 108分

初夏のある日、北陸地方の小さな駅でうたた寝をして妹夫婦の夢を見たフーテンの寅こと車寅次郎は生まれ故郷に帰ることに決めた。その頃、団子屋とらやでは叔父の竜造が家を建てようと考えるさくらたちのために少しでも足しになればと二階を貸し出そうと考えていた。だが心配なのは寅次郎をうまく説得出来るかだった。そんな矢先に現れたのはその寅次郎で、玄関にある魔除けの下にぶら下がった「貸間あり」の札を見てショックを受けたのだった。もう戻ってくるなと言われたような気がした彼はへそを曲げて店を飛び出した。さくらは後を追い掛けたが寅次郎は聞く耳を持たずに去って行った。

住むところを失った寅次郎は不動産屋へ行くが、彼のような商売では中々引き受けてくれる家主はいなかった。一方、寅次郎の方も身勝手な条件をつけることでまとまるものもまとまらず不動産屋をハシゴをする羽目になった。夕方になり疲れてどうでもよくなった寅次郎は話を詳しく聞かずに住処を決めた。そして不動産屋の車で連れて行かれたのはなんととらやだった。寅次郎はふざけるなと言って車に戻ろうとするが、さくらの夫の諏訪博は何とか話を聞いてもらおうと引き留めた。だがそこでもう一つ問題が発生した。不動産屋が仲介手数料を請求してきたのだ。金額が家賃一か月分と聞き驚く博。すると寅次郎は自分の家に帰ってきただけだからそんな物は必要ないと主張した。騒動になり博が払う約束をして何とかその場は治まったが、納得が行かないのは寅次郎だった。ひと言ことわりがあって然るべきだろうと怒鳴ると、さくらは重い口を開きそんなときに何処へ行ったらお兄ちゃんに会えるのと尋ねた。更に竜造から迷惑だと言われ頭にきた寅次郎は再び出て行こうとした。博は引き留めるために事の発端である自分が悪かったと謝るが、調子に乗った寅次郎は軽口で責めたことで彼の心を傷つけたのだった。さくらから言っていいことと悪いことがあると叱られた寅次郎は居づらくなって静かに出て行った。

福井を旅する寅次郎は食堂で東京からきた娘たちと出会った。歌子、マリ、みどりは夏になると旅行に出掛けていたが、その中のみどりが結婚することになりこれが三人組での最後の旅行だという。御馳走した味噌田楽をきっかけにして歌子たちと仲良くなった寅次郎は旅をともにすることにした。

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男はつらいよ 寅次郎恋歌

  • posted at:2020-11-16
  • written by:砂月(すなつき)
おとこはつらいよとらじろうこいうた
松竹(大船撮影所)
配給:松竹
製作年:1971年
公開日:1971年12月29日 併映「春だドリフだ 全員集合!!」
監督:山田洋次
製作:島津清
企画:高島幸夫 小林俊一
原作:山田洋次
脚本:山田洋次 朝間義隆
撮影:高羽哲夫
美術:佐藤公信
照明:内田喜夫
編集:石井巌
録音:中村寛
調音:小尾幸魚
音楽:山本直純
監督助手:五十嵐敬司
装置:小野里良
装飾:町田武
進行:玉生久宗
衣裳:東京衣裳
現像:東京現像所
製作主任:池田義徳
主題歌:「男はつらいよ」渥美清
衣裳協力・きもの:洛趣織
衣裳協力・帯:いづくら帯
協力:柴又 神明会
出演:渥美清 倍賞千恵子 森川信 笠智衆 前田吟
シネマスコープ カラー 114分

とある漁師町で商売を始めようとした車寅次郎だったが、秋の長雨に祟られ諦めた。そこで磯野漁協会館で興行を打つ坂東鶴八郎一座を訪ねたのだが、客の不入りで昼の部を休演したのだった。寅次郎は座長の鶴八郎を慰め、お互いにクヨクヨせずに頑張りましょうと力づけた。旅館まで相合傘で送ってくれた鶴八郎の娘で一座の花形女優の小百合にいいところを見せようとした寅次郎はお礼としてチップを気前よく渡すが、それが5千円札だったことを後で気づき間違ったと悔しがった。

