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必殺!

  • posted at:2019-06-12
  • written by:砂月(すなつき)
ひっさつ
松竹=朝日放送
配給:松竹
製作年:1984年
公開日:1984年6月16日
監督:貞永方久
制作:山内久司 桜井洋三 野村芳樹
脚本:野上龍雄 吉田剛
音楽:平尾昌晃
撮影:石原興
照明:中島利男 芳野尹孝
美術:倉橋利韶 北尾正弘
録音:広瀬浩一
調音:本田文人
編集:園井弘一
スチール:長谷川宗平
監督助手:津島勝
助監督:都築一興
記録:野崎八重子
照明助手:中山利夫
撮影助手:秋田秀継
編集助手:関谷憲治
録音助手:山本研二
効果:鈴木信一
装置:新映美術工芸
装飾:玉井憲一
衣裳:松竹衣裳
美粧:八木かつら
現像:東洋現像所
・・:エクラン演技集団
進行:鈴木政喜 大志万宗久
製作主任:渡辺寿男 黒田満重
製作協力:京都映画株式会社
題字:糸見溪南
特技:宍戸大全
殺陣:楠本栄一
協力:大覚寺 京都 下鴨神社
義太夫:豊竹咲大夫 鶴澤清介 鶴澤八介
人形指導:吉田蓑助
鳴物:望月太明藏社中
協力:浅草 宝扇堂
出演:藤田まこと 三田村邦彦 鮎川いずみ 菅井きん 白木万理
アメリカンビスタ カラー 124分

京で大人気の操り浄瑠璃、此竹朝之助一座がやってきたことで江戸の町が賑わっていた頃、身元不明の死体があちこちで見つかっていた。それらは奇妙なことに皆六文銭を咥えていたのだった。四人目の死体が見つかった早朝、南町奉行所の同心中村主水が出勤すると奉行所の中は蜂の巣をつついたような大騒ぎだった。だが我関せずの主水がゆっくりと茶をすすり始めると、筆頭同心の田中が手早く事情を説明し始めた。未だに身寄りからの届け出がないことを知った主水は三味線屋に向かい、おりくと勇次にそのことを伝えた。おりくの表の顔は三味線の師匠だが、裏稼業である「仕事人」の元締でもあった。血の繋がらない息子の勇次も三味線の張替えなどを行っているが、裏で仕事の依頼があれば引き受けた。そして主水も。死体が皆三途の川の渡し賃である六文銭を咥えていたことで彼らが同業者ではないかと主水が話すとおりくは顔色を変えた。数日後、おりくは突然旅支度を始め、心配する勇次に今この江戸で大変なことが始まっているに違いないと言った。

金さえもらえば何でもするという何でも屋の加代を頼ってやってきたのは女郎のおきみだった。彼女が仕事人のことを知っているかと尋ねると、自身が仕事人である加代は知らないとすっとぼけた。だが十両ももっていることがわかると目の色を変えて引き留めに掛かったが、手の平を返すような態度に不審を持ちおきみは店を出て行った。気になる加代は素性を調べ上げ、彼女が池之端にある出会い茶屋菊廼家の隠し女郎として働き、路地裏で暮らしていた仙太という男が五日前から姿を消していることを突き止めたのだった。その夜、再びおきみと接触した加代は、もしかすると仕事人と会えるかもしれないと盛り場をゆっくりと歩くように指示した。言われた通りにするとやがて雑踏の中から声が聞こえ、彼女は質問に従って答えた。そして指定された神社に十両を置くとそれはいつの間にか消えていた。偶然を装って現れた加代は、きっと仕事を引き受けてくれたんだと言った。

翌日、主水は探りを入れるために菊廼家に立ち寄った。おきみの依頼は大事な「ひと」をなぶり殺しにした雇い主の伝次を始末して欲しいというものだった。その伝次を呼び出し仙太はいるかと尋ねると、何も言わずに自分からいなくなったと言いそれ以上に詮索されないよう袖の下を渡したのだ。その様子を隣の屋敷の屋根から見ていたのは瓦屋夫婦の政とよねだった。彼らもまた仕事人に拘りがあった。

