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タッチ3 君が通り過ぎたあとに

  • posted at:2022-11-03
  • written by:砂月(すなつき)
たっちすりーきみがとおりすぎたあとに
東宝=フジテレビジョン=旭通信社=小学館=オービー企画
配給:東宝
製作年:1987年
公開日:1987年4月11日 併映「いとしのエリー」
総監督:杉井ギサブロー
監督:永丘昭典
製作:大橋雄吉
企画:角谷優 関谷猪三男 宇佐美廉
プロデューサー:藤原正道 岡正 片岡義朗
原作:あだち充
脚本:高星由美子 杉井ギサブロー
音楽:芹澤廣明
主題歌:「君が通り過ぎたあとに DON’T PASS ME BY」アルフィー
エンディングテーマ:「FOR THE BRAND-NEW DREAM」アルフィー
挿入歌:「18番目のサマーホリデー」芹澤廣明
アニメーション監督:前田庸生
作画監督:江口摩吏介
画面構成:前田実
協力監督:はしもとなおと
絵コンテ:芝山努
美術:金村勝義
編集:古川雅士
撮影監督:杉村重郎
音響監督:藤山房延
音響効果:加藤昭二
録音:伊東忠美
制作プロデューサー:対木重次
音楽プロデューサー:大石稀哉
制作:グループ・タック 田代敦巳
声の出演:三ツ矢雄二 日高のり子 林家こぶ平 田中秀幸 内海賢二
アメリカンビスタ カラー 83分

三年生になった明青高校野球部の上杉達也にとってその年は甲子園大会出場のラストチャンスとなる。自身の課題克服と、幼馴染の浅倉南の夢を叶えるために彼は日々猛特訓に励んでいた。そんな達也を支えようと南は新体操部を辞め野球部のマネージャーとなった。一方、監督の西尾茂則が急遽入院することになり、監督代理としてやってきたのは柏葉英二郎というコワモテの男だった。西尾の話では自分の教え子である柏葉は野球を心から愛し、真面目で優しい人物であるとのことだった。ところが部長を務める校長が、西尾が推挙した柏葉英一郎ではなく3歳年下の英二郎に間違えて依頼をしたことでおかしなことになった。俺流を貫く英二郎の指導方法は過酷を極めた。

かつて明青野球部のエースだった柏葉英一郎は野球を心から愛し人を思いやる人物で、当時の野球部を優勝候補にまで押し上げた。ところが英一郎が卒業し英二郎が入部すると野球部は混乱した。英二郎は兄とは真逆の性格で、短気で乱暴者で鼻つまみ。その後、暴力事件を起こして退部に追い込まれ、この恨みは必ず返してやると言って去ったという。

英二郎は休日にも容赦なく練習スケジュールを組み込んだ。日曜日の朝、喫茶・南風で達也が腹ごしらえをしていると11時にグラウンドに集合よ南が言った。少しは体のことを考えて欲しいな、あの鬼めと達也が愚痴っていると、そこに入ってきたのは英二郎だった。何か用ですかと尋ねると、彼はコーヒーを飲みにきただけだと言った。コーヒーが運ばれてくると、英二郎はお前、弟がいたんだってなと達也に言った。出来のいい弟で成績は常に学年トップ、1年生にしてエースのそいつが投げれば甲子園は決定的だったのに予選決勝の日に交通事故。その弟がいなくなって今じゃお前が明青のエースってわけか。亡き弟のために兄が力投、涙のドラマってわけだ。それを聞いた達也が何が言いたいんだよと怒鳴ると、英二郎は別にと言って財布を取り出したが、その時に一枚の写真が滑り落ちた。そこには南と同じくらいの歳の女性が写っていた。

屋台的映画館
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キカイダー01

  • posted at:2022-10-31
  • written by:砂月(すなつき)
きかいだーぜろわん
東映
配給:東映
製作年:1973年
公開日:1973年7月18日 併映「仮面ライダーV3対デストロン怪人」「マジンガーZ対デビルマン」「ロボット刑事」「バビル2世 赤ちゃんは超能力者」「魔法使いサリー」
監督:永野靖忠
企画:平山亨 吉川進
原作:石森章太郎
脚本:長坂秀佳
音楽:渡辺宙明
演奏:スクリーンミュージック
主題歌:「キカイダー01の唄」子門真人
・・・:「01ロック」子門真人
スーツアクター:三島幸男
スタントマン:高橋健二
オートバイスタントマン:室町健三
擬斗:三島一夫
撮影:相原義晴
照明:石垣敏雄
録音:織本道雄
編集:松谷正雄
美術:森田ふみよし
記録:高橋扶佐緒
計測:斉藤健
特撮:特撮研究所 藤井和文 (株)特効
助監督:青木弘司
進行主任:奈良場繁
オートバイ製作:カワサキオートバイ
装置:紀和美建
現像:東映化学
出演:池田駿介 隅田和世 久里みのる 五島義秀 津路清子
アメリカンビスタ カラー 24分