買い物から帰ってきたさくらの様子がおかしいことに気づいた叔母のつねは心配して理由を尋ねた。するとさくらは涙ながらに話し始めた。八百屋で買い物をしていたところ奥の部屋から子供を叱る声が聞こえてきた。ちゃんと勉強をしないと寅さんみたいになっちゃうよ、と。話を聞いた叔父の竜造は憤ったが、さくらは兄が何故そこまで馬鹿にされなければならないのだろうと嘆いた。そんな矢先、寅次郎が帰ってきた。竜造はやさしく迎え入れようと考え一芝居打つが、大袈裟な歓迎の仕方がからかわれたと思い寅次郎はへそを曲げた。桂梅太郎の印刷工場で騒動を起こした彼は飲みに行った酒場で意気投合した昔の仲間をとらやに連れてくる始末。竜造たちをなだめて給仕をするさくらは歌を唄えと言われてためらった。だが思い直して「かあさんの歌」を唄い始めると寅次郎は申し訳なく思い仲間と店を出た。

ある日、さくらのもとに電報が届いた。それは彼女の夫・諏訪博の母の危篤を知らせるものだった。息子の満男をつねに託した博とさくらは急いで岡山へ向かうが死に目に会うことは出来なかった。本来ならもう少し早めに連絡をすることが出来たのだが、父の飈一郎がそれぞれの仕事を持つ息子たちを気遣い遅らせたことが原因だった。その結果、死に立ち会うことが出来たのは長男の毅だけで、博と次男の修は間に合わなかったのだ。その頃、飈一郎は書斎に籠っていた。

葬式の日、諏訪家に寅次郎が現れたことでさくらは目を丸くした。何故なら彼は博の実家を知らないはずだからだ。何しにきたのと尋ねると、昨夜とらやに電話を掛けたときに葬式があることを知り、偶然商売で岡山にきていたため立ち寄ったと説明した。騒動が起きないことを願うさくらだったが、やはりそれは起こった。

屋台的映画館

男はつらいよ 奮闘篇

  • posted at:2020-10-26
  • written by:砂月(すなつき)
おとこはつらいよふんとうへん
松竹(大船撮影所)
配給:松竹
製作年:1971年
公開日:1971年4月28日 併映「花も実もある為五郎」
監督:山田洋次
製作:斎藤次男
企画:高島幸夫 小林俊一
原作:山田洋次
脚本:山田洋次 朝間義隆
美術:佐藤公信
撮影:高羽哲夫
照明:内田喜夫
編集:石井巌
録音:中村寛
調音:小尾幸魚
音楽:山本直純
監督助手:今関健一
装置:小野里良
装飾:町田武
進行:長島勇治
衣裳:東京衣裳
製作主任:池田義徳
現像:東京現像所
主題歌:「男はつらいよ」渥美清
協力:柴又 神明会
出演:渥美清 倍賞千恵子 榊原るみ 光本幸子 ミヤコ蝶々
シネマスコープ カラー 92分

雪深き春、集団就職で上京する学生と別れを惜しむ家族の姿を越後広瀬駅で見た車寅次郎は故郷が恋しくなった。その頃、葛飾柴又にある団子屋「とらや」の前に一台のハイヤーが停まった。降りてきたのは寅次郎の生みの親であるお菊だった。彼女が店を訪れるのは30年ぶりで、久しぶりに再会した竜造やつねは時の流れを感じた。お菊が突然きたのには理由があった。一年程前に寅次郎から届いた手紙には、近々嫁をもらうからいつでも遊びにきてくれと書いてあった。そこで一度その嫁の顔を見てみたいと思い、雑用を片付けてはるばる京都からやってきたのだ。さくらを嫁、満男を孫と勘違いする自らの騒動を笑い飛ばしたお菊はふと我に返り、嫁は一体何処にいるのかと尋ねた。竜造がこれまでの流れをさくらに説明すると、寅次郎が所帯を持とうとしたのが誰だったのか皆で考え始めた。だがその一年程の間にいろいろありすぎて結論は出ず、相も変わらず独身だと説明すると、お菊はそうですかとため息をついた。

