東映(東京撮影所)
配給:東映
製作年:1968年
公開日:1968年12月28日 併映「博徒列伝」
監督:石井輝男
企画:俊藤浩滋 矢部恒
原案:伊藤一
脚本:村尾昭
撮影:坪井誠
録音:井上賢三
照明:川崎保之丞
美術:藤田博
編集:田中修
助監督:三堀篤
擬斗:日尾孝司
進行主任:伊藤源郎
装置:松野太三郎
装飾:上原光雄
記録:宮本衣子
現像:東映化学工業
音楽:八木正生
主題歌:「網走番外地」高倉健
出演:高倉健 長門裕之 松尾嘉代 佐々木愛 志村喬
アメリカンビスタ カラー 94分
唱和二十二年、春。復員してきた末広勝治は母ふみと会うために故郷の新橋を訪ねたが、終戦の年の五月にあった大空襲で家は跡形もなくなっていた。近くにいた人に聞いても行方は知れず、諦めて新橋駅の方へ向かった。すると進駐軍の兵士たちが無理矢理若い娘を連れて行こうとするところに遭遇し、全員を殴り倒して彼女を救出した。だが知らせを聞いて駆け付けたMPに逮捕され北海道の占領軍網走収容所に収監された。極寒の地での辛い日々を送る中、看守のジミー・中田との出会いが心の支えとなった。クリスマスの夜、ヘンリーとブラッドたちがジープで脱走した。この収容所では囚人は連帯責任を負っており、脱走者が出たことで末広が早期に釈放される可能性は潰えた。そこで彼は繋いであった馬に飛び乗るとジープを追った。するとその先で雪にはまって立往生しているところに遭遇し、母親に一刻も早く会いたい末広は彼らと対決した。三人は再び収監され、末広は囚人仲間から感謝された。
それから四か月後、釈放された末広は再び新橋を訪れて母を捜すことにしたのだが、その際に駅の北口を縄張りにしている石津組に目をつけられた。金が必要な彼は持っていたアメリカ軍の外套を路上で販売したからだ。取っ組み合いをしていると騒動を聞きつけたMPがやってきたため、捕まっては元の木阿弥と末広は雑踏に紛れて逃げようとした。するとそこに声を掛けてきたのは顛末の一部始終を見ていた喧嘩太郎こと小松太郎だった。彼は解散した松鐘組の元ヤクザで、喧嘩と聞くと居ても立っても居られない性分なのだ。その後に小松の友人が同じようにして駆け付けたが、末広はその顔を見て驚いた。昔馴染みの沖田源吉だったからだ。ふみの死ばかりでなく妹の秋子も行方知れずになっていることを知った末広は生還したことを悔やんだ。すると小松は生きてさえいれば妹にきっと会えると勇気づけた。だが彼の魂胆は別のところにあった。石津組は力があることをいいことにやりたい放題ではらわたが煮えくり返っていたのだ。沖田との二人ではどうにもならないため、死ぬ気なら命懸けで手を貸して欲しいとしつこく懇願した。すると末広は腹を決め、覚悟の証として背中に「不惜身命」と刻んだ。
屋台的映画館
PR