松竹(大船撮影所)
配給:松竹
製作年:1969年
公開日:1969年3月29日 「結婚します」
監督:斎藤耕一
製作:升本喜年
脚本:広瀬襄 斎藤耕一
撮影:小辻昭三
美術:宇野耕司
音楽:北川祐
照明:中川孝一
編集:浦岡敬一
録音:平松時夫
調音:佐藤広文
監督助手:山田良美
装置:石渡敬之助
進行:宗本弘美
マンガ:仲倉眉子
現像:東洋現像所
製作主任:沼尾鈞
主題歌:「落葉とくちづけ」ヴィレッジ・シンガーズ
協力:横浜ドリームランド 麹町会館
衣裳協力:アトリエ・ノリオ
出演:尾崎奈々 藤岡弘 ヴィレッジ・シンガーズ 早瀬久美 山本リンダ
シネマスコープ カラー 87分
城南学園演劇部が卒業公演で選んだシェイクスピア劇は好評を博して幕を下ろした。この公演が成功したのはひとえに主演を任せた田代信子の演技力にあり、彼女を舞台裏から支えた水谷ら五人のグループはこの感激を忘れないようにして卒業した後も信子を守りながら芝居をやろうと誓った。その一年後、五人は舞台を踏んでいたが、何処をどう間違ったのかサイケな格好をしたベッガーズというGSバンドで楽器を演奏していた。一方、信子は女優としてCM撮影に携わる仕事をしていたが、着ぐるみなど裏方ばかりで顔が映ることはなかった。思い通りにならない人生でも六人の中で変わらないものはお互いの友情だった。ある日、信子は母・さよの勧めでお見合いをすることになったが、結婚のことなど端から頭にない信子は水谷グループに協力を頼んだ。会場でお見合いが始まり信子が合図を出すと五人はズカズカと入り込んでやりたい放題。お見合い相手が呆れて帰って行くと皆で満面の笑みを浮かべたのだった。
純という漫画家志望の青年はノッポのノンコを主人公にしたメルヘンチックな漫画を描いていた。田舎から上京した彼は出版社に原稿を持ち込むが、編集長にあっさりと突き返された。何故ならそこで出版されている雑誌は成人を対象にした週刊コミックパンチであり、編集長は世間があっと驚くような刺激を求めていたからだ。感情移入をするノンコにそんなことはさせられないと考えた純は会社を後にするが、編集員の亜紀は彼を引き留めると喫茶店に連れて行き綺麗事ばかり言っていても通用しないと意見した。そして私が提供する面白いストーリーに従ってあなたが絵を描けばきっと素晴らしい作品が出来るはずだとアドバイスするが、純は自分が体験したり目で見て感じたことでなければ描けないと頑なに拒んだ。余程このお嬢さんが素敵なのねと亜紀が呆れて言うと、純は目を輝かせてはいと返事した。彼は二年前に東京に出てきた恋人のノンコに会いたくて上京したのだが、三ヶ月経っても手掛かりは見つからなかった。風の便りではCMの仕事をしているらしいのだが。そこでこの漫画が世に出れば気がついてくれるのではないかと考えたのだ。
普段はペンキ屋で働く純が煙突で作業をしていると下にノンコに似た女性がいることに気づいた。慌てて降りるとその足で後を追い掛けるが、女性は似ても似つかぬの別人だった。落胆する純に悦子はうちのお姉さんと間違えたのかもしれないと言った。彼女の姉は信子という名らしいがノンコに妹はいないはずだった。
屋台的映画館
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