ロボット工学の世界的権威である光明寺博士が開発した戦闘用アンドロイド・キカイダーの活躍により悪の組織・ダークは壊滅した。だがその三年後、ダークを率いたロボット工学者のプロフェッサー・ギルの脳髄を移植したハカイダーが出現した。彼はダークの最高水準の科学者三人の脳髄を移植したレッド、ブルー、シルバーのハカイダー三人衆を従えてハカイダー部隊を結成し世界征服を目論んだ。まず手始めとして計画の遂行に不可欠となる重要な秘密を握る少年・アキラを誘拐することにした。

アキラは自分がどんな生活をしていたのかすら覚えておらず、ここ数日たった一人で当てもなく歩き続けていた。だが微かに父親の記憶だけは残っていた。そして無意識のうちに向かっていたのは原子力発電所だった。ハカイダー部隊は彼の居場所を突き止め執拗に追った。同じ頃、寺院の門の横に置かれている仁王像の目が光り、崩れ落ちた像の中から太陽電池の力で動く正義の戦士・キカイダー01が現れた。01は日本を取り巻く悪の力が増大し巨大な悪のエネルギーとなって一般市民の平和な生活を脅かす危険が生じたときに仁王像の中に組み込まれたコンピューターが自動的に起動するシステムになっていたのだ。

何故自分が追われているのかわからないアキラは配管を通って地上へ抜け出すが、そこで待っていたのは謎の老婆だった。彼女はアキラを保護しようとするが、そうとは知らずに手をすり抜けその先で待っていたハカイダー部隊に捕まった。その時何処からかトランペットのメロディーが聞こえ、イチローという青年が現れた。彼はハカイダーの攻撃を掻い潜ると01に変身した。そしてアキラを助け出すとサイドカー・ダブルマシーンで追手を振り切った。

屋台的映画館

春子超常現象研究所

  • posted at:2022-10-28
  • written by:砂月(すなつき)
はるこちょうじょうげんしょうけんきゅうじょ
「春子超常現象研究所」製作委員会
配給:S・D・P
製作年:2015年
公開日:2015年12月5日
監督:竹葉リサ
エグゼクティブプロデューサー:外山康弘
クリエイティブプロデューサー:蔭山周
プロデューサー:小野恵賜 竹葉リサ
共同プロデューサー:西村喜廣 合アレン
脚本:竹葉リサ
撮影:Shu G.百瀬
照明:太田博
録音:百々保之 高島良太
衣裳監督:Mikio Sakabe
衣裳:戸村優香
美術監督:片桐真理子
ヘアメイク:元木美紗
特殊造形:北落香奈子
マジックエフェクト:テツヲ
アクション監督:田渕景也
助監督:成田将
脚本協力:金子二郎
音楽:藤永憲太郎
主題歌:「Day and Night」Andersons
編集:西村喜廣
制作:有馬圏 Scott Nankivel
出演:中村蒼 野崎萌香 青木さやか ブラザートム  黒木正浩
アメリカンビスタ カラー 73分

超常現象に憧れ追い求めていた大月春子は、書道部の先生をしていた父親のエコひいきのせいで孤立した高校生活を送り家族のことが嫌いになった。それから10年後、フリーターとなって独り暮らしをしていた彼女はテレビに悪態をつく毎日を送っていた。その悪態が1万回を迎えたときテレビの電源が切れた。驚いた春子は何勝手に切れてんだよとブツクサ言いながらテレビを叩くが、「切れたんじゃねえよ、ブチ切れてんだよ」と何処からか男の声が聞こえた。その声の主はテレビだった。閃光とともに現れた人の姿をしたテレビは春子を指差し「お前の独り言は聞き飽きたわ」と怒鳴った。目の前で起きた超常現象に心ときめいた彼女は早速パソコンで検索するが、過去にテレビ頭の男が現れたという事例は見つからなかった。これがオリジナル超常現象だと確信した春子は待ちに待った幸運が訪れたのだと喜んだ。もうこれ以上悪態をつかれるのは御免だとテレビは出て行くが、入れ替わりにやってきたのはMNKの集金人だった。テレビが出て行ったためうちには関係ないと断ろうとしたのだが、集金人とバッタリ会ったテレビがこの部屋に住んでいると言ったため支払わなければならなくなった。春子は仕方なく「超常現象研究所」という宛名で領収書を切ってもらうことにした。