屋台的映画館
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げっこうかめん/げっこうかめんぜっかいのしとう
東映(東京撮影所)
配給:東映
製作年:1958年
公開日(月光仮面):1958年7月30日 併映「若君千両傘」
公開日(月光仮面 絶海の死斗):1958年8月6日 併映「ひばりの花形探偵合戦」
監督:小林恒夫
企画:園田実彦
原作:川内康範
脚本:川内康範
撮影:星島一郎
録音:大谷政信
照明:城田昌貞
美術:藤田博
音楽:小川博興
編集:祖田冨美夫
助監督:若林榮二郎
メーキャップ:名越彰炳
美容:京空幸子
衣裳:八木一郎
記録:宮腰千代
スチール:山守勇
進行主任:山下明
撮影助手:林七郎
録音助手:岸勇
照明助手:山本辰雄
美術助手:金子元昭
装置:石森恒男
装飾:小谷春勇
電飾:金田孝夫
音響効果:岩藤龍三
主題歌:「月光仮面は誰でしょう」近藤よし子 キング子鳩会
・・・:「月光仮面の歌」三船浩
出演(月光仮面):大村文武 峰博子 小宮光江 宇佐美淳也 柳谷寛
出演(月光仮面 絶海の死斗):大村文武 峰博子 小宮光江 宇佐美淳也 柳谷寛
(月光仮面):シネマスコープ モノクロ 51分
(月光仮面 絶海の死斗):シネマスコープ モノクロ 52分

人類の滅亡と繁栄の鍵を握る世紀の爆弾「H・Oジョー発爆弾」が日本の科学者たちによって開発された。ひとたび爆発するや地上の空気は一瞬にして真空状態となり、あらゆる動植物は瞬く間に窒息することとなる。その恐ろしい爆弾の実験が発明者・中山博士の悲願を込めて極秘裏に行われようとしていた。実験は成功し計画は無事に終了したかに思えたが、第2監視所からの報告で実行寸前に危険地域内へ潜入者が逃走したことを知り関係者は沈痛な面持ちになった。爆発に巻き込まれたことは間違いなく、犠牲者が出たことを嘆く中山たちは爆心現場を調査することにした。防護服に身を包んだ彼らが現場に近づくと、その先にいた黒ずくめの4人が慌てて姿を消した。

調査から戻ると爆弾の資料が入っていた中山の鞄が盗まれていた。机の上には「H・Oジョー発爆弾の機密は貰った」という置手紙が残されており、国際スパイ団の仕業ではないかと考えた田坂博士は祝探偵事務所へ連絡するよう助手に命じた。私立探偵の祝十郎は明晰な頭脳と高い運動能力を持つ人物で警察からも絶大な信頼を得ていた。だがこの日は仕事の依頼でインドへ行くことになっていたのだ。探偵事務所で留守番をしていたカボ子は助手からの連絡を受けたのちに急いで空港に電話を掛けたが、祝は旅立った後だった。祝に仕事の依頼をしたのは国際スパイ団のアダラ・カーンだった。実験前の爆弾強奪に失敗した首領のどくろ仮面は、中山から爆弾の設計図が入った鞄を奪い取り祝から追及を受けないよう偽の依頼で遠ざけたのだが、祝の方が一枚上手だった。鞄の中は空だったのだ。怒り心頭のどくろ仮面は計画に失敗したタイガー白木に再度チャンスを与えた。

仕事を終え自宅に戻った中山の心は晴れなかった。例え死んだ人間が国際スパイ団の一味だったとしても実験の犠牲者には違いないからだ。彼は爆発によって起こる真空状態を大気圏外まで延長しロケットでの宇宙飛行計画を容易に進められるか、そして平和に寄与出来るかという問題点を考えながら研究を続けてきた。だが田坂は否定的であり、実際に悲惨な結果が出たことで最初からやるべきではなかったと悔やんでいたのだ。相談相手でもある娘のあや子は元気づけようと努力し、せめてもの慰めは設計図が相手に渡らなかったことだと中山は考えるようにした。彼は祝の指示に従い設計図の隠し場所を記した地図をペンダントに隠して肌身離さず持っていた。だが自分の命が狙われる可能性が高まったことでそれをあや子に託したのだ。一方、どくろ仮面はタイガーの妹・ジプシーのユリを家政婦として中山邸に潜り込ませていた。

