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男はつらいよ 知床慕情

  • posted at:2021-10-14
  • written by:砂月(すなつき)
おとこはつらいよしれとこぼじょう
松竹
配給:松竹
製作年:1987年
公開日:1987年8月15日 併映「塀の中の懲りない面々」
監督:山田洋次
プロデューサー:島津清
企画:小林俊一
原作:山田洋次
脚本:山田洋次 朝間義隆
撮影:高羽哲夫
美術:出川三男
音楽:山本直純
録音:鈴木功
調音:松本隆司
照明:青木好文
編集:石井巌
スチール:長谷川宗平
監督助手:五十嵐敬司
装置:小島勝男
装飾:町田武
衣裳:松竹衣裳
美粧:宮沢兼子
現像:東京現像所
進行:副田稔
製作担当:峰順一
主題歌:「男はつらいよ」渥美清
・・・:「知床旅情」森繁久彌
撮影機材:パナビジョン
協力:北海道 斜里町 羅臼町 中標津町 柴又 神明会
出演:渥美清 倍賞千恵子 竹下景子 下條正巳 三崎千恵子
シネマスコープ カラー 107分

桜の季節が終わりツバメが辺りを飛び始めた頃、葛飾柴又の団子屋・くるまやに車寅次郎が帰ってきた。表に当分休業の張り紙があったことから叔父夫婦が温泉旅行にでも行ったのかと思っていたが、妹のさくらから竜造が風邪をこじらせて肺炎を起こして入院していることを聞き顔色が変わった。だがあと数日で退院出来ることがわかると安心したが、居ても立っても居られず病院に行った。元気そうな顔を見た寅次郎が大事にならなくてよかったと声を掛けると、竜造は感謝の言葉を返した。

その夜、疲れた顔をして帰ってきたつねは病院で起きたことをさくらや博に話した。病院の医師に手土産を渡せばそれなりに応えてくれると考える寅次郎は見舞いのついでにウイスキーを渡そうとしたのだが、病院の方針として受け取れないと担当医は突き返した。押し問答が続く中、寅次郎は無理矢理押しつけて帰ってきたのだが、担当医は二度と彼を病院に連れてくるなと激怒しつねにウイスキーを押しつけたのだった。何も知らない寅次郎が二階から下りてくるとあけみが夕食の手伝いにきていた。翌日から店を開けることになり、あけみや印刷工場のゆかりなども総動員で切り盛りすることになっているのだ。自分が除け者にされていると感じた寅次郎は何でもやると言い張るが、団子をこねると体中がかゆくなるだの、串さしは自分の目ん玉を刺すようで嫌だの、餡子を練るのは匂いを嗅いだだけで飽きっぽくなるだのと文句ばかり言ってつねを呆れさせた。それならばとさくらは帳場に座って金庫番でもしていればいいと提案した。するとあけみもその方が絵になるからと煽て、それを聞いた寅次郎は俄然やる気を出した。

翌日、言われた通りに帳場に座るが、注文の電話で相手の名前を聞きそびれ、することがないのでマンガを読み、退屈凌ぎに何度もトイレに立ち、仕舞いには居眠りを始めた。つねがこぼした小言をたまたま聞いた寅次郎は腹を立てて酒を飲みに出掛けたが、反省して帰ってくると閉店後の店の中には暗い空気が漂っていた。肝心な跡取りがあのザマだとつねは嘆き、さくらや様子を見にきた梅太郎は言葉を選んで必死になだめようとしていた。その様子を見た寅次郎は静かに扉を閉めると再び旅に出た。

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男はつらいよ 幸福の青い鳥

  • posted at:2021-10-05
  • written by:砂月(すなつき)
おとこはつらいよしあわせのあおいとり
松竹
配給:松竹
製作年:1986年
公開日:1986年12月20日 併映「愛しのチィパッパ」
監督:山田洋次
製作:島津清 中川滋弘
企画:小林俊一
原作:山田洋次
脚本:山田洋次 朝間義隆
撮影:高羽哲夫
美術:出川三男
音楽:山本直純
録音:鈴木功
調音:松本隆司
照明:青木好文
編集:石井巌
スチール:長谷川宗平
監督助手:五十嵐敬司
装置:小島勝男
装飾:町田武
衣裳:松竹衣裳
美粧:宮沢兼子
現像:東京現像所
進行:副田稔 玉生久宗
製作主任:峰順一
主題歌:「男はつらいよ」渥美清
撮影機材:パナビジョン
協力:柴又 神明会
出演:渥美清 倍賞千恵子 志穂美悦子 下條正巳 三崎千恵子
シネマスコープ カラー 102分