お菊がハイヤーでホテルに戻ると、それと入れ替わるように寅次郎が機嫌よく帰ってきた。だが竜造の迎え方が気に食わないと怒り出し、もう二度と帰ってくるもんかと啖呵を切った。さくらが慌てて引き留めお菊がきていることを伝えたが、捨てた人を親と呼ぶことは出来ないと寅次郎は言った。そしてもう自分に帰るところはないと捨てゼリフを残して出て行こうとしたが、偶然幼馴染の冬子が通り掛かったことでいいところを見せようと態度を翻したのだった。その変わりように皆呆れ返ったが、これで寅次郎がお菊に会うものだと安心した。ところが彼の気持ちは凝り固まったままだったため竜造たちは何とかしようと説得を試みた。数日後、さくらは嫌がる寅次郎を夫・諏訪博が運転する車に無理矢理乗せてホテルに向かった。部屋に着くと寅次郎はトイレに直行し、その間にお菊は二年前にあったことをさくらに話した。そのときは落ち着いて話すことが出来なかったため、機会を作って東京にきたのだ。だが寅次郎はあれから一向に変わっておらず、むしろ拍車が掛かった馬鹿さ加減にお菊は頭を痛めた。思わずお前のところへくる嫁は例えどんな女であってもきてくれるだけでありがたいと思えと言ったが、それを聞いて怒ったのは寧ろさくらの方だった。お菊は自分が産んだ息子のせいで苦労を掛けるさくらを不憫に思い涙を流した。その日、とらやに戻った寅次郎は嫁探しに行ってくるとだけ竜造に伝えて出て行った。

屋台的映画館

男はつらいよ 純情篇

  • posted at:2020-10-11
  • written by:砂月(すなつき)
おとこはつらいよじゅんじょうへん
松竹(大船撮影所)
配給:松竹
製作年:1971年
公開日:1971年1月15日 併映「やるぞみておれ為五郎」
監督:山田洋次
製作:小角恒雄
企画:高島幸夫 小林俊一
原作:山田洋次
脚本:山田洋次 宮崎晃
美術:佐藤公信
撮影:高羽哲夫
照明:内田喜夫
編集:石井巌
録音:中村寛
調音:小尾幸魚
音楽:山本直純
監督助手:大嶺俊順
装置:若林六郎
装飾:町田武
進行:柴田忠
衣裳:東京衣裳
製作主任:池田義徳
現像:東洋現像所
主題歌:「男はつらいよ」渥美清
協力:柴又 神明会 五島観光連盟 福江市 玉之浦町
出演:渥美清 若尾文子 倍賞千恵子 前田吟 三崎千恵子
シネマスコープ カラー 89分

旅先の食堂で食事をしていた車寅次郎はテレビの画面に釘づけになった。公共放送では生まれ故郷である葛飾柴又の特集をしており、そこには帝釈天の御前様や若者の団子離れを嘆く叔父の竜造、妹のさくらとその子供の満男の姿が映ったからだ。その光景を懐かしく思う寅次郎は早速とらやに電話を掛けるが、10円玉の持ち合わせがなかったために言いたいことを伝える前に切れてしまった。途中下車した山口での出来事だった。

長崎の港に着いた寅次郎だったが、最終便が既に出航し明日まで五島行きの船が出ないと聞いてその先のことを決めかねていた。目の前には彼と同じように船に乗りそびれた赤ん坊連れの女性がいたため、その子が風邪をひくから早い所暖かい部屋に入った方がいいと声を掛けた。すると絹代は泊まる部屋代を貸してくださいと申し訳なさそうに言った。旅館に着くと彼女は夫の愚痴をこぼし、部屋代を体で返そうとした。そんな絹代の姿にさくらを重ねた寅次郎は心から同情し、仮に行きずりの男が妹に手を出すようなことがあれば俺はそいつを殺すと言った。翌日、福江市の港に着くと寅次郎はテキヤの仲間と一緒に仕事場へ向かおうとしたが、絹代がその場から動こうとしないため気になって声を掛けた。駆け落ち同然で家を出てきたため子供を連れて帰りづらいのだという。このまま放っておけない寅次郎は彼女の実家がある福江島まで送り届けることにしたが、絹江の父・千造は夫のもとへ帰れと言った。彼の話に感銘を受け失敗しても帰るところがあると思ううちは一人前になれないと悟った寅次郎だったが、自分を取り巻く人たちの顔が次々と思い浮かび故郷へ帰ることに決めた。