屋台的映画館

劇場版 TRICK 霊能力者バトルロイヤル

  • posted at:2019-06-05
  • written by:砂月(すなつき)
げきじょうばんとりっくれいのうりょくしゃばとるろいやる
テレビ朝日=東宝
配給:東宝
製作年:2010年
公開日:2010年5月8日
監督:堤幸彦
製作:上松道夫 島谷能成
共同製作:尾木徹 水野文英 吉川鏡 長坂信人
エグゼクティブプロデューサー:平城隆司 市川南
企画:梅澤道彦 塚田素浩
チーフプロデューサー:桑田潔 山内章弘
プロデューサー:船津浩一 蒔田光治 樋口優香
ラインプロデューサー:渡邊範雄
協力プロデューサー:小久保聡 吉川大祐
コンテンツプロデューサー:高野渉
脚本:蒔田光治
音楽:辻陽
監督補:木村ひさし
撮影:斑目重友
美術:稲垣尚夫
VFX:野崎宏二
映像:中村寿昌
照明:川里一幸
録音:臼井久雄
スクリプター:奥平紋子
編集:大野昌寛
助監督:高明
装飾:山田好男
現場編集:似内千晶
制作担当:篠宮隆浩
主題歌:「月恋歌」熊谷育美
制作協力:オフィスクレッシェンド
共同製作:プロダクション尾木 朝日放送 メ~テレ オフィスクレッシェンド
出演:仲間由紀恵 阿部寛 生瀬勝久 松平健 佐藤健
アメリカンビスタ カラー 111分

日本科学技術大学理工学部教授・上田次郎のもとに一人の青年がやってきた。彼は自然豊かな万練村の青年団に所属する中森翔平で、どんな不可思議な現象も科学で証明出来るという上田を頼ってきたのだ。万練村は神が繁栄し栄えるという言葉が由来の「カミハエーリ」という霊媒師によって昔から治められてきた。カミハエーリは霊能力で天変地異を鎮め村の災いを取り除くと言い伝えられているが、50年それを務めてきた翔平の祖母が先日亡くなったことで100日以内に後任を決めなければならなくなった。何故なら大きな災いが訪れると言われているからだ。村にはカミハエーリを選ぶための特別な風習があった。それは全国から集めた霊能力者を戦わせ生き残った者を後継者とするのだ。次のカミハエーリにしたい祖母は彼が小さい頃から奇跡を引き起こす方法を授けてきた。それはマジックの類だったが、それを見た村人たちがとても驚いたことで翔平は霊能力者のふりをし続けなければならなくなったのだ。当然のことながらその戦いに彼も参加することになっており、過去に残虐な殺し合いがあったことから、翔平は二度とそうならないために霊能力者のインチキを暴いて村人たちを納得させて欲しいと上田に願い出たのだった。

「自称」超天才美人巨乳マジシャンの山田奈緒子は客の集まらないステージでも健気にこなしていたが、ある日「てじなーにゃ」の掛け声とともに現れた兄弟マジシャンに居場所を奪われクビになった。興行主はその代わりにインターネットで見つけた万練村の大会を紹介し、カミハエーリに選ばれれば貢物がもらえるかもしれないという話を聞くと奈緒子の心はぐらついた。2ヶ月分の家賃を滞納していることを大家から責められていたからだ。結局プライドよりもお金への思いが勝り、上田から週末に温泉旅行に行かないかと誘われたものの彼女の気持ちは決まっていた。

