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江戸へ百七十里

  • posted at:2024-12-11
  • written by:砂月(すなつき)
えどへひゃくななじゅうり
大映(京都撮影所)
配給:大映
製作年:1962年
公開日:1962年7月29日 併映「宝石泥棒」
監督:森一生
企画:財前定生
原作:山手樹一郎
脚本:笠原良三
撮影:今井ひろし
録音:林土太郎
照明:岡本健一
美術:西岡善信
音楽:斎藤一郎
装置:林米松
編集:谷口孝司
擬斗:宮内昌平
助監督:井上昭
音響効果:倉島暢
製作主任:村上忠男
主題歌:「いいから いいから」五月みどり
現像:東洋現像所
出演:市川雷蔵 嵯峨三智子 中村鴈治郎 島田竜三 五月みどり

ある日のこと、作州津山藩の家老中橋茂右衛門を訪ねて浪人風情の男がやってきた。若殿が登城前で忙しい時間だからと御付きの者たちが追い返そうとするが、男はこちらにも家庭の事情があってどうしても御目に掛からなければならないと引き下がらなかった。騒動を知って茂右衛門がやってくると男は突然お邪魔して申し訳ないと頭を下げた。その男は長谷部平馬と名乗り、城主小森佐渡守高久に拘わりのある話だと言った。茂右衛門が奥の書院へ通すと、平馬はお買い上げ願いたい品があると一振の刀を差し出した。それは藤四郎兼光という銘刀であり、茂右衛門がこれを何処で手に入れたのかと尋ねると平馬は母の形見だと答えた。母の死後、彼は十歳になるまで植木屋徳兵衛夫婦に育てられたが、それから城下に町道場を開いていた祖父と昨年の秋まで暮らしていた。そしてその祖父が亡くなる間際に母の形見だと言ってその刀を渡されたが、同時に実の父親が今江戸にいる佐渡守だと言ったというのだ。双子の弟して生まれた平馬は母が亡くなると間もなく旅籠に出されたが、その真偽はわからないとも。話を聞き終えた茂右衛門が何故銘刀を当家に買い上げてもらう気になったのかと尋ねると、平馬は小森家の家宝は小森家に返した方がいいと考えたからだと言った。江戸へ出て踊りや三味線など遊芸の道を志そうとする彼にはもう刀は必要ないからだ。納得した茂右衛門は藤四郎兼光を百両で買い上げることにした。

茂右衛門は息子の茂太郎に平馬の後をつけ住まいを突き止めるよう命じた。姿を見失わないために急いで屋敷を出る茂太郎だったが平馬は外で待っていた。御役目御苦労だったなと呼び止めると、自分が疚しい者ではないことを証明するために住処が山下町にある町道場だと言った。そして今日と明日は道場や身の回りの整理、借金などを返済してから明後日の早朝に晴雨に拘わらず江戸へ出発するとこれからの予定を説明した。そしてどうしても信用出来ないというのなら国境まで見送りしても結構だと言った。わかったならそのことを御家老に伝えなさいと命じて平馬は去って行ったが、その手際の良さに驚いた茂太郎は開いた口が塞がらなかった。

屋台的映画館
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ブログ主はインドア派大分トリニータサポーター

 

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