ジェネオン エンタテインメント=電通=日本ヘラルド映画=松竹=衛星劇場
配給:日本ヘラルド映画=松竹
製作年:2004年
公開日:2005年5月28日
監督:鈴木清順
企画:遠谷信幸
プロデューサー:小椋悟 片嶋一貴
製作:森隆一 荒井善清 坂上直行 久松猛朗 中川滋弘
原案:木村恵吾
脚本:浦沢義雄
撮影:前田米造
照明:矢部一男
視覚効果:石井教雄
録音:山方浩
美術:安宅紀史
助監督:末永賢
制作担当:木村和弘
スクリプター:内田絢子
編集:伊藤伸行
キャスティング:おおずさわこ
衣裳デザイン:伊藤佐智子
ビューティーディレクター:柘植伊佐夫
振付:滝沢充子
音楽プロデューサー:北原京子
音楽:大島ミチル 白井良明
プロダクションデザイナー:木村威夫
特別協力:荒戸源次郎
企画・製作プロダクション:小椋事務所
出演:チャン・ツィイー オダギリ ジョー 薬師丸ひろ子 高橋元太郎 山本太郎
アメリカンビスタ カラー 109分
人は狸に恋をしてはなりませぬ。まして狸が人に恋するなぞ以ての外の皮算用。なれど今宵は十三夜。実る術なき恋の罠をば、一つ仕掛けてみることにいたしましょう。怖いもの知らずの百姓の弥助は提灯を持って暗闇の狸ヶ森に入り込み、背負っていた籠を降ろした。その中には黒光りする鉄の罠が入っており、それを大きな木の根元に二つ仕掛けた。その時、夜空を覆っていた暗黒雲が流れ、十三夜月が顔を出した。月光に照らされて姿を現したのは、和洋混沌とした「がらさ城」だった。
がらさ城の城主は己に酔い痴れる絢爛たる伴天連装束の男、安土桃山だった。生きとし生けるもので一番美しいのは誰じゃと問いかけると、盲目のびるぜん婆々は貴方様でございますと答えた。だが祭壇の前で煮えたぎる大ギヤマン鍋のスープを攪拌しようとした時、びるぜん婆々は異変に気付いた。表面に映る顔が安土桃山から彼の子息の雨千代の変わったからだ。そのことを知った安土桃山は激怒し、叫んだ声はやがて暁となる空に響いた。するとびるぜん婆々は奥様と同じ御処置が宜しかろうと、と助言した。安土桃山は自分に従わない雨千代の母を迷い込んだら最後、誰一人として帰れぬ快羅須山に放逐したのだ。「あの親不孝者め。死ぬより恐ろしい目に遭わせてくれよう」。びるぜん婆々は一番弟子で南蛮忍者の駝鳥道士を差し向けた、菜の花畑で棒術の修業にいそしんでいた雨千代は背後から突進してきた駝鳥道士に眠り薬をかがされ失神した。駝鳥道士は雨千代を担ぐと霊峰、快羅須山へ向かった。
駝鳥道士が目指す快羅須山の麓には狸ヶ森が広がっていた。そこへ足を踏み込むと何処からともなく蹴鞠が飛んできて駝鳥道士の頭に当たった。蹴鞠は蝙蝠に姿を変えたが、その正体は駝鳥道士の慌てふためく様子を見て喜ぶ狸だった。どうやら自分のような未熟者には手に負えないようだ。そう言って引き返そうとした駝鳥道士だったが、右足が弥助の仕掛けた罠を踏んでしまい失神したまま木の枝に逆さ吊りになった。すると狸ヶ森の滝の中から娘が現れ、片言の和言葉で歌い始めた。やがて大木の根元で気絶している雨千代に気づいた彼女は清流を流れる雪解け水に自分の衣の袖口を裂いた布を浸し彼のもとへ駆け寄ろうとした。その時娘は弥助の仕掛けたもう一つの罠を踏んでしまったのだ。彼女の叫び声は狸ヶ森に木霊し、その木霊で雨千代は目を覚ました。雨千代は清流を流れる花筏を手で掬い、娘の傷口に清水と桜の花びらをかけた。すると花びらが傷口を包み、彼女の表情から痛みは和らいだようだった。
屋台的映画館
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