5月8日土曜日。終点へ向かうバスの中で奈緒子は奇妙な光景を目にした。それは乗客の一人が突然苦しみ始めたのだが、別の男が両手を掲げると乗客は何事もなかったように立ち上がり礼を言った。その男は奈緒子と同じく終点で降りたが、彼女が目を離した隙に姿を消した。1時間半掛けて歩きようやく村にたどり着いた奈緒子は役場で受付を済ませたが、そこにはあの男の姿もあった。実行委員長の木下権三郎によると1時間ほど前にきていたのだという。その頃、村長の宇田川八兵衛宅には上田がいた。翔平の依頼を受けることにした彼は一人で参加することを心細く感じ、温泉旅行と偽って奈緒子を誘おうとしたのだが見事に振られたのだ。宇田川からカミハエーリについての話を聞いていると、霊能力者を名乗る者が村人相手に怪しげなことをやっていると実行委員の男が飛び込んできた。それが奈緒子だとわかると上田は他人のふりをし合図を送った。

屋台的映画館

不良番長 一獲千金

  • posted at:2019-06-02
  • written by:砂月(すなつき)
ふりょうばんちょういっかくせんきん
東映(東京撮影所)
配給:東映
製作年:1970年
公開日:1970年4月18日 併映「博奕打ち 流れ者」
監督:野田幸男
企画:矢部恒 吉田達
脚本:山本英明 松本功
撮影:飯村雅彦
録音:内田陽造
照明:川崎保之丞
美術:藤田博
編集:田中修
助監督:深町秀熙
擬斗:日尾孝司
進行主任:坂上順
装置:石井正男
装飾:田島俊英
記録:高津省子
現像:東映化学
音楽:八木正生
主題歌:「番長シャロック」梅宮辰夫
挿入歌:「ダイナマイト・ロック」梅宮辰夫
・・・:「その時わたしに何が起ったの」和田アキ子
出演:梅宮辰夫 谷隼人 夏珠美 大信田礼子 山城新伍
アメリカンビスタ カラー 87分

風俗嬢の桃代と恋仲になった神坂弘は彼女から預かった10万円を増やすためにタニーと高崎競馬場へ向かった。一獲千金を夢見る神坂は最後のレースに賭け、有り金全てを大穴の1-5に突っ込む指示したが、ここまで負け続けていることを不安視したタニーは自分を信じて1-4を買ったのだ。レースは1-5となり600万円に化けたと大喜びする神坂だったが、タニーが勝った馬券が紙屑同然であることがわかると激しく怒鳴りつけた。ひと騒動ありながらもバイクで何とか新宿までたどり着いた二人は桃代のアパートに転がり込んだのだった。当分世話になることが決まり神坂が桃代の疲れた指を揉んでいるとあるアイデアがひらめいた。それは風俗嬢相手に行う指マッサージだった。この珍商売は評判を呼んだが、ふらりとやってきたスタミナ五郎という変わり者がもっと儲かる話があると言ったため神坂たちは乗ることにした。五郎の大阪時代のダチ公が大宮で特殊浴場の支配人となったが人手不足で嘆いていた。そこで二人にスカウトマンとして人材を送り込んで欲しいというのだ。神坂たちはまず「キャバレー・金の城」の女子寮の前で白衣のマッサージ師の恰好で待ち、ホステスたちが戻ってきたのを見計らって片っ端から声を掛けた。同じ客商売なら土地成金がいくらでも金を落として行く大宮の方が断然儲かるという殺し文句になびいた10人のホステスの引き抜きに成功し、手数料の20万円を手にすることが出来た。だがその状況に黙っていなかったのは金の城を経営する大矢田組だった。幹部の勝又は彼らを事務所に連れ込むと制裁を加えたが、それを止めたのは神坂の少年院時代の親友・桐原重男だった。

桃代の部屋に空き巣として入ったことがきっかけでジャブとバイキングが仲間となり、カポネ団はいよいよ大所帯となった。そうなるとマッサージやスカウトだけではやって行けなくなり新たな商売に手を出さなければならなくなった。そんな矢先、MHK受信料の集金人とラーメン屋で相席になったことでアイデアが浮かんだ神坂は本物の集金人が現れる前に上前をはねる計画を立てた。ところが苦労した割には金にならず、更には相席の集金人・生活まで養わなければならなくなったことでこれまで以上に苦労する羽目になった。その頃、極東海運新報でカメラマンのアルバイトをしているブラン子は、社長の命令である家を張っていたが、退屈していた矢先にタニーと出会ったことで会社を辞める決心をした。早速会社へ向かったが、退職金として渡された金額があまりにも低かったため頭にきてテーブルに置いてあった封筒を勝手に持ち出した。その中に入っているカセットテープには東亜船舶と旭造船が絡む汚職の会話が録音されていた。