気分よくとらやを訪れた寅次郎だったが、叔父の竜造や叔母のつね、そして油を売りにきていた朝日印刷所の桂梅太郎社長までもが彼を見るなり浮かない顔をした。きっと何かを隠しているに違いないと感づいた寅次郎だったが、それが自分のいない間に部屋を他人に貸していたことだとわかるといじけて出て行こうとした。ところがその下宿人が目の覚めるような美人の明石夕子だと知り旅へ出るのを止めた。

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隠密同心 大江戸捜査網

  • posted at:2020-09-14
  • written by:砂月(すなつき)
おんみつどうしんおおえどそうさもう
東京12チャンネル
配給:東宝
製作年:1979年
公開日:1979年12月1日 併映「花街の母」
監督:森谷司郎
総指揮:国保徳丸
プロデューサー:元村武 小川清澄 内藤三郎
脚本:永原秀一
撮影:山田一夫
美術:川島泰造 大橋豊一
照明:嶋田宜代士
録音:片桐登司美
音楽:玉木宏樹
主題歌:「燃えよ夕陽」たきまさと
編集:井上親弥
殺陣:高倉英二
助監督:下村優
スチール:中尾孝
記録:照井鈴子
製作担当:飯田康之
企画協力:日産自動車グループ
製作協力:三船プロダクション
出演:松方弘樹 瑳川哲朗 土田早苗 かたせ梨乃 中村竹弥
スタンダード カラー 86分

寛永十一年秋、のどかな武州小牧村に突然代官所の役人がやってきた。彼らは村人を惨殺すると何事もなかったように去って行った。その頃、江戸の町では秋祭りが行われていた。桔梗屋板前の清次郎が櫓の上で景気良く太鼓を叩いていると血を流した男が倒れ込むのが見えた。左平次は襲われた村の生き残りで、目の前で起きた出来事を訴状にしたためて奉行所に訴えようとしたのだが、それを阻まれたのだった。清次郎は慌てて駆け寄ったがすぐに事切れたため何の手掛かりも得ることが出来なかった。むしゃくしゃしながら台所で魚をさばいていると、庭の地蔵に赤い鉢巻が巻かれていることに気づいた。その印は老中松平定信の命を受けた寄合席内藤勘解由が自らの配下隠密同心に発する緊急集合の合図だった。

隠密同心は清次郎こと左文字右京、井坂十蔵、稲妻のお竜、流れ星おりんで構成される。松平定信邸に用人稲村重兵衛と訪れたのは将軍徳川家斉の御落胤と称する信吾だった。十九歳の信吾は二年前に亡くなった側室お牧の方の子だと言い、証拠として葵の御紋が入った品々を持っていた。相手の要求通りに家斉との対面を実現させ、万が一その後で信吾が偽物だとわかれば定信が責任を取って腹を切らねばならなくなるのだ。勘解由が調べたところ重兵衛は一介の浪人者で信吾との関係がわからなかった。陰で糸引く黒幕がいるのではないかと右京が口にすると、十蔵は小牧村で起きた皆殺しの生き残りについて話し始めた。惨劇の後、村に入った十蔵は村人の数と死体の数が違うという役人たちの話を聞いた。それは左平次という中年者と信吉という若者で、若者の方は半年前に神隠しに遭ったのだという。その信吉が十九歳になることから彼が信吾と同一人物ではないかと考えたのだった。その後、五人が命を狙われたことで黒幕が隠密同心による探索を恐れていることがわかると、勘解由は右京たちに六日間で御落胤の正体を暴くよう命じた。

右京はお牧の方の実の父親を当たるが、大奥から逃げた娘の消息など知らぬと冷たくあしらわれた。おりんは宿下がりの大奥女中から話を聞こうとするが、正室からひどく憎まれていることもあり名前を聞いただけで逃げ出した。そうなると取る手段は一つ、大奥に保管されている役務日記を盗み見るのだ。書庫に忍び込んだお竜は該当する日記を見つけ出し、寛政九年十一月にお牧の方が死去した際、届け出をしたのがお牧の方付だった元奥女中の叔父に当たる庄屋の徳右衛門であることを突き止めた。

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