吹く風が少し肌寒くなった秋の彼岸のある日、いつものようにさくらがとらやへやってくると印刷工場の裏で夫の博が工員のトシオと深刻な顔をして何やら話していた。後で聞いて見るとどうやら実家でクリーニング店を営む父親が故郷に帰ってこいと言っているらしい。朝日印刷所では一昨年にオフセット印刷の機械を導入したことで一人が余剰人員となっていた。人員の削減が懸案となっていたが、気の弱い社長の梅太郎は解決出来ずに今に至ったのだ。博が工場の現状について竜造たちに説明をしていると、ご機嫌な梅太郎の娘のあけみがやってきた。暗い話が苦手な彼女はそんなのやめて寅さんの話でもしようよと言うと、抜群のタイミングで寅次郎から電話が掛かってきた。彼は今、下関を旅しているが、ここ一年とらやには帰ってきていなかったのだ。あけみから受話器を受け取ったさくらは理由を尋ねるが、寅次郎は帰りたいのは山々だがここから江戸は遠すぎるとだけ答えた。これから何処へ行くか考えあぐねた彼はテキヤ仲間のポンシュウが開く出店のコンピューター占いで決めることにした。出てきた紙には南の方角に素晴らしい出会いが待っていると書いてあったことから九州の筑豊へ向かうことに決めた。

飯塚にやってきた寅次郎は町に懐かしさを感じた。その一つが古くから名所となっている嘉穂劇場の存在だった。炭鉱が盛んだった頃に何度も足を運んだことがあり、雑用をする男に声を掛けると彼は芝居に関することを何でも知っていた。そこで寅次郎は以前世話になった中村菊之丞について尋ねるが、今年の夏に亡くなったことを知り落胆した。お悔やみを言うために彼は直方にある菊之丞に向かうが、そこでかつて大空小百合という芸名で舞台に立っていた島崎美保と再会した。一座を解散すると菊之丞は急に老け込み、往生するまで彼女はとても苦労したのだという。その夜、寅次郎が泊まったのは美保が酒宴のコンパニオンとして働く旅館だった。美保は寅次郎とゆっくり話したくてその旅館を斡旋したのだが、結局恥ずかしくてドアをノックすることが出来なかったのだ。翌朝、香典返しの品を持って現れた美保は、電車を待つ寅次郎がこれから東京へ向かうことがわかると一緒について行きたいと漏らした。彼女は今の生活にとても疲れていたのだ。力になりたいと考えた寅次郎が何か欲しいものはないかと尋ねると、美保は青い鳥が欲しいと答えた。

屋台的映画館

男はつらいよ 柴又より愛をこめて

  • posted at:2021-09-23
  • written by:砂月(すなつき)
おとこはつらいよしばまたよりあいをこめて
松竹
配給:松竹
製作年:1985年
公開日:1985年12月28日 併映「祝辞」
監督:山田洋次
製作:島津清 中川滋弘
企画:小林俊一
原作:山田洋次
脚本:山田洋次 朝間義隆
撮影:高羽哲夫
美術:出川三男
音楽:山本直純
録音:鈴木功
調音:松本隆司
照明:青木好文
編集:石井巌
スチール:長谷川宗平
監督助手:五十嵐敬司
装置:小島勝男
装飾:町田武
衣裳:松竹衣裳
美粧:宮沢兼子
現像:東京現像所
進行:玉生久宗
製作主任:峰順一
主題歌:「男はつらいよ」渥美清
撮影機材:パナビジョン
協力:柴又 神明会 式根島観光協会 東海汽船
出演:渥美清 倍賞千恵子 下條正巳 三崎千恵子 前田吟
シネマスコープ カラー 106分

以前から結婚生活に不満を抱いていた桂あけみがひと月程前に家出した。父親の梅太郎は思い悩んだ末に朝のテレビ番組の尋ね人のコーナーに出演し、涙ながらに帰ってこいと訴えた。梅太郎が生放送の番組に出ることは柴又中に知れ渡っていたが、泣き崩れるその大袈裟な様子に皆あきれ返った。だが只一人あけみだけは心打たれたのだった。伊豆・下田の旅館に泊まる彼女はとらやに電話を掛けてさくらに無事であることを伝えたが、寅次郎がまだ帰ってきていないこと知ると残念がった。彼女にとって寅次郎だけが理解者なのだ。あけみはそれ以上話さずに電話を切った。