屋台的映画館

女優霊

  • posted at:2019-05-29
  • written by:砂月(すなつき)
じょゆうれい
WOWOW=バンダイビジュアル
配給:ビターズ・エンド
製作年:1996年
公開日:1996年3月2日
監督:中田秀夫
プロデューサー:仙頭武則 小林広司
協力プロデューサー:柘植靖司 大澤茂樹
原案:中田秀夫
脚本:高橋洋
音楽プロデューサー:高木健次
音楽:河村章文
撮影:浜田毅
美術:斉藤岩男
照明:渡邊孝一
録音:武進
編集:掛須秀一
スクリプター:吉田真弓
助監督:日垣一博
制作担当:高橋伸行
特別協力:にっかつ撮影所
制作協力:ビターズ・エンド
出演:柳ユーレイ 白鳥靖代 石橋けい 大杉漣 菊地孝典
アメリカンビスタ カラー 75分

監督に昇格した村井俊男に映画を撮るチャンスが巡ってきた。撮影所の第8スタジオにはセットが組まれ、主演女優・黒川ひとみや助演・村上沙織のカメラテストが撮影担当の大谷によって行われた。製作費は限られていたが、助監督が別の映画での使い残しのフィルムをかき集めてきたため演出に多少こだわることが出来た。撮影が進む中、チェックのためにラッシュフィルムが試写されることになったが、その中に身に覚えのない映像が混ざっていた。大谷はそれが未現像のフィルムに重ねて撮影したために起こる現象と結論づけ端尺フィルムを使用することを危険視した。一方で俊男はそのフィルムに興味を持っていた。未現像であれば制作中止の映画という可能性もあったが、彼は子供の頃にテレビで見た記憶があるのだ。もしこれがNGフィルムだとしたら、場面にそぐわない長い髪の少女がバックに映っていることと関係あるのではないか考えた。

翌日は野外での撮影が行われ、一段落した夕方に皆でロケ弁を食べることになった。だが演出のことで頭の中が一杯な俊男はそれどころではなく川原で一人黙々とプランを練っていた。そんな彼の姿を可愛く思った沙織は箸を止め、声を掛けて手を振った。それに気づいた俊男も手を振り返したのだが、一瞬見えた異様な光景に目を疑った。彼女の後ろに停めてあるロケバスの窓にあの長い髪の少女が見えたからだ。だがそれはすぐに消えたため、ただの錯覚だと気を取り直した。その夜、撮影を終えた俊男は撮影所に向かい、技師の六さんにフィルムに映っていた女優のことを尋ねたが、見覚えがなく制作会社が違うから調べておくよ言われた。そのとき俊男は昼間見た少女のことを再び思い出しゾッとした。

ひとみは事務所の社長と対立し移籍を検討していた。業界内ではその女社長の評判は低くトラブルも多かった。解決策として彼女はひとみを利用しようとしたのだが、そんな状況から逃れるために拘束時間が長い映画の仕事を独自に選んだのだった。一方、新人の沙織は自分の演技に自信を持てず現場にも馴染めないでいたが、スタジオ内の和やかなムードはそれらを覆い隠した。その日の撮影終了後、俊男は一人スタジオに残って次の演出プランを練っていたが、誰もいないはずの天井の三重の方から軋む音が聞こえたため気になって仕方がなかった。するとセカンド助監督の定岡が現れ、一緒の方向なのでタクシーで帰りませんかと言った。定岡はスタジオの雰囲気を気味悪がる俊男に自身の体験を話し始めたが、数日後に起こる大事件に巻き込まれることを彼らはまだ知らなかった。

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