幼稚園の時に勉強をさせられ過ぎて一時的に目が見えなくなった春子だったが、回復すると今度は余計なものまで見えるようになった。テレビとの出会いは今まで体験した超常現象の中でも最高傑作だった。成り行きで奇妙な同棲生活が始まると春子は不思議な魅力を持つテレビの虜になった。公園でブラブラしていると子供たちから石を投げられヒモと呼ばれたことから、テレビは就職活動をすることにした。ラブホテルの受付の面接に行ってみたが断られ、その代わりに臓器の運び屋の仕事を紹介された。気が進まず公園のトイレで用を足しているとアラブ人から声を掛けられた。二人が会話しているのを隣で見ていたMNK番組プロデューサーの鈴木は彼をスカウトした。テレビがアシスタントを担当することになったのは教育テレビの「やさしいアラビア語教室」だった。収録の出来栄えに満足し気を良くした鈴木は、ラジオのフランス語講座も任せることにした。何せテレビは12か国語を操れるのだ。彼の人気は瞬く間に上昇し一躍時の人となった。そんなテレビを春子は陰から寂しげな目で見つめた。

屋台的映画館

木枯し紋次郎

  • posted at:2022-10-25
  • written by:砂月(すなつき)
こがらしもんじろう
東映(京都撮影所)
配給:東映
製作年:1972年
公開日:1972年6月21日 併映「男の代紋」
監督:中島貞夫
企画:俊藤浩滋 日下部五朗
原作:笹沢佐保
脚本:山田隆之 中島貞夫
撮影:わし尾元也
照明:中山治雄
録音:溝口正義
美術:吉村晟
音楽:木下忠司
編集:堀池幸三
監督補佐:牧口雄二
助監督:志村正浩
記録:田中美佐江
装置:米沢勝
装飾:宮川俊夫
美粧・結髪:東和美粧
演技事務:森村英次
スチール:諸角義雄
衣裳:豊中健
擬斗:上野隆三
進行主任:渡辺操
協力:三宅島観光協会 東海汽船株式会社
出演:菅原文太 伊吹吾郎 渡瀬恒彦 山本麟一 賀川雪絵
シネマスコープ カラー 91分

上州新田郡三日月村出身の無宿渡世、三日月の紋次郎はある日、甲州切石の忠兵衛一家に草鞋を脱ぎ一宿一飯の恩義に預かった。そして先客の日野の左文治とともに助っ人として手を貸した。出入の相手は浪人衆を抱える大門の岩五郎一家で、向かってくる相手を片っ端から斬り倒した。役目が終わると左文治はあんたと五分のつき合いをしたくなったから兄弟分の杯を交わしたいと言った。だが紋次郎は誰とも杯を交わさないと心に決めていたため、気持ちだけありがたくいただくと言いその場を去ろうとした。すると左文治はこのまま別れたくないから俺のところにきちゃくれねえかと言った。それから程なくして紋次郎は関八州見廻り役に召し捕らえられ入牢となった。日野宿の貸元で十手預りの井筒屋仙松を殺害した罪である。天保六年、罪状により紋次郎は三宅島へ島送りにされた。

三宅島の流人の数は二百二十二人、彼らは伊賀谷、神着、伊豆、阿古、坪田の五ケ村に村割りされて生活していた。未遂も含めて死罪となる島抜けにほとんど成功した試しはなかったが、にも拘らず流人たちがそれを企てたのは島での生活があまりにも苦しく悲惨だったからだ。金も田畑も船もない彼らにとって飢えを凌ぐ道は島の人々の情けに縋り仕事を与えてもらうしかなく、他人を押しのけてでも獲得しなければ生きることが出来ないのだ。流人たちにとって最後の夢は二本の蘇鉄だった。この蘇鉄に花が咲くと必ず御赦免船がくると信じられていたからだ。何時咲くかも知れぬ蘇鉄の花を流人たちは赦免花と呼んでいた。