あけみが下田にいることを知って梅太郎はカンカンだった。どうやって連れ戻そうかととらやで思案していると、そこに寅次郎が現れた。するとさくらは興奮する梅太郎を無視してこれまでに起きたことを丁寧に説明した。あけみが自分を必要としていることを知った寅次郎はわかったと答え、返す刀で下田に向かった。家出した女が金を稼ぐには水商売が手っ取り早い。そこで昔世話をした渡世人の長八を頼ると、あけみはあっさりと見つかった。港でボンヤリしている姿を見つけた寅次郎が声を掛けると、あけみはうれしさのあまり飛びついたのだった。その夜、博たちが家に帰ろうとしていたところに寅次郎から電話が掛かってきた。連れ戻しにきたことがわかるとあけみは頑なに拒否した。何か深い事情があるのではないかと考えた彼は同じ旅館に泊まって話を聞くことにしたのだが、疲れが出たのかあけみは夕食時に眠ってしまったのだ。博からそのことを聞いたさくらは早速、梅太郎に報告した。

翌朝、寅次郎とあけみは海岸にいた。彼女は聞いてもらいたいことが山ほどあったのだが眠ってしまい、目覚めたときには寅次郎は長八のところへ出掛けた後だった。改めて聞いてもらおうと話し掛けると、寅次郎は夫婦ゲンカの愚痴なんていくら聞いても面白くないと茶化した。あけみは夫・慎吾との愛について思い悩んでいたが、どうしても答えを導き出すことが出来なかった。時が解決すると考えた寅次郎は、お前次第で帰りたいならそれも良し、旅を続けるならずっと一緒に行くと言った。するとあけみは目の前に見える島に行きたいと指差した。そこは伊豆諸島の一つの式根島だった。寅次郎は行ってやろうじゃないのと梅太郎から預かった財布を見せた。

屋台的映画館

男はつらいよ 寅次郎恋愛塾

  • posted at:2021-09-14
  • written by:砂月(すなつき)
おとこはつらいよとらじろうれんあいじゅく
松竹
配給:松竹
製作年:1985年
公開日:1985年8月3日 併映「俺ら東京さ行ぐだ」
監督:山田洋次
製作:島津清 中川滋弘
企画:小林俊一
原作:山田洋次
脚本:山田洋次 朝間義隆
撮影:高羽哲夫
美術:出川三男
音楽:山本直純
録音:鈴木功
調音:松本隆司
照明:青木好文
編集:石井巌
スチール:長谷川宗平
監督助手:五十嵐敬司
装置:小島勝男
装飾:町田武
衣裳:松竹衣裳
美粧:宮沢兼子
現像:東京現像所
進行:玉生久宗
製作主任:峰順一
主題歌:「男はつらいよ」渥美清
撮影機材:パナビジョン
協力:秋田鹿角市 柴又 神明会
出演:渥美清 倍賞千恵子 平田満 下條正巳 三崎千恵子
シネマスコープ カラー 108分

学校の授業が終わり満男がとらやにやってきた。いつもと様子が違うことに母・さくらは気づいたが、それは仕事の休憩をしていた父・博も同じだった。学校で何かあったのかと博が尋ねると、満男はホームルームの時間に担任の先生から将来何になりたいのかと聞かれたことを話した。ブラスバンド部でフルートを担当していることから音楽家になりたいと答えると、先生は嘲笑しながらそんな夢みたいなこと考えずに足元を見ろと言ったのだという。それを聞いた博は、夢を持つことは結構だが、それが嫌なことから逃げるための口実ではないのかと言った。個性的に育てりゃいいんだよとつねが横から口を出すと、好きに育てても個性的になるわけではないんですと博は反論した。そこにさくらが自分の個性は自分で作り出すものだと言ったため、つねは不満げに寅ちゃんもかいと言った。するとタイミング良くその寅次郎から電話が掛かってきた。彼は今、長崎を旅していた。個性的でいいなあと満男が悪気なく言うと、あれはデタラメだと竜造は嘆いた。

五島列島の北部に位置する上五島に寅次郎はテキヤ仲間のポンシュウと連絡船で渡った。転倒した老婆・江上ハマを助けたことをきっかけに二人はもてなしを受けるが、その夜彼女の容態が急変した。ポンシュウが医者と神父を呼びに行く間、寅次郎はつきっきりで看病をするが、ハマは会えて楽しかったと言い残して息を引き取った。翌日、教会で葬儀が執り行われる中、東京から孫娘の若菜が帰ってきた。役目を終えた寅次郎たちは次の目的地へ向かおうとするが、若菜は二人を呼び止めて礼を言った。

繁華街の旅館に泊まった寅次郎は女中から江上家にまつわる話を聞いた。ハマには一人娘がいるが、東京からきた男に騙されて子供を産んだ。ところが男は逃げてしまい、残されたその娘は島民から叩かれた陰口が原因で海に身投げした。残された孫娘をハマは大切に育てたのだが、それが若菜だった。カトリックでは自殺は罪であることからハマはそのことを苦にして生きてきたのだ。若菜を不憫に思った寅次郎はポンシュウとの旅を止めて彼女に尽くすことに決めた。

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男はつらいよ 寅次郎真実一路

  • posted at:2021-09-05
  • written by:砂月(すなつき)
おとこはつらいよとらじろうしんじついちろ
松竹
配給:松竹
製作年:1984年
公開日:1984年12月28日 併映「ねずみ小僧怪盗伝」
監督:山田洋次
製作:島津清 中川滋弘
企画:小林俊一
原作:山田洋次
脚本:山田洋次 朝間義隆
撮影:高羽哲夫
美術:出川三男
音楽:山本直純
録音:鈴木功
調音:松本隆司
照明:青木好文
編集:石井巌
スチール:長谷川宗平
監督助手:五十嵐敬司
装置:小島勝男
装飾:町田武
衣裳:松竹衣裳
美粧:宮沢兼子
現像:東京現像所
進行:玉生久宗
製作主任:峰順一
主題歌:「男はつらいよ」渥美清
撮影機材:パナビジョン
協力:東亜国内航空 柴又 神明会
出演:渥美清 倍賞千恵子 下條正巳 三崎千恵子 前田吟
シネマスコープ カラー 107分

栗実る秋のある日、とらやでは騒動が起きていた。桂梅太郎の娘・あけみが夫婦ゲンカをしてアパートを飛び出し実家に帰った。ところが父親に起こられたため行く当てのない彼女はとらやを頼ったのだ。ケンカの原因はロールキャベツだった。料理の本を見て丁寧に作ったのだが、爪楊枝がなかったためにマッチの軸を代用したことが事の発端だった。話を聞き終えたさくらたちはひと言謝ればいいとアドバイスをし、梅太郎も一緒に頭を下げてやると言った。だがそこに寅次郎が帰ってきたことで話がややこしくなった。あけみは彼に助けを求め、事情を知らない寅次郎も一方的にいじめられているものだと勘違いした。そのうちに寅次郎と梅太郎の間でケンカが始まり柴又中を巻き込む騒動に発展したのだ。騒ぎを聞きつけてやってきた柴又題経寺住職の御前様は拘った者たちを寺に連れ帰り片っ端から説教した。その夜、ばつの悪い寅次郎はとらやへ戻れず上野の焼き鳥屋でヤケ酒を呷ったが、金を持ち合わせていなかったため電話でさくらに頼った。ところがいつもなら助けてくれるはずの彼女が今回は冷たく突き放したことから、寅次郎は警察の厄介になることに決めた。そんな彼を隣の席から眺めていた富永健吉は、開き直って酒を飲み続ける寅次郎の度胸に感服し支払いを肩代わりしたのだった。

翌日、ご馳走になったお礼を言うために寅次郎は名刺を頼りに、日本橋にあるスタンダード証券を訪ねた。課長の富永は彼の相手をするほど暇ではなく、応接室に誘導すると自分の持ち場に戻った。富永ともう一度飲みたいと考えていた寅次郎は例え仕事で遅くなろうとも待ち続けることにした。一方、長引いた会議が終わった富永はソファーで寝ている寅次郎に、さあ飲みに行きましょうと声を掛けた。時計の針は午後9時を差していた。富永にとって寅次郎は自分の思い出を語れる恰好の相手で、酔いに任せて故郷の枕崎から上京してきた話を繰り返した。

翌朝、寅次郎が目覚めるとそこは牛久沼にある富永の自宅だった。泥酔した彼を連れ帰ると妻のふじ子に丁重にもてなすように言ったのだ。富永は既に出勤しているため部屋には二人きり。気まずさを感じた寅次郎は手早く着替えを済ますと家を飛び出した。

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