神着村に住む房州鴨川の漁師捨吉、武州無宿の清五郎、植木職人の源太、元遊女のお花の四人は島抜けを目論んだ三人が処刑されたばかりにも拘らず島抜けを企てていた。邪な考えを持つ愚か者などいないと役人が油断するに違いないと考えていたからだ。そこで清五郎は頼りになりそうな紋次郎に声を掛けたのだが、断られたためその理由を教えて欲しいと頭を下げた。すると紋次郎は遠くを見ながら島抜けをすれば迷惑を被る人がいると言った。

ある夜、左文治は井筒屋の仙松という十手預りの男を堪らず斬ったと紋次郎に言った。仙松は両替屋の娘のお夕という女を手籠めにしようとしたのだという。左文治は紋次郎が彼女に密かな恋心を抱いていることを知っており、兄弟分として手を下したのだ。自首をして申し開きすれば死罪は免れるが、床に臥す母親を見捨てることになる。その話を聞いた紋次郎は思案した。左文治のところに草鞋を脱いで半年ほども厄介になり、彼の母親を肉親のように感じていた。紋次郎は母親が死んだら本当の下手人として名乗り出るという左文治の言葉を信じ身代わりになることに決めた。

屋台的映画館

ハッピーフライト

  • posted at:2022-10-22
  • written by:砂月(すなつき)
はっぴーふらいと
フジテレビジョン=アルタミラピクチャーズ=東宝=電通
配給:東宝
製作年:2008年
公開日:2008年11月15日
監督:矢口史靖
製作:亀山千広
エグゼクティブプロデューサー:桝井省志
企画:石原隆 小形雄二 島谷能成 中村光孝
プロデューサー:関口大輔 佐々木芳野 堀川慎太郎
脚本:矢口史靖
脚本協力:矢口純子
音楽:ミッキー吉野
主題歌:「COME FLY WITH ME」FRANK SINATRA
撮影:喜久村徳章
照明:長田達也
録音:甲斐匡
美術:瀬下幸治
装飾:秋田谷宣博
整音:郡弘道
編集:宮島竜治
記録:松澤一美
キャスティング:吉川威史
助監督:山口晃二
製作担当:荒木正人 齋藤玉恵
特撮監督:佛田洋
VFXスーパーバイザー:野口光一
VFXプロダクションマネージャー:横尾裕次
製作プロダクション:アルタミラピクチャーズ
出演:田辺誠一 時任三郎 綾瀬はるか 吹石一恵 田畑智子
シネマスコープ カラー 103分

副操縦士の鈴木和博はホノルル行き1980便で路線訓練の試験に合格すれば、OJT(On the job training=実践しながらの訓練)終了となり機長に昇格する。幸いなことに試験教官は温厚な望月教官が担当することになっていたことから和博は楽勝だと考えていた。ところが当日になって望月が風邪をこじらせてしまい、代わりにやってきたのは厳しさで知られる原田教官だった。シミュレーターの操縦訓練では難解なプログラムを前にしてパニックに陥っており、今度こそうまく出来るか心配でたまらなかった。

新人キャビンアテンダントの斎藤悦子は同僚の田中真里や高田郁美とともに1980便で初めて国際線フライトに乗務することとなっていたが、搭乗開始前のブリーフィングに遅刻した。そこで待っていたのは鬼チーパーとして恐れられているチーフパーサーの山崎麗子だった。離陸前の室内作業で段取りがわからずモタモタしていると手慣れたCAたちから睨まれた。

出発前の点検で飛行中の速度を計るピトー管を凍結から守るヒーターの一部とスタートバルブに故障が見つかったが、若い整備士の中村弘樹は先輩の小泉賢吾の指示を仰がずに勝手に作業を始めた。出発時間が迫る中、気が気ではない小泉は7分でやれと命令した。

空港カウンターでも騒動が起きていた。1980便のエコノミー席が三席オーバーセールとなっており、吉田美樹は三人の家族連れを優先するためにビジネス席からファースト席に一人、老夫婦をエコノミー席からビジネス席に移動させた。問題は一席残ったビジネス席だったが、美樹はサラリーマン風の男性と交渉して快く聞き入れてもらった。その様子を見たグランドスタッフの木村菜採は後輩の成長を喜んだ。

OCC(オペレーションコントロールセンター)に気象状況を問い合わせ、問題ないことを確認した和博は原田にそのことを報告した。そして四つあるピトー管はヒーターの故障が一つだけであれば修理の持ち越しが可能なのでこのまま出発出来ると自信なさげに言うと、原田はいいだろうと親指を立てた。和博の口からは安堵のため息が漏れた。

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